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ミステリの祭典

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蟷螂の斧さんの登録情報
平均点:6.09点 書評数:1660件

プロフィール| 書評

No.1420 7点 世界推理短編傑作集1【新版】
アンソロジー(国内編集者)
(2021/04/29 17:51登録)
①「盗まれた手紙」エドガー・アラン・ポーポー 8点 「ポオ小説全集4」で書評済
②「人を呪わば」ウィルキー・コリンズ 6点 1858年の作品 「月長石」の作者がこのようなユーモア系の作品を書くとは。笑えます
③「安全マッチ」アントン・チェーホフ 6点 マッチを持っている人物が犯人?。この人物がおとぼけで笑ってしまう
④「赤毛組合」アーサー・コナン・ドイル 6点「シャーロック・ホームズの冒険」で書評済
⑤「レントン館盗難事件」アーサー・モリスン 5点 何故高価な宝石を盗まずに安物を選んだか?当然そうなるよね
⑥「医師とその妻と時計」アンナ・キャサリン・グリーン 8点 盲目の医師が自分が犯人という。しかし、動機を言わない。短篇なのに重厚。悲しい人間ドラマ
⑦「ダブリン事件」バロネス・オルツィ 7点 遺言書の真贋。これが「隅の老人」という安楽椅子探偵の作品だったのですね。お初でした
⑧「十三号独房の問題」ジャック・フットレル 9点 独房からの脱出もの。題名はよく目にしていました。なるほど傑作


No.1419 7点 世界推理短編傑作集3【新版】
アンソロジー(国内編集者)
(2021/04/28 17:29登録)
新版(世界推理短篇傑作集)と旧版(世界短編傑作集)とでは、3編が入れ替わっています。④~⑩は旧版で評価済み。
①「三死人」イーデン・フィルポッツ 9点 三人が殺されたが動機が見当たらない。証拠を積み上げて謎を解くものではなく、状況証拠から心理を読み解くもので感心感心(笑)
②「殺人者」アーネスト・ヘミングウェイ 3点 題名は「殺し屋」が妥当でしょうね。二人の殺し屋が町の食堂にやって来て、ある人物を殺そうとする。絶品であるらしいが、短編としてのオチもなくよくわかりません
③「窓のふくろう」G・D・H&M・コール 7点 ラッパ銃(散弾)で撃たれた死体。犯人はどこから撃ったのか?部屋にはそれらしい場所がない。血痕から思わぬ展開
④「キプロスの蜂」アントニー・ウイン 7点
⑤「堕天使の冒険」パーシヴァル・ワイルド 6点
⑥「茶の葉」エドガー・ジェプスン& ロバート・ユーステス 7点
⑦「偶然の審判」アントニイ・バークリー 9点
⑧「イギリス製濾過器」C・E・ベチョファー・ロバーツ 4点
⑨「夜鶯荘」アガサ・クリスティー 6点
⑩「完全犯罪」ベン・レイ・レドマン 6点 


No.1418 7点 一ダースなら怖くなる
阿刀田高
(2021/04/27 17:45登録)
(再読)著者らしいブラックユーモアが堪能できました。
①妖虫 7点 合成樹脂を食べる虫を発見、金もうけを夢見るが・・・。発表当時はインパクトがあった。しかし今ではオチはすぐわかってしまう
②スリランカ気質 3点 その意味の説明だけかい?
③友を裏切るなかれ 9点 友と買った宝くじが当たり、友を殺してしまう。やがて刑事が来て・・・これぞ短篇のどんでん返し
④進化論ブルース 6点 結婚まじかの二人。お互い告白することが・・・思わず噴き出した。SF風
⑤結婚嫌い 7点 結婚を考えている若者に、離婚経験者が語る。結婚なんて止めた方がいいと。ほんとに「余計な」お節介をしてしまったものだ
⑥湖畔の女 6点 生き血を吸う代わりに夢を与えてくれるという謎の女性。私は血を吸われた?
⑦閉じた窓 8点 窓の外の庭に幽霊が現れる?ブラック系ホラー
⑧雪うぶめ 8点 少年期のあやまりが20年後に・・・陰鬱で重い。幻想ホラー系
⑨格子模様の夜 7点 主人公(作家)が小説の中から現実の世界へ抜け出すと・・・小説へ戻ってからのオチ
⑩女難 6点 女運のない男。死ぬときも運がない
⑪背後の女 5点 心中の片割れが幽霊に?
⑫青い瞳 6点 戦後、不明となったダイヤを探す旅へ。欲をかくと・・・


No.1417 7点 異常の太陽
森村誠一
(2021/04/26 18:43登録)
①鳩の目 6点 銀行員の富枝は愛人のため小切手詐欺を手伝う。愛人から民芸品鳩車を土産にもらったが鳩の目が欠けていた・・・
②異常の太陽 5点 子供の描いた絵がヒントというが、その説(心理分析)にはリアリティがない
③赤い蜂は帰った 8点 実験で放った赤い蜂が一匹だけ別の場所で発見された・・・結末(刑事の推理)と地の文で矛盾があると思って読み直したら、ちゃんと書いてありました。完全に引っかかりました。よって+2点(笑)
④残酷な視界 5点 「裏窓遊び」と称して覗きするOL。殺人現場を目撃してしまう・・・彼女の運命は?
⑤肉食の食客 7点 私の母と関係を持ち、更に妻にまで色目を使う叔父に、私は殺意を抱く。古典にあるパターンですが「蟻」をうまく使っています
⑥奔放の宴 8点 妻が結婚前、友人に騙され乱交パーティに参加していることを知った夫は・・・殺人事件が絡むどんでん返し
⑦七日間の休暇 7点 父なし子のたどる半世紀。ひき逃げされ記憶を失った女性と旅をするが・・・社会派風。むなしいラスト


No.1416 8点 密閉山脈
森村誠一
(2021/04/25 17:30登録)
このトリックは自分にとって初出であり、皆さんと違いポイントは非常に高いです(笑)。山での荼毘のシーンは迫力がありましたねえ。また、殺人ではないかと気付くきっかけもよくできていると思います。ただ、ヒロインの心理(恋心)の変遷は微妙かも?。まあ、総合的に見て大変良くできた力作であると思います。


No.1415 6点 雲の中の証人
天藤真
(2021/04/24 16:14登録)
①雲の中の証人 8点 弁護士からあり得ないアリバイ証人を捜すよう仰せつかった。絶対無理!しかし、奇跡は望むところに起きる???。途中の推論が絶品で、これが真相だったら大どんでん返し(笑)
②逢う時は死人 5点 横領の発覚を恐れ自殺?。日記にはNなる女性の影が・・・初期の作品で、ユーモア系ではない。偶然がご都合主義かなとの印象
③赤い鴉 6点 一過性精神障害で無罪の判決。その真似をしようと試みるが・・・シリアス系
④公平について 6点 最初の裁判で、窃盗犯は証拠がなく無罪に。さて、2回目は?ユーモア系
⑤悪徳の果て 6点 悪徳産婦人科の話。解説の「秘められた愛を見詰める作者の優しさが伝わってくる」より嫌悪感の方がつよく後味は悪い。フォローできるような人物ではない(苦笑)
⑥或る殺人 7点 題材は社会派風ですが、著者らしい雰囲気の作品でした。こんなとんでもない裁判官が昔はいたのかなあ・・・


No.1414 7点 さあ、気ちがいになりなさい
フレドリック・ブラウン
(2021/04/23 17:29登録)
異色作家短篇集の一冊
①みどりの星へ 8点 地球への帰還欲求が高じて・・・ラストの狂気は哀れ
②ぶっそうなやつら 7点 脱獄犯の報に駅にいる二人はお互い疑心暗鬼に・・・笑える
③おそるべき坊や 6点 何も知らないいたずら坊やが世界を救う???発想が面白い
④電獣ヴァヴェリ 7点 電波を喰う侵略者が地球にやってきた・・・ノスタルジック
⑤ノック 7点 地球上にたった一人残された男の部屋にノックの音が・・・・・誰??ニヤリ
⑥ユーディの原理 5点 暗示をすると実現する装置。小説を書きたい。すると・・・
⑦シリウス・ゼロ 6点 異星人は地球人の思いや考えから絶世の美人を作り出したが・・・ほっこり
⑧町を求む 4点 ヤクザが町を支配したい。その町とは・・・皮肉
⑨帽子の手品 7点 帽子からねずみを取り出した青年は宇宙人? ユーモアorSF?
⑩不死鳥への手紙 5点 18万年も生きてきた男のメッセージ。まとも過ぎるかも
⑪沈黙と叫び 5点 駅長はベンチに座る男に対し人殺しと叫ぶが、男は耳が聞こえない振り?。不条理
⑫さあ、気ちがいになりなさい 8点 記憶喪失の男。実は記憶はあるのだ。自分がナポレオンであるという・・・SF的解釈をしないと混乱必須


No.1413 7点 激突!
リチャード・マシスン
(2021/04/22 18:33登録)
①激突! 8点 スピルバーグ監督の「激突!」(1971年)の原作。映画は、ほぼ原作どおりで2、3のエピソードが追加されていたように思います。あおり運転をするタンクローリーのドライバーが不気味です。このプロットを考え付いた者勝ちといった感じ
②狂った部屋 5点 怒り易い男が妻や家具などに当たり散らす。その結果・・・ホラー系
③屠殺者の家 6点 ゴースト・ストーリー。若い女性(肖像画)の性的な誘いがあるところがユニーク
④蒸発 7点 妻が消え・・と言っても普通の蒸発ではない。ラストはなんとも言えない余韻。SF系ホラー
⑤不吉な結婚式 7点 彼は木曜日の結婚式は悪魔のせいでダメという。悪魔の迷信を信じる彼は花嫁の「抱き上げて敷居を超えて」に対し・・・笑えるショート・ショート


No.1412 6点 殺人鬼(角川文庫版)
横溝正史
(2021/04/21 17:31登録)
①殺人鬼 6点 おおよその筋は予想できる。金田一の推理もほぼ推論で終始
②黒蘭姫 4点 黒蘭姫と呼ばれる万引き常習犯が殺人?
③香水心中 6点 善人がはずみで二度も殺人を犯してはいけません(苦笑)
④百日紅の下にて 8点 前半は乱歩+谷崎潤一郎風でいい雰囲気、後半は毒入り事件を解くという展開となり、ややチグハグな感じを受けましたが真相で挽回


No.1411 6点 笑え、シャイロック
中山七里
(2021/04/20 18:01登録)
裏表紙より~『入社3年目の結城が配属されたのは日陰部署の渉外部。しかも上司は伝説の不良債権回収屋・山賀。憂鬱な結城だったが、山賀と働くうち彼の美学に触れ憧れを抱くように。そんな中、山賀が何者かに殺され――。』

~半沢直樹に対抗?と思ったら、出版社よりの依頼(金融もの)だったそうです。当然、殺人も入れてとのことですが、ミステリーとしての殺人はオマケ程度でした(苦笑)。やはり、メインは金融機関の裏方業務である債権回収の物語にあります。回収のアイデアは現実にあるかも?と思わせるようなレベルで結構楽しめました。


No.1410 5点 マツリカ・マトリョシカ
相沢沙呼
(2021/04/19 17:26登録)
前作のシリーズを読んでいないので背景(謎の女性マツリカや主人公の姉の存在)が分からない。概要は説明して欲しいところ。好みの問題なので仕方ないのだが、多重解決ものにほとんど興味が湧かない。一つでも面白い推理あればと思うのだが、それがないと高評価は中々つけがたい。「なぜ胸ポケットに自転車の鍵が入っていたのか?」が最大の「カギ」になるのだが、これに必然性を感じられないのが弱い点。まあ、これがないと物語自体が成立しないのだが・・・。密室ものはよほどのトリックでないと・・・・とも思う次第です。


No.1409 7点 一角獣・多角獣(異色作家短篇集)
シオドア・スタージョン
(2021/04/18 06:24登録)
いかにも異色作家の作品集と言えます。小難しい表現が多いので、一読や流し読みでは意味不明の恐れあり
①一角獣の泉 7点 青年デルは地主の娘リタに翻弄させられ盲目に・・・幻想的な大人の童話
②熊人形 6点 熊人形が怪物だった?・・・予知夢
③ビアンカの手 5点 知的障害のある娘。彼女の美しい手に魅せられた青年の行く末は・・・フェチ系のホラー
④孤独の円盤 9点 円盤を目撃した女性が自殺未遂。その理由は?・・・題名の意味が分かる愛の物語
⑤めぐりあい 7点 青年は理想の恋人に出会う。人間の創造力には、心霊的な世界に触れ、具象化させる力があるらしい・・・摩訶不思議な「シジジイ」の世界
⑥ふわふわちゃん 6点 男は猫が嫌い。猫も男を嫌っている。その結果・・・しゃべる猫が登場
⑦反対側のセックス 7点 シャム双生児が殺された?・・・⑤の「シジジイ」の具体的な説明がなされるSF
⑧死ね、名演奏家、死ね 8点 俺は幸運をつかむバンドリーダーが憎い・・・題名にもこめられている怨念
⑨監房ともだち 5点 同房の男の胸が異常に大きい。脱走するというが・・・洗脳?
⑩考え方 6点 逆の発想をする男。その弟が殺された・・・その行動(考え方)は一瞬面白いと思うが結局同じ結果じゃないの?


No.1408 5点 夫以外
新津きよみ
(2021/04/17 19:19登録)
「夫」がキーワードとなっている短篇集。イヤミスかと思いきや
①夢の中 6点 夫を亡くした聖子は何事にも夢中になれない。イケメンの亡父の甥が現れると…プチどんでん返し
②元凶 7点 口も利かない夫。妻は事故で記憶喪失に・・・ユーモア系
③寿命 4点 未婚の母であった私も還暦。娘が妻子ある男性と。私は父から目の黒いうちは許さないと言われたが・・・
④ベターハーフ 6点 夫婦間でないと臓器提供はできないと言われ・・・
⑤セカンドパートナー 4点 結婚してから害のない男友達といっても、夫は理解せず・・・
⑥紙上の真実 5点 女性にとって、姓、家とは?


No.1407 8点 鳥―デュ・モーリア傑作集
ダフネ・デュ・モーリア
(2021/04/16 17:28登録)
①恋人 8点 切ない恋物語。彼女は墓場で眠るという。ホラー系?・・・反転がお見事
②鳥 9点 登場人物、筋は映画とは違います。カモメの大群が海に浮かぶ描写は印象的。鳥が目を襲撃してくる恐怖。ラスト煙草を忘れた主人公の嘆き。うまいね
③写真家 6点 侯爵夫人と写真家の青年との束の間のロマンス。他の書評では情事と書かれている方が多いがプラトニックの方が適切な表現?(笑)
④モンテ・ヴェリタ 8点 若妻が山の修道院に姿を隠す。夫とその友人、二人とも彼女を愛していた・・・幻想的な短篇です。「ここには救世主も神もない。光と命を与えてくれる太陽があるだけ」が印象的
⑤林檎の木 8点 庭のリンゴの木が、亡くなった妻の姿に似ている。ホラー系
⑥番(つがい) 5点 題名は旧題「オールド・マン」「爺さん」の方がベター。訳者は本作の趣旨が分かっていなかったんだろう(苦笑)
⑦裂けた時間 8点 夫人が自宅に帰ると他人がいる。陰謀?記憶喪失?そういう手があったのか
⑧動機 8点 夫人が拳銃自殺。探偵が動機を探るが・・・彼女の心中までは?
バラエティに富んだ作品集でした。


No.1406 6点 いま見てはいけない
ダフネ・デュ・モーリア
(2021/04/15 17:07登録)
①いま見てはいけない 8点 娘を失くしたばかりの夫婦の前に盲目の霊能者が現れ・・・じわっとくる恐ろしさ。伏線も見事。映画化「赤い影」されたのも頷ける
②真夜中になる前に 4点 クレタ島で災いをもたらすような夫婦に出会う。ギリシャ神話と絡めているが効果は?マーク
③ボーダーライン 7点 父が急死。娘は疎遠となっていた父の親友を訪ねるが・・・その親友とは?
④十字架の道 6点 エルサレムツアー一行の受難と復活?ませた9歳の子供の目線が楽しい
⑤第六の力 5点 内密な実験を行っている研究所へ出向を命じられたが・・・魂(エネルギー)は存在?


No.1405 6点 破局
ダフネ・デュ・モーリア
(2021/04/14 17:12登録)
短篇らしいオチがないのが特徴と言えばばいいのか?捉えどころのない曖昧さで、後でじわっとくる感じとでもいうのだろうか?不思議な雰囲気(奇妙な味とも違う)の作品集でした。
①アリバイ 6点 男はある親子(母・息子)を殺害しようと、その家の地下室を借りるが・・・男も母親も精神のバランスが崩れており、非常に不安定な気持ちになる。題名のアリバイは不在証明ではなく、語源の「他の所」という意味のようです
②青いレンズ 6点 眼の手術で仮の青レンズを入れると見えるものが違っていた。それはありのままの姿といういうが・・・
③美少年 7点 美少年に魅せられた男は美少年の親せきに騙されるのだが・・・人間の性は治らない?
④皇女 6点 不老の水が湧くというある国の盛衰を寓話風に描いた作品。いい加減な情報に操られてしまう人の心は現代も同じ
⑤荒れ野 5点 口のきけない幼子が大自然の中で・・・童話風でいい話なんですがミステリの採点なので
⑥あおがい 6点 30代後半の女性の独白。両親、夫、愛人について。どうして私は不幸なんだろう。題名は貝。原題は「カサガイ」で巻貝。しがみつくという意味もあるようだ


No.1404 6点 Dの殺人事件、まことに恐ろしきは
歌野晶午
(2021/04/13 17:36登録)
どのように現代風にアレンジしているのかが見ものです。近未来的なハイテクも登場
①椅子?人間! 6点 元カレがストーカーに・・・まことに恐ろしきは「人間椅子」
②スマホと旅する男 6点 スマホに写っている女性は誰?そして旅する男の正体は・・・夢か幻か?
③Dの殺人事件、まことに恐ろしきは 7点 娘が上半身裸で死亡。背中には鞭の痕。犯人はSM愛好者?”D坂の殺人”でないところがミソ
④「お勢登場」を読んだ男 4点 茶箱に認知症の義父を閉じ込めることを思いつくが・・・
⑤赤い部屋はいかにリフォームされたか? 6点 「赤い部屋」の舞台劇の千秋楽であるが、この劇は永遠に終わらないの?・・・
⑥陰獣幻戯 8点 女性をみては妄想する男。ある女性にアプローチしたところ・・・著者らしいオチのどんでん返し
⑦人でなしの恋からはじまる物語 5点 「人でなし」で始まり「二銭銅貨」で終わる。「人でなしの恋」がダブルミーニングであったことを今頃気がついた(笑)


No.1403 6点 日曜の夜は出たくない
倉知淳
(2021/04/12 17:10登録)
①空中散歩者の最期 6点 10mのビルから墜落死。しかし20m以上から落ちたようだ。合理的説明だが、物理的には?マーク
②約束 7点 少女とおじちゃんのメルヘンチックな出会い。約束したのに何故自殺?。意外なものがヒントで解決へ
③海に棲む河童 7点  昔話の謎を解く。予想に反し結構グロです
④一六三人の目撃者 4点 舞台で毒死。毒を入れるチャンスは?。これは2点ほど設定に無理があり、著者に丸め込まれた感じ(笑)
⑤寄生虫館の殺人 6点 一階の受付嬢が三階で殺害されていた。上へ上がっていく彼女は目撃されていない。目の付け所はいいがクイズのよう
⑥生首幽霊 6点 集金員はアパートの部屋で生首を発見。幽霊?。アリバイ工作としては手が込んでいる
⑦日曜の夜は出たくない 5点 彼氏が切り裂き魔?背格好も似ているが・・・


No.1402 5点 片翼の折鶴
浅ノ宮遼
(2021/04/10 15:52登録)
高評価なので期待し過ぎました。
①血の行方 4点 単なる貧血の原因追及。オチはシオドア・スタージョンの「きみの血を」のような性癖にした方がよかったかも。せっかく、それらしき仮説があったのに残念・・・
②幻覚パズル 4点 ありそうもない仮説にありそうもない真相。わかる人はいない???。多重解決ものアレルギーなので、どうしても低評価に・・・
③消えた脳病変 4点 選考委員が絶賛!!とのこと???。まさか、そんな簡単なトリックではないよね!?と思いつつ・・・
④開眼 4点 消去法がなぜ悪いのかよくわかりません。解説でも説明されているのですが・・・
⑤片翼の折鶴 8点 スリルがあり、医者らしからぬ行為にハッとしました。動機は先例はあるも、この流れでは思いつかないもので大変Good。皆さんと違い本作がベストでした。


No.1401 8点 鷲は舞い降りた
ジャック・ヒギンズ
(2021/04/09 18:26登録)
(東西ミステリーベスト第19位)冒険小説としては当然ですが、恋愛小説としても楽しめました。村娘モリイは彼から裏切られ、絶対許さないと思いつつも、彼を助けようとする健気な姿が印象的。完全版で二人の後日談も挿入されており、涙を誘う?。工作員デヴリンが、この作戦は必ず失敗するという場面があるのですが、その理由が不明のままで気になっています(苦笑)。

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