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ミステリの祭典

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take5さんの登録情報
平均点:6.59点 書評数:367件

プロフィール| 書評

No.7 9点 Xの悲劇
エラリイ・クイーン
(2011/08/10 23:51登録)
この後XYZ、最後の事件と続けて読める方(未読の方)は幸せだと思います。
4つ読んだ後でそれぞれに採点をされるのでしょうが、それを読んだ(初読の)年や再読の回数に影響されるのが採点ですから、他の方の採点を気にせずにどうぞ存分に楽しんでください。
私の採点は、学生時代に読んだ『Yの悲劇』後の『Xの悲劇』初読の採点です。
Y→X→Z→最後の事件と一度に読みました。Yの評価が高いのはその通りで、しかし最後の事件には連作の思い入れが入りますからまた高い評価で然るべきです。
ミステリーを一つの軸だけで評価することは出来ないという立場で、初作のXに採点とコメントをつけました。


No.6 8点 イニシエーションラブ
乾くるみ
(2011/08/10 23:38登録)
文字を追う「読書」という行為の可能性を感じさせてくれる良作だと思います。
映像には表せない文学の良さがたくさんありますが(有名なのは「人が一人もいない荒野」という文章は「人」が使えるが、映像では絶対に「人」では表せないっていうのがありますが)、この作品もミステリーのカテゴリーを越えて、文章の挑戦として読まれるべきだと思います。


No.5 9点 春にして君を離れ
アガサ・クリスティー
(2011/08/10 23:23登録)
クリスティの作品は皆さんたくさん読まれていて、
そして正当な(と信じますが)評価をされている事と思います。
時代背景を鑑みずとも人間を描く事を続けるというのは大変な作業ですから、作品の質が押並べて高いのはすごい事です。
さて『春にして君を離れ』は、そんな中で心理ミステリーとして読みました。
これまでのクリスティと違う雰囲気というだけできっと自分には合ってしまったのでしょう。
あくまでも個人的な採点として、そしてクリスティの人生をその裏に投影しての採点です。


No.4 9点 戻り川心中
連城三紀彦
(2011/08/10 23:14登録)
日本古典文学を読むことは人生において何らかの意味があると信じます。
古典というくくりはどこからかと。私は、流行り廃りがなく、現在も残り今後読まれるべき(主観として)と信じる人が多いものが、時代の流れの中でも確固たる作品として残るのだと思います。
古典文学として、読むに値する作品で、さらにミステリーなのだからこれから読む方は幸せだと思います。


No.3 8点 幻の女
ウィリアム・アイリッシュ
(2011/08/10 23:07登録)
「夜は若く、彼も若かった。夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」
他の方も書いていらっしゃいますが、翻訳上の文章であるという事を加味しても、素敵だなあと思えるフレーズを数多あるミステリーの中で、こうして思い出す訳です。


No.2 9点 殺人交叉点
フレッド・カサック
(2011/08/10 23:01登録)
他の方も書いていられますが、
短・中篇物として、フランスらしい(翻訳の力量なのでしょうが)素敵な作品です。
今読んでもエンディングでなるほどと思いますから、これが50年残る作品ということです。


No.1 10点 赤毛の男の妻
ビル・S・バリンジャー
(2011/08/10 22:56登録)
ミステリー小説は、そのトリックや動機云々の整合性の前に、
まず自分の血や肉となるものとして、意味のある小説として読めるか読めないか(多分に好みが関わってくるのでしょうが)だと思います。
私はこれを大人になってから読みましたが、例えば『罪と罰』や例えば『モンテクリスト伯』のように、自分の生き方に意味のある小説として読めました。
時代背景や雰囲気を知るだけでも価値があり、ミステリーとしても意味のある作品だと思います。
民主主義、人種差別、多文化社会について考え、ミスリードを越えて自身の内省について思いを至らす事のできた作品でした。

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