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ミステリの祭典

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HORNETさんの登録情報
平均点:6.32点 書評数:1163件

プロフィール| 書評

No.43 4点 半落ち
横山秀夫
(2011/01/10 11:38登録)
 この長さの割にはあまりすっきりしない,まさにオチは「半落ち」な印象が残りました。横山氏の警察小説は一級品だと思っていますが,短編(しかもシリーズ連作)のほうが密度が濃く,読み応えがあるように感じます。それが引き延ばされ,ゆえにゆえにスローテンポになってしまった感があります。


No.42 9点 第三の時効
横山秀夫
(2011/01/10 11:33登録)
 なにかのアンソロジーで表題作を読み,2班班長・楠見の強烈なキャラクターと,それに反発を感じながらもその手腕は認めざるを得ない主人公とのやりとり,そして最後のどんでん返しに魅了されました。F県警シリーズとしてこのように連作となっているのを知り,読みましたが,期待を裏切らない出来栄えだと感じます。氏のファンですが,中でもこれが一番好きです。


No.41 8点 臨場
横山秀夫
(2011/01/10 11:29登録)
 同じ人物や部署を舞台にした連絡短編集はこの作家の得意技。全編に渡って貫かれている中心人物のキャラクターと,それに対立したりあこがれたりする周囲の人物とのかかわりが色濃く描かれていて読み応えがあります。今回も,倉石の「揺るがない」生き方,姿勢に引き込まれてしまいます。


No.40 9点 看守眼
横山秀夫
(2011/01/09 19:55登録)
 表題作は,刑事を夢見て看守として職を終えた男が,看守ならではの眼である殺人事件の真相を暴く話。新聞社,秘書などさまざまな舞台で繰り広げられるその他の話もGoodです。さすがとしか言いようがない。


No.39 6点 廃墟に乞う
佐々木譲
(2011/01/09 19:53登録)
 直木賞受賞作品。精神療養の為休職中の仙道孝司という警官を主役にした短編連作。川久保巡査を主人公にした「制服捜査」に似た構成で,ある意味著者らしい作品です。


No.38 5点 モロッコ水晶の謎
有栖川有栖
(2011/01/09 19:52登録)
 火村シリーズの短編集。クリスティの「ABC殺人事件」にちなんだ「ABCキラー」,水晶占い師を題材にした表題作など,それなりに楽しめましたが,運や偶然がからんでくるネタが多かったような気がします。


No.37 6点 火村英生に捧げる犯罪
有栖川有栖
(2011/01/09 19:46登録)
まあ標準的な出来だと思います。有栖川有栖,火村&有栖コンビが好きで,「長編を読むにはちょっと時間が・・・」「パワーが・・・」というときには構えずに気楽に読める短編集になるでしょう。表題作が設定的にはよかったです。


No.36 7点 制服捜査
佐々木譲
(2011/01/09 18:41登録)
 駐在警官川久保巡査部長の活躍を描いた短編集。中央の警視庁や警察庁を舞台に立ち回る派手さはなく,地道で地味な物語ですが,だからこその味がありました。ミステリとしても質の高いものではないかと思います。


No.35 8点 笑う警官
佐々木譲
(2011/01/09 18:33登録)
 このあとシリーズとなった北海道警を舞台にした警察小説。スリルとスピード感が持続し(最後に近づくにつれむしろ増し),一気に読ませてくれます。佐々木譲を読んでみようと思わせてくれた一冊でした。


No.34 7点 警官の血
佐々木譲
(2011/01/09 18:30登録)
 ミステリとしての謎は,意外性も謎も中程度。警官の生き様が描かれていることをむしろ主として考えたほうがよい。そういう意味で三世代にわたる警官一家の生き様が,三者三様で面白いと思いました。個人的には第一部が一番好きです。


No.33 8点 警察庁から来た男
佐々木譲
(2011/01/09 18:25登録)
 道警シリーズ第2弾。前回「うたった警官」津久井が,キャリア監察官とともに,外国人売春やぼったくりバーの見逃し事件から道警と暴力団との癒着をあぶりだします。キャリアの男が好漢で,面白かったです。佐々木譲の作品では,このシリーズが一番好きです。


No.32 9点 オリエント急行の殺人
アガサ・クリスティー
(2011/01/09 18:23登録)
 有名作品の一つ。有名になる理由がわかります。クリスティはさまざまなパターンの先駆者ですが,これもまたその一つであり,しかもその後はそんなに使えないだろうというものです。クリスティ作品の中でもおすすめです。


No.31 5点 ヒッコリー・ロードの殺人
アガサ・クリスティー
(2011/01/09 18:20登録)
<ネタバレありです>
 不可解な盗難事件からやがて物語は殺人事件へ。そうではないと思わせて最期に戻ってやっぱりそうだったパターン。筋書き的にはよいと思いました。


No.30 5点 スタイルズ荘の怪事件
アガサ・クリスティー
(2011/01/09 18:19登録)
 ポワロのデビュー作。推理が二転・三転して・・・の流れだったのでなんだかややこしかった印象です。ちゃんと理解していないかもしれません。


No.29 7点 Zの悲劇
エラリイ・クイーン
(2011/01/09 18:16登録)
 ドルリイ・レーン四部作の中では世間的に評価が低いらしい作品ですが,自分としては気に入りました。特に,最後に犯人と断定するレーンの論理的推察は読み応えがあり,また納得のいくものでした。


No.28 6点 Yの悲劇
エラリイ・クイーン
(2011/01/09 18:15登録)
犯人の意外性はありました。ロジックもなかなかですが,新たな手がかりが作中で小出しにされるのがちょっと・・・とは思いました。日本では一番人気のクイーン作品のため,過剰に期待していたかもしれません。


No.27 9点 八つ墓村
横溝正史
(2011/01/08 21:43登録)
 因襲はびこる閉ざされた村,広い古屋敷に住む由緒ある家系・・・こうした,設定だけでも「背筋が寒くなる」横溝世界は,血しぶきが飛ぶホラーよりもよほど怖いと感じます。現代は三津田信三がこの路線を引き継ぐのみ,希少な作家であり作品です。
 そうした横溝世界がこれでもかと味わえる作品。夜読んでいると,トイレに立つことが出来なくなります。この作品のモデルとなった「津山三十人殺し」という事件が実際にあったことを知り,ますます震え上がりました。


No.26 9点 アクロイド殺し
アガサ・クリスティー
(2011/01/08 21:34登録)
 本当の自分の読後「感」ではこの点数ではありません。なぜならあまりに有名で,結末を知ってしまっていたからです。分かっていつつ読み,そして読後の「知らずに読んでいたらどんなによかっただろう・・・!」という悔しさが,すなわち私のこの作品の評価であり,この点数です。
 未読の方,是非この作品ページの「ネタバレ」からは目を背けてください。


No.25 10点 容疑者Xの献身
東野圭吾
(2011/01/08 21:27登録)
 倒叙法で展開される作品を読み進めるうちに,ハウダニットであることに気付かされる。犯人石神の人間性も,把握したようでまた裏をかかれる。真相を究明し,追い詰めるガリレオ湯川。しかし知らず知らずのうちにそれを望まなくなっている私たちがいます。人間ドラマとしても,ミステリとしても一級品と言えます。


No.24 7点 Xの悲劇
エラリイ・クイーン
(2011/01/08 21:19登録)
 個人的には「Y」よりもこちらのほうが好きかな,とも思いました。コルクに付けた毒針という古典的な(?)殺人方法は,それだけで面白く感じました。しかし,結末はちょっとズルイかな・・・と,思う人はいるかもしれません。

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