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ミステリの祭典

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笑う警官
道警シリーズ 旧題『うたう警官』

作家 佐々木譲
出版日2004年12月
平均点6.21点
書評数14人

No.14 6点
(2013/04/29 18:41登録)
警察エンタテイメントの極みともいえる作品です。
思いのほか評価が低いのに驚かされます。あまり読まない作家なのではっきりとしたことはわかりませんが、本作は、この作家に求められているものとギャップがあるのかもしれません。

拝読して感じることは、プロット、キャラクタのいずれもが、非常にはっきりとしているということ。文章を含め何もかもがわかりやすく、スムーズに読むことができます。教科書的な小説を書く作家のようです。
ご都合主義も、わかりやすさによるものなのでしょう。そういう読み物だと思えば問題だとは感じません。こんな事件をわずか1日で解決できるのだろうかと思っていたら、ほんとに解決してしまう。ご都合主義の極みです。

射殺命令などの現実感について賛否があるようですが、ご都合主義やミステリーとして安直すぎる点は感じるものの、それほど現実性に乏しい話ではないと思います。なにごとにも表もあれば裏もあるはず。知らないだけで、警察組織なんてこんなものでしょう。しかも、それを見てきたように書いてあるので、臨場感さえも感じます。

No.13 6点 蟷螂の斧
(2013/02/20 17:26登録)
スピード感があり楽しめました。射殺命令の現実味云々については、緊迫感を出すためには必要な要件なので、それはそれでいいのではないかと思います。組織の狂気があってもいいと肯定的にとらえています。

No.12 5点 いけお
(2012/06/21 01:19登録)
展開や伏せられている部分がばればれ、ミステリ的要素の完成度は不満。

No.11 8点 ナナ
(2011/05/19 15:15登録)
「うたう警官」として読みました。ラストまでテンポよく、とても面白かったです。読後スカッとした気分になりました。あまり理屈をこねず、純粋に楽しめばいい本だと思います。

No.10 4点 haruka
(2011/04/29 23:26登録)
横山秀夫の警察小説にはまって手に取った一冊。序盤のテンポの良さに惹きこまれたが、読み終わると、いかにも予定調和的なオチで満足できなかった。

No.9 4点 ZAto
(2011/04/11 00:02登録)
一読して思ったのは「安直だったな」ということ。
佐々木譲という作家の名前を私の中で必要以上に肥大させすぎてしまったのかもしれない。
あるいは「警察小説」というジャンルに確固たるルーティンを求めすぎていたのかもしれない。
どちらにしても読後には失望感が残った。

No.8 8点 HORNET
(2011/01/09 18:33登録)
 このあとシリーズとなった北海道警を舞台にした警察小説。スリルとスピード感が持続し(最後に近づくにつれむしろ増し),一気に読ませてくれます。佐々木譲を読んでみようと思わせてくれた一冊でした。

No.7 5点 まさむね
(2010/04/10 21:25登録)
テンポがよく,楽しめました。
ただ,実際の事件をヒントにしている割には,現実感がない。警察の隠蔽体質はそのとおりなのだろうが,百条委員会への証人出席阻止のために「射殺命令」を出しますかね。近未来国家が舞台ならいいのですが…完全に現在を舞台にしてるしなぁ。
それと,「うたう警官」から「笑う警官」と改題したことについては,他の方と同様に意味不明です。絶対に「うたう」の方がしっくりくる。あとがきに,角川春樹顧問から改題の打診を受けたと書いていますが,言い訳でしょうか?組織内(?)力学に弱いとすれば,作風と相当に違うような気が…ああ!むしろ弱いからこその,この作風なのか!
なんてことまで考えてしまいました。

No.6 6点 touko
(2010/04/05 21:19登録)
映画化されたそうですが、なるほど、いかにも映像向きな作品。スピーディでサスペンスフルで、キャラが立っていて、ある意味、お約束の展開。意外性はないけれど、安心して楽しめます。
「笑う警官」の方は図書館では予約が多くてなかなか借りれそうになかったので、内容は同じで、タイトルだけが違う、うたう警官の方を借りました。
映画化と同時に笑う~に改題したそうですが、オマージュで売ろうとする以外に笑う~に変える要素が浮かばない、意味不明な改題ですよねえ(その映画もVシネママ以下の出来だったそうですが;)

No.5 6点 文生
(2010/01/22 08:15登録)
殺された婦人警官。
濡れ衣を着せられた刑事。
汚職の暴露を恐れ、彼を射殺しようとする警察上層部。
彼の汚名を晴らすべく立ち上がる警察内部の有志たち。

警察対警察の構図が独特の緊張感を生んで面白い。
登場人物もそれぞれ魅力的に描かれている。
ただ、警官の間では公然の秘密となっている程度の事実を隠すために警察幹部が現職の刑事を殺そうとするだろうかという点に疑問が残る。
謀殺の事実が露見したら汚職どころの騒ぎじゃすまないだろうに。

後、タイトルの改題も不満。
文庫本のあとがきに元の『うたう警官』は意味がわかりにくいと言われたと書いてあったが、どう考えても『笑う警官』の方が意味不明だ。
明らかに『うたう警官』の方がこの小説のタイトルとしてしっくりくると思うのだが。

No.4 7点 だい様
(2009/03/04 14:11登録)
道警シリーズ第1弾

全体的にテンポが良く楽しく読めた。
また最後の緊迫感がたまらない。

No.3 6点 itokin
(2009/01/30 16:29登録)
スピード感もあって楽しめるのだが話の展開がご都合主義になっている、所謂先が読めてしまう、ハードボイルドで通すのか謎解きで通すのかどちらかはっきりした方がよかったのではないか?まあテレビ化にはぴったりした作品だとはいえるが・・・。

No.2 8点 あびびび
(2008/08/20 15:35登録)
実際に起こった事件をモチーフにしていてリアル感抜群。それにしても警察官僚の腐敗、横暴さは暴力団と変わらないのでは…と、あきれてしまう。
通勤時間にゆっくり読むつもりだったが、我慢できず徹夜をしてしまった。ミステリより、そのスピード感に圧倒された。

No.1 8点 こもと
(2008/07/01 16:11登録)
 面白かった。 語彙が貧困なので恐縮だが、「面白かった」というのが正直な感想。
 所轄署が、いわゆるキャリアを相手に一泡吹かそうと頑張っちゃう話。 まず、その設定がこもと的にポイント高し。 銀行員であれば伊木(果つる底なき)、勤務医であれば田口(チーム・バチスタの栄光)を彷彿させるところだけれど、佐伯の用意周到さは、「陽気なギャング」の成瀬タイプ。 冷静で、男気があって切れ者の佐伯は、素敵なのに、自分の魅力をわかっちゃいないというか、自分をただのオッサンだと思ってる。 憎いキャラ設定だと思う。
 こんなこと言っちゃアレなんですが、私的には、水村殺しの真犯人を知ることなんて正直、どうでも良かったですね(オイ) そんなことよりも、ノンキャリアの佐伯が最後の山場で見せる、その切れ者ぶりに、この本の魅力が凝縮されていると言っても過言ではない・・・えぇ、そう思っていますから。 オススメです。

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