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ミステリの祭典

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ムラさんの登録情報
平均点:4.28点 書評数:296件

プロフィール| 書評

No.256 2点 ラヴクラフト全集 (2)
H・P・ラヴクラフト
(2012/10/25 03:15登録)
この作品の中では「エーリッヒ・ツァンの音楽」が一番まとまってて面白かった。クトゥルフの呼び声も面白かったけど。 チャールズ・ウィードの奇妙な事件は流れとしては最後医者が覚醒したりでよかったんだけど、全体的にるるぶな感じが続いたせいで、連続して読むとこっちまで気を失いそうになった(主に眠気が襲ってきて)


No.255 3点 ラヴクラフト全集 (1)
H・P・ラヴクラフト
(2012/10/25 02:51登録)
翻訳本の中ではけっこう読みやすい方だとは思った。特に闇に囁くものは手紙の部分と相まって、すらすらと読めた。だからというわけでもないけど、個人的にお気に入りになのは闇に囁くもの。オチの読み方と、ヘンリーの手紙がどんどん恐怖に煽られていく感じがなかなかそそられる。インマウスの影はるるぶっぽかった個人的に。壁の中は鼠は「エターナルダークネス」彷彿とさせて楽しめた。(というかあっちがこれをリスペクトしてるんだから似てて当然だけど)でもなんだかんだで、一番この本の中で読めたのはギャグホラー風味の死体安置所にてかも。


No.254 5点 ロスト・シンボル
ダン・ブラウン
(2012/10/25 02:24登録)
ディセプションポイント、パズル・パレスと肩すかしが続いたが、今回の作品は『天使と悪魔』や『ダヴィンチコード』のような先が気になる謎があり楽しめた。
この二つの残念なところは、犯人の正体を明かすところが長すぎる上に動機がどうでもよく感じるしで失速するところだったけど今回はそれもなかったのが良。
ただ、惜しいのは純粋知性科学についての情報をもっと欲しかったところかな。その辺がミステリとして犯人側のことや、展開を盛り上げるのにページ数使っちゃった所為で足りなかった印象。そのせいで中巻あたりがこの人にしたらちと中弛み。あとは実際に文章見ただけでその場に行ってみたくなるような印象も「天使と悪魔」に比べたら弱い。全体的なプロットとしては一番面白く感じたけど、宗教的な謎を追い求めるという点で言えば劣るのでこの点数。
次回作はぜひ、聖書の謎を掘り下げて欲しい。さんざんこの本の最後の方で煽ったんだから。


No.253 3点 終末のフール
伊坂幸太郎
(2012/08/02 03:34登録)
終末物となると大抵はパニック物を思い出すけど、今回の話はパニックになった後の緩和的時間の話。
群像劇的になってるのはいつもの伊坂っぽかった、が終末物なだけに所々重い箇所がある。
個人的に一番好きなのは天体のヨールの二ノ宮。落ち着いていて感性が明後日の方向に向いているのがいい。しかし、ヨールはさすがに無理やり感があって笑った。
セリフとして一番好きなのはやっぱ苗場かな


No.252 3点 キラレ×キラレ
森博嗣
(2012/07/10 00:44登録)
謎はぶん投げる森クオリティ。そこはわりと慣れたのでそこであまりモヤモヤ感はないかも。
しかし萌絵ってS&Mシリーズのとき武道なんてやってたっけ?いつもピンチになってた記憶しかないからあまり覚えてない。
濃厚な小川さん回となっていて、ゆったり読む分にはけっこうよかった


No.251 4点 目薬αで殺菌します
森博嗣
(2012/06/29 02:33登録)
いわゆるお約束的なトリックだけど、作品の趣旨に合わせたトリックはけっこう好き。
もはや単体で評価する作品でもないので、Gシリーズが最後まで出ることを望む。
しかし、真賀田博士の目的って百年密室シリーズの三巻あたりで詳しくやるのかな。『冬』で出てた気がしないでもないけど
(ここからネタバレ)

課長、ログハウスにいた女に会ってる描写あるんだけど
これは回収されるのかな。まさかミスってことはないだろうし


No.250 3点 タカイ×タカイ
森博嗣
(2012/06/17 00:16登録)
どうしてもS&Mシリーズを基準に考えてしまうため、萌絵の動向が気になってしまう。
犀川先生とかGシリーズのときはまだ熱を持ってたのに、Xシリーズになってから迂遠な感じでかなり最後の方がさびしかった。
これ単体の話としてはオチはわりといつもな感じで、いつもの森という感じでした。
しかし「男ができたのか?」⇒「男が勉強ができたって意味じゃないの」みたいなノリは相変わらず好きだ。
(ここからネタバレ)
ずいぶん前に読んだから忘れてるせいもあるけど、鷲頭って前に作品に出てた時こんな謎めいた奴だっけか。


No.249 3点 不連続殺人事件
坂口安吾
(2012/06/01 22:09登録)
純粋に推理のみの本として考えるなら悪くなのかもしれない。
けれど人数の多さや、外国の文章を直訳したような文体(これは読んでればある程度慣れたが)、キレやすい人たちがなんとも慣れない。
まず推理以前に人物の整理が大変という作品だったかなぁ。当時読んでればまた別の感想を抱けたのだろうか。

ここからネタバレあり
不自然に○○するということだったけど、正直全体的に人物の行動がちぐはぐだったせいで、違和感あったけど普通に流してしまった。
心理の足跡というのは面白いと思うけど、それだって前者と後者じゃ状況もだいぶ違ったし…というか登場人物全員変人すぎて心理とか掴みにくい…という不満もあるので点数は低め。


No.248 2点 鳥人計画
東野圭吾
(2012/05/27 03:21登録)
スキージャンプの薀蓄は凄かったけど、逆にこれに興味を持てないと面白くないという話。
ミステリとしても特に特筆すべき点がないのが残念。
犯人が探偵を探す話は、今の東野さんが書いたらもうもっと面白い話が書ける気がする。


No.247 7点 罪と罰
フョードル・ドストエフスキー
(2012/05/26 20:27登録)
ミステリの範疇で話すのなら倒錯形式でラスコーリニコフが自身の犯罪にあれこれを考えている流れがとてもよかった。
特に彼の思想を知る大部分である論文の項目の部分が非常に面白い
あの思想がどんどん高じてくると戦争に発展するのだろうか。
ところで、罪の意識を感じていないラスコーリニコフは一体何を更正するのだろうか。もう一回読むとしたらそこを重点的に読もうと思う。
本当は罪の意識を感じてたのかとかも含めて。(少なくとも、リザヴェータに関しては抱いていたようには読めたが)
しかしスヴィドリガイロフはどうしても最後まで悪人には思えなかったな。


No.246 2点 R.P.G.
宮部みゆき
(2012/05/03 14:31登録)
社会派としても読むところがないし、推理小説としてもお粗末な感じ。
特に面白いところなかったかなぁ。残念。
というかまぁミステリ小説の三人称に嘘は駄目だよね。


No.245 8点 模倣犯
宮部みゆき
(2012/05/01 22:51登録)
「被害者」「加害者」「それにかかわる人々」と一つの犯罪社会の背景が詰まっている本だった。
個人的にはなかなか贅沢な本。人物の描写にかける時間がハンパない所為で心に来る重みもけっこう大きい。
なによりも大体のキャラが魅力的だった。それぞれのキャラが主人公として輝いてる。
そして、4巻と2、3巻が逆に書かれてたら読者視点の自分も由美子に敵意を向ける側だったんだなぁと感じる(それにしても人変わりすぎた気もしないではないが)
唯一残念なのがピースのラストがあっけらかんとしすぎてること。ここまで書くならヒロミに一冊使ったように、ピースにも一冊使って欲しかった。それが本当に残念。
あれだけ気丈だったおじいさんの本音はよかったんだけど。


No.244 5点 下町ロケット
池井戸潤
(2012/04/29 06:31登録)
直木賞だけあって、専門用語をなるべく使わず、読者にわかり易く書かれている文章なのでさくさくと読みやすい。
地元下町の泥臭い男たちの逆転物語は見ていて面白いですね。特にひ弱なイメージを持たせる殿が率先して向かう様は素敵。
次々にピンチや葛藤が押し寄せてくるので飽きず、簡単に問題を解決できないので、それを抜けたときの爽快感もいい。
残念なのは娘の描写とか会話が少なかったように思えたので、最後の娘とのやりとりに感動を抱けなかったこと。


No.243 4点 学生街の殺人
東野圭吾
(2012/04/24 02:48登録)
東野の初期の頃の小説だけあって、いまのさっぱりとして読みやすい文章とは違い、けっこう肉が付いていたイメージ。
ただ、密室なりアリバイなり動機なりと、退廃的な青春が詰め込まれていて作品としては完成度が高い。
ただ、事件の意外性としてはそれほど特筆すべき点が無いのが残念。
しかし、この頃の東野作品はやっぱり密室とかが多い。名探偵の呪縛での語りを読んだ後だと感慨深くなる。


No.242 7点 理由
宮部みゆき
(2012/04/19 21:25登録)
取材という形で物語が進んでいるのもあいまって、まるで本当の事件を扱っているかのようなリアルさがよかった。
事件自体は特に謎のある感じじゃないけど、その背景を探っていく道筋が面白い。
占有という普段みない題材を軸になっていたから興味も沸いたし、それに巻き込まれる人たちのドラマとかよく書き込んだなぁと思う。
ミステリとしては謎が無いのが残念だけど、フーダユニットを掘り下げてく内容と見れば満足。途中までの展開はまったく読めなかったし。
ただオチが微妙。メッセージ性として読むなら「こんな奴が溢れてたまるか」と思うだけだし。


No.241 5点 浪花少年探偵団2
東野圭吾
(2012/04/12 21:34登録)
手軽に読める感じだが、キャラもテンポもよくて楽しかった。
前作よりも、先生のキャラが丸くなってる感じでいい。
人情物も増えてると思うし自分には得な作品であった。
特に好きなのは最後の話かな。
無理やり、残らせて補習させるやりかたは好きではないので(体育に限らず)前半は嫌いな話であったが、しのぶ先生のやり方や、生徒自身で仲直りをさせるオチで満足できた。ぜひ続編があるなら見たいが、それは叶いそうに無いのが残念。
ただ、手軽に読める反面、謎やオチはかなりわかり易くて緩め。
ところで、普段は解説を読まないのだが、今回はちょっと気になったので読了。
ミステリ10の圏外である「悪意」をオススメした西上心太には拍手を送りたい。


No.240 5点 ラッシュライフ
伊坂幸太郎
(2012/04/11 22:24登録)
それぞれ個別のストーリーだけでもキャラがいいから十分楽しめた。
ただ、それだけではなくて、全部変化球的に繋げてるのがさらにいい。
個人的に好きなのは、リストラされた男の話と、泥棒の話。
ただ、綺麗にまとまりすぎて逆にオチがわかりやすすぎるのがちと残念だった。話のオチとしては満足なのだが。
それと、ところどころ気になる所が書かれてないのも残念であった。特に高橋の話は続編があるなら見てみたい。


No.239 7点 アクロイド殺し
アガサ・クリスティー
(2012/04/09 08:26登録)
叙述トリック云々以前にポアロが犯人へとたどり着くまでのプロットと事件の仕掛けを純粋に楽しむことが出来た
とくにポアロの真相を隠しながら誘導する手法は読者視点でも見ていて楽しい。
事件の謎を主軸に格人の謎を徐々に解いていく感じなので最後まで読んでいて飽きなかった
惜しむべくはキャロラインの性格に難ありということだが、点数には特に関係なし
主点の医師を始め全体的にさっぱりした感じで書かれてたのでそれも個人的な読了感の良さに起因してるかも


No.238 2点 依頼人の娘
東野圭吾
(2012/04/04 21:29登録)
上手くまとまっていて面白いかつまらないかで言えば面白く読めた。
その反面、セオリー的な起承転結な所為でオチが非常に読みやすいというのもある。
というよりもあからさまな展開すぎて意外性が薄い。
キャラクター性が無いのも残念。
東野小説ということでハードルが上がってるのもあるが、やはり暇つぶしの域は出ない作品でした。


No.237 5点 マスカレード・ホテル
東野圭吾
(2012/04/03 06:28登録)
ホテルで起きる小さな事件を軸にメインとなる事件の紐を解き解くストーリーの運びはさすが。
しかもただの小さな事件ではなくしっかりと伏線も張ってる。
ただ、メイントリックはさすがにわかりやすいのが残念。
さすがに犯人までは読めなかったけど、言い訳と欲を言うともう少し犯人を特定できる伏線も入れてくれたら満足だった。
能勢も一癖あるキャラもいい、けど新田のキャラはそこまで好きになれなかったのが残念。
ただ「新参者」と構造が似ていて、あちらのほうが作品的に好きなので評価は辛めです。

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