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ミステリの祭典

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虫暮部さんの登録情報
平均点:6.20点 書評数:2209件

プロフィール| 書評

No.69 8点 ジグβは神ですか
森博嗣
(2012/11/14 19:10登録)
 すっきりしない終わりではあるが、これをこう感じるということは逆にミステリにお約束ばかり求めてしまう自分の裏返しなのかとも思う。ミステリは決して思考停止に至るだけのシステムではない筈。ただ問題は作者にこのシリーズを完結させる気があるのか、完結まで作者が小説を書きつづけるモティヴェーションは持続するのか、ということである。
 ところで真賀田四季は、例えば『悪の教典』(貴志祐介)の蓮実聖司などと比べてまさに天才!という感じのキャラクターで、やっぱこうでなくては。


No.68 7点 幻惑の死と使途
森博嗣
(2012/10/25 12:55登録)
 面白かったが、ネタバレ付きで指摘しなければならないことがある。
 “遺体消失事件” の時の、“霊柩車に棺が載ったあとでエンジンがかかった” という手がかりは、犯人にも事前に読めた筈なのに、何の対応もしていないのはおかしい。
 逆に言えば、それが無くても謎は解けるのだから、メタ的に見れば、このわざとらしい犯人の小ミスは作品にとって不要というか邪魔なエピソードではないか。


No.67 5点 悪の教典
貴志祐介
(2012/10/10 15:53登録)
 蓮実の “天才” の人格に比べて、その欲求が妙に俗物的というか即物的なのがいまいちしっくり来なかった。
 雑誌連載中のコミカライズ作品を途中まで読んだ状態で、小説のほうを読んだ。これが失敗。もともと良くも悪くも漫画的な小説だと思うのだが、完全に漫画のイメージに囚われてしまった。


No.66 5点 少年探偵とドルイッドの密室
麻生荘太郎
(2012/10/01 06:43登録)
 ストーリーはまあまあ面白いが、いかんせん文章が硬く、ふくらみに欠ける。古い壺に新しい酒を注ごうとしたが手際が悪く味を損ねてしまった、という感じ。


No.65 8点 刑事のまなざし
薬丸岳
(2012/09/19 16:27登録)
 連作短編集という形態にしたことが正解で、ストーリーが必要以上に錯綜することなく、大風呂敷を広げすぎることもなく、描きたいことのエッセンスを抽出できているように思う。


No.64 6点 赤い月、廃駅の上に
有栖川有栖
(2012/09/11 18:29登録)
 失礼ながら、ミステリというお約束の要素を除外しても、これだけ巧みな小説を書けるのだなぁと感心した。
 本業との距離感という点で、綾辻行人の『深泥丘奇談』を髣髴とさせる短編集。
 図書館のシール云々というくだりは作者のリアルなぼやきだろうか。


No.63 6点 デッド・リミット
遠藤武文
(2012/09/06 05:53登録)
 怒濤の展開に一気読み、ではあったけれど色々アラもありそうな……結局、対外的に事件はどう収束したのか。ラストに捜査員の前であんな通話しちゃって平気なのか。電車を経由した通信方法は流石に必要以上にリスキーではないか。等々。


No.62 6点 ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件
七尾与史
(2012/08/29 16:13登録)
 ドSだのイケメンだの、安っぽい口語が頻出する文体はメタ的なジョークとして楽しめた。ストーリーとしても面白かったが、これでいいのか?という気持ちも拭いきれない。
 あと、死体マニアとドSは全然別のカテゴリでしょってことで、タイトルに異議あり。


No.61 5点 ヘンたて
青柳碧人
(2012/08/22 16:52登録)
 流石に犯罪には応用出来そうに無いネタをクイズ仕立てetc.で出題する、日常ならぬ “非日常の謎” 作品集である。特に第一話は爆笑。
 一人称の語り手の予定調和的なモノローグが随所に挿入されるのが邪魔。これは語り手が文章家ではないからこのレヴェルの文体、という “設定” なのだろうか。文章がもう少し巧みなら更に楽しめた。


No.60 7点 真夜中の探偵
有栖川有栖
(2012/08/08 16:10登録)
 ミステリとしてよりも、主人公の成長物語として、また架空の社会を描いた幻想味のないファンタジーとして、楽しみました。


No.59 7点 幽女の如き怨むもの
三津田信三
(2012/08/06 08:14登録)
 明確な “事件” は起こらないし、どちらかというと “戦前・戦中の風俗史” のような要素がメインか、と思ったらラストに見事な背負い投げが。という感想もネタバレか。


No.58 6点 トネイロ会の非殺人事件
小川一水
(2012/07/25 15:51登録)
 大長編SFシリーズ『天冥の標』も好調な小川一水のミステリ作品集である。
 私は、全3編のうち、「くばり神の紀」が一番面白いと思った。これは厳密にはSFに分類されるのだろうか。ただ、そのことこそが “意外な結末” でもあるわけで、SFっぽいミステリのあとにミステリっぽいSFが並ぶという収録順も効果的。
 でもまあ、同作者の純SF作品ほど凄いとまでは言えない。作風としては石持浅海みたいだと感じた。


No.57 5点 猫柳十一弦の後悔
北山猛邦
(2012/06/08 07:19登録)
 良くも悪くも強引な話だな~と感じた。大学の探偵助手学部(!)の学生達という設定なのに、皆あまりそれに相応しい行動が取れていないように思う。


No.56 7点 鍵のかかった部屋
貴志祐介
(2012/06/01 08:18登録)
 今時、“密室縛り” という蛮勇に拍手。どれも面白いのだけれど、(「密室劇場」はともかく)妙に “小品” というイメージが残るのは何故だろうか。
 「鍵のかかった部屋」という直截的なタイトルは或る種の挑発なのかと思ったが、トリックを踏まえて考えると(→どの段階で鍵がかかったか)趣深いアイデアである。


No.55 5点 高原のフーダニット
有栖川有栖
(2012/05/04 11:06登録)
 「オノコロ島ラプソディ」……馬鹿みたいなトリックだが、その理由の、“嘘はつかせないから” と共犯者を説得する、という発想はリアルだと思った。“人恋しいから、金を貸した” との意見も含蓄に富む。
 尚、アリスを驚かせた松本ちえこの「ぼく」はYouTubeで探したら聴けました。

 「高原のフーダニット」……双子の名前が紛らわしい。犯人の行動があまりに即断即決&怖いもの知らずな気もするが、そこはまぁ人それぞれ?


No.54 5点 まどろみ消去
森博嗣
(2012/04/25 16:27登録)
 「キシマ先生の静かな生活」は面白いのに後味が悪い。なんだろうこれ。


No.53 9点 封印再度
森博嗣
(2012/04/18 16:24登録)
 森博嗣作品の中ではベスト3級に好き。
 再読して気付いたこと。
 1.「瓢」と「匣」の謎に関しては、出題された段階でかなりきわどいヒントが添えられていたのだなあ(ノベルス版79ページ。浜中のメールから更に考えを進めれば、具体的な知識は無くとも、そういう金属を想定することは可能)。“特定の角度で傾ければ出し入れが出来る” といった類のものなら形状をイラストで示す必要があり、それがないことがメタ的な手掛かりとも言える。アンフェアだとは思わない。
 2.小ネタのひとつが京極夏彦作品でも(メインのネタとして)使われている。
 3.犯人たちの動機が高尚過ぎるというきらいがなくもないが、それを探偵役である犀川のキャラクターがアリにしている構造が面白い。というか “探偵が犯人の最大の理解者” というのは本格ミステリとしては寧ろ古典的か?
 4.ノベルス初版には “鰻” に “なまず” という驚きの誤ったルビが振られている。もう修正されているよね?(未確認)


No.52 9点 ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔
京極夏彦
(2012/03/28 16:48登録)
 疾走のシーンで泣いてしまった私である。


No.51 7点 読者よ欺かるるなかれ
カーター・ディクスン
(2012/03/22 10:24登録)
 ラスト前で犯人がペラペラ喋るのを皆で隠れて聞くくだりはどうかと思う(情景をリアルに想像すると笑ってしまう)が、それはともかく、面白かった。


No.50 6点 死の命題
門前典之
(2012/03/22 10:22登録)
 “奇想”は買うが肉付けが甘いと感じた。
 ネタバレ気味だが気になる点を幾つか。 
 1.毒を飲まされたことに気付いた人はまず吐き出そうとするだろう。“重労働”している場合か。
 2.証拠隠滅が出来なかったからといって、逃げようとせずに自殺するものだろうか。
 3.“何かの拍子に、過去に女子大生を襲ったことがある、というようなことを口にしてしまったのではないでしょうか”って、そんなことペラペラ喋るかなぁ。チンピラじゃないんだし。

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