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ミステリの祭典

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神様が殺してくれる

作家 森博嗣
出版日2013年06月
平均点5.00点
書評数3人

No.3 6点 メルカトル
(2020/07/07 22:40登録)
パリの女優殺害に端を発する連続殺人。両手を縛られ現場で拘束されていた重要参考人リオンは「神が殺した」と証言。容疑者も手がかりもないまま、ほどなくミラノで起きたピアニスト絞殺事件。またも現場にはリオンが。手がかりは彼の異常な美しさだけだった。舞台をフランクフルト、東京へと移し国際刑事警察機構の僕は独自に捜査を開始した―。
『BOOK』データベースより。

本作に限らず森博嗣の文体は無機質な作品が多いなというのが第一印象です。まあ相変わらずですが、そこが良くも悪くも氏の特徴でしょうけど。
決して悪くはないと思いましたが、諸々疑問点が残る結末ではありました。各事件へのアプローチの仕方からして普通のミステリとは違う感触で、思わず身構えて読みました。予想通りと言うべきか、とんでもない事になっています。その意味で伏線があったかどうか考えてみても、やはり後出しっぽく、本格ミステリの概念からはやや外れた異色の作品と言えるかもしれません。

しかし、犯人は何故最初から本命を狙わなかったのか、単なる嫌がらせにしては大胆すぎる犯行じゃないかと思いますね。
途中やや退屈でしたが、ラストは目を瞠るものがありました。尚文庫本の解説を読む限り、ちょっと想像の翼を広げ過ぎな感が否めませんでした。果たしてそこまで深読みするべきものかと、疑問に思われてなりません。確かに、主人公の「私」に関わる不可思議さや秘密はこの手の作品にありがちですが、本作は細部に至るまで親切に噛み砕いて書いてくれていません。若干アンフェアとも取れる不親切さは感じますね。

No.2 5点 蟷螂の斧
(2016/06/03 18:15登録)
「BOOK」データベースより~『パリで往年の大女優が絞殺された。両手首を縛られ現場で拘束されていた重要参考人リオン・シャレットは「神様が殺した」と警察で証言。彼は同時にその神の名前として僕の名を挙げた。僕に身に覚えはまったくない。リオンはかつて大学の寮の僕のルームメイトで、当時から多くの人をその美しさで幻惑した。僕は卒業以来2年半、一度も会っていない。容疑者の特定はおろか、なんの手がかりもないまま、やがて起こった第2の殺人。ミラノで有名ピアニストが絞殺された。またもや現場には皆睡したリオンがいた。インターポール(国際刑事警察機構)に勤務する僕は、現地の警察と連携しながら、独自に捜査を始める―。』~
本格ものとして期待して手に取りましたが、いい意味で裏切られました。著者がこの種の作品を!?という意味です。登場人物同士で、その程度のことは判るだろうというような疑問符がつく点もありますが、おおむね楽しめました。

No.1 4点 虫暮部
(2013/10/07 12:49登録)
事件の様相はそれなりに興味深かったが、真相、つまりは犯人の行動理由が全く腑に落ちない。或る登場人物に“異常な行動、不思議な行動なんて、犯罪現場にはいくらでもある”という台詞があって、、それはそうかもしれないけれど、ミステリ小説の体裁を持っている以上、それでなんでもアリではいけないだろう。 失敗作だと思うな。

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