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ミステリの祭典

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ビブリア古書堂の事件手帖4
栞子さんと二つの顔

作家 三上延
出版日2013年02月
平均点5.69点
書評数13人

No.13 7点 mediocrity
(2020/08/06 03:52登録)
シリーズ初の長編。今回のテーマは江戸川乱歩。
3作目はちょっとマンネリ化してきたように感じましたが、今作は母親本格的参戦で新展開に入り良い感じです。
長編らしく謎も大量にあり、予想していなかった捻りもあり満足。
ただこの親子の推理力はいくらなんでも超人的過ぎる気がします。読者が推理するのはかなりきついのではないでしょうか。

No.12 5点 羊太郎次郎吉
(2017/01/21 06:31登録)
いつも通りの短編ではなく長編。この作品はライトノベルに分類されていたり表紙がマンガっぽかったりするせいで軽く読めるように思えるけど、意外と内容が濃いので長編だと辛い。
やっぱり栞子さんは好きになれないキャラ。コミュ障なのに自分の好きなことだには饒舌になる人ってハタから見てるぶんには面白いけど怖い。
栞子さんが清楚な巨乳美人なのは、そういう設定にでもしないと読者に愛想つかされそうだからなのかも。

No.11 3点 風桜青紫
(2016/01/26 21:39登録)
このシリーズ、短編はけっこう面白いのだけど、長編だとなんかダルいです。栞子さん乱歩大好きらしいなのに、その大好きぶりがいまいち伝わってこない。「二銭銅貨……意外なオチの作品です」「人間椅子……意外なオチの作品です」。いやいや、どれも同じオチやっちゅうねん。なんか、説明が微妙。『押絵と旅とする男』は個人的には乱歩短編の最高峰なんだけど、栞子さんの紹介では、「なんかいろいろあって書き直された話」ぐらいの印象しか抱けないよ。『孤島の鬼』に至っては、栞子ママンが本の分厚さについて語ってドヤァと笑っているだけだし……。違うでしょ。ここは栞子さんが「ダイスケさん! これはガチホモとグロメンと改造人間たちがわっしょいわっしょいする名作です!」と熱く語るところでしょ。読者は引くだろうけど。

うーん、なんか、作者がただ装飾としての意味だけで乱歩を使っている感じが拭えなかった。ミステリ小説としては前三作より充実しているけども、まだまだ弱い。一応、恋愛パートは今回で峠を越えて、栞子さんと大輔さんもなんらかの意味で一線を越えそうだが、どうなることやら。

No.10 4点 ボナンザ
(2014/09/08 13:01登録)
三巻までの短編集に比べると切れ味が落ちているようにも思える。
江戸川乱歩を扱ってくれたのは嬉しいのだが・・・。

No.9 6点
(2014/02/04 10:57登録)
日常の謎の長編版はいかがなものかと危ぶんでいたが、いざ読んでみると、その点についてはなんら支障なしだった。乱歩の時代感や味わいも出ていて、長編ミステリとしての雰囲気は抜群だった。
謎解き物としてみると、ミステリ的な小道具を使いすぎたためか、謎解きそのものがパンチ不足になっている。いままでの短編のような肩肘張らない姿勢のほうが好感が持てる。

本書で注目すべきもうひとつのポイントは、栞子さんの母親の登場と、栞子さんと五浦くんとの関係の進展です。人間関係をごちゃごちゃと織り交ぜると俗っぽくなり、しかも肝心のミステリ部分が片隅に追いやられるから、微妙なところですが、個人的には楽しめたので結果オーライだったのではと思います。
ところで、母親の智恵子さん、なかなか魅力的な人物です。家庭を捨て雲隠れし陰で古書売買にひた走る美人のおばさんで、身近ではちょっとお目にかかれないような女性です。
この人の視点か主人公かで1作、書いてほしいですね。

No.8 6点 E-BANKER
(2013/12/29 21:46登録)
月9ドラマはイマイチ不調に終わった大人気ビブリオ・ミステリーシリーズの第四弾。
今回はシリーズ初の長編となっているのが興味深いのだが・・・

~珍しい古書に関する特別な相談・・・謎めいた依頼にビブリア古書堂の二人は鎌倉の雪ノ下へ向かう。その家には驚くべきものが待っていた。稀代の探偵、推理小説作家江戸川乱歩の膨大なコレクション。それを譲る代わりにある人物が残してくれた精巧な金庫を開けて欲しいという。金庫の謎には乱歩作品を取り巻く人々の数奇な人生が絡んでいた。そして、深まる謎はあの人物までも引き寄せる。美しき女店主とその母、謎解きは二人の知恵比べの様相を呈してくるのだが・・・~

とにかく「乱歩、乱歩、乱歩」にまみれた作品。
全三章のタイトルが、「孤島の鬼」「少年探偵団」「押絵と旅する男」。その他、「二銭銅貨」や「人間椅子」、「D坂の殺人事件」などなど、作中には乱歩の有名作品に関する薀蓄が満載。
それだけでもミステリー好きには堪らないかもしれない。
なかでも「押絵と旅する男」については、本筋の暗号を解く鍵となっており、作者の好みが伺える。

それはいいのだが、肝心の謎解き部分については、やや消化不良気味かなという気がした。
「二銭銅貨」のオマージュともいえる暗号もパンチ不足。
ラストにはミステリーらしい“ある仕掛け”が判明し、そこについては「へぇー」と思わされることになる。

まぁシリーズものだから、ずーと同じクオリティというわけにはいかないだろうし、本作では栞子さんと母親、栞子さんと五浦の関係がそれぞれ進展し、次作以降の展開に期待が持てるのが救いかな。
でもビブリオミステリーはやっぱり短篇でこそという世評には賛成。
(未読の乱歩作品も多いので、徐々に手を広げてみようかなという気にさせられた・・・)

No.7 5点 虫暮部
(2013/07/29 05:00登録)
暗号ものはあまり好きではない。愛人にメッセージを遺したって、第三者の手を借りないと解けないなら、結局は相互理解が成り立っていないということでは……。

No.6 8点 ドクターマッコい
(2013/07/26 09:19登録)
乱歩ファンの私にとって懐かしい題名のオンパレードで
その点も含め本当に楽しめました。

店主の実母との対決のシーンの描写も素晴らしく
ライトノベルとは言え、一気読みをさせてくれた本でした。

No.5 5点 kanamori
(2013/05/11 11:37登録)
シリーズ初の長編、ネタが江戸川乱歩ということでミステリ作家が取り上げられるのもシリーズ初という本書ですが、月9ドラマ版を先に見ていたこともあり、前三作ほどの面白味を感じなかった。
二銭銅貨の暗号、名前のアナグラム、変身願望、人間椅子など、乱歩へのオマージュを散りばめて、プロットも乱歩の通俗探偵小説を意識したものになっていますが、無理やりネタを詰め込んだ感じを受けた。やはり、このシリーズは短編がいいと思う。
(原作が2月発売で、ドラマ化が3月というのはちょっと早すぎないか?)

No.4 5点 まさむね
(2013/04/27 18:59登録)
 人間関係の進展もあり,シリーズファンには楽しめると思います。今回は江戸川乱歩作品が主軸となっているので,乱歩ファンはさらにオススメなのかな。読み心地は相変わらず良いのですが,シリーズファン以外には,単に「宝探し+αのお話」って印象しか与えないような気もするなぁ…と。

No.3 7点 白い風
(2013/04/10 19:54登録)
4作目にして初の長編でした。
江戸川乱歩を扱っていたので、+α楽しめた気がします。
『二銭銅貨』等沢山作品が出てきたのもミステリファンにとっては嬉しいね。
また、登場人物の人間関係がかなり詳しくなりましたね。
今後その人間関係がどのようになるかも楽しみです。

No.2 7点 makomako
(2013/03/05 21:40登録)
 今回は江戸川乱歩のお話。いつものように連作ではなく一本の長編。相変わらず栞子さんは素敵で本に関してはとんでもなくすごい知識とインスピレーションをもつが、お母さんはさらにすごいようだ。
 今回ようやく母親の智恵子さんがはっきりと登場となった。なかなか冷たく大変な人だが、それなりによいところもあるようです。
 母娘の本に関する推理は相変わらずすごい。大輔と栞子さんのロマンスもようやく伸展してきて次回が楽しみ。大輔君そろそろバシッと決めてくださいね。

No.1 6点 ボンボン
(2013/03/03 21:04登録)
一冊全編、江戸川乱歩のコレクションに関わる一つの事件でまとめられている。東日本大震災後の古書店の話として、”なるほど”のエピソードが挿入されていて、好感が持てた。
乱歩については、乱歩にどっぷり、乱歩をなぞるような仕掛けを次々投入。見た目と違ったり、色々とひっくり返したり、裏返したりが面白い。
栞子さんの母親の問題も恋の話題も色々進展するが、すべて途中という感じで、次の巻に期待がかかる。
それにしても、こんなお母さん居るのかなあ、こわいなあ。ホントは意外にいい人かもって言われてもなあ。

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