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ミステリの祭典

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最悪のはじまりは、
改題『ターニング・ポイント』

作家 塔山郁
出版日2012年04月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 猫サーカス
(2018/06/01 20:07登録)
ギャンブル依存症の男が自ら「最悪」の状況へと堕ちていく姿を追った犯罪小説。沢崎聡は、資格をとって会社に就職することを夢見ながらも、パチンコ店に入り浸る毎日。ある時、店で知り合った中年男、天野からある計画を持ち掛けられる。借金を抱える人妻の情報をもとに、資産家の老婦人の家へ忍び込み、大金を盗むというものだった。だが沢崎のまえには、さらなる転落の罠が待ち構えていた。定職に就けず、恋人にはふられ、精神的に弱っていたからこそ、沢崎はギャンブルに入れ込んでいったのだろう。追い込まれていく主人公の苦悩と混乱は全く他人ごとではない。また本作では意外性のある展開もさることながら、人の弱さにつけこむ「悪」がさまざまな形で描かれている。一種のホラーとも読める現代のサスペンス。

No.1 6点 虫暮部
(2013/07/03 09:56登録)
『ターニング・ポイント』と改題して文庫化。最終章で聡が天野の元妻と対面するシーンは印象的だった。ふと思ったけど、あれは『カイジ』(福本伸行)に出て来る或るエピソードに対するアンチテーゼ?
 私はパチンコ未経験なのだが、今後もやるまい。という気持にさせられる筆力だと思う。が、自分の好みとは少し違う気もする。 

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