home

ミステリの祭典

login
kanamoriさんの登録情報
平均点:5.89点 書評数:2432件

プロフィール| 書評

No.532 4点 毒のたわむれ
ジョン・ディクスン・カー
(2010/06/24 18:56登録)
これはパリ警視庁バンコランシリーズのスピンオフ作品と見るべきでしょうか、微妙な位置づけの作品です。
「蝋人形館の殺人」などで活躍したワトソン役のアメリカ人青年ジェフ・マールが登場しますが、探偵役はパット・ロシターという青年で、あまりぱっとしない魅力のない探偵でした。
ある判事邸での毒殺事件を描いていて、犯人は意外といえば意外ですが、その人物の造形は書き込み不足のように思えます。


No.531 5点 蠟人形館の殺人
ジョン・ディクスン・カー
(2010/06/24 18:41登録)
パリの予審判事アンリ・バンコランが探偵役を務めるシリーズ第4弾。
なぜか2、3作目はライン河の古城とかロンドンが舞台でしたが、今回は再びパリにもどり、蝋人形館での連続女性殺人事件に挑みます。
退廃的なパリの情景描写とか蝋人形館の雰囲気はよく出ていて、最後の大佐とのカード勝負の場面なども読ませはしますが、フーダニットとしては物足りなく思いました。翻訳が古いのも難点。


No.530 5点 キング&クイーン
柳広司
(2010/06/23 21:18登録)
”米大統領からの刺客VS元女性SP”とか”チェス・ゲーム風の頭脳戦”などの先入観を持って読むと、薄っぺらでご都合主義的なサスペンスにがっかりさせられます。


No.529 5点 蒼林堂古書店へようこそ
乾くるみ
(2010/06/23 21:09登録)
ミステリ専門古書店の店主と常連客による日常の謎もの、連作ミステリ。
喫茶サービス付き古書店という設定や、各編とも古今のミステリの蘊蓄から入って自然と謎が提出されるというプロットは読んでいて心地よかった。
これで肝心のミステリ部分が充実していれば・・・・。


No.528 9点 三つの棺
ジョン・ディクスン・カー
(2010/06/23 20:47登録)
密室講義である程度手の内を明かしておきながら、さらに高度な不可能トリックに挑んだということで、極度に複雑なプロット&トリックになっています。
カーの代表作であることに異論はありませんが、読者が最初に手を出す作品でもありません。「ユダの窓」や「かぎ煙草入れ」などと違って、仕掛けをひと言で表現できない複雑さが、この作品の長所であり短所でもあると思います。


No.527 9点 曲った蝶番
ジョン・ディクスン・カー
(2010/06/23 20:31登録)
怪奇趣味が存分に発揮されたカーの個人的ベスト作品。
二人のジョン卿の真贋に関するスリリングな展開は最後まで物語に惹きつけられました。
トリックについては賛否が分かれるかもしれませんが、タイタニック遭難による後遺症がダイレクトに不可能トリックに結びつく趣向に感心しましたし、頭に浮かんでくるその状況から受ける衝撃は他の作品を圧倒していると思います。


No.526 5点 悪魔のひじの家
ジョン・ディクスン・カー
(2010/06/23 20:12登録)
60年代以降の後期の作品のなかでは比較的出来がいいと思いますが、密室トリックは多少改変されていても自身旧作の使い回しですので、カーを読みなれた人は察するのは容易だと思います。
犯人の意外性を追求する姿勢は変わっていませんが、隠蔽手段として関係者の嘘の証言が関わっている点は感心できません。


No.525 7点 囁く影
ジョン・ディクスン・カー
(2010/06/23 18:55登録)
パリ郊外の古塔最上階での不可能殺人をフェル博士が解く本格編で、中期の佳作だと思いました。
吸血鬼伝説は添えものという感じですが、物語導入部のミステリアスな情景描写や殺人クラブの雰囲気から引き込まれます。
カーの描く若い女性像はいつも類型的ですが、本書のヒロインのフェイ・ノートンの造形は異質で、あるミスディレクションに寄与していると思います。


No.524 5点 砂楼に登りし者たち
獅子宮敏彦
(2010/06/22 20:40登録)
室町時代~戦国時代を舞台背景にした本格ミステリ連作短編集。
4編ともトリックに工夫を凝らしていて、「美濃蛇念堂」の雪の密室状況の意外な真相など、そこそこ面白い。
一方、歴史ものとして見た場合、登場する実在の人物(らしい)がマイナーでマニアック過ぎるのであまり興味が湧かない。この辺の歴史ネタに通じた人がどれだけいるか、ちょっと疑問です。


No.523 6点 未来警察殺人課
都筑道夫
(2010/06/22 20:16登録)
作者の守備範囲は非常に広くて、ロジック重視の本格ミステリをはじめ、SF、ホラー、、ハードボイルド、アクション小説、時代小説など、あらゆるジャンルのエンタテイメント小説を書いています。
本書は、第二の地球を舞台にしたSFハードボイルドの連作短編集で、ロジックよりプロット重視ですが、各編ひねりを加えていて結末の意外性にも配慮したミステリの好短編集でした。


No.522 6点 奥の細道殺人事件
斎藤栄
(2010/06/22 18:49登録)
松尾芭蕉=忍者説や汚水公害問題など色々な題材が織り込まれていて、作者の作品のなかではまずまず面白く読めました。
ミステリの趣向としては芭蕉ノートの暗号はともかく、死んだ容疑者のアリバイ崩しや反則すれすれの意外な犯人の設定(ちょっと伏線が不足ぎみですが)など、初期作らしい本格度の高い内容でした。


No.521 5点 夏の終る日
仁木悦子
(2010/06/22 18:27登録)
ミステリ連作短編集(角川文庫版)。
シリーズ・キャラクターの一人、私立探偵・三影潤もの5編が収録されています。探偵の職業からハードボイルドと見られがちですが、この短編集を読む限り文体にそのテイストはあまり感じられません。
浮気調査や失踪人探しを発端にいずれも殺人事件に巻き込まれるサスペンスで、本格度は薄めでした。


No.520 6点 あきらめのよい相談者
剣持鷹士
(2010/06/22 18:11登録)
軽いタッチで日常の謎を解く、いかにも東京創元社という連作短編集でした。
若手弁護士が探偵役の友人に奇妙な事象について相談するというパターン4編が収録されています。
犯人は分かるが被害者が不明という安楽椅子もの「あきらめの悪い相談者」が個人的ベスト。


No.519 8点 ナイルに死す
アガサ・クリスティー
(2010/06/21 23:58登録)
クリステイの特質が非常によく出ている佳作だと思います。
主要登場人物の造形の書き込みが丁寧で、それを逆手にとって読者をミスリードする技巧がさえています。
殺人事件がなかなか起こりませんが、序盤から旅情ロマンとサスペンスに気を配っていて、物語に引き込まれました。


No.518 7点 白昼の悪魔
アガサ・クリスティー
(2010/06/21 23:37登録)
非常にオーソドックスで端正な本格ミステリという印象です。
だいぶ前に読んだので記憶が定かではありませんが、リゾート島という舞台や、アリバイ・トリックの使い方がクリスチアナ・ブランドの某作にそっくりだと感じました。


No.517 7点 オリエント急行の殺人
アガサ・クリスティー
(2010/06/21 23:19登録)
「アクロイド殺し」もそうですが、本書のような大仕掛けがある作品は、物語の中盤が間延びしているように感じられます。
浮かんだアイデアに作者自身が舞い上がってしまい物語性が疎かになった訳ではないでしょうが、同じトラベル・ミステリの「ナイルに死す」などと比べると旅情性とか人物の書き込みが弱いという印象です。まあ、人物描写に関しては主役級が多いという事情があったかもしれませんが。


No.516 7点 アクロイド殺し
アガサ・クリスティー
(2010/06/21 19:03登録)
この作品の仕掛けは読む前から知っていましたが、作者の技巧の数々をニヤニヤしながら読めました。物語中盤ちょっとダレるところもありますが、結構楽しめたように思います。
語り手をヘイスティングズにしていれば大傑作になっていたんじゃあないでしょうか(笑)。


No.515 6点 貴族探偵
麻耶雄嵩
(2010/06/21 18:33登録)
主人公の貴族探偵は、事件の証拠集めどころか推理や真相の開陳まで使用人たちに委ね、自分は女性を口説く事に専念、という人を食った設定で、究極の安楽椅子探偵ものです(笑)。
収録作品自体は、些細なことから真相に到達するというパターンで、案外まともなロジック中心のものが多かった。
なかでは「こうもり」が、既読感のあるトリックながら著者らしさが一番出た作品だと思います。


No.514 5点 明日の空
貫井徳郎
(2010/06/21 18:06登録)
帰国子女を主人公にした青春ミステリ風の物語に、短編向きの××ネタを織り込んだミステリ。
読みやすいのはいいんですが、最近流行りの同じようなミステリに食傷ぎみなので、あまり楽しめなかったですね。


No.513 7点 ABC殺人事件
アガサ・クリスティー
(2010/06/21 00:13登録)
連続殺人の動機はどう見ても無茶ですが、ミステリのアイデアは最初に書いたもの勝ちという所があるので、後続の作家がいくらすばらしい改良作を書いても、やはり本書の価値は変わらないと思います。
最後のほうで、カスト氏の頭痛の原因についてポアロが示唆するシーンとか、作者が細かい点に気を配っている所が妙に印象に残っています。

2432中の書評を表示しています 1901 - 1920