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ミステリの祭典

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kanamoriさんの登録情報
平均点:5.89点 書評数:2426件

プロフィール| 書評

No.586 5点 雲の上の青い空
青井夏海
(2010/06/30 18:45登録)
宅配便の運転手を探偵役に据えた連作ミステリ。
5編の日常の謎を描いていますが、物語設定のユニークさやキャラクターの魅力が、初期の連作ものと比べると劣るように思いました。


No.585 5点 星降る楽園でおやすみ
青井夏海
(2010/06/30 18:39登録)
マンション内の私設託児所を舞台に二人組の立て篭もり事件を描いたサスペンス。
作者が書くと緊迫した物語がなぜか盛り上がりに欠けてしまっています。サスペンス小説であっても、やはり日常にこだわっているという感じです。


No.584 5点 そして今はだれも
青井夏海
(2010/06/30 18:30登録)
従来のほのぼのミステリ路線から、シリアスな学園ものミステリに作風が変わった長編ミステリ。
悪意が隠し味なところは、加納朋子風から若竹七海風への転換といったところ。結末の落とし所も従来の作風ではちょっと予想できないですね。


No.583 5点 陽だまりの迷宮
青井夏海
(2010/06/30 18:17登録)
日常の謎系の連作ミステリ。
11人兄弟の家庭に生まれた主人公の青年による「回想の殺人」ならぬ「回想の日常の謎」テーマになっていますが、ミステリよりも家族の絆を謳ったほのぼのとした物語でした。


No.582 5点 赤ちゃんがいっぱい
青井夏海
(2010/06/30 18:06登録)
助産婦探偵シリーズの長編ミステリ。
ミステリ部分が弱いですが、前作を読んでいれば、それぞれの助産婦たちのキャラで楽しめます。
しかし、このタイプと同様のほのぼのとした軽ミステリを書く女性ミステリ作家が多数いる中、著者の独自性が見当たらない。


No.581 6点 赤ちゃんをさがせ
青井夏海
(2010/06/30 17:56登録)
駆け出し助産婦・亀山陽奈の視点でカリスマお婆さん助産婦を探偵役に据えた軽ミステリ、連作短編集。
助産婦3人のキャラやシチュエーションの面白さが魅力で、日常の謎系のミステリとしてもまずまず。
処女作から7年、文章が格段に巧くなっているように思います。


No.580 6点 スタジアム 虹の事件簿
青井夏海
(2010/06/30 17:45登録)
弱小プロ野球球団のオーナーで野球オンチの多佳子夫人を探偵役に据えた軽ミステリ連作短編集。
感心するようなトリックやロジックのキレはありませんが、キャラクターとシチュエーションの魅力で楽しめました。


No.579 6点 うまや怪談
愛川晶
(2010/06/29 20:47登録)
落語界を舞台にした連作ミステリ、シリーズ第3弾。
前2作を読んでいれば、主要キャラクターの言動や落語のウンチクに心地よく浸れると思いますが、今作はミステリ趣向より落語そのものに重点が置かれているように感じました。


No.578 6点 芝浜謎噺
愛川晶
(2010/06/29 20:39登録)
落語界ミステリの連作短編集。
シリーズ第2弾も、落語ネタと事件が綺麗にリンクして良質の短編集になっています。
落語の新解釈などもあって、作者がこのシリーズに力を入れていることがよく分かる。


No.577 7点 道具屋殺人事件 神田紅梅亭寄席物帳
愛川晶
(2010/06/29 20:32登録)
落語界を舞台にした連作ミステリ、シリーズ第1弾。
同類の落語ミステリで比較すれば、田中啓文よりミステリ度が高く、大倉嵩裕と比べてより落語界の内情に踏み込んだミステリという感じか。
落語のネタに詳しければ、より伏線の妙を楽しめたのではと思います。


No.576 4点 ダイニング・メッセージ
愛川晶
(2010/06/29 20:16登録)
美少女代理探偵・根津愛シリーズの連作短編集。
残念ながら本格度は低く、キャラクター小説に近い内容。
まあ、この主人公に感情移入するというのは無理だと思います。


No.575 5点 巫女の館の密室
愛川晶
(2010/06/29 20:09登録)
美少女代理探偵・根津愛シリーズの長編ミステリ。
結構な分量の大作ですが、そのわりに密室トリックがちゃちでした。
古代文明など色々な情報を詰め込み過ぎな感じで、全体的にまとまりがない印象です。


No.574 6点 化身
愛川晶
(2010/06/29 20:03登録)
天涯孤独の身の女子大生の自分探しを描く鮎川哲也賞作品。
密室状況からの園児誘拐とか、叙述による誤誘導など本格趣向があふれた良作で、特に戸籍制度の盲点はちょっと感心。
しかし、インド知識に関するウンチクはあまり物語に溶け込んでいないように思います。


No.573 6点 人喰い
笹沢左保
(2010/06/29 18:20登録)
初期の本格ミステリで協会賞受賞作ですが、同時期の作品と比べても飛びぬけて出来がいいとは言えないと思います。
社会派+恋愛ロマン+本格トリックを組み込んだいつもの笹沢節の作品です。
社会派=労働組合というのはまたかと思わせますし、密室トリックもクレイトン・ロースンなどの前例があるので、あまり読後の印象はよろしくなかったです。


No.572 7点 真夜中の詩人
笹沢左保
(2010/06/29 18:07登録)
初めて読んだ笹沢作品ということで、思い入れがあり個人的に一番印象に残っている誘拐ミステリの秀作です。
当時は、誘拐の動機の斬新さとサスペンス溢れる展開に結構満足したように思います。
再読していないので、今読んだ評価はわかりませんが。


No.571 6点 霧に溶ける
笹沢左保
(2010/06/29 17:56登録)
初期の本格ミステリで、現在でも本格嗜好の読者に一番人気があるのが本書だと思います。
たしかに、いろいろなトリックが多数組み込まれていて、美女コンテストを描きながら同時にトリックの展覧会を見るようでした。
とくに自然現象を利用したトリックは実現性はともかく面白かったですが、人物造形とトリックがどうも相容れないチグハグ感が最後まで気になりました。


No.570 6点 空白の起点
笹沢左保
(2010/06/29 17:44登録)
初期の本格ミステリで比較的評価が高い作品だと思いますが、メイントリックがカーや乱歩の有名作品で前例があるので、読んでいてすぐに分かってしまいました。<偶然>自体が不自然な点など、トリックの使い方もカーのほうが数段巧いと思います。
しかし、トリックを暗示するタイトルは秀逸です。


No.569 5点 悪魔パズル
パトリック・クェンティン
(2010/06/28 21:54登録)
ダルース夫婦シリーズの第5作。
原題は”Puzzle for Fiends"でパズルシリーズの一作ですが、パズラーとは言えません。
ある事が原因で記憶喪失になったピーターがフレンズという一家に軟禁されるというスリラー風の作品で、物語の様相がある程度見えやすくなっているためサスペンスに欠けるきらいがあります。
本作から大きく作風が変化した節目の作品と言えそうです。


No.568 6点 悪女パズル
パトリック・クェンティン
(2010/06/28 21:44登録)
ダルース夫婦が探偵役を務めるパズルシリーズの第4作。
富豪邸に招待された3組の離婚寸前の夫婦の中から女性だけが次々と殺されていく・・・これはシリーズ・タイトル名に恥じないパズラーの佳作だと思いました。
ちょっと無理な構成もありますが、登場人物の言動に二重の意味を持たせるなどして、殺人の動機を巧く隠蔽しています。


No.567 5点 退職刑事6
都筑道夫
(2010/06/28 18:35登録)
安楽探偵もの連作シリーズの最後の作品集。
すでにシリーズの打ち止めを決めていたと思われますが、これまでのパターンを外した作品が散見されます。
退職刑事が現場を見に行き、息子の現職刑事の方が安楽椅子探偵をやったりですが、最後の作品「昔の顔」が一番のパターン外しですね。というか、これは掟破りでしょう。

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