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ミステリの祭典

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退職刑事6
旧題『退職刑事5』(徳間書店版)

作家 都筑道夫
出版日1996年01月
平均点4.67点
書評数3人

No.3 5点 人並由真
(2026/02/07 18:59登録)
(ネタバレなし)
 ブックオフの100円棚で見つけた、元版の徳間文庫版(文庫オリジナル)で読了。つまり評者が手に取った文庫の通巻表示は「6」でなく「5」である。ややこしい。
 『新・必殺仕事人』は仕事人シリーズパート2だが、『新ハングマン』はハングマンシリーズパート3。なんかその辺を思い出してしまう。

 本シリーズはリアルタイムで2冊目までは読んだ記憶があるが、3冊目はどうだったか心もとない。4冊目と5冊目はたぶん確実に読んでない。つまみぐいでこの最終巻を、例によって就寝前とか病院での待ち時間とかに少しずつ読んだ。
 推理も何もなく、直感で一応はつじつまの合う? 話をヒネリ出すだけ、というのはこのシリーズの途中……あるいは晩年のツヅキ作品の多くへの悪口だが、今回は当初からそんなもんだろと思って読み始めたので、あまり腹も立たない。というか、なんか今となってはこのマイペース? な作劇がちょっと懐かしくもある。

 ウワサの「拳銃と毒薬」は(中略)オチで、そのぶっとび具合そのものよりも、老境の、もはや国産ミステリ界での第一線にいるとはいえなくなった当時のツヅキが、なんか世の中(本邦ミステリ文壇)に爪痕のひとつももうひとつ遺しておこうと願いながらこんなのを書いた? という感じで微笑ましい。
 個人的に割と面白かったのは、最後の2つ前の「針のない時計」。しかしこれ、出題に回答がない(一応説明はあるのだが、う~ん)ヘンな話だね。いや、正にソノ辺こそが後年のツヅキ作品か。あと(中略)投げるな。

 あとがきを読むと5年かけて、このシリーズ6冊目の全9編を執筆。まだ書こうと思ってたらしいが、単行本未収録、あるいは他のシリーズとあわせて補遺的な短編集とかあるのかしらん。ちょっとだけ思い付きで、気になった。

No.2 4点 nukkam
(2024/05/01 08:30登録)
(ネタバレなしです) 1990年から1995年にかけて発表された退職刑事シリーズの短編8作を収めて1996年に出版された第6短編集でシリーズ最終作となりました。なお徳間文庫版のタイトルは「退職刑事5⃣」です。私は創元推理文庫版で読みましたが、巻末に作者あとがきと西澤保彦による巻末解説が付いています。これを読むと本格派推理小説としてしっかりした謎解きの作品が読めたのは「退職刑事3」(1982年)あたりまでと評価されていて、個人的に私もそう思います。本書の作品も論理性を感じさせない思いつき程度の推理で強引に解決しているような作品が多いです。作者が「思いきり、でたらめな作品が書きたくなった」という動機で書いた「拳銃と毒薬」(1993年)は衝撃度ではナンバーワンですが、あまりに型破り過ぎて拒否反応する読者の方が多いと思います。

No.1 5点 kanamori
(2010/06/28 18:35登録)
安楽探偵もの連作シリーズの最後の作品集。
すでにシリーズの打ち止めを決めていたと思われますが、これまでのパターンを外した作品が散見されます。
退職刑事が現場を見に行き、息子の現職刑事の方が安楽椅子探偵をやったりですが、最後の作品「昔の顔」が一番のパターン外しですね。というか、これは掟破りでしょう。

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