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ミステリの祭典

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文生さんの登録情報
平均点:5.87点 書評数:510件

プロフィール| 書評

No.150 6点 ABC殺人事件
アガサ・クリスティー
(2017/11/07 17:15登録)
新しいジャンルを確立したという意味で「アクロイド殺し」や「そして誰もいなくなった」と並ぶ重要作品であり、全体のプロットもよく練られている。しかし、現代の読者にとっては初歩的すぎて作者の狙いはバレバレだろう。


No.149 5点 シタフォードの秘密
アガサ・クリスティー
(2017/11/07 17:07登録)
江戸川乱歩の「帽子収集狂事件」推しと並んで不可解な坂口安吾絶賛の本作。トリックの新境地と言っているがどこにそんな要素があるのかと首をかしげてしまう。クリスティの作品としてはせいぜい中の下ぐらいの作品ではないだろうか。


No.148 7点 準急ながら
鮎川哲也
(2017/11/07 08:05登録)
アリバイ崩しを主軸とした作品ですが、トリック自体は作者の代表作と比べると小粒です。それでもアリバイを主張する容疑者に対してあーでもない、こうでもないと試行錯誤するさまは読み応え十分で本格ミステリとしての面白さを十分に堪能することができました。作品全体としても破綻なくまとまっており、手堅い佳作といった感じです。


No.147 7点 蝶々殺人事件
横溝正史
(2017/11/06 14:05登録)
読者への挑戦状を挿入するなど金田一シリーズよりもパズラーに特化した作品です。時刻表を駆使したトリックが用いられているという点でも横溝作品としては貴重。第2の殺人のトリックもユニークで本格好きにはおすすの作品です。


No.146 5点 悪魔が来りて笛を吹く
横溝正史
(2017/11/06 13:40登録)
岡山を始めとする地方ものに名作が多い金田一シリーズにおいて東京ものの最高傑作という位置付けの作品。確かに、本作は没落貴族の悲哀をメインに12人を毒殺したことで有名な帝銀事件を絡ませ、作者のストーリーテリングぶりが存分に発揮された力作に仕上がっている。しかし、物語の充実ぶりに対してミステリーの骨格は案外貧弱でどうしても物足りなさが残ってしまう。密室トリックなども全く面白みに欠け、無理に組み込む必要はなかったのではないだろうか。


No.145 6点 オイディプス症候群
笠井潔
(2017/11/05 22:17登録)
哲学者の密室でハイデガーの実存主義をテーマにしたのに対して本作ではフーコーの構造主義が主題となっている。ただ、哲学者の密室が事件の謎と実存主義の思想が密接に結びついていたのに対して、本作は両者の関係がやや遊離している点が完成度を低くしていると言えるだろう。それでも、個人的には推理と哲学論議を強引に結びつけていない分、本作の方が読みやすく、肩の力を抜いて楽しめることができた。本格ミステリとしてもまずまずの出来で、哲学論議も実存主義よりは構造主義の方が興味深いものがあった。まあ、せっかくの孤島ものなのにサスペンス感があまりなかったのはどうかと思うけれども


No.144 5点 哲学者の密室
笠井潔
(2017/11/05 21:58登録)
密室殺人をクローズアップした大作だが、本作の主題は密室トリックにあるわけではない。密室殺人をガジェットに用い、そこにハイデガーの実存哲学を絡ませて戦争における大量死の意味を読み解こうというのが狙いだ。しかし、その哲学論議には全く乗れず、竜の密室やジークフリートの密室などの解釈はどうでもよいことをグダグダ言っているようにしか聞こえなかった。期待していた密室トリックも大作を支えるには小粒で今ひとつ。大変な労作であることは確かで、作中に挿入されたユダヤ人収容所のエピソードなどはかなり読みごたえはあるものの、全体的に自分が望んだ作品ではなかた。


No.143 7点 覆面作家の夢の家
北村薫
(2017/11/05 19:39登録)
肩の力を抜いてサクサクと読める軽ミステリーの佳作。完結編である第3弾はラストシーンの美しさに1点プラス。余韻の残る良い最終回でした。


No.142 6点 覆面作家の愛の歌
北村薫
(2017/11/05 19:34登録)
2重人格のヒロインと主人公との掛け合いが楽しいシリーズ第2弾。
ミステリーとしての出来はそこそこですが、気軽に楽しめるものを探している人にはおすすめのシリーズです。


No.141 8点 針の誘い
土屋隆夫
(2017/11/04 20:14登録)
赤ん坊誘拐事件と身代金受け渡し時に起きた殺人事件の謎を追う本格ミステリ。
独創的なトリックなどはありませんが、細かい仕掛けの積み重ねが実に効果的に作用しており、作者の円熟味を感じさせる傑作です。独特の抒情性を感じさせる「危険な童話」もよいが、謎解きの完成度の点から言えば本作が土屋隆生の最高傑作だと言えるでしょう。


No.140 6点 覆面作家は二人いる
北村薫
(2017/11/04 13:18登録)
ミステリーとしては小品で可もなく不可もないという感じですが、編集者の主人公とぶっとんだ設定のヒロインの掛け合いが楽しい作品です。円紫さんシリーズの生真面目コンビのふたりが苦手だったのでそのギャップもあり、こちらのシリーズは思いのほか楽しく読むことができました。


No.139 4点 点と線
松本清張
(2017/11/04 13:10登録)
国内ミステリーのメインストリームが戦後の探偵小説から高度成長期の社会派推理小説へと舵を切るきっかけとなった記念碑的作品。
ただし、本作の軸となっているのは鮎川哲也ばりのアリバイ崩しであり、本格ミステリの骨格を色濃く残している。そして、本格ミステリとしては残念ながら高い評価は与えられない。
有名な4分間の空白はプロットに大きな歪みを残す結果となっているし、肝心のアリバイ崩しも1957年の作品とはいえ、アリバイ捜査をしているのにあれの存在になかなか気づかないとはいかがなものか。初期作品だけあって社会派ドラマにも見るべき点は少なく、歴史的価値を除けば凡作域を出ていないと言えるだろう。


No.138 6点 成吉思汗の秘密
高木彬光
(2017/11/03 17:20登録)
中学生の時に読んだ際は、「すごい!完璧な推理じゃないか」と感銘を受けたものだが、歴史の知識を蓄積した後で読むとかなりこじつけが目立つ作品だった。しかし、義経もジンギスカンも有名であるので両者を巡る推理はフィクションとしてはそれなりに楽しく読めることも確かである。


No.137 4点 時の娘
ジョセフィン・テイ
(2017/11/03 16:32登録)
緻密な論証に基づく歴史ミステリーの名作ということなのですが、世界史が苦手なもので内容が全然ピンとこなかったのは残念。話についていくのが精一杯で楽しむ域に達することはできませんでした。


No.136 5点 邪馬台国はどこですか?
鯨統一郎
(2017/11/03 16:16登録)
軽いタッチで気軽に読めるのはいいのですが、やはり推理に説得力がないのが難点。ユニークな仮説だとは思うものの、あくまでも仮説にすぎず、悪く言えばこじつけでしかない。しかも、歴史を研究しているはずのヒロインがそんなこじつけにあっさりと言い負かされてしまうのもどうかと。


No.135 9点 世界は密室でできている。
舞城王太郎
(2017/11/01 17:38登録)
2002年に講談社ノベルス20周年を記念して刊行された密室本シリーズの1冊。だが、その実態はまともな密室トリックを期待して読むと激怒必至のキング・オブ・バカミス。次々と起こる不可能犯罪に対して矢継ぎ早に提示される脱力系のトリックの数々。しかし、その独特の疾走感が心地よい。しかも、それが切ない青春ストリートとコントラストを成し、忘れがたい味わいを形成している。舞城王太郎ならではの青春ミステリーの傑作です。


No.134 5点 パノラマ島奇談
江戸川乱歩
(2017/11/01 17:01登録)
明智小五郎がお約束的に登場するもののミステリー要素はほとんどなく、幻想小説風味に仕上げられた作品。みどころはパノラマ島の異様な光景なのだが、今となってはそれほどのインパクトない。逆に、世界観を全面に押し出した分、ストーリーに起伏が乏しく、やや退屈に感じられるのが残念なところである。


No.133 5点 囁く影
ジョン・ディクスン・カー
(2017/11/01 15:51登録)
カー中期の佳作という位置付けの作品で確かに全体のプロットはよくできている。しかし、個人的には最初の不可能犯罪のトリックと犯人が瞬時に分かってしまったのでその時点で興が削がれてしまった。というか、あそこで用いられた手法は不可能犯罪における基本トリックのひとつなのでカーを読み慣れた人であれば誰でもすぐにピンとくるのではないだろうか。それを前提に読むと第2の殺人における展開もさほどサプライズではなくなり、高い評価は与えられなくなってしまう。


No.132 6点 悪の教典
貴志祐介
(2017/10/31 09:59登録)
生徒たちから慕われ、理想的な教師だと思われたハスミンが実は冷酷なサイコパスだと判明する前半部はスリリングで読みごたえ十分。しかし、多くの指摘がある通り、後半に入ると天才犯罪者であるはずの彼の行動が一気に雑になり、十把一絡げの殺人鬼に堕していくのが残念。もっと彼の悪のカリスマぶりを堪能したかった。


No.131 3点 黄金仮面
江戸川乱歩
(2017/10/31 08:39登録)
言わずと知れたルパンVS明智小五郎を描いた問題作。なぜ不殺をポリシーとしているはずのルパンが人を殺したのかという点がこの作品の肝であるのだが、この真相はあまりにもひどい。それに当のルパンが全くルパンっぽく見えないので「お前はルパンを騙る偽物だろう」という感想しかでてこない。それにしても奇岩城を書いたルブランといい、なぜ昔の作家は他人のキャラクターを勝手に出した上に平気で貶めるようなことをするのだろうか。

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