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ミステリの祭典

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まさむねさんの登録情報
平均点:5.90点 書評数:1344件

プロフィール| 書評

No.264 3点 六とん2
蘇部健一
(2012/01/28 22:55登録)
 アホバカ・トリック自体は,嫌いではないのです。仕事で思い悩んだ際などには「劇薬」の効果も期待できますし。(勿論,単にストレスが増大するだけという危険性も。だから「劇薬」ですね。)
 で,この短編集ですが,前作「六枚のとんかつ」を引き継いだ劇薬系アホバカ作品もあるにはあるのですが,ファンタジー系の作品(ある意味で驚愕!)を含め,上品にしようとしている雰囲気が垣間見えます。正直,中途半端感は否めません。突き抜けるようなアホバカ作品だけを読みたかったのだけれど。


No.263 7点 雪密室
法月綸太郎
(2012/01/26 23:14登録)
 まさにタイトルどおりの内容。オーソドックスかつストレートな本格ミステリと言えます。私は楽しめましたよ。「読者への挑戦」は大好物だし,伏線もキッチリ。法月親子の描き方をはじめ,雰囲気も悪くなかったと思いますねぇ。
 確かに,トリックとしては微妙な点もあります。しかし,私としては,判明した瞬間「嗚呼!その可能性に気付かなかった!不覚だ!」って気持ちの方が強かったので,まぁいいかなぁ…と。
 こういう端正な本格モノへの個人的な想いにより,1点加点!


No.262 6点 メルカトルかく語りき
麻耶雄嵩
(2012/01/25 21:55登録)
 収録5短編とも,基本設定はWHOに力点をおいた王道路線なのです。そしてロジックも十分に展開されるのです。しかし,読者として解決の爽快感を得ることはできません。いや,「解決」とは何か,その定義なくして軽々に語るべきではないのかもしれませんが…。
 個人的には非常に複雑な読後感でした。「裏爽快感」とでも呼ぶべきか…。これは好き嫌いがハッキリと分かれそうです。


No.261 5点 羽衣伝説の記憶
島田荘司
(2012/01/21 16:17登録)
 先日「北の夕鶴~」を読み,吉敷と通子の「その後」が気になったため,早速手にした次第でございます。
 正直,中盤までは「あれれ?もしかして期待ハズレ?」などと感じてしまいましたが,2人の再会以降の終盤は,ちょっとした謎解き要素もあり,2人の進展(?)もありで,盛り返してくれました。
 ただし,シリーズファン限定の面白さという側面も否定できないため,広くお勧めすることは難しいかも。


No.260 5点 北の夕鶴2/3の殺人
島田荘司
(2012/01/19 22:12登録)
 ラブロマンス的要素,サスペンス的要素にバカミス的要素も加わり,何とも不思議な読後感でした。(ちなみに,私にとって「バカミス」とは,決して否定的意味合いではございませんので,念のため申し添えます。)
 ラブロマンス的要素は,今後の2人の関係に興味を持てたし(早速「羽衣伝説~」を入手),まぁ良かったかなぁと。
 一方,サスペンス的要素は,私にはちょっと冗長に感じてしまいましたねぇ。相当にまどろっこしいぞ吉敷刑事。犯人もトリックに自信があるのなら,敢えて夜討ちをかけなくてもさ…なんて言ってたら小説が成り立たないか。
 最後に,バカミス的要素は楽しめましたよ(現場見取図で概ね察しはつきましたが…)。鎧武者の偶然性などご都合主義が過ぎるとか,実現可能性云々とか,敢えて申し上げますまい。この大技自体に意義がある!


No.259 4点 ペルシャ猫の謎
有栖川有栖
(2012/01/17 19:12登録)
 大変失礼ながら,表題作「ペルシャ猫の謎」に関する,作者自身のあとがきを引用させていただきます。
「こんな結末を読まされた読者がどんな気分になるのか、私には判らない。恐ろしいことだ。」
 ええ,本当に恐ろしいことです。問題作であると事前に認識して読むべき作品でしょうなぁ。
 
 一方,森下刑事にスポットを当てた短編「赤い帽子」は,嫌いではなかったです。火村・アリスが登場せず,純粋な「刑事モノ」だったことに新鮮味を感じたのかも。ちなみに,この作品の初出誌は大阪府警の機関誌とのこと。なるほど,だからか…と納得しつつ,依頼した大阪府警,さらには受諾した作者ともに,懐の深さを感じましたよ。こんなこともあるのですねぇ。


No.258 6点 赤い糸の呻き
西澤保彦
(2012/01/15 18:37登録)
 5編からなるノンシリーズ短編集。個人的には,これまで「西澤作品は肌に合わない」と思い込んでいましたが,ちょっと反省。まずまず楽しめました。
 ベストは,エレベーターという密室を扱った表題作でしょうか。動機は相当に疑問ですが,複数の仕掛けが施されているため,まぁいいか…と。読者挑戦モノの「お弁当ぐるぐる」・都筑道夫氏のパスティーシュ「墓標の庭」もまずまず。他の2作品は正直微妙な点も(特に動機なのですがね)…。
 とはいえ,短編ごとに異なる探偵役の設定(キャラもいい),そして妄想推理と論理の絶妙なバランスはやっぱり楽しかったですよ。総合的にこの点数で。


No.257 7点 チェインギャングは忘れない
横関大
(2012/01/12 00:13登録)
 これはイイ。
 「再会」(乱歩賞受賞作),「グッバイ・ヒーロー」と順に読み,この作家の筆力に注目していましたが,間違いではなかった。
 序盤からテンポのよい展開。効果的な視点転換を含めて,グイグイ読ませます。このサイト閲覧者にとっては,読中「楽しいけれど,これってミステリー?」という疑念(?)を持たれるかもしれませんが,構わず読み進めるべし。ミステリーとしての仕掛けもしっかりと用意されていますよ。(好き嫌いはあるでしょうが…。)読後感も良です。時期的にも,このような作品があってもいい,というか,あってしかるべき。
 この作者のこれまでの作品を読むと,「売れる作家」たる要素は多いと思います。乱歩賞出身だし,是非とも東野さんを目指して欲しいですね。個人的に,引き続き要注目の作家さんです。


No.256 6点 グッバイ・ヒーロー
横関大
(2012/01/09 21:09登録)
 乱歩賞受賞第一作ですね。
 音楽を愛するピザ配達人「亮太」と、立てこもり事件で出会った「おっさん」が織り成す,謎と絆の物語。
 特筆すべきは,リーダビリティの高さ。素晴らしい。本格色はないものの,断続的反転はなかなか楽しめました。ハードボイルド的趣向も効いています。読後感も良し。(ちなみに某作家のタッチに似ているような気も・・)
 乱歩賞受賞作(「再会」)で個人的に注目していましたが,受賞第一作は期待以上の出来栄え。早速,次回作も読んでみます。


No.255 6点 水の柩
道尾秀介
(2012/01/08 16:00登録)
 自分が「普通」で退屈なことを嘆く少年は,イジメを受け「普通」を欲する少女や長年の秘密を抱える家族のために何ができるのか?

 道尾ファンとしては,どうしても作者の「騙しの技巧」に期待してしまいます。本作品は,騙しの要素が皆無とは言えませんが,決してそれがメインではなく,限りなく文学作品寄り。よって,ミステリ的側面のみを期待している方にとっては肩透しでしょう。
 私も「道尾ミステリ」に期待して本作品を手に取ったわけです(事前調査なしで読みましたので…)。で,その結果文学寄りだったと。しかし,なかなか沁みる読後感でして,がっかりはしませんでしたね。情景描写なども美しいですし,作者の奥深さは感じました。道尾ミステリの楽しみは,次回作以降に取って置きましょう。


No.254 5点 名探偵水乃サトルの大冒険
二階堂黎人
(2012/01/06 21:27登録)
サクサク読めてしまう,軽い短編集。作品ごとに短評を。
①ビールの家の冒険:私が犯人なら,そんな面倒なことはしないなぁ。
②ヘルマフロディトス:私が犯人なら,日記を燃やすなぁ。その不合理性を「精神的に子供」で済ませていいものか?
③『本陣殺人事件』の殺人:本家への新解釈は確かに興味深かったけれども,私が犯人なら,倣う必要性を感じない。
④空より来たる怪物:これぞバカミス。嫌いではない。

 総合的には,犯人の心理を度外視しすぎで,トリックのためのトリックって印象。一方で,「それを言っちゃあ…」と自分に突っ込んだりも。まぁ,作者は敢えてやっているのでしょうし。
 ちなみに,水乃サトルは,軽い短編集に丁度いいキャラですねぇ。ギリギリこの点数かなぁ。


No.253 6点 ロートケプシェン、こっちにおいで
相沢沙呼
(2012/01/01 16:51登録)
 高校生マジシャン・酉乃初&純な高校生・須川の事件簿第2弾。「午前零時のサンドリヨン」の続編って位置づけですので,前作を読んでからの方が楽しめると思います。
 構成としては,日常の謎解明ゾーンと,某少女の独白ゾーンを,連作短編中に交互に積み上げながら加速していく感じ。両ゾーンに巡らされた伏線も巧妙で,思いっきりやられましたねぇ。爽快にやられましたです。
 なお,作品中の一短編は,アンソロジー「放課後探偵団」が初出。単独で読んだ際にも十分に楽しめたのですが,連作短編の一部として読むと,また違う味わいがありましたよ。
 ちなみに,「ロートケプシェン」とは,ドイツ語で「赤ずきんちゃん」という意味。


No.252 6点 きみにしか聞こえない
乙一
(2011/12/31 11:56登録)
 個人的には手を出しづらい「角川スニーカー文庫」ですが,結論から言えば,3短編ともなかなかの収穫。「青臭さ」が妙に心地よかった。
 この激動の年の読書を締めくくるにふさわしい作品でしたね。


No.251 3点 11 eleven
津原泰水
(2011/12/30 09:07登録)
 なぜ手にしたのかと言えば,「このミスで評価されていたから」。主体性のない選書で申し訳ございません。
 で,読後の感想としては「難しすぎてよく分からない」。咀嚼できたのか,自分でもよく分からん。さらに,これってミステリーなの?それもよく分からない。
 それもこれも,多分私の読解力が不足しているからなのでしょう。重ね重ね申し訳ございません。
 一方,記憶にはガツンと残りましたね。理性ではなく,感性で読めということか。うーん,私には合わない。
 最後に,個人的には,読了するのに一定の精神力を消費しましたので,ココロに余裕のある時に読まれることをお勧めします。


No.250 5点 謎解きはディナーのあとで 2
東川篤哉
(2011/12/27 23:15登録)
 作者の大出世作品の続編。前作の大ヒットについては,従前からのファンとして「もっと良作があるよ」とアピールしたくなる面もありますが,まぁ,苦労人ですし,良かったなぁ…と。
 で,この作者の魅力は,何と言っても本格とユーモアとの融合。この作品でもその辺りを十分意識していると思うのですが,「本格」部分には,やや強引な点も見受けられました。とは言え,マンネリ化と戦いつつキャラを立て,最低限の本格ルールを守っている点は評価。
 どこに主眼を置くかによって採点には相当のバラツキがあると想像しますが,私としてはそれなりに楽しめたので,この点数に。


No.249 5点 詩的私的ジャック
森博嗣
(2011/12/24 21:28登録)
 動機の件を敢えて無視すれば,水準以上には楽しめましたよ。当初の密室を事務的に(いや技術的にと言うべきか?),アッサリと明かす姿勢も嫌いではないです。
 でもなぁ,動機の違和感以外には記憶に残りそうにないなぁ…。


No.248 5点 火村英生に捧げる犯罪
有栖川有栖
(2011/12/19 21:31登録)
4つの短編+4つの掌編で構成。
良くも悪くも「無難だなぁ…」という作品が多かったです。その中でも最も印象に残った作品はと問われれば,メタ的要素もあった「あるいは四風荘殺人事件」でしょうか。


No.247 2点 この島でいちばん高いところ
近藤史恵
(2011/12/17 18:43登録)
正直,「良い点」を見出すことができませんでした。
作者は一体何をしたかったのだろう?これが最大のミステリ。


No.246 4点 壁抜け男の謎
有栖川有栖
(2011/12/17 18:40登録)
 10年間で溜まった掌編・短編を集めたノンシリーズの作品集。良く言えば「バラエティに富んだ作品集」であり,悪く言えば「寄せ集め感溢れる作品集」。
 読者挑戦モノや名作のオマージュの中には「悪くはない」作品もありましたが,全体からすればごくごく一部。その他の作品は,統一感がないというか,中途半端というか・・・。まぁ,各誌からの依頼(制限)に基づいて各々書かれたのでしょうから,致し方ない面もあるのでしょうけれども。


No.245 6点 放課後探偵団
アンソロジー(出版社編)
(2011/12/17 18:35登録)
 1980年代生まれの新進気鋭の作家たちの競演。梓崎優&相沢沙呼(個人的にも注目している2名)に魅かれて手にしたのですが,他の作家のレベルも高かったですね。初めての作家に触れる機会が得られた面でも良かった。
 どの作家も力を入れており,駄作はないです。ロジカルな学園ミステリの揃い踏み。惜しむべきは,表紙がおじさん向きではないところでしょうか(笑)。
 個人的に大注目の作家の作品に絞って感想を。
 相沢沙呼の作品は,ホワイダニットとして面白い。学園モノの特性を最大限に活用していて好感。
 梓崎優の作品は,終盤で「そう来たか」といった軽い驚き。氏らしいなぁ。このアンソロジーの最後に配置したのは正解。

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