home

ミステリの祭典

login
まさむねさんの登録情報
平均点:5.87点 書評数:1196件

プロフィール| 書評

No.176 7点 天使の耳
東野圭吾
(2011/05/31 22:20登録)
交通事故,というか交通マナーをテーマにした短編集。
メッセージ性を包含しつつも,サラリと読みやすいミステリに仕上げてしまうあたりに作者の技量を感じます。読みやすいけど,決して軽さは感じさせない・・ってのは高度ですよね。
これまでに読んだ東野氏の短編集の中ではベストです。


No.175 4点 Nのために
湊かなえ
(2011/05/29 22:25登録)
作者の考えは分かるんですよ。題名も含めて。
でもなぁ,正直自分には合わなかったです。
何か釈然としないし,陰鬱だし・・・


No.174 6点 カササギたちの四季
道尾秀介
(2011/05/22 22:43登録)
 最近はノンミステリ作品が続いていた著者ですが,直木賞受賞第一作は連作短編ミステリで魅せてくれました。まぁ,「魅せてくれた」ってのは,ちょっと言い過ぎなのかもしれませんが,久々のミステリでしたので,ファンとしてはテンションが上がりましたね。
 メインの登場人物は、「リサイクルショップ・カササギ」の店長と副店長(他に店員はいないけど…),さらにこの店に入り浸っている女子中学生。探偵気取りの店長が,毎回「日常の謎」に首を突っ込むというスタイル。
 連作短編のプロットとして非常にしっかりしてます。大仕掛けはないのですが,軽快に読み進められますし,一般的な人間ドラマとしても楽しめました。笑える小ネタも結構詰まってます。この辺りは流石ですねぇ。
 幅広い年齢層にオススメできる作品かな?


No.173 5点 プラ・バロック
結城充考
(2011/05/19 23:45登録)
日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作(2008年)。女性刑事版ハードボイルドといったところでしょうか。
仮想空間,アバター,集団自殺,猟奇的殺人・・・と、まぁ,いかにもなアイテムを総動員してますが,雨の工業地帯を舞台にした,無機質的な雰囲気の醸成は良かったです。その無機質さの中に挟み込んでいる「人間味」の表現手法については,評価が分かれると思いますね。
女性刑事が主人公で,この雰囲気。結構しっくりきますよ。


No.172 9点 マジックミラー
有栖川有栖
(2011/05/15 11:09登録)
アリバイと正面から向き合った力作。そして,何とも「美しい」作品。(別に文学的だとかいう意味ではないですよ。)
作品の中でなされる「アリバイ講義」も良かった。
この作品を,単なる「時刻表トリック」モノと捉えてはいけないでしょうね。入念なトリックの組み合わせ,繊細な伏線配置など,堪能させていただきました。
ラスト(最初?)にも唸りましたねぇ。私の好みのど真ん中なので,プラス1点です。


No.171 5点 最後の一球
島田荘司
(2011/05/10 21:42登録)
 皆さんの書評のとおり,ミステリとしては正直イマイチでしたねぇ。
 でも読みきった後は,「まぁ,たまにはこういう読書もアリだね」って気になりました。
 御手洗センセは,よくよく考えれば大活躍だったのですが,結構影が薄く,むしろ「おまけ」っぽく扱われちゃってます。まぁ,これもアリでしょう。
 作品を尊重して敢えて野球に例えれば,「凡フライだったけど,風の影響でショートとセンターの間にポトリと落ちたポテンヒット」って感じですね。


No.170 4点 なつこ、孤島に囚われ。
西澤保彦
(2011/05/08 18:20登録)
 「怖いもの見たさ」ってありますよね。皆様のあまりの低評価を見せられれば,そりゃあ読まずにはいられなくなるってものですよ!
 ってことで,思わずブックオ●で購入(勿論105円)。
 で,内容は馬鹿馬鹿し過ぎて何ともコメントのしようがないですが,「想像していたよりは」読めましたね。5点以上を献上する気にはなりませんでしたけど・・。(4点でも平均点を上げてるのかぁ!)
 ちなみに,「15周年記念特別書き下ろし」と銘打ってコレを出版した詳伝社の男気(?)には,ある意味拍手喝采ですよ(笑)。


No.169 7点 仮面山荘殺人事件
東野圭吾
(2011/05/07 17:44登録)
スピーディーな展開でサクサク読み進めた結果,まんまと騙されました。ちょっと「臭い」は感じていたんですけどねぇ。
タイトルもイイですね。確かに「仮面山荘殺人事件」ですよ。
でも,このネタ,「ある閉ざされた雪の山荘で」でも使ってませんでしたっけ?


No.168 5点 タイムスリップ明治維新
鯨統一郎
(2011/05/05 23:21登録)
タイムスリップシリーズ第2弾。
ミステリ性は前作よりもさらに減少・・っていうか完全に消えうせた。でも,まぁ,そこそこ楽しかったですよ。歴史SFにでも分類されるのでしょうかね。
幕末好きの方はさらに楽しめる・・のかなぁ?書きながらちょっと自信なくなってきた。


No.167 5点 タイムスリップ森鴎外
鯨統一郎
(2011/05/04 22:13登録)
ミステリとは言い難いですが,現代風刺あり,文学談義あり,勿論笑いありで,結構楽しめました。
後半部よりも,むしろ中盤までの森鴎外先生の変貌(順応?)シーンの方が楽しい。後半は軽く読み流すべし。


No.166 5点 予知夢
東野圭吾
(2011/05/03 22:05登録)
ガリレオシリーズ第2弾。
前作よりもストーリー性は増してますが,トリックとしてはやっぱり「へぇ~」としか言いようがないですね。最終話のラスト10行はかなり好みですが。
「容疑者X」に繋がる,露払い的な短編集ってことで。


No.165 6点 漱石と倫敦ミイラ殺人事件
島田荘司
(2011/04/29 17:03登録)
ワトソンと漱石の両視点での進行は確かに楽しかった。てっきり叙述系かと思ったほど。
ちなみに,漱石視点でのホームズ評はシャーロキアンにとってはどうだったのでしょう?むしろ歓迎なのかな?


No.164 6点 空中ブランコ
奥田英朗
(2011/04/26 21:22登録)
 いやはや,伊良部センセはすごいですね。アユミちゃんも気になってしょうがない。
 前作のイン・ザ・プールに比べて患者の質(?)が向上しているせいもあるのか,上品な仕上がりです。毎回決まった形で収束する,まさに水戸黄門的な作品集ではありますが,一切マンネリ感を抱かずに読みきることができました。
 ちなみに,この採点は「ミステリ性が皆無の作品については30%オフ」との独自評価基準に基づくものですので,ご容赦を。


No.163 5点 探偵ガリレオ
東野圭吾
(2011/04/24 20:15登録)
 確かに,多くの方が述べられているとおり,「へぇ~」という感想に集約されてしまう短編が多いですね。文章ではピンとこないというか・・・。
 とは言え,読みやすく仕上げるあたりはさすがですねぇ。完全に映像化向きの作品ですが,当初から映像化を視野に入れていたとすれば,ある意味スゴイ。実際に当たりましたしね。
 短編集自体を評価すれば,このくらいの点数でしょうか。


No.162 2点 夏の夜会
西澤保彦
(2011/04/23 08:35登録)
 期待はずれ。
 そもそも「記憶の曖昧性をネタにしてます」って表明してるのですから,記憶の喚起によるどんでん返しが続出しても,はぁそうですか,随分引っ張りますねぇくらいの印象しか持てませんでした。惰性というか,むしろ「早く終わんないかなぁ」と思いつつ読んでましたよ。だって,真相をすごーく回りくどく説明していったに過ぎないんだもん。盛り上がりにも乏しいし,正直つまらない。
 登場人物の会話メインで進んでいくのも,苗字が読みづらいのもかなり面倒です。それと,みんな記憶なくしすぎだってば。


No.161 5点 ソロモンの犬
道尾秀介
(2011/04/22 21:22登録)
 氏にしては珍しく(?),ちょっと笑えるシーンも挟み込んでいて,サラサラと読むことができました。ページをめくらせる手腕は相変わらず素晴らしいです。登場人物も魅力的だったし,読後感も悪くないですね。
 でもなぁ・・・ちょっとズルすぎたかなぁ。結局は○○オチの派生版ですしねぇ。「欺瞞のための欺瞞」って感じで,ミステリの側面で見れば,ちょっと落ちるかも。
 ちなみに,多分確信犯でしょうが,某売れっ子作家を意識したタッチにしてますよねぇ。まぁそういう遊び心は嫌いじゃないですけど。
 総合的にこの点数で。


No.160 4点 ガール
奥田英朗
(2011/04/18 21:15登録)
 30代女性達の心の葛藤を描いた短編集。「心の葛藤」なんて書いちゃうと重苦しい印象を受けるかもしれませんが,タッチはきわめて軽やか。
 男性の目で見ると,30代女性たちの「あるある話」的でなかなか楽しめましたよ。
 で,女性の目から見たらどうなのでしょう。「そうそう!分かる!」って感じなのか,はたまた「結局は30代女性をオトコ目線で捉えた作品ね」って感じなのか。その割合の方にむしろ興味あるなぁ。
 ちなみに,ミステリーではないです。ラストの意外性とかも期待してはダメです。その辺りを踏まえた採点ですので,あしからず。


No.159 3点 探偵Xからの挑戦状!
アンソロジー(出版社編)
(2011/04/17 10:45登録)
 携帯小説と番組を連動させたNHKのヒット企画。事前に「犯人当て小説」の問題編を視聴者に配信。視聴者は推理結果を投票。そして番組の中で真相がドラマ仕立てで明かされる。
 「企画としては」面白いですよね。でも,個人的にはほとんど観る機会が無かったのです。
 そんな中,Season3が間もなく放送開始との番宣を拝見し,遅ればせながら文庫化されてるSeason1を読んでみるか…って動機で手にしたのですが,う~ん…。
 暇つぶしとして悪くない作品もあったけど,ヒドイ作品もある。酷さ以外には,何も心に残らないっす。
 ドラマ化するとまた違うものなのか?それとも,ドラマだと,皆期待レベルを下げるものなのか?Season3は観たほうがいいのか?うーん。悩ましてくれる。


No.158 7点 私が彼を殺した
東野圭吾
(2011/04/12 23:00登録)
スピード感,終盤の捻りと緊迫感,犯人特定のロジック,全てにおいて前作「どちらかが彼女を殺した」を上回っている印象を受けました。
相当に楽しめましたねぇ。究極の読者挑戦モノ,第3作目はないのかなぁ。
【以下,ネタバレ的?】
犯人は確かにあの方しかあり得ず,その点の論理性には何ら異議はないです。ただなぁ…警察はソレの指紋調査をしているのだから,もっと早く真犯人にたどり着けたはずですよねぇ。重要視すべきは「とある指紋の存在」よりも「あるべき指紋の不存在」のはずだが…ってことで1点減点。


No.157 6点 怪しい人びと
東野圭吾
(2011/04/10 22:07登録)
目立ちはしない短編集かもしれませんが,非常に読みやすいし,プロットはしっかりしてるし,その点はさすが東野さんと言ってよいのではないでしょうか。
短編ごとに評価の上下はありますが,個人的には「甘いはずなのに」が良かったかな?

1196中の書評を表示しています 1021 - 1040