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ミステリの祭典

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まさむねさんの登録情報
平均点:5.88点 書評数:1269件

プロフィール| 書評

No.249 5点 詩的私的ジャック
森博嗣
(2011/12/24 21:28登録)
 動機の件を敢えて無視すれば,水準以上には楽しめましたよ。当初の密室を事務的に(いや技術的にと言うべきか?),アッサリと明かす姿勢も嫌いではないです。
 でもなぁ,動機の違和感以外には記憶に残りそうにないなぁ…。


No.248 5点 火村英生に捧げる犯罪
有栖川有栖
(2011/12/19 21:31登録)
4つの短編+4つの掌編で構成。
良くも悪くも「無難だなぁ…」という作品が多かったです。その中でも最も印象に残った作品はと問われれば,メタ的要素もあった「あるいは四風荘殺人事件」でしょうか。


No.247 2点 この島でいちばん高いところ
近藤史恵
(2011/12/17 18:43登録)
正直,「良い点」を見出すことができませんでした。
作者は一体何をしたかったのだろう?これが最大のミステリ。


No.246 4点 壁抜け男の謎
有栖川有栖
(2011/12/17 18:40登録)
 10年間で溜まった掌編・短編を集めたノンシリーズの作品集。良く言えば「バラエティに富んだ作品集」であり,悪く言えば「寄せ集め感溢れる作品集」。
 読者挑戦モノや名作のオマージュの中には「悪くはない」作品もありましたが,全体からすればごくごく一部。その他の作品は,統一感がないというか,中途半端というか・・・。まぁ,各誌からの依頼(制限)に基づいて各々書かれたのでしょうから,致し方ない面もあるのでしょうけれども。


No.245 6点 放課後探偵団
アンソロジー(出版社編)
(2011/12/17 18:35登録)
 1980年代生まれの新進気鋭の作家たちの競演。梓崎優&相沢沙呼(個人的にも注目している2名)に魅かれて手にしたのですが,他の作家のレベルも高かったですね。初めての作家に触れる機会が得られた面でも良かった。
 どの作家も力を入れており,駄作はないです。ロジカルな学園ミステリの揃い踏み。惜しむべきは,表紙がおじさん向きではないところでしょうか(笑)。
 個人的に大注目の作家の作品に絞って感想を。
 相沢沙呼の作品は,ホワイダニットとして面白い。学園モノの特性を最大限に活用していて好感。
 梓崎優の作品は,終盤で「そう来たか」といった軽い驚き。氏らしいなぁ。このアンソロジーの最後に配置したのは正解。


No.244 7点 傍聞き(かたえぎき)
長岡弘樹
(2011/12/10 17:53登録)
 4話で構成される,人情ミステリ短編集。どの短編も,軽快で切れ味のあるプロットで,余韻を残す温かな結末も素晴らしい。「短編の良さ」を堪能できる作品が揃っています。
 中でも,日本推理作家協会賞(短編部門)受賞作である「傍聞き」は秀逸。「色々な意味で厚みのある短編」とだけ述べておきましょう。しかも良質。お見事。
 人に薦めたくなる短編集です。


No.243 5点 押入れのちよ
荻原浩
(2011/12/09 21:33登録)
 全9話で構成される短編集。
 最初の3話あたりまでは「この短編集は当たりかもしれない」という好感触だったのです。特に2話目の「コール」における技巧は,ありがちとはいえ大好物。3話目の「押入れとちよ」も,哀しくも癒されましたね。
 しかし,4話目「老猫」で大失速。その後もピンときた作品はなかったなぁ…。いかにもなプロットが多かったですしね。


No.242 7点 マスカレード・ホテル
東野圭吾
(2011/12/05 22:50登録)
 「4件目の連続殺人は某一流ホテルで発生する可能性が高い」との分析に基づき,刑事がホテルマンとして乗り込みます。刑事とホテルウーマンの衝突と理解,登場人物や宿泊客らの人間ドラマなどなど,事件の真相以外にも,多種多様な「読みどころ」を配置しています。サスペンス的要素もあり,一切飽きることなく読みきりました。
 読者として謎解きできるスタイルではないため,純粋に作者のストーリーテラーぶりを堪能するのがベスト。一点だけ気になる点を述べるとすれば,「手口が凝り過ぎている・・・」


No.241 6点 笑わない数学者
森博嗣
(2011/12/03 21:27登録)
 「オリオン像消失トリック」が簡単すぎるなぁ,伏線も分かりやすいしなぁ~と思っていたら,意図的にそうしていたのですか。ははぁ,私はまんまと「逆トリック」とやらに嵌った訳ですね。(なんて言いながら,「逆トリック」の概念ってイマイチ理解できないのですが・・)
 色んな意味で,難しい作品ですねぇ。よって,評価も難しい。


No.240 5点 鬼蟻村マジック
二階堂黎人
(2011/12/03 10:39登録)
 山村の名家,鬼伝説,跡目争い・・・などなど,横溝(最近で言えば三津田信三)的な雰囲気を備えたミステリ。この雰囲気に水乃サトルはふさわしいのか?という疑念もありましょうが,本作品でのキャラは抑え気味でして,結構まともな探偵役を務めています。このことが良いのか悪いのか・・・好みによるでしょうねぇ。
 なお,本格ミステリとしての評価ですが,個人的には「水準以上」と言ってよいと思います。でも,特筆すべき点があるかと問われると,あまり思いつかなかったりして・・・。まぁ,堅実な作品って感じでしょうか。


No.239 6点 犯人のいない殺人の夜
東野圭吾
(2011/11/29 20:52登録)
 ノンシリーズの短編集。駄作がなく,上質な作品が揃っています。一方で,本格色やインパクトは弱め。軽く楽しみたい方にオススメです。
 その中でも記憶に残ったのが表題作。東野氏にしては珍しい仕掛けでしたね。次点が「さよならコーチ」。こちらは,いかにも東野氏らしい作風です。


No.238 5点 諏訪湖マジック
二階堂黎人
(2011/11/27 22:01登録)
 正統派のアリバイ・トリックです。確かにトリックの一部は「人形は~」の派生版ですが,工夫が結構趣深い(?)ですし,終盤のどんでん返し含め,良く練られています。
 ただし,ちょっと長すぎますなぁ。無駄な部分が多いんですよねぇ。相当な中だるみ感を抱きました。トリック自体は悪くないだけに,もっとシンプルでトリックに特化する構成の方がよかったのではないでしょうか。


No.237 7点 放課後はミステリーとともに
東川篤哉
(2011/11/24 21:14登録)
 鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ…ってことになるのでしょうねぇ。とは言え,探偵部長をはじめとする3馬鹿トリオは登場せず,副部長「霧ヶ峰涼」を主人公とした短編集です。
 7年間にわたって書き溜めたらしいですが,確かに,初期の作品ほど出来がよいです。第1話「~の屈辱」は,野球を絡めたのがミソ(ある部分の伏線は欲しかったけれど)。第2話「~の逆襲」は,あの分量での連続反転が見事。短編ミステリとして高水準。他の作品も悪くはないですが,インパクトは落ちます。
 ちなみに,ギャグとしても野球ネタをふんだんに使用していますので,真に楽しむには「野球好き」が条件になるかもしれません。ミステリとは違う視点で「読者を選ぶ」かも(笑)。
 作者は,大ヒット「謎解きは~シリーズ」や「烏賊川市シリーズ」の短編集も発表していますが,個人的にはこの短編集が最もしっくりきましたね。単に私が野球好きだからかもしれませんが…っていう個人的嗜好も含んでこの点数に。


No.236 5点 軽井沢マジック
二階堂黎人
(2011/11/21 20:56登録)
 浅見光彦シリーズを思いっきり意識してますねぇ。舞台も軽井沢ですしね。ここまで「分かりやすく」意識されると,むしろ清々しい。
 読みやすいし,キャラも立っているし,一定の本格性も(すごく地味ですが)具備しているし,作者がこの作品でやろうとした目的は達成しているような気がしますね。個人的には,シリーズ続編にもそのうち手を出してみようかなぁ・・・という気にはさせられました。
 一方で,「二時間ドラマっぽさ」を感じたのも事実。作者に何を期待しているかによって,評価は分かれそうです。


No.235 7点 i(アイ)―鏡に消えた殺人者
今邑彩
(2011/11/18 23:02登録)
 決して驚愕のトリックではないのです。
 しかし,謎の提示手法・的確な伏線・ロジカルな解明・終盤の捻り具合・全体の分量・読みやすさ・・・などなど,全体的にバランスがとれており,非常に良質な作品です。まぁ「バランス」といっても,好みや気分によって左右される抽象的なモノなのですけれども…。しかし,個人的には重要視したい項目ではあります。
 ちなみに,怪奇と本格推理とのバランス(端的にはエピローグ部分の評価)については,何とも微妙ですねぇ。ラストの一撃としては決して悪くはないと思いますが,蛇足っぽい印象も。でもなぁ,ソレがないと最後の被害者(?)の行動が理に適ってないしなぁ…ってソレ自体が理に適ってない訳だし…などと「メビウスの輪」的に考えさせられるのも,まぁ嫌いではないです。うーん,やっぱりバランスがいい作品だと思いますね。


No.234 5点 MISSING
本多孝好
(2011/11/15 20:01登録)
 ミステリ的な側面が一切ない作品も混じっているのですが,純粋な「読書」という目線で見れば,悪くないですね。考えさせられるし,じっくりと沁みます。文章も綺麗。
 しかし,このサイトでの採点はこのあたりにしておきます。


No.233 5点 連続殺人鬼 カエル男
中山七里
(2011/11/13 22:30登録)
 ラストはうまく纏めていると思いますね。
 ただし,どんでん返しの一部は,サイコ系として十分に想定の範囲内であって,驚きはありませんでしたねぇ。それと,内容に比して長すぎる印象。戦い(?)のシーンはしつこ過ぎる。そんなに長く必要か?

(以下,未読の方はご注意を)
 何と言ってもタイトルが「○○○男」ですからねぇ。しかもマスコミが名付け親ときた。ある意味で「まさか」でしたよ(笑)。まぁ,いくつかの工夫は施されているのですけれどもね。


No.232 6点 正月十一日、鏡殺し
歌野晶午
(2011/11/08 21:57登録)
 7話からなる短編集。
 第1話の「盗聴」はノーマルなミステリーですが,次第にブラック度が上昇し,最終話「正月十一日、鏡殺し」に至っては,これ以上ない程真っ黒に。物凄い後味でした…。
 とはいえ,「裏本格」は堪能させていただきました。個人的には「記憶の囚人」の見せ方に感心しましたね。出だしは「はぁ?」って感じなのですけれどもね。


No.231 6点 不完全犯罪 鬼貫警部全事件(2)
鮎川哲也
(2011/11/07 21:39登録)
純粋にロジックを楽しむことができる短編集。
無駄な要素が排除されているので,小気味好く読み進めることができます。
特に,名短編の誉れ高い「五つの時計」は,アリバイ好きであろうとなかろうと,一読の価値アリです。


No.230 4点 君の望む死に方
石持浅海
(2011/11/06 10:33登録)
 「扉は閉ざされたまま」に続く,碓氷優佳シリーズ第2弾。
 前作同様,興味深い状況設定です。ダブル倒叙とも言えるプロットも面白いです。その点は評価します。
 しかし,納得しがたい点も多々ありますねぇ。
 まず,被害者役の行動って論理的か?被害者役は,犯人を隠したいのでしょう?じゃあ,犯人役を見切っていることを碓氷に伝えられた時点で,「自重」しましょうよ。
 そして,碓氷優佳は何をしたかったのか。仮に,被害者役が自重せず説得が不調に終わったとしても,犯人役側に「見切ってますよ」って言えばいいはず。防ぎたいの?防ぎたくないの?っていうか自己矛盾していないのか,碓氷優佳。
 そして,犯人役の母親の行動も謎。子どもにしゃべってはいけない。犯人役もこれまた…もういいや。
 いや,特殊な状況設定のために止むを得ない措置とは思うのですよ。しかし,「賢い」と設定されている登場人物ほど,私にはおバカに見えましたがねぇ。人工的なおバカにね。
 この作家ってこういうところがなぁ…。

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