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ミステリの祭典

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詩的私的ジャック
S&Mシリーズ

作家 森博嗣
出版日1997年01月
平均点5.35点
書評数48人

No.48 5点 ボナンザ
(2021/11/03 21:05登録)
このシリーズは純粋な事件の謎よりも作者の言いたいテーマの方がメインだと気付く第四作。

No.47 9点 mediocrity
(2021/01/27 03:35登録)
第1、第2の密室のhowは正直よく読んでもよくわからないし、実際わからなくても良い部類のトリックでしょう。
第3の密室の謎解き、第1、第2の密室も含めたwhyが見事に解決されて感動でした。
出版順にデビュー作から4作読んできましたが、今の所はこの作品が一番好みです。

No.46 5点 バード
(2018/12/23 12:55登録)
S&Mシリーズの4冊目だがこれまでの中では一番凡作臭を感じた。
登場人物が少なく、なんとなく犯人を予想することはできるが、読者が論理的に犯人を当てられる構成かどうかは疑問である。

序盤から引っ張っていた密室をなぜ作ったか?という問題であるが、いまいち納得できなかった。容疑者から犯人自身を外したいのであれば、双子の入れ替わりによるアリバイ工作だけで十分だったと思う。また被害者の服をとった理由もあまり面白くなかったね。
このように、やや不満点の多い作品。ただし、双子の入れ替わりのやり方はシンプルだけど好き。

No.45 3点 ねここねこ男爵
(2017/10/17 22:13登録)
読むのが苦痛レベル。
名声があればあっちこっちから切り貼りすれば売れるってわけじゃねぇ。
この作者のタイトルはいちいち臭いが、本作は特にそれ言いたかっただけやろって。

No.44 7点 斎藤警部
(2016/07/22 17:08登録)
西野園の乱心の直後に西の空の色合いの描写云々、ここは痺れた。三浦グッジョブのシーンもちょっと泣けた。 しかしまあ、どいつもこいつもバカばかりで、嬉しいよ。バカじゃないかも知れない犀川さん!その「人間の進路の広角さ」ってのは、3Dはおろか4Dフィールドまで視野に入ってるんですか?

椅子取りゲームは Extreme Game の洒落かい? って一瞬思った。 んで、そこに「空気弁」と来るとは! なんかそんなミステリの根幹から外れた感想ばかり出て来る。 でもエンディングが見せる、ある定義の豊かなゆらぎ具合は素敵だな。。  大和田獏みたいですよね、森ミステリって。

なんか弱いんだけど、面白いんだからそれで最高さ。後期レッドツェッペリン的な、程よく大げさな割に程よく弱いみたいな、そんな浮遊するシニフィアン(咳..)的良さに満ちていますね。7.47相当の7点。何処かが惜しいのね。

ところで例の「英語で云々」はまさか目くらましのための見え透いた逆トリックてやつでしょうか? 思えば処女出版作の「F」趣向ってのもGT(逆トリック)そのものだったのかな?

No.43 7点 青い車
(2016/07/17 13:20登録)
 密室殺人がいくつも登場してきますが、それらはどれも理系知識に基づいたトリックですぐさま見抜かれます。そのため本作はシリーズでは珍しく、密室を作った理由が大きな謎となっています。最終的にその解は若干やりすぎな感もあるものの、見たことのない類のもので僕はわりと好きです。余談ですが、一部のトリックは鮎川哲也やアガサ・クリスティーも似たものを使っています(といってももちろん単なる借用でなくうまく応用してます)。

No.42 6点 風桜青紫
(2015/12/20 04:40登録)
必然性から犯人がかっちりと決まる密室。こういうのは、わりと嫌いじゃない。「理系の専門知識〜」などとおっしゃるかたもいるようだが、道具については真相が出る前に提出されるので、忘れたり読み飛ばしたりしなけりゃ大丈夫なはず。身体を傷つける理由については余計なことのように思えて、少々がっかり。それにしても萌絵が可愛くない。せこい恋愛描写(?)はなんだか興醒めしてしまうので勘弁してくれ(笑)。

No.41 7点 Tetchy
(2014/12/21 21:57登録)
S&Mシリーズ第4作目の本書もまた密室殺人を扱ったものだ。もしかしたらこのシリーズは密室殺人事件のみを扱ったシリーズなのだろうか。

しかし本書では密室の謎がメインではない。冒頭2つの密室は早々に解かれる。本書のメインの謎とはこれら密室を作るための至極面倒な手順を何故犯人は行い、密室を形成したのか?だ。

このWhyの解は個人的には予想を超えて非常に興味深い物だった。どこか泡坂妻夫の歪んだ論理を思わせる。ただそれに比して犯人の動機の弱さにはまいってしまった。どなたかが書かれていたが、矛盾していると思うからだ。

本書の意義は建築の知識を前3作にも増してふんだんに使っているところにある。ジェットセメント、エポキシ樹脂などは常日頃建築の仕事に携わっている物にしてみれば珍しくもなんともない代物だ。
痛快なのは数多あるミステリに登場する建物や館の珍妙さを専門家の視点から嘆いているのが実に面白い。特に推理小説は建築基準法や消防法のない世界なのだと萌絵が吐露する件は思わず何度も頷いてしまった。

そういう意味で考えれば本書における密室殺人は全て建築の知識を用いて成された物。それが故に犯人も建築学科の大学院生であったわけだが、つまりはきちんとした建築の知識があれば密室などはいとも簡単に作れるということを暗に示しているように感じた。見た目は閉じられているが、板一枚簡単に外れるし、そこには隠れた抜け穴があるのだという、建築業界にとっては至極当たり前のことを本書では素人相手に示したことに意義がある。

ただまだ私には西之園萌絵の無神経で厚顔無恥ぶりには抵抗を感じる。本書では自分の甘えを痛感するといった場面もあったが、もう少しどうにかならない物だろうか?
シリーズ物はいかにキャラクターに親近感を覚えるかがカギなので、この先のシリーズで萌絵が成長してほしい。私に免疫が出来るのとどちらが先だろうか。

No.40 10点 ∠渉
(2014/12/14 17:16登録)
S&Mシリーズからひとつえらぶとしたら、自分はこれかな。森博嗣が何をしたいのかがようやく少しわかったような気がした。論理性を突き詰めるとミステリィが消滅してしまうという驚きのカタルシス。まぁ論理性なんて幻想なんでしょうが。もちろん、密室のトリックには脱帽したし、総合的にみれば、最も納得のいく手段だと思った。そこにはもはや動機が入り込む余地はないのかとさえ思える。まぁそれっぽいモノはありましたが。切なく、ポエティで、多分ミステリィだった。そしてすべて幻想。

No.39 6点 E-BANKER
(2012/06/10 18:55登録)
1997年発表、S&Mシリーズの4作目。
今回も「密室」をキーワードにした連続殺人事件が犀川の推理の対象に。

~大学の施設で女子大生が連続して殺された。現場は密室状態で死体には文字状の傷が残されていた。捜査線上に浮かんだのはロック歌手で大学生の結城稔。被害者と面識があったうえ、事件と彼の曲の歌詞が似ていたのだ。N大学工学部准教授・犀川創平とお譲様学生・西之園萌絵が、明敏な知性を駆使して事件の構造を解体する~

一般的な評判ほど悪い作品とは思わなかった。
(S&Mシリーズ作品としては評価の落ちる作品のようだが・・・)
「密室」については、howよりもwhyに拘ってる。
あまり書くと思いっきりネタバレになるが、第1,2の殺人そのものと密室トリックが、第3,4の殺人のいわば「前フリ」になっているというプロットは個人的には好き。
この辺りは、「理系ミステリー」というオリジナリティというよりも、実は古式ゆかしい本格ミステリーのプロットを応用したもので、水準以上の質の高さを窺わせる。
(死体に残した傷に関する欺瞞なんかも、まさに正統本格ミステリーそのもの)

他の多くの方が指摘している「動機」については、確かにちょっと荒唐無稽だ。
探偵役の犀川も動機の探求はそもそもやる気がないし、ラストに判明した動機については、そこまでその人物に対する書き込みや伏線もないのだから、アンフェアと言えなくもない。
でも、そもそも本シリーズの動機へのアプローチは、従来のミステリーとは一線を画している筈。
「どうでもいい」とまでは言わないが、まぁ二の次という取扱いでいいのだと思った。

以上のとおり、特に悪くはないのだが、他作品に比べるとちょっと落ちるかなという評価には賛成せざるをえないかな・・・

No.38 5点 まさむね
(2011/12/24 21:28登録)
 動機の件を敢えて無視すれば,水準以上には楽しめましたよ。当初の密室を事務的に(いや技術的にと言うべきか?),アッサリと明かす姿勢も嫌いではないです。
 でもなぁ,動機の違和感以外には記憶に残りそうにないなぁ…。

No.37 6点 虫暮部
(2011/09/14 16:27登録)
 作中の歌詞と殺人事件が類似している、というのはあまりに恣意的すぎると思う。この程度で疑われるならヴィジュアル系やへヴィメタルのバンドマンはみんな容疑者である。
 動機も筋が通っていないように思う。“人を殺した相手をそのまま愛せるような人じゃない”からといって“綺麗にするため”に自分が人を殺すというのは首尾一貫していないだろう。それなら自分自身もリセットしなければならない。人殺しそのものではなくて、露見するか否かを問題にしているようで、それは作中で代弁されたような“汚れたものが嫌いで、純粋で、高尚で”という精神性とは思えない。むしろ、親しい者の犯行が露見することによって自分がさほど純粋でも高尚でもないということに直面するのに耐えられずに全て無かったことにしたかった、のではないかという気がする。

No.36 5点 yoneppi
(2011/06/25 20:56登録)
読み残しのS&Mを読了。密室にする必然性にはちょっと感動。でもこの手のトリックや動機には納得いかない。作者はタイトルに時間をかけるらしいが、「詩的私的」が言いたかっただけじゃ…。

No.35 4点 ムラ
(2011/04/11 20:34登録)
今回はセリフ回しがなかなか面白かった。
密室のトリックもハウダニットよりもホワイダニットを主としているから全然あり。楽しめた。
動機についてはまぁわからなくてもしょうがないかなぁ。
主役二人以外のキャラがイマイチ弱いのがちょっと残念。
あとどうでもいいけど萌絵はハリウッドヒロインじゃないんだから毎回毎回危機に陥るなよ。

No.34 6点 白い風
(2009/08/09 23:06登録)
皆さんの評価が芳しくなかったので、飛ばしていたけど、S&Mシリーズを半分読んだところでやっぱり読むことにしました。
1,2の事件から犯人を検討するのは100%ムリだと思うけど、第3、4の事件後は犯人は想像できました。
ただ、第1の犯行と動機は全く分からず仕舞いだったけどね。
基本的にこのパターンは好きじゃないけど、それでもあんまり不満はなかったですね。

No.33 2点
(2009/04/10 07:12登録)
これほど苦痛を感じた作品はない。
ぼくには全く合わなかった。
とにかく書きたいことがいっぱいある。
まずトリックが専門的すぎ。理系というのではなく、みんなが知らないことをトリックに使えばいい、という考えなのだろう。理系だったら、ロジックを重視せよ。
つぎに文章。へたくそすぎ。地の文も会話も短文のわりには、読みやすさがない。つながりがなく、余計な文が多いせいだろう。短文が羅列してあって、無機的な感じがする。かといって、ハードボイルドのように乾いた感じでは決してない。
自己満足タイプの文章だ。文章修行をすべきだ。
それから、文章だけでなく構成も悪いし、ストーリーも悪い。全体的にとりとめのない感がある。関係のない場面が多すぎる。
この作者、多作と聞くが、おそらく文章は練らないのだろう。構成にしても、時間をかけないのではないか。
良い点は、叙事的な記述が比較的うまいところ、それだけ。

単に自分に合っていないだけかもしれません。

No.32 6点 りんちゃみ先輩
(2009/02/08 15:00登録)
四作品目ですが、前三作に比べと、今ひとつの感じです。犀川と萌絵の会話は相変わらず面白いが・・・途中、犀川が中国出張中で物語が進んでいたところは退屈気味でした。次作に期待!!

No.31 5点 スピカ
(2008/09/30 08:30登録)
毎度、萌絵が危険に晒される場面がはいってるけど、必要なのかな?と思ってしまう。ひとつの要素として申し訳程度にはさまれている感じ。
でも嫌いじゃない

No.30 3点 あい
(2008/03/11 17:06登録)
氏の作品は密室ものが多いがこういう感じじゃ・・・Fの様な感じが見たい

No.29 3点 マニア
(2007/12/30 14:41登録)
印象が全くない作品。動きの少ないストーリーをダラダラ見せられてる感じ。トリックも微妙!

S&Mシリーズの中だるみ作かな。

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