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ミステリの祭典

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放課後探偵団
学園ミステリ・アンソロジー

作家 アンソロジー(出版社編)
出版日2010年11月
平均点6.50点
書評数4人

No.4 7点 メルカトル
(2014/10/01 22:13登録)
これこそ粒ぞろいと呼ぶにふさわしい学園ミステリ珠玉の短編集。しかし、みなさんタイトルで敬遠されてはいないでしょうか?読んでみればそれが杞憂に終わると思うので、どのジャンルが好みとかに拘わらず、多くの方に読まれることをお勧めしたい。
それぞれが他愛無い、或いは些細な日常の謎を扱っているが、それを端正なロジックで攻めて、スッキリと解決に導いている辺りはとても好感が持てる。似鳥氏のトリックだけはちょっとややこしいが、まあ私の頭脳がついていけなかっただけで、問題ない。
各キャラもふとしたしぐさや言葉に個性が出ていて、よく描かれているので、ライトな読み物としても合格だろう。特に、それぞれの物語に登場する女子は魅力に溢れていて、読んでいてほのぼのとした気分にさせてくれる。
各短編が際立った特徴を持っていて、違った色の光を放っているが、最後の最後で梓崎氏にもっていかれた感が半端ない。掉尾を飾るに相応しい作品だと感じる。途中まではあまり好みではなかったが、見事な反転でやられた、いや本当に参りました。

No.3 7点 HORNET
(2012/08/13 01:53登録)
やはり私も梓崎優と相沢沙呼という名に惹かれて読んだが,他の作品も学園生活を舞台にユニークな設定,仕掛けで存分に楽しめる。普段濃厚なミステリにどっぷりつかり,たまには肩の力を抜いてライトミステリを・・・なんてときに読んでもよいと思う。とはいえ各作品は良質。
 相沢沙呼はあの「サンドリヨン」のシリーズで,短編もGoodだった。これを読んで,「いいな」と思ったら読んでみるとよい。鵜林伸也「ボールがない」梓崎優「スプリング・ハズ・カム」が個人的には好きなタイプだった。

No.2 6点 まさむね
(2011/12/17 18:35登録)
 1980年代生まれの新進気鋭の作家たちの競演。梓崎優&相沢沙呼(個人的にも注目している2名)に魅かれて手にしたのですが,他の作家のレベルも高かったですね。初めての作家に触れる機会が得られた面でも良かった。
 どの作家も力を入れており,駄作はないです。ロジカルな学園ミステリの揃い踏み。惜しむべきは,表紙がおじさん向きではないところでしょうか(笑)。
 個人的に大注目の作家の作品に絞って感想を。
 相沢沙呼の作品は,ホワイダニットとして面白い。学園モノの特性を最大限に活用していて好感。
 梓崎優の作品は,終盤で「そう来たか」といった軽い驚き。氏らしいなぁ。このアンソロジーの最後に配置したのは正解。

No.1 6点 kanamori
(2011/04/03 18:34登録)
東京創元社のお抱え新進作家5人による学園ミステリ・アンソロジー。
評判の梓崎優を目当てに読んでみましたが、他の作家さんも予想以上に頑張っていて、これは拾いものの作品集でした。

似鳥鶏「お届け先には不思議を添えて」は、葉山君と伊神先輩シリーズ。発送した宅配箱の中身が入れ替った謎の不可能性が強烈で真相も鮮やか。この作家は出す毎にクオリティが上がっている気がする。

相沢沙呼もシリーズ探偵の女子高生マジシャンもの。バレンタイン・チョコ大量盗難事件のホワイがユニークです。
初めて接する鵜林信也、市井豊両氏の作品を含め、4作品に共通するのは、事件自体は日常の謎系の軽めなのに対して、解法が緻密で非常にロジカルなところでしょうか。

最後の、梓崎優「スプリング・ハズ・カム」は、いかにも作者らしい大仕掛けが炸裂していて編中の個人的ベスト作品ですが、昨年読んだ乾くるみの某作とネタが被り気味なのがちょっと気になった。

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