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ミステリの祭典

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赤い糸の呻き
ぬいぐるみ警部シリーズを含む短編集

作家 西澤保彦
出版日2011年08月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 kanamori
(2014/12/31 20:32登録)
それぞれ異なる探偵キャラを配した5編から成るノンシリーズの中短編集。(その後にシリーズ化されたものもあるようです)
ほとんどが探偵役二人の妄想的推理による仮説を、会話文を主体に展開してゆく構成になっているため、スラスラ読めるのが良いですね。

収録作のなかでは、閉じ込められたエレベータの暗闇の中での殺人を扱った表題作の中篇「赤い糸の呻き」が編中の個人的ベスト作品。重層的な推理の果てに明らかになる意外な動機と犯人像、ラストの二段オチでタイトルの意味が分かる構成が巧みです。
「お弁当ぐるぐる」は、読者への挑戦つきで犯人当てミステリとして書かれた作品。証拠が絶対的なものとはいえないため、作者の用意したこの真相が唯一無二と言えるのか、ちょっと疑問に思えてしまうところがあります。
「墓標の庭」は、都筑道夫の”物部太郎シリーズ”のパスティーシュ。謎解きは平凡ですが、贋作としてはかなり上手い出来です。
「対の住処」は動機の異常性がすべてですが、途中で判ってしまいました。

No.1 6点 まさむね
(2012/01/15 18:37登録)
 5編からなるノンシリーズ短編集。個人的には,これまで「西澤作品は肌に合わない」と思い込んでいましたが,ちょっと反省。まずまず楽しめました。
 ベストは,エレベーターという密室を扱った表題作でしょうか。動機は相当に疑問ですが,複数の仕掛けが施されているため,まぁいいか…と。読者挑戦モノの「お弁当ぐるぐる」・都筑道夫氏のパスティーシュ「墓標の庭」もまずまず。他の2作品は正直微妙な点も(特に動機なのですがね)…。
 とはいえ,短編ごとに異なる探偵役の設定(キャラもいい),そして妄想推理と論理の絶妙なバランスはやっぱり楽しかったですよ。総合的にこの点数で。

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