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ミステリの祭典

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メルカトルさんの登録情報
平均点:6.03点 書評数:2034件

プロフィール| 書評

No.194 7点 ビブリア古書堂の事件手帖
三上延
(2011/11/30 22:08登録)
このような良作が世間の注目を集め、人気を博しているのは非常に喜ばしい事だと思う。
古書にまつわる日常的な謎を、入院中で安楽椅子探偵の栞子さん(ビブリア古書堂の店主)が最低限の情報だけで解決に導いていく、という連作短編集。
しかし、最終話では思いもよらない展開が・・・
途中、何度も女性作家による作品と勘違いしそうになるほど、描写が細かいと言うか繊細である。
栞子さんと、ビブリア古書堂でバイトをすることになった大輔との微妙な関係も、今後どう発展して行くのか気になるところだ。
続編も読みたいが、makomakoさんのように近所に大型書店がないため、しばらくは我慢するしかなさそうである。


No.193 7点 名探偵に薔薇を
城平京
(2011/11/26 23:59登録)
第一部はクセのある文体でやや読みづらかったが、第二部ではそれも解消されて集中できた。
これは「小人地獄」という毒薬を巡る物語で、なんと言っても主役はこの毒薬ではないだろうか。
解説によると第一部は後付けらしいが、それにしてはよく練られていると思う。
そして本題の第二部では、二転三転する展開に久しぶりに頭がクラクラした。
それにしても、これほど探偵が心情を吐露するシーンが多いミステリは初めて読む。
それだけに、探偵役の瀬川みゆきの、名探偵であろうとするがゆえの苦悩と孤独が浮き彫りにされていて、身に詰まされ、深く考えさせられる。


No.192 6点 孤虫症
真梨幸子
(2011/11/22 21:23登録)
第32回メフィスト賞受賞作。
序盤から中盤にかけては非常に面白く、のめり込める。
終盤はまったりしてきて、ラストはもやもや感が残る、なんとも評価の難しい作品である。
しかし、疑問点がいくつか謎のままだし、描ききれていない部分もある。
だから、ミステリのカテゴリーに分類するには抵抗がある、かといってホラーでもないし、なんだろう。
エロ描写やドロドロした恋愛物が好みの読者には受けると思う。


No.191 7点 !(ビックリマーク)
二宮敦人
(2011/11/13 22:26登録)
ホラー、サスペンス、ミステリ、この3つの要素を上手く融合した、3篇の中編からなる作品集。
作風はまるで絶好調時の乙一の様。
最終話だけは?な部分がいささか大きいが、それでも不条理の世界を描く作者の手腕はなかなかのものである。
一度騙されたと思って読んでみて欲しい。きっと満足できると思う。
特にホラー好きは見逃せない、オチもしっかりあるのでミステリ・マニアもどうぞ。


No.190 6点 あわせ鏡に飛び込んで
井上夢人
(2011/11/09 21:29登録)
各短編がそれぞれ一定水準を上回っていて、飽きずに読むことが出来る。
しかし、逆に言うと突出したものがないため、どれも抜きん出て面白いとは言いがたい。
個人的には表題作が最も面白かったが、他の作品も時代を感じさせるものが結構あり、その意味でも意義深いものを思わせる。
様々なタイプの作品を楽しめる、お得な短編集と言えそう。


No.189 6点 ゴメンナサイ
日高由香
(2011/11/04 22:16登録)
呪いを読者にまでかけてくるメタ構造がたちの悪い、異色のホラー。
クラスで孤立した女子高生の書いた、演劇用のシナリオを読んだ者が次々と謎の死を遂げる。
呪いをかけられたそのシナリオを巡って、様々な事件が巻き起こり、死者は増えるばかり。
呪いを解く方法は果たしてあるのか?
といった内容で、特に目新しい要素はないが、一気に読める面白さは備えている。
しかし、怖さはあまり感じない上に、文章がやや稚拙な点は気になるところではある。


No.188 6点 彼女がその名を知らない鳥たち
沼田まほかる
(2011/11/01 22:22登録)
主人公の十和子(33歳)は同居人の陣冶の不潔さ、いい加減さを忌み嫌い、憎んでいるが、なぜか離れられない。
彼女は失踪した元恋人との過去を引きずりながら、陣冶が彼を殺したのではないかとの疑いを抱いている。そこへ新たな恋の相手、水島が現れる・・・。
といった展開で、もうドロドロの男女の愛憎劇が繰り広げられる。
しかし、意外な真相とラストシーンは間違いなくミステリであり、全編を通してサスペンスが効いていて、限りない嫌悪感を抱かせながらも、最後まで読ませてしまう腕は確かである。
同作家の『猫鳴り』も読んだが、とても同じ作家の手になるものとは思えない作風の違いで驚かされる。


No.187 6点 空想探偵と密室メイカー
天祢涼
(2011/10/27 21:43登録)
問題の密室だがさほど特異な設定とは思わないが、これを作った理由は前代未聞であり、密室史に名を残すといっては言いすぎか。
ラストの密室を巡る攻防は非常に読み応えがあり、圧巻である。
ただし、タイトルにあるように“空想”探偵のポアロやフェル博士が謎を解くのを期待すると裏切られる。
まあしかし、全体的によく練られていて面白かった。


No.186 5点 予告探偵 西郷家の謎
太田忠司
(2011/10/23 21:42登録)
最終章まではごくオーソドックスな本格ミステリ。
いかにもな名探偵とありがちな助手、密室殺人に過去の事件が絡む、ある意味コード型の本格推理の様相を呈している。
が、最終章で唖然とする展開に・・・。
ただし、取って付けたような印象は否めない。


No.185 6点 殺人鬼フジコの衝動
真梨幸子
(2011/10/19 21:39登録)
10人以上殺人を犯したフジコの半生を描いたジャンル不明の小説。
あくまで暗く、重い。決して文章が上手いわけでもない。
がしかし、物語に引き込まれることは間違いない。
特に前半の小学生時代の虐め苛まれるフジコの育った環境はあまりに異常で、嫌悪感は半端ではない。
だが、この小説のキモはあとがきにある。
このあとがきによって初めてミステリとしての姿をおもむろに現すことになる。
衝撃的とか、やられたとかという声が多いのだが、個人的には「ああ、そうだったのか」くらいにしか思えなかった。
しかし、このあとがきの存在はこの作品の全体像を引き締める役割を果たしているのは間違いないだろう。


No.184 4点 死亡フラグが立ちました!
七尾与史
(2011/10/11 22:21登録)
申し訳ないが、私には体質的に合わなかった。
こういったミステリの形もあるのだということを再認識させられはしたが、いかんせん無理がある。
殺し屋、死神のやり口はいわゆる可能性の犯罪ではあるが、そんな偶然に頼ったやり方で、ターゲットを24時間以内に殺害できるだろうか。
バナナの皮が凶器って、冗談きついですよ。


No.183 6点 スメラギの国
朱川湊人
(2011/10/07 22:23登録)
特殊な能力を持った一匹の猫と取り巻きの猫たちと、大切な人を失ったり傷つけられたりした人間との死闘を描く力作。
朱川氏にしてはグロくはないが残酷な描写が目立つ。
しかし、やはりさすがに泣かせどころは心得ていて、終盤はかなり心動かされる。
ホラーとサスペンスが融合された、氏にしては異色の長編となっている。


No.182 3点 鉄人探偵団
山下貴光
(2011/09/26 21:51登録)
帯によると、勇気と友情の青春ミステリーらしいが・・・正直読むんじゃなかったと後悔している。
魔が差して衝動買いしてしまったが、ほとんど見所がない。
3人の少年と1人の少女の、友情を描いた青春小説のようだが、ミステリ的要素は薄いので、読もうと思っている人は要注意である。
ま、こんなこともありますね。


No.181 7点 厭な小説
京極夏彦
(2011/09/18 23:55登録)
誰にでも書けそうで京極氏にしか書けない、そんな作品。
あえてジャンル分けするならば、ホラーということになるだろう。
帯にあるように、読後はどんよりしている。
連作短編集なのだが、どの作品も共通の人物が登場するだけで、ほとんど独立した仕上がりになっている。
厭な子供や老人、彼女、家などにまつわるエピソードが独特の筆致で描かれている訳だが、後味は思ったほど悪くない。
ただなんとなく不安定な余韻を残すため、どんよりしているのである。
最終話ではちょっと意外な展開で、あるミステリ的手法が取られていて、個人的にはもっとも面白かった。


No.180 5点 人面屋敷の惨劇
石持浅海
(2011/09/11 23:28登録)
はっきり言ってタイトル負けしている印象は否めない。
作者が一体何が描きたかったのか、その意図も私には理解できないし、いわゆる館ものを書きたかったようだが、その意味でも成功しているとは言いがたい。
立派なタイトルを付けているのだから、もっと内容を充実させて欲しかったと言うのが正直な感想。
内容が希薄であるし冗長に感じたのは間違いない。


No.179 4点 チヨ子
宮部みゆき
(2011/09/06 23:48登録)
ホラー、ファンタジーの中短編集。
宮部女史の作品は久しぶりに読んだわけだが、正直期待はずれだった。
解説にもあるように、今まで未収録だった短編を集めた、いきなりの文庫本なので、その辺りに価値を見出すことは出来るかもしれない。しかし、作品の出来がどうにもスッキリしないものが多く、オチも捻りもいまひとつ。
少々退屈さすら感じる作品集となってしまっている。
最終話の『聖痕』はミステリかと期待させておいて、途中からテンションが落ちる残念な作品。


No.178 7点 キョウダイ
嶋戸悠祐
(2011/09/01 23:31登録)
序盤の平和な家族の日常と、それ以降の異常で不気味な雰囲気を漂わせた一家の物語との対比がなんとも名状しがたい魅力である。
全体としてはホラーともミステリとも言いがたいような、奇妙な作品であり、ドロドロした物語が好きな読者には堪らないであろう。
ミステリ的要素として、お馴染みの双子トリックもどきが用いられており、新味はないけれど、それなりに成功しているのではないだろうか。
今後が楽しみな新人の登場である。


No.177 5点 七人の中にいる
今邑彩
(2011/08/27 22:05登録)
私は本作にあまりミステリ性を見出せなかった。例えば伏線が少なすぎるとか、犯人を特定する材料に乏しいなど。
やはり作者本人が言っている様にサスペンスではないだろうか。
そうした目で見ると、かなりの良作であるのは間違いないと思うが、ミエミエの最終章は安易に過ぎるきらいがある。
サスペンスフルで中盤までは面白く読ませてもらったが、やや長すぎるのではという気がする。
もう少しコンパクトに纏めることはできなかっただろうか、と少々残念ではある。


No.176 5点 「死霊」殺人事件
今邑彩
(2011/08/19 23:48登録)
今邑女史の作品としては珍しく読み辛かった。
冒頭に魅力的な謎が提示されているが、残念ながらその解決が納得の行くものとは言いがたい。
タイトルをこれだけ大袈裟にしたのならば、それ相応の結末を期待するところだが、それは果たされていない。
また、主人公を含む登場人物に魅力が感じられないのもマイナス点であろう。


No.175 5点 九杯目には早すぎる
蒼井上鷹
(2011/08/10 21:29登録)
はっきり言ってどれもこれも取るに足らない、もっと言えば読んだその日に忘れてしまうような短編集。
その中で唯一『私はこうしてデビューした』が、折原一氏を髣髴とさせて面白かった。
ちょっとしつこい感じもするが、オチもキッチリついていてブラックな結末はなかなかのもの。
その他の作品は、サスペンスでもなければ本格でもない、どっちつかずの中途半端な出来映えである。

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