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ミステリの祭典

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クール・キャンデー
葉崎市シリーズ

作家 若竹七海
出版日2000年10月
平均点6.23点
書評数22人

No.22 6点 ミステリ初心者
(2021/06/23 18:53登録)
ネタバレをしています

 非常に読みやすい文、かつ160ページで終わるため、2日ぐらいで読み終えました。
 タイトルと、表紙から感じるさわやかさとは裏腹に、結構おもたくて本格的な推理小説での話でした。しかし、主人公・渚のキャラクターと、行動力によって、物語が徐々に明るくなっていき、閃きによって兄が救われ、大団円で終わり!…かと思いきや、ラストの1行で急転直下のイヤミスと化しました(笑)。

 推理小説的には、2つの点が興味深かったです。
 まず、渚の行動の"柚子に変装し田所浩司を脅かす"が意図的に書かれておらず、また渚自身の聞き込み調査のシーンもあって、事件当日に田所を起こした人物=渚とは全く思えませんでした。これって叙述トリックでしょうかね?
 また、最後の一言で、"田所浩司殺人事件"ではなく、"柚子殺人事件"だったのでしょうね。読者に被害者を錯覚させていたのですね。

 ちょっと削れば短編にもなりそうなぐらい短い作品ですが、ミステリ本来の楽しみが味わえる作品だと思います。
 全く関係がありませんが、私は過去にニコ〇コ動画にはまっていたことがあり、ある人物の名前に反応してしまいました(笑)。1字違いですね。

No.21 5点 makomako
(2014/02/23 09:24登録)
 途中まではテンポも良くなかなか楽しかったのだが、最後に来て急にだめになったと感じました。意外などんでん返しというより物語が破綻しているというべきでしょう。そうでなければまったくのアンフェアーな展開。どうみても途中で出てくる主人公の女の子の感じ方と後半の告白は矛盾しています。
 若竹氏の作品は読みやすく好感が持てるのです。ところがどうも最後に来て話に無理が出てくる気がするのでしばらく離れていたのです。今回久しぶりに氏の作品を読んで途中まで楽しんでいたのですが、やっぱりがっくり。もうちょっとで素敵なお話になると思うのですがねえ。

No.20 6点 E-BANKER
(2014/02/11 01:02登録)
2000年発表。
祥伝社文庫創刊十五周年を記念して出された書き下ろしシリーズ中の一冊。

~「兄貴は無実だ。わたしが証明してやる!」。誕生日と夏休みの初日を明日に控え、胸を弾ませていた中学生の渚(なぎさ)。だが、愉しみは儚く消えた。ストーカーに襲われ重態だった兄嫁が他界し、さらに同時刻にそのストーカーも変死したのだ。しかも警察は動機充分の兄・良輔を殺人犯として疑っている・・・。はたして兄のアリバイは? 渚は人生最悪のシーズンを乗り切れるのか?~

これはもう『最後の一撃』のために存在する作品。
序盤~中盤~終盤までの経緯なんてあまり関係なく、最後の一行でどれだけ「ゾーッ!」とできるかで、本作への評価は大きく変わってくる。
冒頭から一人称で語られ、分量の短さからみても、恐らく叙述系の仕掛けがあるのだろうと予想しながら読んでいたが、まずは終盤でそれっぽい仕掛けが判明し、「やっぱりな」と納得。
ただし、それに満足していると、間髪入れず最後の一撃が脳天に振り下ろされるのだ。
これには相応のサプライズを感じてしまった・・・

さすがにミステリー好きの“ツボ”を心得ているということなのだろう。
制約された分量のなかで、こういう計算し尽くした作品を書けるということに、作者の「腕」を感じることはできた。
ただ、まぁそれだけと言えばそれだけなので、あまり高い評価もし難い。
短いし、軽い読書にはちょうどいいだろう。

No.19 8点 蟷螂の斧
(2011/10/28 08:10登録)
中編の青春物で、重厚感はないものの構成はよかった。短編集ではロアルド・ダール氏や阿刀田高氏が好きなので、このブラック・ユーモアを彷彿させるラストは気に入りました。ほぼ同時期発売の「噂」(荻原浩氏)もラスト一行が同様であったので、同評価としました。

No.18 6点 seiryuu
(2011/02/06 19:10登録)
最後の1行でぞぞっとした。
このページ数で青春ミステリーとしてまとまっていて、ラストも楽しめたので満足。

No.17 5点 まさむね
(2010/11/14 20:28登録)
ページ数も限定されている(のであろう)中,綺麗に織り込みましたねぇ…という印象。
個人的には,最後の1行に衝撃を感じませんでした。
途中,何故「そっち」の方はノー追求なのだろう…って考えてしまったので,何となく察しが…。「そっち」についてあそこまで完全に放りっぱなしにするんですから,匂いがプンプンと…。(主人公の件は気付かなかったケド…)
感情移入できる登場人物がいなかったことも,ちょっと残念。

No.16 4点 メルカトル
(2010/11/06 23:53登録)
ページ数の関係もあるだろうが、全体的に希薄な印象は拭えない。
登場人物の誰にも感情移入できないのは致し方ないかもしれないが、何気に悪意に満ちているのは好き嫌いが分かれるところではないだろうか。
それがこの作者の持ち味と言えなくもないが、それにしても主人公の渚には年相応の可愛げが感じられないのは痛い。
最後の一行は確かに驚かされたが、残念ながらカタルシスは味わえなかった。

No.15 7点 江守森江
(2010/04/02 02:02登録)
軽いノリな青春ミステリーの雰囲気で(一冊ではあるが)中編なため先入観なしに読み進んだ。
終盤にかかり「アクロイド」の技法だった事に呆れ、次に兄を庇う方法に思い至り、まんま想像通りで「なあ〜んだ」とナメきったら「最後の一行」に打ち取られてしまった。
軽いノリ・「アクロイド」の技法・兄を庇う方法までが最後の一撃の為の捨て駒で、実に巧妙な事に感嘆した。
しかも、読者に狙いを放置させながら結末まで読ませる技量は凄い。
#途中に追記(11月14日)
最後の狙いは高木彬光や歌野の短編に同プロット作品があるが狙いその物を一番放置し易い構成で巧妙だと思う。追記終了#
よくよく考えればダークな結末も想像できる程度に伏線もある。
しかし‘驚き’とダークな余韻しか残らない事も間違いなく、満点には至らないと判断した。
※補足
綾辻「十角館〜」・我孫子「殺戮〜」・歌野「葉桜〜」(←基本点)辺りを6点にしている事から‘驚き’のレベルは想像して下さい。
乾「イニシエ〜」の9点は驚きより納得に比重を置いた採点なので参考外。

No.14 8点 テレキャス
(2009/07/22 23:48登録)
破壊力抜群のラスト一行に呆然自失。
おそらく中高生向きの青春ミステリなんでしょうがいやいやよく出来ていて驚いた。
ジュブナイルだと麻耶の神様ゲームなんかも大人が読むに足る良作として有名だけど私は断然この作品のほうが好きですね。

No.13 7点 okutetsu
(2009/07/01 06:11登録)
あのラストはビビる。
ちょっと登場人物たちが好きになれないかな。
ささっと読めていいとは思うけど。

No.12 6点 ロビン
(2008/12/10 19:46登録)
これはアンフェアじゃないですよね?構図や展開も本格ではなくサスペンスだし。この分量でサクッと読めるし、「最後の一撃」もそれ相応の威力が。
この人の物語はホント、嫌な人間が出てくるなあ。読者を苛々させるのが上手い笑。

No.11 7点 dei
(2007/07/22 08:30登録)
なかなか面白かった。
短くまとまっている。アンフェアなのには・・・目をつぶって

No.10 7点 なの
(2007/06/23 19:46登録)
ハズレだらけの400円文庫では、かなり健闘しているのではないでしょうか。
いつもながらのモヤモヤするオチが「ああ、若竹作品だなぁ」と。

No.9 5点 ぷうば
(2005/01/14 00:12登録)
 落とし所は、クリスティの有名な短編と似ているし、もっと有名な長編のエッセンスが入ってたりもする・・・が、事故現場やアパートの描写なんかは、やっぱりアンフェアな気がする。 
 だけど手軽に気分転換できたので、ノーコンプレインツ。

No.8 9点 えりもみさき
(2004/12/16 16:16登録)
最後は唸りました。非常におもしろかった。
でも
>主人公の隠された真実(叙述トリック)
っていうのは何なんでしょうか?ちょっとわからなかったです。

No.7 7点 884
(2003/12/26 17:39登録)
 伏線を全部回収してるところは偉いと思います。
 最後のどんでんがえしはすごいですね。インパクト的にはB級ホラー映画か、アウターゾーンか(笑)。

No.6 6点 うめ
(2003/12/08 21:53登録)
ちょっと物足りないカンジでした。

No.5 5点 ギザじゅう
(2003/06/30 00:06登録)
150ページという難しい分量にうまい具合に収まっていた。
内容は良くも悪くも・・・。
キャラクターにも感情移入できなかった。

No.4 10点 智子
(2002/09/13 20:30登録)
とてもいい作品だったと思います。

No.3 4点 アデランコ
(2002/05/29 12:40登録)
全体的に嫌悪感がある。
中学生の女性が探偵もどきなのだが、ちょっとアンフェアじゃないですか。
登場人物も特徴がよく判らないので、全然感情移入できない。
ラストはもう数ページ付け足してほしい。

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