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ミステリの祭典

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幽霊人命救助隊

作家 高野和明
出版日2004年04月
平均点6.78点
書評数9人

No.9 5点 makomako
(2020/01/12 09:03登録)
帯には泣ける、ラストでボロ泣きなどと書いてありましたがそれほどのものではありませんでした。
 まじめに読んだらばかばかしい限りと思う方もおられると思いますが、こんなユーモアもありとするなら楽しめると思います。
 このサイトでの評価も結構高いのは、こういったユーモアを解するスマートな方が多いからなのでしょうね。
 読んで不快なお話ではないのですが、この手の話としてはちょっと長すぎて中だるみがする感じが否めませんでした。

No.8 3点 ∠渉
(2015/02/11 15:31登録)
本当に辛いときに読めるような本ではないかもしれないけど、ちょっと深刻な顔になりがちになってきたときに、ほんの少し笑い飛ばせることができれば、まぁ結果オーライである。たぶん、そんなエンターテイメントを目指したんじゃないかな。だから、神様がパラシュートで降りてくるんだろう。

No.7 5点 haruka
(2012/04/16 22:30登録)
自殺者の救済という重いテーマをエンターテイメントというオブラートに包んだ心暖まる作品。ミステリーではないので、謎解きやどんでん返しに期待してはいけない。

No.6 7点 itokin
(2011/10/02 12:23登録)
自殺に追い込まれるパターンは色んな事があるんだなあと同時に必ず救われる道はありこの本を読んで心が軽くなった人も多いとおもう。しかし小説としてはよく似たパターンが有り少し長く感じた。

No.5 7点 シーマスター
(2011/01/26 23:28登録)
自殺して幽霊になった4人の男女が、神様から天国行きの条件として7週間以内に100人の自殺志願者を救助することを命じられる・・・という御伽話以外の何ものでもない設定で始まり、彼らの救助活動がシリアス、コミカル混交で延々と語られていく。

純粋に胸を打たれる話もあるが、「んなんで助かるか」とか「その後どうすんだ?」といいたくなるエピソードもあるし、お涙頂戴っぽく感じられるものもある。(もちろん100人分のストーリーが語られるわけではないが)ちょっと話が多すぎるし、読みやすいとは言え段々「長さ」を感じてくる。

しかし、最終章とエピローグは素晴らしい。それもそこまでの多大な物語があったからこそ得られる感動であり文庫で600ページも伊達ではなかった、と読後感は清爽そのもの。

ところで読後に、かなり昔に見た「オールウェイズ」という洋画(「3丁目の夕日」とは関係ない)を思い出してしまいました。よくは憶えていないが前半はこんな感じだったような・・・・・ 
・・・・・同僚でもある恋人をいつも心配させながら無謀な救助活動を続ける消火隊パイロットの主人公がついには殉職、なぜか成仏(のわけないよね)できずに幽霊となり彼女を見守ることになる・・・失意の彼女は、しかし徐々に故カレの誠実な部下と惹かれ合っていく。彼女の幸せを願いながらも恋情も拭いきれないカレのジレンマは、やがてある晩、彼女と部下がチークダンス(懐かしっ)を始めるシーンでピークに達し、カレは頭を抱える。二人の踊りながらの笑顔とカレの苦悩と祈りの表情が重なる。そこに流れてくるバックミュージックが「Smoke gets in your eyes」・・・・・そこで自分の幼若な涙腺はひとたまりもなかったことだけは鮮明に憶えている・・・
本書の最終章のラストシーンで脳内になぜかこの曲が浮かんできたので、なぜだろうと考えて思い当たった次第。

No.4 8点 メルカトル
(2010/11/04 23:53登録)
泣いた、笑った、感動した、簡潔に表現するとこんな感じ。
しかし、暗いテーマを描きながら、これだけ読みやすいエンターテインメントに昇華させた小説を私は他に知らない。
うつ病、いじめ、離婚、借金、病気といった社会問題を内包しているのに、読んでいて暗い気分にならない。
それどころか、爽快感さえ味わえるシーンすらある。
勧善懲悪あり、アクションあり、笑いあり、涙ありの、読者に勇気と生きる希望を与える稀有な傑作だと思う。

No.3 8点 E
(2010/10/16 21:57登録)
面白かった!感動もしました。
今この時代だからこそより一層深みを感じるのではないかと思います。
死語が登場するのもとてもいい味として活きてましたね☆

No.2 9点 凡平
(2009/06/19 15:38登録)
自分も勇気付けられたけれど、現代の、出来るだけ多くの人に読んでもらいたい作品。
作者の作品は、ラストに希望があり救いがあるので気持ちよく安心して読める。

No.1 9点 マニア
(2009/01/24 17:20登録)
拍手喝采!!久しぶりに一級品のエンターテイメントを楽しめた。

自ら命を絶ちこの世を去った4人の幽霊たちの前に、ある日突如現れた神様。4幽霊は、その神様から天国行きの条件として「49日間で100人の自殺志願者の命を助けろ」という、無茶苦茶な試練を突き付けられる!ともあれ、浪人生・老やくざ・冴えない中年サラリーマン・ヒステリック美女、生前生きていた時代も環境も、自殺した動機も様々な「救助隊」の破天荒な「人命救助」劇が始まる!!

シリアスな中にもコメディあり、ホロリとくる場面もあればスカッとする勧善懲悪劇もある。なにより、多くの自殺志願者と向き合い、必死で救助していくなかで自分たちの自殺を後悔していく4幽霊たちの姿には心を打たれた。

序盤の強引すぎるところと、ご都合主義すぎるところが気になったが、読み進めていくうちにグイグイ嵌まっていった。ミステリではなく、SFの範疇に入るのだろうが久しぶりに胸を熱くさせてくれる小説に出逢えた。

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