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ミステリの祭典

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江守森江さんの登録情報
平均点:5.00点 書評数:1256件

プロフィール| 書評

No.1176 6点 英国ミステリ道中ひざくりげ
評論・エッセイ
(2011/01/09 07:31登録)
ミステリ・マガジンの海外ミステリ・ドラマ特集のノベライズ紹介で気になり小山正を図書館で検索したら本書に出くわした。
英国旅行し、ついでに古本屋も巡ってミステリの原書や日本未放送なドラマDVDを購入したい方に最適なガイド&エッセイだった(←過去形、初稿から10年以上経過し英国も少し様変わりしたのでガイドとしては補正が必要らしい)
夫婦で英国ミステリ旅行なんて羨ましいような(家なら費用が私負担になりそうだし)そうでもないような・・・・・・。
最近AXNミステリーでホームズ、ポアロ、マープルに始まりジョナサン・クリーク、ジョージ・ジェントリー、フロスト警部、バーナビー警部、法医学捜査班、リンリー警部、ダルジール警視、心理探偵フィッツ、ダルグリッシュ警視等の英国制作ミステリ・ドラマを視聴しているので、そちらのお供として私は楽しんだ(ドラマの制作時期とはズレが少ない)
英国旅行やドラマ視聴しない方でも若竹七海の英国ミステリ・エッセイとして楽しく読める。
購入せず図書館で借りた分際で何だが、単なるエッセイとして楽しむには値が張ると思う。


No.1175 6点 ミステリー迷宮読本
事典・ガイド
(2011/01/09 06:11登録)
国産ミステリを傑作から駄作(紛れている)までマニアックにならない程度に幅広く紹介している。
21のキーワード別に紹介されるのだが絶妙な分類になっている。
でも作家のスペシャルインタビューと流水大説は不要。
千街晶之が担当の「密室」「読者への挑戦」で紹介される作品は文中も含めほぼ既読な反面で、殆どの作品が未読な分野もあり、自分の読書嗜好の偏りが再確認できたのは嬉しい。
もっとも、嗜好を変える気はサラサラ無い。
よって、本書の巻末インデックスにある228作品中既読は63作品と少なかったが今更読むぞと気張りたくなる作品も殆ど無い。


No.1174 5点 ミステリマガジン2008年2月号
雑誌、年間ベスト、定期刊行物
(2011/01/09 05:18登録)
雑誌の基準点を一律の3点にしているが、特集により掲載された5短編の愉しさに2点加点して5点。
古本屋の100円コーナーにミステリ・マガジンのバックナンバーが揃ってバラ売りしていて、私が海外ドラマ特集号を、息子が本号を購入した。
丁度、月続きで分割掲載されたエラリイ・クイーンJr.の「紫の鳥の秘密」を一挙に読めたのはナイスだった。
池井戸潤のジュヴナイルや「読者挑戦」付きなホックの2編にヒッチコックまで登場するロバート・アーサーと5短編が揃って、特集通りに親子で非常に愉しめた。
一方で海外ドラマ特集と違いエッセイやインタヴューは親子して嗜好からズレていたのでさほど愉しくなかったのが残念。
今号の特集は早川の「クリスティー・ジュニア・ミステリ」発刊連動企画で、親を巻き込みながら次世代開拓をする素晴らしい試みではある。
※オマケ
私的に連載の日本人作家インタヴューが門井慶喜なのも嬉しい。


No.1173 7点 杉下右京に学ぶ「謎解きの発想術」
評論・エッセイ
(2011/01/08 21:52登録)
発売形態はビジネス・ムックなのだが、読者側はドラマ「相棒」からチョイスされた各エピソードをケーススタディする「名探偵養成講座」として楽しみながら勉強する本。
これを読んだら即ビジネスで成功者になれるとは思えないが、自分が杉下右京レベルの名探偵(ミステリ読者)に一歩近づく気分は味わえるので、ミステリを推理しながら読む方に向く。
名探偵としてのセンスが磨かれ日常のあらゆる場面で活用出来そうでもある。
本音の部分では身近な奴が杉下右京みたいだったら全てを見透かされていそうで嫌だと思えた。
自分が杉下右京みたいな分には何ら問題ない。
※「最後にあと一つよろしいですか」by杉下右京
「相棒」のメディア・ミックス本の中では一番面白い。


No.1172 5点 ボス
鎌田敏夫
(2011/01/08 21:21登録)
「ファミ劇」で先月ロングラン再放送が最終回を迎えた、伝説の刑事ドラマ「太陽にほえろ!」の傑作エピソード脚本集。
マカロニ〜ロッキー期間中のエピソードから、作者が脚本した傑作エピソード8話を収録(当然ドラマ制作されているのでドラマ視聴もしたい!)
ミステリ的には山さん主役の本格編なエピソードに傑作が揃っている(ファミ劇の更なる再放送待ち)とは思うが、本来の主役は当然ボス(石原裕次郎)だし、存在感が違う!
タイトル通りボスを中心に据えたエピソード集で、当時裏番組だった新日本プロレス(アントニオ猪木)中継を犠牲にして観ただけの価値はあったと再認識。
配役表のゲスト俳優陣も合わせて非常にノスタルジーを擽られた。
それでも、私的な日本の役者ランクでは石原裕次郎より露口茂(山さん&ホームズの声)の方が上になる(石立鉄男・水谷豊に次ぐ三位かな)


No.1171 2点 ジーン・ワルツ
海堂尊
(2011/01/08 07:54登録)
遅ればせながら、野田聖子議員出産オメデトウ書評。
産婦人科分野の医療小説でミステリーの範疇外としてポリシー通り2点。
日本の医学界が抱える問題は必ずテーマにし、小説で何かしらの主張を展開する作者だが、今回は結構切実で重いテーマなのでエンタメ性が削がれた気がする(私的な事だが、エンタメを期待した小説で生命倫理なんか考えたくない)
各作品がリンクする海堂ワールドを楽しむ為に飛ばせなかったが、本作は自分には楽しむ以前の作品だった。
遺伝子上の親が本当の親なのか?
出産した人が本当の母親なのか?
愛情と責任を持って育てれば本当の親なのか?
子供の側はどう考えるのか?(←親の側が無視しがちな最大の難問)
結論は出ない。
当事者でなくて良かったとつくづく思う(ふぅ〜)


No.1170 6点 ベウラの頂
レジナルド・ヒル
(2011/01/08 03:50登録)
AXNミステリー「ダルジール警視」今週の放送エピソードはコレ。
余程のシリーズ・ファン以外は読むのを躊躇うだろう分厚い壁が立ちはだかる。
適度に端折ったドラマ版だが、ミステリーの骨格が舞台を英国の田舎に移し、ダルジール達を主役に変えた「コールドケース」だから、ドラマ視聴が可能なら原作も楽しい部分を拾い読むおさらいで十分だと断言してしまおう。
テーマが親子愛で、家は息子だがパスコー夫妻の気持ちは痛いほどわかる。
娘(ローズ)の回復が事件解決に絡むのは嬉しい展開。
現在の事件から過去の未解決事件に遡る形態だけでなく(ドラマ・原作共に)音楽で魂を揺さぶる手法が「コールドケース」ソックリでビックリした。
※オマケ
諸外国の控訴時効について勉強してしまった。
日本はダメでも、まだフランスを舞台にすれば控訴時効絡みのミステリーが書ける。


No.1169 7点 秘戯書争奪
山田風太郎
(2011/01/07 08:43登録)
エロ親父の面目躍如!(←自分で書くな!)
(気持ち)いい(11)『69』番目の書評は本作で!
今月「ファミ劇」で何度目?かの映画版・忍法帖シリーズ深夜一挙放送がされている。
タイトル違いな映画版で、写真集(秘蔵している)では脱いでいる主演の若林志穂が脱がずエロシーンすら無いのは女優引退した今では凄く残念(好きな女優のひとりだった)
虚弱体質将軍・家定にお世継ぎを!と宮中秘蔵の奇書「医心方・房内編」を幕府方が狙い、互いに忍者を使い争奪戦を繰り広げる。
ストーリー的にたわいもない話でミステリーの範疇外なので本来ならポリシー通り2点だが、突出したエロ忍法の描写がポリシーをぶち破り7点とした。
これは薄味な映画版より原作を個室でひっそりと読みたい(若い頃ならズリネタ確定)
※俗な余談
若い頃に読んだら秘戯を実践したくなる(←出来ねーよ!)今更、嫁に試しても・・・・・。
下手に悪用させない為に映画版を今回は息子には観せなかった。


No.1168 6点 少年探偵団
江戸川乱歩
(2011/01/07 05:04登録)
一昨日から「ファミ劇」で「怪人二十面相と少年探偵団」の連続再放送が始まった。
ついでに原作をおさらいしたら、当時の雰囲気をより一層楽しめた。
「怪人二十面相」に次ぐシリーズ二作目で連続少女誘拐に少年探偵団と明智小五郎が挑む。
テレビ共々、息子より私の方がワクワクしながら楽しんでいるのは初期の「仮面ライダー」を視聴するのと同じだ。
乱歩の「心理試験」を読み大人への扉が開いたが、今では怪人二十面相で童心に帰っている。


No.1167 5点 終着駅殺人事件
西村京太郎
(2011/01/07 04:00登録)
往路は飛行機だったが、復路を札幌から上野まで列車にし青森の友人宅に寄り道した旅行時に読んだのが「この作品」だったハズ(最近物忘れが激しい)
ウォークマンの繰り返し再生でバックミュージックを石川さゆり「津軽海峡冬景色」にしていた記憶は(青函連絡船は廃止されていたので)ハッキリしている。
スピード化は飛行機に任せてユッタリと鉄道旅行なんて指向は時代遅れなのか?
あの「オリエント急行」すら廃止された現在では、鉄道ミステリは〈ニサス御用達の陳腐な遺物〉に成り下がったとさえ思える。
採点は鉄道ミステリへの愛着とノスタルジーを擽られた分を加点している。


No.1166 5点 ミステリー列車が消えた
西村京太郎
(2011/01/07 03:41登録)
先月TBSでニサス版が再放送されたのを録画していたが放置していた(今しがた早送り視聴した)
以前に原作を読んでいたが内容を忘れていた(私的な事だが、量産された西村作品を結構読んでいるが、パチンコの新装開店並びの暇つぶし読書が大半だったのとニサス大量視聴とが相まってタイトルと内容がほぼ一致しない)
西村御大の量産作品は吉村達也・赤川次郎と並び、非常に読みやすく古本屋の超特価コーナーに大量に溢れていてパチンコの新装開店並びのお供に最適だった事が思い出される(喫煙しないので台の確保アイテムも兼ねていた)
※補記
どうせ忘れるから、おさらいもせず採点しているのでニサス版の影響が大きい。


No.1165 2点 外道忍法帖
山田風太郎
(2011/01/06 00:17登録)
やっぱり忍法帖シリーズの本質は伝奇時代小説に名を借りたエロ小説だよ!(よってポリシー通りミステリーの範疇外な2点)
普通な官能小説を恥ずかしくて堂々と読めないシャイなオヤジ達の憩いのオアシスなのは間違いない。
処女を犯すのは、俗な言い方だがオヤジ族の夢だな〜!
映画版も安っぽくエロに突出してるが原作も娯楽として笑える。
「ファミ劇」で放送した映画版を性教育の一貫?で小学生(陰毛チョロチョロ、まだムケてない)の息子と観ても充分楽しめた。
息子が「僕もエロ忍法の使い手になりたい」とボソッと呟いた時には親子って似るもんだと実感した。
※余談(我が家の教育方針)
息子を子供扱いせず、自ら考えて行動する事と自己責任について切々と教育している(要はコンドームの大切さを教えている:マセた彼女がいるから今から準備)


No.1164 7点 ミステリマガジン2008年3月号
雑誌、年間ベスト、定期刊行物
(2011/01/05 02:14登録)
本来、雑誌の基準点は一律の3点だが、特集に対する思い入れで大例外の4点加点とし雑誌では最高の7点とした。
雑誌登録の私的な縛りで、連載や掲載小説等には極力触れない。
大倉崇裕ブログを勝手にアーカイブしていたら執筆記事に触れられていて非常に入手したかった。
お年玉なのか?新年早々に、古本屋店頭の雑誌100円コーナーにミステリ・マガジンのバックナンバーが揃って並んだ(当然バラ売り)(何処かのマニアが亡くなったのか?でもスゲー嬉しい)
視聴chの関係でワンテンポ遅れな海外ミステリ・ドラマにハマっている身には今読むのが正に旬な《特集》だった。
役者ではジェレミー、スーシェ。キャラならコロンボ、ジャック・バウアー、ホレイショ・ケインにエイドリアン・モンクと揃い踏み。
大絶賛の一番手は小山正(若竹の旦那)のノベライズ紹介。
次いで、ホレイショ・ケインのインタビュー。
気になっていた大倉崇裕のエッセイが三番手。
若竹七海のエッセイも含めて海外ミステリ・ドラマ視聴が何倍も楽しい。
原作ありな「Wire in the Blood」は放送の関係で微妙なのはご愛嬌。
※希望的余談
大倉崇裕ブログのミステリ・ドラマ評は現役ミステリ作家がどんな視点で視聴しているかが解り面白い。
何処かの出版社で加筆補完して出版してくれないだろうか!


No.1163 5点 雨に殺せば
黒川博行
(2011/01/03 17:37登録)
黒マメコンビ作品ながら大地康雄・村田雄浩主演の正統派ドラマ化作品では制作されずにドラマ・オリジナル設定な吉永誠一シリーズに変更されドラマ化された作品。
原作もおさらいしたので二倍美味しいハズだがそこまで美味しくなかったのは、私が大阪弁を好きではない江戸っ子だからだろうか!
テレ東作品は舞台設定を関東に変えてあるのが原作ファンには不評だったらしい。
※余談
このシリーズの中山忍は非常に愛らしい。
私的なニサス女優ナンバーワンの称号を進呈したい。
ニサスの帝王と新女王が夫婦な設定のドラマもニサス枠廃止の流れには勝てなかった。


No.1162 5点 天山を越えて
胡桃沢耕史
(2011/01/03 17:25登録)
この作品が書かれた当時に読んだが、当時作者に求めていたキャラ主体のユーモア推理作品ではなくガッカリした覚えがある。
どうしても欲しかった直木賞を目指して書いたと思われるが、直木賞狙いな作品との相性は当時から悪かった(この辺の事情には疎いので正しいのか不明)
量産作品ではあるが「翔んでる〜」シリーズだけを書き続けてほしかった。


No.1161 6点 怪人二十面相・伝
北村想
(2011/01/03 17:14登録)
日本テレビの何かの記念作品として映画化されたが予定よりヒットせず地上波の「金曜ロードショー」でも放送されていない(DVDレンタルせず地上波落ちを待っている)
映画はアクション作品になったが、原作も一種の冒険活劇だからさほどの違いはない。
乱歩のジュヴナイル作品らしさをそのまま転用しているが、著作権等の問題は無かったのだろうか?(他の作品もだが乱歩の遺族は頼めば普通に許可してくれるらしい・・・と風の噂を聞いた)
この作品なら二十×2で四十面相になり二十面相も満足してるだろう。
手軽な読み物として面白いし、ノスタルジーも擽られる。


No.1160 5点 尾瀬・至仏山殺人事件
新井幸人
(2011/01/03 16:29登録)
風景カメラマンがミステリーをお遊びで書いた作品なので文章や推理部分はイマイチだと思っていたら普通に読めガッカリ感はなかった。
もっとも一冊の本として作品の本質はカメラマンの写真集部分にあり、其方がミステリーの稚拙さを補うプロの仕事なので、接し方さえ間違えなければ充分満足出来る本になっている。
図書館には作者の写真集が揃っていて棚の前で眺め入ってしまった。
採点は写真に力点を置き一冊の本としてのもの。


No.1159 4点 ルームメイト
今邑彩
(2011/01/03 16:16登録)
この作品が中公文庫で人気爆発し、最近の一押し作家になっているのだが、本作を読んで何故売れたのか理解出来ず、その事が最大のミステリーな作品。
作者の読みやすく忘れやすい二大特徴はこの作品でも顕著で、そんなお手軽さと文庫化で安くなったのがベストセラーへ導いた要因なのかもしれない。
宣伝につられて本作を読むより、先に読むべきミステリーが多数あると思うのだが・・・・・。
新聞広告で期待して読むとガッカリする。


No.1158 4点 越前岬殺人事件
梓林太郎
(2011/01/03 16:06登録)
テレ東系の二時間サスペンスでシリーズがドラマ化されているがニサス枠廃止で次作はないだろう。
橋爪功主演で上手いとは思うが他の某主演ドラマのイメージを引きずりイマイチ楽しめない。
ミステリーとしてもニサス向け量産作家の両巨頭(某西村&某内田)の凡作レベルなのでわざわざ読まなくても良かった。
気になるなら日曜日の再放送枠で偶に放送されるのでドラマを観れば十分(テレ東系の局がない地方の方はBSで・・・・)


No.1157 4点 綺想宮殺人事件
芦辺拓
(2011/01/03 15:58登録)
私のHNの由来の半分である森江春策が登場している(無条件で1点加点しているのでゴメンナサイm(_ _)m)故に、ウンザリしながらも読み切ったのだが・・・(本質を読み取れたか甚だ疑問)
現代の奇書を目指した作品だから一般読者を寄せ付けなくて当たり前で、極々限られたファンから絶賛されれば作者の目論見は達成される。
しかし、一般読者が凄い作品だと騙されて購入したら悲劇でしかなく、古本屋も高価買取はしないだろうし、残念ながらゴミと化す。
この手の読者を置き去りにする作品は私的にはゴミだと思うし「絶対に購入してはいけない」と警告を書くしか為す術がない。

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