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ミステリの祭典

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江守森江さんの登録情報
平均点:5.00点 書評数:1256件

プロフィール| 書評

No.1056 5点 政界献金部長
豊田行二
(2010/08/28 02:35登録)
小沢一郎・民主党代表選出馬記念書評。
政治献金を巡る内幕小説で、かろうじてミステリーの範疇に含める。
政治の世界には表に見える人間もいれば、影の存在ながら影響力の極めて強い人間もいる。
影の存在にスポットを当てると普段見えない物も見えてくる。
政治家の本音と建て前を見分けるのも有権者の洞察力や推理力なのだから政治その物がミステリーでもある(多数の有権者がこのレベルにあれば政治は腐敗しなかっただろう!)
政治と金の問題が持ち上がる度に注目されてもよい作品で、政治腐敗が根絶しない限り埋もれることのない稀有な作品だと思える(小説として面白い訳ではない)
※余談
小沢一郎の政治手法は田中角栄譲りなので政治と金の問題とは決別出来ないだろう!
何処から四億円が湧いて出たのだろう?
母親から小遣いを貰っていた鳩山兄弟の方がクリーンに思えるから笑いを禁じ得ない。


No.1055 4点 消えた三億円
豊田行二
(2010/08/28 02:10登録)
あの三億円事件を政治絡みだとした真相解釈で描いた作品。
書かれた当時には、新解釈として斬新かつ危険な発想だったのだろう。
作者も「あとがき」に政治が絡んだ解釈な為に多くの出版社が二の足を踏んだと書いている。
しかし、事件小説としては作者らしいエンタメ性が薄く面白くない。
更に、時効当時以降も散々検証され今ではこの小説の真相解釈の信憑性は極めて薄いと思える。
図書館で偶々、作者の他作品と一緒に借りたが時代に埋もれるべくして埋もれた作品だった。


No.1054 4点 プロレス探偵リキ
牛次郎
(2010/08/26 03:42登録)
作者は料理人を主人公にしたスポ根系漫画「包丁人味平」等の漫画原作者として一世を風靡した。
作家に転じても漫画原作同様に様々なジャンルの作品を書いた。
この作品はプロレスを題材にした連作短編なんちゃってミステリー。
プロレスを題材にしたミステリーの先駆けだが、この後は不知火京介「マッチメイク」や伯方雪日「誰もわたしを倒せない」くらいしか書かれていないのはプロレスの人気低下に連動したのだろう。
力技で犯人を自白させるこの作品をミステリーとしては褒めようがないが、誰も扱わない業界を描くスピリットは漫画原作者らしく評価したい(3点+1点)
数少ない書評で主人公のモデルは長州力だと書かれているが、作者の年齢を考えれば力道山だろ!とツッコミたくなる。
※余談
「トイレの消臭力」は長州力をアレンジして命名されたのだろうか?
便座に座る度にギャグ商品で「消臭小力」を発売したら売れるか?考えてしまう。
※追悼(8/28)
アントン・ヘーシンク氏のご冥福をお祈りします。
私の世代には、横綱・輪島&曙と並びガチな?格闘技で頂点を極めても、受けと演出の格闘技であるプロレスでは通用しない(人気が出ない)事を証明した貴重な実践者だった事の方が東京五輪の金メダルより印象深いのは皮肉ではある。


No.1053 6点 GIALLO 2008年夏号
雑誌、年間ベスト、定期刊行物
(2010/08/26 00:29登録)
はじめに!
「本格ミステリ大賞」全選評のみが、この雑誌の当サイトへの登録目的です。
本来なら雑誌なので一律の3点だが、下記に述べる思い入れで雑誌としては例外的に6点とする。
この年度は(私的見解だが多分異論は少ないハズ)ここ20年で「国内本格ミステリ」が一番充実し高レベルな年度だった。
その年度の「本格ミステリ大賞」選評は読み応え充分。
倉知淳の選評が年度の充実を端的に示していて、倉知らしい文章共々ニヤリとしてしまった。
さて、ここから愚痴ろう!
投票には全候補作を読む事が前提だが、全部読まずに投票した感のある投票が結構見受けられる。
次に本格ミステリ作家クラブの会員だが何者か不明な投票者や近年作家活動等をしていないと思しき方々の投票と、文句なしに投票権を有すると思う方々が一票で同価値なのも微妙ではある(もっとも作家は他人の作品を読むのが仕事では断じてない!のだが)
私的に「女王国の城」(決して悪い作品ではないが江神シリーズへの渇望が票を集めたとも思える)が大賞作品で良かったのか非常に疑問で、年月の洗礼を受けた後には「首無し〜」の方が大賞に相応しかったと語られるだろうと思っている。
それでも上記は些細な事で、総括すれば一時的とはいえ本格ミステリの主流を旧来型探偵小説に引き戻した意義ある一年だった。


No.1052 5点 罠のある季節
梶山季之
(2010/08/25 06:13登録)
製薬会社の広告戦略担当受注を狙うライバル広告代理店のエース二人が主人公。
片や女の武器を最大限に利用し、男は知恵で受けて立つ。
作者得意の変態ネタ・スケベ話・業界ネタに陰謀やら権謀術数を絡め手堅くまとめている。
しかし、スケベ話もシリアスに描くと面白さを欠く事がハッキリとわかる作品でもある。
どうにも女性主人公だと作者の本領が発揮されない。
※日本では医療保険の充実で軽症でも通院するため大衆薬が売れないとのニュースを放送していた。
タイムリーな再読だったと自画自賛。


No.1051 4点 女とギャンブル
富島健夫
(2010/08/25 05:19登録)
モーターボート記念競艇開催中。
大学時代の日本全国公営ギャンブル場巡りの中心は競馬だったが競輪・競艇もチラホラ巡った(オートレースは自宅から通える船橋と川口のみ)
その巡った当時全盛だった艇王・彦坂の連勝エピソードが描かれ懐かしかった。
基本は作者の趣味だった競艇に惚れた女を口説く官能小説だが、主人公の生業が競艇のコーチ屋で、ギャンブル場での騙し(客を誑し込む)の手口も紹介され極めて小規模なコンゲームになっている。
帰り道のデンスケ賭博、出目本売りなどの手口も詐欺そのもので本で読んで知っていたので騙されずにすんだ(飲んだ時に友人の何人かは初心者の頃に騙されたと恥ずかしそうに語った)
南関東ギャンブル場巡りをしていた頃は各競技独特の予想屋のレース解説、推奨出目を晒さずに能書きを続けて予想を売る話術に魅せられた。
競馬ミステリーは数多あるのに競艇・競輪・オートを扱ったミステリーは極めて少ないのは日本発祥なギャンブルだからなのだろうか?
※追記
あびびびさんの指摘通り読者が推理する要素は全くありません。
なので私的なミステリーの範疇に含めるか悩みましたが、競艇(公営ギャンブルでは一番推理要素が高い)を扱った作品が少ないので特例的に含めてみました。


No.1050 4点 ミステリーファンのための古書店ガイド
事典・ガイド
(2010/08/24 13:13登録)
大学時代長期休暇(主に春・冬、夏はバイト)に日本全国公営ギャンブル場巡りをしていた。
深夜バスや青春18きっぷを利用し移動費は抑え、宿泊場所は知人宅やサウナなどを利用した。
同時に、その土地のパチンコ店(当時は地域特性があった)と古本屋(半分セドリ目的)を巡っていた(電話帳と地元の地図を利用)
その当時に発行されていれば必携書だったのだが!
高額覚悟ならネット・オークション、読むだけでOKなら図書館ネットワーク(今の私はコレ)、マニア本なら逆に掘り出し物があるブックオフ、と昔ながらの古本屋は利用者側のメリットが激減した(近所の古本屋も店舗販売は苦戦しネット販売にシフト中)
たしか四年前だったが、書店で見かけ昔訪れた地方の古本屋が生き残っているか懐かしく眺めたが実用書として購入する気には全くならなかった。
種を問わず流通業はネットと大型チェーンの普及で消費者は便利になった反面、中型以下の小売店は壊滅寸前な気がする。
※私的な東京古書店街ガイド(何ら役に立ちません)
神保町の古書店街はお茶の水駅から坂を下って三省堂で右折し神保町交差点を一度行き過ぎて引き返し、交差点を左折して水道橋駅に至る巡回ルートが効率的だった(近年、閉店により刃こぼれしている)
早稲田の古本屋地帯は購入し重くなる本を持って歩くには坂と点在に問題を抱える。
巡るには体力と覚悟が必要。


No.1049 7点 イニシエーションラブ
乾くるみ
(2010/08/22 16:35登録)
ミステリー三昧さんの書評に刺激されて恋愛リドル・ストーリーの側面から再度書評したくなったので例外的に同一作品二回目の書評をアップする。
※要注意!!!
既読を前提に書評してますので完全ネタバレです。
マユが二股していた事(何が起きていたのか・ホワットダニット)が読者に曝されて物語は終了する(謎と解答が、最後から二行目で同時に提示される)
大方の読者は真相の隠蔽により、涼しい顔で二股するマユで女性の怖さを炙り出してみせる恋愛恐怖小説だと思っているだろう(多くの書評に書かれている)
しかし、私は書かれていない結末の先を想像し、二股が発覚しないと思っているマユを描く事で女性の浅はかさを炙り出す作品だと考える。
結末時点では騙されているA面のたっくんだって男として成長するし、先々マユに二股されていた事に気付き、そして物語はタイトル通りにイニシエーションする!(私の想像での結末の先の展開)
果たしてA面のたっくんが成長してマユの二股に気付くか?気付かないとして、そんな鈍い男が女性を幸せにできるのか?気付いても付き合い続けるのか?等々、書かれていない先の展開のリドル性が非常に秀逸だと思うのだが、如何だろう!
叙述トリックで恋愛模様を浮き彫りにし、恋愛観や経験を顧みさせる素晴らしい作品。
※採点については二回目の書評なので平均点を考慮し7点だが、私本来の採点は先の書評時の9点。
平均点や書評数より書評の長さが作品の影響力の目安になる顕著な例。


No.1048 5点 小説新潮 2010年3月号
雑誌、年間ベスト、定期刊行物
(2010/08/22 04:28登録)
登録目的が特集記事の書評なので掲載(及び連載)小説については一切触れない。
本来なら雑誌なので一律の3点だが、秀逸な特集記事が単行本で出版される事は考えられないので特別に2点加点した。
月刊小説誌を定期購入している図書館なら今でもバックナンバーとして読めると思うので登録した。
手嶋龍一×真山仁の「小説世界のインテリジェンス」と題したスペシャル対談は雑誌ならではの企画で面白く読めた。
企画の目玉は佐藤優「実践的スパイ入門」と題したスパイ適性検査で、これも面白い(私の結果は佐藤優と同じだった)
さして面白くない(好みの問題)「史料が語る日本の情報戦」を挟んで、もう一方の目玉である西上心太のブックガイド「東西スパイ小説10選」で特集は終わる。
いつになく面白い特集だった。


No.1047 3点 ジャーロ 2010年夏号
雑誌、年間ベスト、定期刊行物
(2010/08/22 03:29登録)
毎度のごとく雑誌に関しては一律の3点。
現在好評?発売中だが取り扱い数は極めて少ない。
掲載される小説は偶に傑作があるが作家個人の本になってから読めばいいと思っているし、夏号しか見ないので連載作品も読まない事にしている。
さて、本題である本格ミステリ大賞の愚痴に入ろう。
極めて私的な嗜好の問題だが、近年の本格ミステリでは頂点を争えると思っている古野まほろ「天帝の〜」が有栖川有栖以外の選考委員に受け入れられず候補落ちした時点で本格ミステリ大賞への期待が激減した。
受賞争いだが、綾辻「Another」が本格ミステリとして受け入れられ投票が伸びるか?
明らかに今回の候補作より高レベル作品(首無し)で受賞を逃した三津田信三をどう評価するか?
既受賞作家でシリーズ前作が低評価だった歌野をどう扱うか(前年度の既受賞作家の扱いに関する問題提起が有利に働くのか?)
終わってみれば「Another」を本格ミステリ扱いせず他作への投票も多くなり評が割れ、三津田・歌野のダブル受賞になった。
大賞受賞の両作とも受賞レベルに到達しているか甚だ疑問だが、受賞作無しで10周年では寂しすぎる面もあった。
総括して、この年度の国内本格ミステリは突出した作品も無く出版不況を象徴していた。
本格ミステリの現状一番の問題は若いファンが増えず読者の高齢化なのだそうだ。


No.1046 3点 ジャーロ 2009年夏号
雑誌、年間ベスト、定期刊行物
(2010/08/22 02:35登録)
毎度のごとく季刊(年4回発行)雑誌なので一律の3点。
ミステリ専門誌で小説主体な構成の雑誌だが、一度も購入した事がなく掲載された小説も読んでいない。
例年夏号(7月号)のみ「本格ミステリ大賞」の全選評が掲載されるので、その部分だけ立ち読みするか、本格ミステリ作家クラブのホームページに掲載されるのを待って読んでいる。
この雑誌を登録する事で、例年の本格ミステリ大賞の在り方・受賞作・候補作について愚痴りたい。
選評にも問題提起されているが、候補作選びで既受賞作家の作品である事で「聖女の救済」「ラットマン」が候補落ちしているが(大賞受賞に至るかは兎も角)他の候補作に劣るとは思えない。
受賞作と候補作については納得の結果だが、狙いがミエミエな最終章を思い切って削っていれば連城「造花の蜜」が受賞作「完全恋愛」に際どく詰め寄ったと思う。
総括してこの年度の国内本格ミステリは平年並みなレベルだろう。


No.1045 6点 一匹狼の唄
梶山季之
(2010/08/21 13:47登録)
ワンマン社長が病に倒れ、息子に社長を継がせるべく教育する過程に権謀術数、見合い、恋愛などを絡めた総合エンターテインメント小説。
身分を隠して自社に潜入する産業スパイ要素もある。
主人公がタイトルほどの一匹狼ではないのが少しだけ物足りないが、作者らしいサービス精神は存分に発揮されている。
※余談
乾くるみ「イニシエーションラブ」で使われた〔付き合う相手の呼び方を統一する浮気発覚対策〕は作者が世に広めた!
エッチの絶頂時に違う名前を叫んで浮気が発覚しない為に、くりぃむしちゅー上田晋也は実践していたらしい。


No.1044 4点 疑惑
松本清張
(2010/08/21 13:23登録)
これまた何度となく映像化されている。
主役をシフトしたりリドル・ストーリーにしたり、原作と別物に脚色しても面白く出来るので映像化作品の制作意欲が擽られるのだろう。
私的な評価では原作が一番下で、沢口靖子と田村正和主演に室井滋を絡めた現在の最新映像化作品が一番気に入っている。
もっとも、清張作品は読むより先に観るがモットーなので評価に責任は持てない。
※但し書き
映像化作品を何作も観て原作をおさらいしているので、結末が変更されている場合に混同して記憶している場合が多々あります。


No.1043 5点 霧の旗
松本清張
(2010/08/21 04:44登録)
清張作品で最も映像化された作品ではないだろうか(詳細不明)と思う位に何作もドラマを観ている。
田村高広(正和の兄)主演のドラマ版は取り分け良く再放送された(去年も清張特集で再放送していた)
清張作品自体好きではない(最初に「点と線」を読みガッカリしたのがトラウマになっている)が二時間ドラマは再放送も含めて高頻度で観ている。
そして毎度の如くおさらいするファジーさなのだが、原作もドラマ版の後味の悪さそのままだったのに驚きがあった。
若かりし頃、松本清張と梶山季之をほぼ同時期に読み、同じ社会ネタでもスケベで面白い梶山に傾倒してしまったし、今でも後悔していない。
清張作品をおさらいしていて、昔抱いた読み進まず眠くなるイメージより遥かにリーダビリティが高く読みやすい事に戸惑った。


No.1042 5点 猟人日記
戸川昌子
(2010/08/19 13:31登録)
ミステリとしての記憶は全くと言える程に忘却しているが別方面では強烈に記憶に焼き付いている作品。
大学時代に読み触発され、社会人になったのを期に「情事日記」を克明に綴りだした。
流石にヤバい代物なので結婚を前に完全に焼却処分したが、一時期の遊び人的生活には必需品だった。
スポンサーとして援助してくれた方々、口説き方からベッドまで女性の扱い方を身を持って御教示頂いた方々には今でも感謝の気持ちで一杯です。
この手の記録は焼却処分出来るアナログ(紙に手書き)が良いとつくづく思う(嫁には包み隠さず女性体験を話しているが、それでも読まれたくはない)
嫁に関しては今までに培った総力を挙げて誑し込んだ程に惚れているので結婚以来「嫁一筋」で浮気は一切した事がない!
※要注意!!!
この手の自体験を晒した書評には数多の独白ミステリ等で使用された技法を駆使しているので、書かれた内容を鵜呑みにしないで下さい(このコメントも技巧の一部かも?)


No.1041 7点 せどり男爵数奇譚
梶山季之
(2010/08/19 12:39登録)
作者得意のスケベなサービス精神を発揮したエンタメ作品ではなく、世間から見れば一風変わった別世界である古本業界での珍事を描いた異色ミステリー。
今では普通に使われる「フェチ」の存在を世に知らしめたのが作者の作品の数々で、この作品は古本フェチ日記と言った趣で、古本のせどり(背取)の世界が描かれる。
面白いか?と問われれば「否!」と答えてしまう作品だが、本にたいしてのフェチな愛着には非常に共感できた。
収納の問題で蔵書の8割方を古本屋に売却した時は、失恋同様に心が張り裂けそうだった事が思い出される。
この作品を初読した当時は「蔵書に埋もれて死にたい」と本気で思っていた。
※余談
今では地元図書館が自分の書斎で、23区内の図書館全部が大きな書庫だと考えている。


No.1040 7点 日本人ここにあり
梶山季之
(2010/08/19 02:18登録)
全3巻からなる作者得意のエロ・サクセスストーリーで総合エンターテインメントの傑作。
敗戦から立ち直りつつある高度経済成長期に単身海外に渡り成功する為の騙しの手口や誘拐事件など随所にミステリーでもある。
アメリカ国籍の取得とご都合主義的に夫人が殺される等はよくぞ女性蔑視で訴えられなかったものだ(書かれた時代には厳然と女性蔑視が残っていた)
最大の差別は、黒人女性を口説く台詞で「黒人女性のお**こは横に割れているらしいけど云々」と書かれている事だが(日本語が堪能なブラジル女性にこれを実践したらオオウケして口説き落とせた)削除されずに出版された文庫本が未だに図書館の棚にあるのが最大のミステリーでもある!!!
もっとも、スケベ作家のサービス精神にクレームをつける野暮は、こんな作品は読まないだろう!
随所にスケベな笑いがあり、下ネタ好きなら抱腹絶倒間違いなし。


No.1039 2点 文豪怪談傑作選 芥川龍之介集 妖婆
芥川龍之介
(2010/08/19 01:55登録)
怪談話で涼んで猛暑を忘れましょう!なんて無理な位に暑い!下手に暑さを無視すると熱中症で自分が幽霊になりかねないのでエアコン全開で読みましょう!
怪談話は私的なミステリーの範疇外なので2点。
実話擬きな怪談話なのだが全く怖くない(私が鈍いだけか?)
NHKで文豪怪談としてドラマ制作していて、その番宣を観て図書館でおさらいした。
怪談話は映像の方が面白そうな気がしたが、家はハイビジョン放送は観れないので地上波落ちしてくるのを待とう。
文豪の作品を読むのは国語の教科書を読む様で苦手意識が働く事がハッキリしたのは収穫だった。


No.1038 3点 周波数α殺人事件
久丸修
(2010/08/18 22:02登録)
前作「迷走」の続編で作者の本職なテレビ業界サスペンス。
こちらはタイトルから余計な期待をさせない分だけガッカリ感は無かったが、面白さと言うか作品レベルは前作同様の駄作だった。
ドラマで観た短編は何とかなっていただけに、本職の片手間で長編を書ききる力量に欠けるのだろう。
前作に懲りずに続編を出版した徳間書店のセンスは、現在の徳間ノベルズの衰退に如実に現れている。


No.1037 3点 迷走 国際女子マラソン殺人事件
久丸修
(2010/08/18 21:52登録)
今週月曜のテレ東サスペンス再放送は作者の短編(「オール讀物」推理小説新人賞受賞作)をドラマ化した作品だったが収録された本が見つからなかった。
そこで図書館にあった長編を読んでみる事にしたのだが・・・・・わざわざ読む程の作品ではなかった。
タイトルからサスペンスありなアスリート小説を期待したが、作者の本職なテレビ業界サスペンスで、二時間ドラマ化されたとしても駄作と評されそうなレベルの残念な作品だった。
これでは、受賞作品を収録した短編集が出版されなかった事にも納得できた。

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