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ミステリの祭典

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測量ボ-イさんの登録情報
平均点:6.25点 書評数:624件

プロフィール| 書評

No.184 6点 特急「白鳥」十四時間
西村京太郎
(2009/09/28 21:03登録)
いまは廃止された、大阪~青森間直行の特急列車が舞台とな
るトラベルサスペンス。読んだのはもう24~25年くらい前に
なります。
残念ながらミステリ色は薄いのですが、サスペンスものの割
り切って読めばなかなか楽しめる作品。

この本に触発されて(?)、読んでから約3年後にこの「白
鳥」と青函連絡船を乗り継いで北海道旅行したことを懐かし
く思い出します。


No.183 8点 本格ミステリー館
評論・エッセイ
(2009/09/28 20:59登録)
作品の現実性と幻想性(だったかな?)を縦軸と横軸に据え、
主要作家の作品を分類する趣向が秀逸です。
ミステリガイド本だけに、どうしても一部ネタばれがつきま
といますが、ネタばれする作品とその掲載頁を予め告知して
おり、親切な構成です。
また島田氏と綾辻氏のミステリ観の、共通する部分や少し食
い違う部分があったりして、興味深く読めました。


No.182 5点 有限と微小のパン
森博嗣
(2009/09/26 22:47登録)
いやあ、長い話しでした。これほど長い作品読んだのは久々
かも。
さて肝心の評価の方ですが、このオチ(メイントリック)は
ちょっとずるいというか、アンフェアでは?ネタばれになる
にで具体的には書きませんが。
それと物語の舞台となるテ-マパ-クとホテル、バンガロ-
や博士の秘密基地などの位置関係が図で示されていないので、
文章だけでは殆どわかりませんでした。せめて地図くらい書
いて欲しかったです。

以上苦言を呈しましたが、良い箇所も勿論あります。登場人
物が多い割には、その書き分けととかがキッチリできていて、
そういう意味では読みやすかったです。


No.181 5点 すべてがFになる
森博嗣
(2009/09/26 22:39登録)
(少しネタばれ)

孤島で起こる密室殺人と設定は古典的なるも、解決はこれまた
現代的。20年以上前ならまずありえないトリックでしょう。
というか、ちょっとマニアック過ぎて、その方面の知識がな
い人でないと、推理不可能では?まあ楽しめるには楽しめまし
たが。
古き良き探偵小説が好きな人には、ちょっと合わないかも。


No.180 5点 幻想運河
有栖川有栖
(2009/09/18 07:19登録)
本格ミステリと銘打っていて、結論がハッキリしないのは僕
の好みではないので、採点するとこうなっちゃいます。
でもこの作品、スト-リ-、人物描写、いろんな表現など、
氏の作品とは思えないですね。異色作である事は確かです。


No.179 8点 探偵小説の「謎」
事典・ガイド
(2009/09/18 07:14登録)
ミステリのガイド本、いわゆるネタわり本ですが、乱歩氏の
著作とあって書かれている年代が古く、昭和30年代以降のミ
ステリには原則影響はありません。
でもいわゆる古典作品をこれから読もうという方には、この
本を読むのは暫く控えた方がいいかも知れませんね。
僕が読んだのはかれこれ20年近く前になるかと思いますが、
既読・未読に限らず、トリックの分類がわかりやすくなされ
ていました。有名な乱歩氏による密室分類もこの本で知った
のではと思います(多分)。

本が実家に置いてあり、いつでも手に取る事ができませんが、
また再読したいです。


No.178 6点 卑弥呼の殺人
篠田秀幸
(2009/09/10 20:13登録)
(多少ネタばれ有)

 高木彬光氏の「邪馬台国の秘密」他の著作を踏まえて、邪
馬台国の位置推定を筆者なりに行う歴史推理もの。書いてあ
る内容が、前出の高木氏の作品より難しく、結論が分かりに
くいきらいがありました。
 謎とき部分については「作中作」をうまく用いたトリック
ですが、作中作については「読者への挑戦」前に提示しない
と、犯人あてとしては難しすぎるのではないですか?アンフ
ェアとはいいませんが、ややずるいと思われる箇所もありま
したし。

 この作品で僕が最も印象に残ったのは、清張・彬光の推理
会の両巨匠がかつて(昭和30年代?)創作に関する確執があ
ったという逸話です。この話しは僕個人全く知りませんでし
たし、興味深く読めました。


No.177 6点 古代天皇の秘密
高木彬光
(2009/09/10 20:07登録)
「成吉思汗」「邪馬台国」に続く、氏の歴史シリ-ズ第3弾
ですが、シリ-ズ中一番内容が高度で難しかったです。この
本の内容を十分理解するには、もう少し古代史の勉強をして
おく必要があるかも。
 贅沢いえば、本来難しい事をもう少し易しく書いてもらえ
ると有難かったです。


No.176 7点 木製の王子
麻耶雄嵩
(2009/09/06 14:07登録)
導入部と展開部は「おお、これは」と思わせるものがありま
したが、解決編がややもの足りない。説明不足のところもあ
りましたし。
賛否両論あるも、この緻密なアリバイ論理は脱帽ものです。
でも殺人の動機はちょっとこじつけというか、僕の頭脳では
とても真相にたどり着けそうにない(笑)。まあ犯人はたま
たま的中しましたが。

解決編の納得度、感動度がもっとあれば8~9点レベルの作
品だったのですが、その辺一歩及ばずといったところです。
氏の作品を初めて読みましたが、本来猟奇性の強い殺人をそ
んなに陰惨になることなく書いており、本格ミステリの遊び
心(いい意味で)をわきまえた書き手という印象です。次回
作に期待。


No.175 6点 有栖川有栖の密室大図鑑
事典・ガイド
(2009/09/06 14:00登録)
既読の作品では、自分が想像していた密室とイラストとが
似通ってるのとだいぶ違っているのとあったりして、結構
楽しめました。
基本ネタばれなしですから、未読の作品を読んでもOKで
す。
でもミステリ-そのものではない(ガイド本)なので、採
点が難しいですね・・・まあ無難に6点としましょう。


No.174 7点 舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵
歌野晶午
(2009/09/02 19:02登録)
全部で6作ある短編集ですが、それぞれの話しが少しずつ関
連しています。
でも順番通りに読まないと謎が解けないという訳ではないの
で、ご安心を。
まずは水準作揃いですが、個人的に一番良かったのは「トカ
ゲは見ていた知っていた」でした。


No.173 7点 安達ヶ原の鬼密室
歌野晶午
(2009/08/28 21:12登録)
表題作「安達ケ原の鬼密室」をメインとした中短編集。構成は
下のシ-マスタ-さんが巧く表現されていますが、凝ったもの
です。
表題作のネタを踏まえれば、残りの話しのオチはさすがに鈍い
僕でも推理することはできましたが、十分楽しめた作品です。


No.172 5点 世界の終わり、あるいは始まり
歌野晶午
(2009/08/23 13:48登録)
結末があってないようなものだったり等、あまり僕好みの作
品ではなかったですね。まあこれでも広い意味では推理小説
といえるのでしょうが・・・読後感があまり良くないのも理
由の一つでしょうか?
頁数の割りにサクっと読めるのがまあ救いです。


No.171 7点 鳴風荘事件
綾辻行人
(2009/08/23 13:45登録)
オ-ソドックス、かつロジカルな作品。でも、氏の作風を
考慮すれば、異色作かも。
でも、面白かったですよ。


No.170 8点 幻影城の殺人
篠田秀幸
(2009/08/20 20:56登録)
(多少ネタバレ有)

氏の作品を読んだ中で3作めですが、その中では一番良い
出来栄えでした。
いくつかの不可能犯罪の提示があり、その各々に対して合
理的が解決がなされていたのがその主な理由です。中には
もろに他作品のパクリ(これもパクリである旨申告してい
るのでさほどマイナスにはならず)や、ちょっと納得いか
ない部分もありましたが、全体的には好印象です。
「読者への挑戦」もありましたが、これは犯人当てるのは
難しいですね・・・単独犯ならともかく、共犯がいたので
すから。

作中に数人の架空のミステリ作家と評論家が登場しますが、
これらのモデルが誰なのかを想像するのも楽しいものです。
(読んだ方、判りましたか?)


No.169 7点 青い密室 名探偵星影龍三全集(2)
鮎川哲也
(2009/08/16 14:18登録)
これもなかなかの短編集。

表題作「青い密室」
わずか20頁あまりの作品ですが、本格ものの王道をいく作品。
すれっからしの方には真相を見抜きやすいですが、良作です。

「白い密室」
雪の中の密室殺人、そうあの古典名作「白い僧院の殺人」を
髣髴とさせますが、解決は当然異なります。でも、これもあ
る別の古典作品とトリックは酷似していますよね。

あと、「薔薇殺人事件」が良かったでしょうか。あくまで本
格としての解決と、鮎哲氏らしい洒落っ気に満ちたオチがあ
ります。


No.168 6点 ジュリエットの悲鳴
有栖川有栖
(2009/08/14 10:26登録)
氏の短編集はどれも水準作以上で安心して読めますが、とび
きりの傑作にもなかなか出逢えない、そんな感じです。
この短編集では「タイタンの殺人」が一番良かったでしょう
か?宇宙人の中でおこる殺人、ユニ-クな構成です。

内容的には7点でも良いのですが、謎解き要素の薄い作品が
多いので、マイナス1点。


No.167 8点 有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー
アンソロジー(国内編集者)
(2009/08/14 10:19登録)
これは良作揃いでおおいに楽しめました。
特に印象に残るのは以下の3作。

「金色犬」
漫画家つのだじろう氏の作品。漫画の体裁はとっているもの
の、伏線も十分の本格仕立て作品です。

「生死線上」
台湾の作家がスイスを舞台に書いたトラベルミステリ。この
手のものが好きな方にはお勧めできます。日本以外で鉄道ト
ラベルものの作品に出逢える貴重な作品。

「51番目の密室」
トリックはこのサイトをご欄になる方なら殆どの方が知って
いるでしょう。そう、僕もトリックだけ知っていて作品は初
めて読んだのですが、ネタを知っていても感動しました。


No.166 5点 冷たい密室と博士たち
森博嗣
(2009/08/11 15:12登録)
及第点という評価と、いまひとつ何かが足りないという評価
が入り混じって微妙な感じです。
ただ、殺人があっ時間帯の関係者の動きを表にしてもらえれ
ば有難いんですけどね(親切にそれをやると、読者に真相を
看破され易いのでわざとやらない?)。
男女1名づつが殺害されますが、他の方も指摘されるように
女性の方を殺してしまう理由はやはり僕も納得いきませんで
した。細かな話しですが。

氏の作品をはじめて読みましたが、この作品は評判ではかな
りオ-ソドックスな部類とか。もう1~2作読んでから、自
分に合う、合わないを判断しようかと思います。


No.165 7点 隠された帝
井沢元彦
(2009/08/09 14:08登録)
書かれている歴史的検証部分は8~9点。でもミステリとし
て評価すれば5~6点。で、中をとって(?)7点です。

僕も天智・天武両帝は兄弟ではないという意見に個人的に
は同意ですが、ここでは更に大胆な仮説が展開されていて、
興味深く読めました。

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