nukkamさんの登録情報 | |
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平均点:5.44点 | 書評数:2865件 |
No.1245 | 6点 | ライノクス殺人事件 フィリップ・マクドナルド |
(2016/05/29 16:12登録) (ネタバレなしです) 1930年に発表された本書はシリーズ探偵の登場しないミステリーで、本格派推理小説としてはかなり実験的な作品です。序盤に「結末」を、最後に「発端」を置く構成、途中8回に渡って挿入される作者の「解説」、(創元推理文庫版の巻末解説でも触れていますが)横溝正史の某作品に先駆けたような珍しい真相など大胆なアイデアが光ります。厳密な意味での探偵役が不在で読者が犯人当てに参加する要素は少ないですが、1度は読んでおいて損はありません。ページボリュームが少なくて読みやすいです。 |
No.1244 | 5点 | 弱った蚊 E・S・ガードナー |
(2016/05/29 16:02登録) (ネタバレなしです) 1943年発表のペリイ・メイスンシリーズ第23作はそこそこ意外な真相ですが謎解きは強引な感があります。しかしメイスンとデラが思わぬ事件に巻き込まれるし、いつもこき使われているポール・ドレイクが珍しくおいしい仕事をしているしとプロットは抜群に面白いです。また謎解きに直接関係はありませんが、ガードナー自身の野外生活好きを反映しての第17章の砂漠の描写が実にロマンチックで素晴らしいです。ガードナーの文体はハードボイルド風の簡潔でドライなタッチが特徴ですがその気になれば詩的で叙情的な表現もできることをよく示しており、この多面性が高い人気の秘訣なのでしょう。 |
No.1243 | 5点 | 死はわが隣人 コリン・デクスター |
(2016/05/29 15:30登録) (ネタバレなしです) 1996年発表のモース主任警部第12作で、もともとは本書がシリーズ最終作の予定だったとか。初期作ほど面白く感じられないのはモースがきっちり説明しないで事件が片ついているからでしょうか(謎解き伏線はほのめかされてはいますけど)。もっともモースのファンなら前作「カインの娘たち」(1994年)に引き続き体調不良のモースを心配したり、ついに明らかになるモースのファーストネームですっきりすればいいのかもしれませんが(笑)。それにしても断片的な会話が多くて読みにくかったです。 |
No.1242 | 5点 | 手掛りはここにあり デニス・ホイートリー |
(2016/05/29 15:27登録) (ネタバレなしです) ジョー・リンクス(創案)とデニス・ホイートリー(執筆)のコンビによる捜査ファイル・ミステリーシリーズの第4作(1939年出版)です。シュワッブ警部補は登場しませんがもともとキャラクターで読ませる作品でないので特に影響はないでしょう。主な証拠として容疑者の写真、現場遺留品、容疑者プロフィールなどから犯行不能な容疑者を消去法的に取り除いて最後に残った1人が犯人という謎解きです。捜査レポートも非常に少なく、読むというよりは見て判断するところが大部を占めており、その単純性のためか15人という多めの容疑者数もそれほど苦にはなりません。ただ写真は当然ながら白黒で不鮮明な部分があり、真相説明を読んでも納得しきれないかもしれません。単細胞な私にはこのシリーズの第3作や第4作が読みやすくて合っていますが、じっくり証拠を吟味して捜査に参加している気分を味わいたい読者は凝りに凝った第1作や第2作の方が楽しめると思います。 |
No.1241 | 5点 | フレンチ警部とチェインの謎 F・W・クロフツ |
(2016/05/29 09:57登録) (ネタバレなしです) 1926年発表のフレンチシリーズ第2作ですがフレンチ警部が登場するのは物語が3分の2ぐらい進んでからです。そこまでは事件に巻き込まれたチェインを主役にした冒険スリラーで、チェインが何度も危機を迎える展開は読み応えたっぷりです。チェインが麻酔剤を飲まされるトリックが図解入りで説明されていますが、これは犯人の解説で判明していて推理要素は皆無です。フレンチが登場して主役交代となり、犯人追跡や暗号解読などが加わりますが典型的な棚ぼた式の解決で、本書のフレンチは名探偵の役割を果たしたとは言えません。 |
No.1240 | 5点 | 死のとがめ ニコラス・ブレイク |
(2016/05/29 09:44登録) (ネタバレなしです) 1961年発表のナイジェル・ストレンジウェイズシリーズ第14作の本格派推理小説ですが、死体の傷の詳細な描写が私は苦手でした(首なし死体の登場する「旅人の首」(1949年)は平気だったのですが)。ナイジェルと恋人クレアの関係説明があってシリーズファン読者には外せない作品ですが、肝心のナイジェルがやや精彩を欠いているように思います。犯人との対決場面なんか完全に後手を踏んでいます。対照的にクレアは推理にはほとんど役立っていないものの「闇のささやき」(1954年)以上の立ち回りが目立ちます。おかげで謎解きが霞んでしまった感があります。でも女性にアクション担当させていいのかなあ(笑)。 |
No.1239 | 5点 | プラム・ティーは偽りの乾杯 ローラ・チャイルズ |
(2016/05/29 09:31登録) (ネタバレなしです) 2014年発表の「お茶と探偵」シリーズ第15作はワイナリーのワイン試飲会で死体が見つかる事件を扱い、ワインに関する描写があるのが特長ですがやはりこのシリーズならではのお茶に関する描写の方に力が入っているように思います。今回は依頼人と親しい関係にあるためドレイトンもセオドシアと一緒に(少しだけですが)探偵活動に参加してますが、質問が露骨過ぎて容疑者を怒らせたりと空回りしています(笑)。24章で真の動機と真犯人に気がついたセオドシア、あまりに強引な証拠の確認(失敗したら大問題です)から逃げる犯人の追跡まで怒涛の勢いです。ここ数作での派手な追跡シーンは作者のお気に入りパターンになったんでしょうか? |
No.1238 | 3点 | 聖女の塔 篠田真由美 |
(2016/05/29 03:08登録) (ネタバレなしです) 2006年発表の桜井京介シリーズ第12作ですが本書は本格派推理小説ではなく(講談社文庫版の巻末解説で加納朋子もコメントしていますが)サスペンス小説です。蒼が巻き込まれる失踪人探しと京介が巻きこまれる長崎の小島での集団焼死事件、両方とも新興宗教団体が関わっています。そして物語が進むにつれて京介に対して向けられる悪意の存在がどんどん大きくなっていきます。あのシャーロック・ホームズに対する仇敵モリアーティー教授の再現を狙ったのでしょうか。全15作のシリーズ終焉が近づきつつあることを感じさせますが、個人的には悪との対決と決着という方向の物語はこのシリーズで期待してはいないのですが。 |
No.1237 | 4点 | 鼻かけ三重殺人事件 ヒュー・オースチン |
(2016/05/28 23:19登録) (ネタバレなしです) 米国のヒュー・オースチン(生没年不詳)は本格派黄金時代の1930年代から1940年代に活躍した作家です。1935年発表のピーター・キント(Quintと綴るようです)シリーズ第2作で英語原題がずばり「Murder in Triplicate」の本書は、鼻をそぎ落とされて殺される事件が起き(残虐描写はありません)、警察が出動したにもかかわらず大胆に第二、第三の殺人が続くというプロットです(「鼻かけ」の「かけ」は「欠け」のことですか!)。第2章の「原作者の言葉」で「全ての事実証拠を読者に明示する」、「専門的知識を必要としない」、「共犯を使用しない」など五つの誓言が述べられ、さらに第36章の終わりには「読者への挑戦状」が挿入されるなど同時代のエラリー・クイーンを意識したパズル・ストーリーです。容疑者数は多くはありませんが動機、機会、手段の全ての要件で犯行可能な人物が絞り込めずキント係長は苦悩します。人物の個性が描かれず物語性もほとんどない全38章ですが、各章は非常に短くクイーンの国名シリーズよりは読みやすいと思います。しかしフェアプレーを強調してるがゆえにこの真相では釈然としない読者も多いのではないでしょうか。 |
No.1236 | 5点 | 猫は糊をなめる リリアン・J・ブラウン |
(2016/05/28 08:45登録) (ネタバレなしです) 1988年発表のシャム猫ココシリーズ第8作です。シリーズ作品としてのトピックスとして、クィラランがついに新しい新聞の創刊にこぎつけます。「ムース郡なんとか」という変わったセンスの名前になってしまった背景も本書で描かれています。謎解きはあるトリックを使ってどんでん返しを試みているのが特徴です。もっとも同じようなトリックを使ったルース・レンデルが簡単に見破られないようにきめ細かく工夫を凝らしたのに比べると、本書はトリックの使い方が粗くて普通なら警察の初動捜査で発覚してしまうと思います。まあそれでもこの作者としては謎解きに力を入れた部類だと思いますが。 |
No.1235 | 6点 | 三冠馬 ジョン・L・ブリーン |
(2016/05/28 08:38登録) (ネタバレなしです) 1985年発表のジェリー・ブローガンシリーズ第2作の本格派推理小説です。「落馬」(1983年)で大活躍した愛すべきオリビア叔母さんは残念ながら登場しないし、マニア読者を意識したような趣向もありませんが本書は本書で面白い作品です。前作でもレースシーンはありましたが本書ではそれが三回も描かれ、いかにも競馬ミステリーという雰囲気がとても濃厚です。謎解きは前作よりやや淡白になりましたが物語のスピード感とサスペンスでは上回っています。 |
No.1234 | 4点 | ライラック・タイムの死 フランシス・クレイン |
(2016/05/27 20:35登録) (ネタバレなしです) 米国のフランシス・クレイン(1896-1981)は1940年代から1960年代にかけて夫パットを探偵役、妻ジーンを語り手役にしたアボット夫妻シリーズを中心に30作ほどの本格派推理小説を書いた女性作家です(ノース夫妻シリーズで有名なロックリッジ夫妻のライヴァル的存在だったのですね)。アボット夫妻シリーズの特徴は作品タイトルに色彩或いはそれをイメージさせる単語(花とか宝石とか)を取り入れ、また作品舞台も米国のあちこちだけでなく外国も登場させたりとトラベル・ミステリー要素があるなど特に女性読者を意識したようなところがあります。本書は1955年発表のシリーズ第19作で、ライラックの季節を迎えたケンタッキーを舞台にしています。本書を読む限りではアボット夫妻は仲が悪いというほどではないにしろ、感情的になりやすいジーンと冷静すぎるパットの間には「おしどり探偵」の雰囲気は感じられませんでした。ジーンがトラブルに見舞われた時に少しは心配する素振りを見せるだけでもだいぶ違うんですけどね。真相解明は唐突で決定力不足、謎解きに期待する読者にはあまりお勧めできませんがストーリーはテンポよく進み、サスペンスも程よいです。ハヤカワポケットブック版は半世紀も前の古い翻訳で読みにくいですが、翻訳に恵まれれば個性的な登場人物や洗練された文章をもっと楽しめたと思います。 |
No.1233 | 5点 | 屠所の羊 A・A・フェア |
(2016/05/27 20:14登録) (ネタバレなしです) A・A・フェアは弁護士ペリイ・メイスンシリーズで有名なE・S・ガードナー(1889-1970)の別名義で、メイスンシリーズには遠く及ばないものの1939年発表の本書でスタートしたドナルド・ラムとバーサ・クールのシリーズは29長編が書き上げられました。コンビ探偵ではありますが推理も捜査も基本的にドナルドの役回りで、バーサはマネージャー的な位置づけが中心となり、そのため作品によっては彼女の影が薄いこともあります。空さんのご講評通り、メイスンシリーズもハードボイルド風なところがありますが、私立探偵を主人公にしたためか本書でドナルドがある女性とベッドインしたり、ギャングに痛めつけられてしまうなどその要素はより濃厚です。しかし本書で最も印象的なのはドナルドが11章以降でとったまさかの行動で、これには仰天しました。謎解きとしては少々不満もありますが、弁護士出身のフェア(ガードナー)にしか書けないユニークさが光ります。 |
No.1232 | 5点 | 陶工の畑 エリス・ピーターズ |
(2016/05/27 19:59登録) (ネタバレなしです) 1989年発表の修道士カドフェルシリーズ第17作です。1143年8月によその修道院と互いの所有する土地を交換することになり、10月には新しい土地の開墾を開始しますが作業中に女の死体が発見される事件が起こります。今回は犯人探しの前にまず「被害者は誰か?」という謎を解かねばなりません。「死体が多すぎる」(1979年)では割合あっさりとこの問題を片付けたのに対して、本書はなかなか被害者の正体がわからずちょっとじれったい展開ですが、謎を巡ってカドフェルと執行官のヒュー・ベリンガーが議論する場面を丁寧に描いたり、この人が被害者かと思わせてどんでん返しがあったりするなど中盤まではいつも以上に本格派推理小説らしさを感じることができます。コナン・ドイル作品に前例があるとはいえ珍しい真相を用意しており、これは(当てずっぽうでも)見抜くことは難しいでしょう。フェアに手掛かりを提示しているわけではないので不満を感じる読者もいるかもしれませんが。最後にこの事件をどう幕引きするのかという課題を突きつけているところは「死者の身代金」(1984年)を連想しました。 |
No.1231 | 4点 | グルメ警部キュッパー フランク・シェッツィング |
(2016/05/27 19:49登録) (ネタバレなしです) 1996年発表の本書のドイツ語原題は直訳すると「殺人の渇望」、ランダムハウス講談社文庫版のふざけたような日本語タイトルとはイメージが随分違います。確かにユーモアは豊富でしかも強烈ですが、一方でキュッパーが悩んだり怒ったりする場面も挿入して適度に引き締めています。ジャンル分けが難しい作品で、警察小説としてはキュッパーの所属するケルン警察がほとんど描かれていないし、本格派推理小説としては(キュッパーが目撃した)決め手となる手掛かりをフェアに描写していないのが不満です。まああの手掛かりは伏線としてさりげなく描くのが極めて難しい手掛かりではあるのですが。ストーリーテリングは優秀で、個性豊かな人物のやり取りやサスペンスたっぷりの終盤など読みどころはたっぷりです。 |
No.1230 | 3点 | ルコック探偵 エミール・ガボリオ |
(2016/05/27 19:28登録) (ネタバレなしです) 1869年発表のルコックシリーズ第5作です。もっともシリーズ作品としての統一性は全く考えていなかったのでしょう。本書がルコックの初事件のように書かれていますし、また「ルルージュ事件」(1866年)ではルコックを犯罪者出身の警官と紹介していたのが本書では前科などないように描かれています。本書の特色は何といってもそのプロット構成で、前半はルコックの捜査小説、後半は歴史ロマン小説と全く異なる物語を2つ繋げたような作品です。コナン・ドイルの「緋色の研究」(1887年)に強い影響を与えたのは明らかで、ドイルが作中で本書のことに言及しています。ただ本書が「ルルージュ事件」と比べても読みにくく感じたのは、東都書房版にしろ旺文社文庫版にしろ抄訳版で翻訳が古いことも大きな理由ですが、この構成に問題があるように思います。特に後半部はルコックが登場せず(エピローグでは登場)、ミステリー要素も全くないので事前知識なしに読むと退屈に感じてしまうと思います。また前半部も「ルルージュ事件」が一応犯人当てとして成立しているのに対して本書はそういう一般的な謎解きでないのも、とっつきにくさに輪をかけています。マニア読者や評論家向けの作品という評価に留まるでしょう。 |
No.1229 | 5点 | 空高く マイケル・ギルバート |
(2016/05/27 17:34登録) (ネタバレなしです) 1955年発表の本格派推理小説です。大空を舞台にしているかのような雄大なタイトルですが飛行機も鳥も登場せず、足、自動車、バイクで地上を駆けずり回っています(笑)。爆弾が使われることもあって戦後という時代性を強く感じさせているのが特徴です。推理がかなり粗くて探偵役の謎解き説明はぴんと来ないところがありますが(私の理解力不足もありますけど)、その裏でじわじわとサスペンスを盛り上げていく手法がなかなか効果的です。 |
No.1228 | 5点 | ジャスミン・ティーは幽霊と ローラ・チャイルズ |
(2016/05/26 15:22登録) (ネタバレなしです) 「ゴースト・ウォーク」が開催されたジャスミン墓地で殺人が起きる、2004年発表の「お茶と探偵」シリーズ第5作です。マンネリと言えばマンネリですがお茶や菓子の魅力的な描写、ユーモア溢れる軽妙な会話、そして物足りない謎解き(笑)がお約束のごとく読者に提供されています。これまでも推理よりは幸運(?)で真相に到達しているセオドシア、名探偵としての評価がどんどん高まっていてシャーロック・ホームズ扱いですね。これだけ死体に遭遇していたらむしろ死神扱いされてもおかしくないのではと突っ込みたくなります(笑)。 |
No.1227 | 5点 | ブルクリン家の惨事 G・D・H・コール |
(2016/05/26 15:19登録) (ネタバレなしです) 夫婦によるコンビ作家として有名なコール夫妻ですが、ミステリー第1号となる1923年発表の本書は例外的に夫のG・D・H・コール(1989-1959)単独による作品です(新潮文庫版の巻末解説では本書も夫婦共著のように紹介されていますが間違いです)。シリーズ探偵であるウィルソン警視初登場の作品でもありますが彼が全面的に活躍するわけではなく、警察、弁護士、アマチュア探偵コンビがそれぞれ謎を解いていく展開となります。それぞれが独自に捜査しつつも要所では情報の探りあいや共有化もやっていますので、単純な犯人当て競争とも違った趣があります。この人が犯人ではという仮説が先にありきで(理由はあっても非常に根拠薄弱です)、その後で証拠固めに入るというプロットが珍しく、犯人がわかればほとんど終わりという通常の本格派推理小説に慣れている読者には多少まどろこっしく感じるかもしれません。 |
No.1226 | 5点 | 吸殻とパナマ帽 ジョン・ロード |
(2016/05/26 14:47登録) (ネタバレなしです) ロードの後期作品ではプリーストリー博士は現場にも行かずアドバイザーに徹し、探偵役として動くのはジミー・ワグホーン警視という役割分担になる場合が多いそうですが、1956年のシリーズ第63作の本書はまさにその典型です。出番があまりに少ないせいか本書(現代推理小説全集版)の登場人物リストに名前を載せてもらえなかったのはちょっとお気の毒な気もしますけど(笑)。とはいえ本書のプリーストリー博士の推理は可能性を示唆するといった程度で、これでは名探偵として十分責任果たしたとは言えないでしょう。ワグホーンの方はというと足の探偵としてはまあ頑張ってはいますが、結局謎が解けたのは幸運の賜物だったような気がします。名探偵にびしっと「犯人は君だ!」と指摘して欲しい読者にはそこが物足りないかもしれませんがストーリーはシンプルで読みやすく、理系トリックが使われているところにロードの個性を感じます。雷鳴の中の謎解き場面がやや浮いた演出に感じなくもありませんが、それまでがひたすら地味な展開だったので作者としてもそろそろ盛り上げたかったのでしょうね。 |