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ミステリの祭典

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チャーリー・チャンの追跡
チャーリー・チャン/別題『カーテンの彼方』

作家 E・D・ビガーズ
出版日1955年04月
平均点6.00点
書評数4人

No.4 5点 クリスティ再読
(2024/01/17 18:28登録)
う~ん、どうかなあ...
いや、本作ツカミは大変いいんだ。中華スリッパを履いて殺された弁護士の事件、そしてインドの奥地で蒸発した軍人の妻の事件、と過去の事件を追うスコットランドヤードの副総監がサンフランシスコに来訪。たまたまサンフランシスコを訪れていたホノルル警察のチャーリー・チャンは新聞記者の紹介で副総監と会食。そこで知り合ったサンフランシスコの女性次席検事と財閥の若主人の縁に引かれ、財閥の若主人が主催するパーティに。そのパーティの席で副総監が射殺された!副総監が追跡していた過去の事件の記録が見当たらず、この件が殺人の動機では...
こんな話。うん、確かに面白そうではある。そして同様に蒸発した女性の事件2件に副総監は関心を寄せていた....「年月のカーテンの裏を覗きたい」とこの手の話は評者好物。
なんだけど、どうも中盤で話が停滞するのと、謎解きは大した話でもない。チャンの推理に関して、ミスディレクションというかややアンフェアな流れになっている部分もある。まあ女性検事・チャン・財閥若主人に加えて「チャーリー・チャンの活躍」にも登場するスコットランドヤードのダフ警部も追加登場、さらには地元警察の頭が固いフラネリー警部がヤラレ役みたいなもので登場、と捜査側のキャラが多すぎる気もするんだ。
事件のキャッチーさがもったいない、という印象。まあ評者、チャンのキャラはあまり好きではないしなあ....

No.3 6点 蟷螂の斧
(2019/02/03 23:54登録)
エラリー・クインの探偵小説批判法で評価された作品ということで拝読。その評価は~プロット8、サスペンス9、意外な解決7、解決の分析6、文体8、性格8、舞台7、殺人方法6、手掛り7、フェアプレイ6、計72。 佳作。普通の水準は遥かに突破している。ビガース氏はすべての点で平均のとれたストーリイを書いた傑れた作家であった。(50平均、60やや佳作、70佳作、80秀逸、90クラシック)~


1928年の作品なので、やむを得ないのかもしれませんが、やや中だるみでスピード感に乏しいような・・・。中国のことわざ(論語など?)が結構出てきます。そのたび意味を斟酌するので、一時的に立ち止まってしまうのが難(苦笑)。ずっと、モヤモヤしていたものが、ラストで晴れるといった感じですかね。

No.2 6点 nukkam
(2016/06/14 12:29登録)
(ネタバレなしです) 1928年発表のチャーリー・チャンシリーズ第3作の本格派推理小説で、「チャーリー・チャンの活躍」(1930年)と並ぶ代表作とされています。犯人を特定する決定的手掛かりが十分ではないことから謎解きパズルとしては「チャーリー・チャンの活躍」に劣ると評価されることもあるようですが、小説としてのプロットでは本書の方が数段上でしょう。前作「シナの鸚鵡」(1926年)に比べてチャンの個性が発揮されていますし、若い男女のロマンスが面白さに彩りを添えています。歳月というカーテンの向こうにある謎が醸し出す神秘性も魅力的です(英語原題は「Behind the Curtain」です)。

No.1 7点 mini
(2008/10/12 10:36登録)
論創社から未訳だったシリーズ最終作が出る予定みたいだけれど、入手の難しい「鍵のない家」やポケミスの「シナの鸚鵡」、雑誌に抄訳されて埋もれたままの作品を除くと、現時点では古本屋で比較的見つけ易いのは創元文庫の2冊だろう
「活躍」の方を推す人もいるかもしれないが、私は「追跡」を推したい
厚みのある謎の構成、そこそこ起伏のある物語展開、主役チャーリー・チャンが最初から登場して存在感がある点など
全てに「活躍」より「追跡」の方が上回ってる

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