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ミステリの祭典

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荒野のホームズ
オールド・レッド&ビッグ・レッド

作家 スティーヴ・ホッケンスミス
出版日2008年07月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2016/06/11 01:52登録)
(ネタバレなしです) 米国のスティーヴ・ホッケンスミス(1968年生まれ)はジャーナリスト出身で、ミステリー作家としては2000年のデビューです。当初は短編ばかりでしたが2006年発表の本書から長編も書くようになりました。シャ-ロック・ホームズのパロディー風なタイトルで(英語原題は「Holmes on the Range」)ホームズが実在する世界という設定ですがホームズは登場せず、西部アメリカを舞台にして赤毛のカウボーイ兄弟(ホームスに私淑する兄グスタフがホームズ役、弟オットーがワトソン役)が活躍するシリーズです(ちなみに初登場作品は「親愛なるホームズ様」(2003年)という短編だそうです)。個性豊かな人物が登場し、西部ならではの撃ち合いもあるかと思えばぞっとするような猟奇的な場面もあったりと起伏のある物語ですが手堅い文章で意外とドライに流れます。まあこのプロットで描写が丁寧過ぎると汚らしさやおぞましさや品のなさが気になりそうなので本書程度で十分だと思います。どんでん返しの謎解きが楽しめますが、グスタフだけが知っていた手掛かりで犯人を特定できる立場にあったというのでは謎解き好き読者に対してアンフェアに過ぎる気がします。

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