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ミステリの祭典

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エヴァ・ライカーの記憶

作家 ドナルド・A・スタンウッド
出版日1979年08月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 5点 nukkam
(2016/06/14 18:42登録)
(ネタバレなしです) 米国のドナルド・A・スタンウッド(1950年生まれ)は完成に8年もの歳月をかけた本書を1978年に発表してデビューしました。謎解き小説、サスペンス小説、冒険小説といったさまざまなジャンル要素を全て併せ持った傑作と評価されています(基本的には冒険スリラーと言っていいでしょう)。私は本格派ばかり偏執的に求めている読者なのでどうしても謎解き部分にばかり目が行きやすいのですが、推理がないわけではありませんけど犯行場面が回想風に再現されて謎が解けるパターンが圧倒的に多く、探偵役による推理を期待するとあてが外れます。しかしながら1912年のタイタニック号沈没、1941年の殺人事件、1962年の冒険に謎解きと長い年月をまたぐスケール豊かな物語は読み応えたっぷりで、本の厚さを感じさせないストーリーテリングとしっかりしたプロット構成はなるほど幅広い読者にアピールするものがあると納得できました。なお作者は本書の後にさらに9年の歳月をかけて2作目の「七台目のブガッティ」を1987年に発表しますがこちらはどうも失敗作と評価されてしまったらしく、以降は沈黙してしまったようです。

No.2 6点 touko
(2011/04/03 22:00登録)
サスペンス、本格ミステリ、冒険小説等、エンタメのフルコースをお腹いっぱい楽しませてくれると評判の作品。

確かに、エンタメ要素てんこ盛りではあるんですが、すべてが大味で、ボリューム満点だけど、お手軽ファーストフード的、メガマックみたいな作品で、繊細なフルコース料理では決してありません。
暇つぶしに胸焼け覚悟でガツガツ読むべし!?

No.1 6点 kanamori
(2010/08/03 18:55登録)
50年前のタイタニック号沈没事故を主題にした壮大な謀略サスペンス。
「東西ミステリーベスト100」には海外部門だけ、ランク外の101位から200位の作品がリストアップされていて、本書はその101位に入っています。先年30年ぶりに復刊されました。
前半は、タイタニック引揚げのルポを依頼された主人公が幾つかの謎と謀略に気付く探求の物語で、若干冗長な感じもありますが、後半、沈没事故の生き残りエヴァを巡る謎ときが延々と続き、本格ミステリ趣向充分です。
多少、B級めいた面もありますが、総合エンタテイメント小説としてまずまずの出来だと思います。

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