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ミステリの祭典

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シュウさんの登録情報
平均点:6.78点 書評数:141件

プロフィール| 書評

No.101 9点 スリーピング・マーダー
アガサ・クリスティー
(2008/11/19 00:29登録)
クリスティの遺作でありミス・マープル最後の事件ということですが、書かれた年代はクリスティが亡くなるかなり前だというもあってか
あまり最後の事件という感じはしませんでした。記憶の中の殺人ものということで18年前の殺人事件が中心となるのですが、
登場人物が魅力的だしテンポ良く話が進むので全く退屈せずに最後までわくわくしながら読むことが出来ました。
全盛期のミステリの女王が書いたというだけあって読み応え十分な作品でした。


No.100 6点 疑惑
松本清張
(2008/11/17 00:40登録)
たまには社会派でもということで以前映画で見たこの作品を読むことにしました。
夫殺しの罪で逮捕された悪女の鬼塚球磨子は熱意のある弁護人に去られ死刑判決を受けそうになる。という所までは映画と一緒でしたが、
この原作小説では球磨子は名前しか出てこなくて、彼女を散々悪者扱いした記事を書いた新聞記者が中心となる話でした。
映画版は球磨子役の桃井かおりが蓮っ葉な中にも少しだけ可愛さをかもし出すいい演技をしててそれを期待してたんで(笑)ちょっとだけ肩透かしでした。

併録の「不運な名前」は藤田組贋札事件を3人の人物が語る話で、事件自体知らなかったので勉強にはなりました。


No.99 7点 マニアックス
山口雅也
(2008/11/16 10:10登録)
「孤独の島の島」のような幻想的なホラー話、「モルグ氏の素晴らしきクリスマス・イブ」のアメリカのコメディドラマのブラックジョーク版みたいな話など
様々なマニアックな狂人たちの話が楽しめる。
「エド・ウッドの主題による変奏曲」は山口雅也氏自身がエド・ウッドのマニアということなんだろうか。この大時代的なセリフ回し大好きだなあ。
収められている作品の全てがコメディかホラーと両極端なんだけど、やはり笑いと恐怖は紙一重ということなんだろうか。


No.98 6点 幻竜苑事件
太田忠司
(2008/11/13 23:30登録)
前作に比べるとちょっと小粒な印象でした。かなりありがちな事件だと思わせておいて最後に意外なオチになるのは上手いんですが。
正直事件よりも野上探偵の俊介養子計画の行方の方が気になって仕方ありませんでした。


No.97 8点 真説ルパン対ホームズ
芦辺拓
(2008/11/13 00:53登録)
色々な名探偵が登場するパスティーシュ作品集の一作目です。面白いんですがネタバレしないで感想書くのがつらい短編が多いです(笑)

「真説ルパン対ホームズ」 この2人の競演というだけで楽しいのでトリックとかどうでも良くなってしまいます。チョイ役で夏目漱石も出てきます。
「大君殺人事件 またはポーランド鉛硝子の謎」 ファイロ・ヴァンスをはじめとして複数の探偵が集まる豪華な話です。ネロ・ウルフとか思考機械という探偵たちは初めて知りましたが。最後のサプライズはタイトルでバレバレなはずなのに気が付きませんでした。
「《ホテル・ミカド》の殺人」 これも複数の探偵が登場する話でチャーリー・チャンとかサム・スペードとか出てきますが初めて聞く名前でした。事件の真相がかなり分かりやすいのでこんなに多くの探偵が出てこなくてもと思ってしまいます。
「黄昏の怪人たち」 この本で一番楽しめました。芦辺拓はやっぱり乱歩の世界が一番合ってると思う。
「田所警部に花束を」 鮎川哲也ファンならかなり楽しめる作品だと思います。自分としてはあまり読んでないのでそれほどでもありませんでした。しかしこの密室トリックは酷いなあ。
「七つの心を持つ探偵」 まあオチは予想通りでしたがとにかく楽しいです。
「探偵奇譚 空中の賊」 黒岩涙香を真似た明治時代風の文体があまりに読みにくいので挫折しました。内容的にはすごく面白そうなんだけどなあ。
「百六十年の密室――新・モルグ街の殺人」 モルグ街の殺人の犯人は冤罪だった!という内容です。モルグ街は未読だったんですが思い切りネタバレ見ちゃいました。まあどうせ当分読まないだろうからいいや。


No.96 5点 二銭銅貨
江戸川乱歩
(2008/11/09 20:11登録)
トリック云々より主人公と同居人のこれからの人間関係が心配になる話でした。


No.95 5点 黒猫
エドガー・アラン・ポー
(2008/11/09 20:06登録)
主人公の自業自得な話としか思えなかった。黒猫より主人公のキチガイぶりの方が怖いよ。


No.94 7点 とむらい機関車
大阪圭吉
(2008/11/06 21:39登録)
各所の評判どおり面白い本でした。1話につき30ページ程度の短編ばかりなので読みやすいです。
物悲しいラストが印象的な「とむらい機関車」、倒叙作品の「雪解」、ミステリとしての完成度がかなり高いので
できれば長編で読みたかった「坑鬼」など古き良き探偵小説がつまってます。巻末に収録されているエッセイも時代を感じさせて読み応えがあります。


No.93 6点 六枚のとんかつ
蘇部健一
(2008/11/06 00:57登録)
怖いもの見たさというかこれだけ批判されてるんだからどれだけ酷いんだろうと思ってわくわくして読み始めたんですが・・・
あれ?結構面白いと思うんだけど(笑)色んな事件が起きてバラエティに富んでるしギャグもそれなりに面白いし。
まあ当方B級映画やバカゲーが大好きな人間なんで参考にならないかもですが。
「オナニー連盟」と「しおかぜ⑰号四十九分の壁」がツボでした。


No.92 7点 七人の証人
西村京太郎
(2008/11/06 00:30登録)
十津川警部が誘拐されるというショッキングな始まり方をする作品です。
獄死した息子の無実を晴らすためにある男が無人島に事件の現場を再現し、その事件の目撃者7人(と十津川警部)を誘拐するんだけど
またその無人島でも殺人事件が起きるというのがあらすじです。
トラベルミステリに走る前の西村京太郎はこういう本格心をくすぐるいい話を書いてくれてたのになあ。


No.91 8点 月光亭事件
太田忠司
(2008/11/04 23:29登録)
少年探偵といえば某漫画のせいか言葉は悪いですが生意気なガキというイメージなんですが、この作品の狩野俊介少年は非常に純な性格でとても好感が持てました。
そして後見役の野上探偵や喫茶店の看板娘のアキちゃんなど良心的な大人に囲まれているので、安心感を持って読んでいられます。
トリックは恥ずかしながら当てられなかったんですが、解決編のトリックの解説と伏線の回収の鮮やかさになるほどと納得できて気持ちが良かったです。
かなり面白かったので続編も早く読んでみたいな。


No.90 8点 赤死病の館の殺人
芦辺拓
(2008/11/04 00:43登録)
実は表紙がちょっと不気味でずっと積んでたんですが、いざ読んでみたらかなり面白い短編集でした。

「赤死病の館の殺人」 まあ確かにトリックはあんまりですが、古き良き探偵小説好きな自分としてはポーの赤死病の仮面を彷彿させる世界観で新島ともかがメインな話というだけで満足です。ただ長編ならもっと隙のない面白い話になったのかなと思うと少し残念。
「疾走するジョーカー」 犯人がまるで我孫子武丸の作品に出てきそうな感じのサイコさんで怖いです。
「深津警部の不吉な赴任」 ちょっとアレな感じのオチはともかく全体的にユーモア溢れる話で本書で一番好きな作品です。
「密室の鬼」 なんか電波っぽい博士が登場したあたりからごちゃごちゃしてきて訳分からなくなってしまった。森江春策の出番も最後の方だけだしあまり好きな話ではなかったです。


No.89 6点 暗黒星
江戸川乱歩
(2008/11/04 00:41登録)
どこかで見たような展開ばっかりで犯人もかなり分かりやすい作品ですが、明智の妙なテンションのせいか結構面白く読めました。
そういや乱歩作品の中では珍しくちょっとハードボイルド要素入ってるかも。

これが戦前最後の頃の探偵小説で戦後は大人物をあまり書いてくれなかったことを思うと、あの戦争さえなければと思わずにはいられません。


No.88 6点 ロートレック荘事件
筒井康隆
(2008/11/02 16:30登録)
叙述トリックはなんとなく最初の方で見当が付きましたが、元々推理系の作家じゃないのにここまで書ける筒井氏に脱帽です。
本当なんでも書ける人だなあ。


No.87 7点 富豪刑事
筒井康隆
(2008/11/02 16:22登録)
以前虚航船団の難解さにギブアップして以来久しぶりに筒井作品を読みましたが、分かりやすくギャグもブラックさがなく正統派で読みやすかったです。
いかにも筒井康隆的なドタバタ+推理という感じでかなり楽しめました。
こんなに魅力的なキャラばっかりなのにこれ一冊で終わりというのはもったいないなあ。


No.86 9点 明智小五郎対金田一耕助
芦辺拓
(2008/11/01 01:10登録)
もう大好きです。パスティーシュは今作で一応のピリオドとか言わないでもっと書いて欲しいんだけどなあ。

「明智小五郎対金田一耕助」 金田一ワールド、明智ワールドの融合という感じで非常に楽しく読めました。海野十三の蝿男という作品の粗筋がちょっと書かれてたんですがすごく面白そうだ。これはいつか読んでみたいな。
「フレンチ警部と雷鳴の城」 実はクロフツもカーも読んだことないのですが楽しく読めました。フレンチ警部の奥さんがいい味出てたんだけど原作もこうなのかな?トリックがなんか凄くて唖然としました。
「ブラウン神父の日本趣味」 実はブラウン神父読んだことないですが楽しく読めました。これもオチが凄いです。
「そしてオリエント急行から誰もいなくなった」 オリエント急行の殺人の後日談みたいな作品ですがなんか辛口。
「Qの悲劇 または二人の黒覆面の冒険」 作家エラリイ・クイーンを主人公にした話だけどこれはイマイチ楽しめなかった。
「探偵映画の夜」 探偵映画の薀蓄が楽しかった。
「少年は怪人を夢見る」 乱歩の某キャラの誕生秘話を乱歩の他作品と絡めながら書く話でこの本で一番面白かったです。


No.85 5点 記録された殺人
岡嶋二人
(2008/10/29 00:36登録)
凡作が多い印象の短編集だけどこの中だと「バッド・チューニング」が一番面白かったかな。他のはみんな最初の方で犯人分かってしまった。
スリー・パーセントってグループ名は消費税から取ったのかなと思ったら「バッド・チューニング」は83年の作なのかあ。じゃあ違うか。


No.84 6点 怪人大鴉博士
太田忠司
(2008/10/29 00:27登録)
前作より怪人が魅力的なんで面白さが少しアップ。
あと大貫健一の挿絵がいいなあ。


No.83 6点 刑事失格
太田忠司
(2008/10/27 22:13登録)
ハードボイルドと本格が融合したような作品。
規律に厳しい巡査が正当防衛ではあるけれど人を殺し、警察から去るというストーリーです。
個人的にハードボイルドが苦手なのと、主人公に最初あまり好感が持てなかったのが原因でちょっと読み難かったのですが、
終盤今まで起きた複数の一見関係無さそうな事件が一つに収束するのはさすが新本格作家という感じで爽快でした。


No.82 6点 殺人ダイヤルを捜せ
島田荘司
(2008/10/26 22:02登録)
辱めを受けた女性の復讐劇という感じのサスペンスです。復讐に燃えるヒロインの無防備な行動にハラハラしながら読みました。
オチのご都合主義とか不満なとこもありますがまあまあ面白かったです。ただ島田さんはやっぱり本格の方が合ってます。
それにしても電話のトリックや「ナウい」というセリフなど時代を感じます。

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