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ミステリの祭典

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殺人ダイヤルを捜せ

作家 島田荘司
出版日1985年04月
平均点5.91点
書評数11人

No.11 6点 虫暮部
(2023/09/07 13:10登録)
 最初から最後までズ~ンと沈んだ気分で、語り手にも共感しづらく、しかし話は割と最初から走り出すので、さほど楽しくはないのについ乗せられちゃった感じ。

 勢いで殺してしまい、即興的にあのトリックを思い付いたと言うことは、犯人達は事前に語り手の行為についての情報を共有してたんだろう。“こういうトリックを思い付いたんだけど、知り合いにイタズラ電話をしてる奴いない?” って順序ではないだろう。
 他人の秘密をペラペラ喋る慎みの欠けたパートナーは嫌だな~。犯人(女)はそういう品の無さを男に見せて平気だったんだろうか。犯人(男)は新旧どっちの女を選んでもガッカリなんじゃないだろうか?
 あまりナイスなペアには思えないんだよね。一時的な愛人関係ならともかく、捕まらずに一緒に暮らしたら、いずれ男が女を殺したのでは……?

No.10 6点 まさむね
(2023/07/13 22:41登録)
 サスペンスとしてなかなかに良質。でも、今の中高生にしてみると、メイントリックも含めてピンとこないだろうなぁ。よくよく考えると「ダイヤル」っていう単語自体が懐かしい。

No.9 5点 ボナンザ
(2019/09/03 21:50登録)
設定に凄まじいほど時代を感じる・・・。
サスペンスとして、本格としていずれも水準に達しているのは流石の名人芸。

No.8 7点 斎藤警部
(2016/10/05 00:38登録)
「確率2/2の死」が痛快B級サスペンスなら、「殺人ダイヤルを捜せ」は力作A級サスペンスと言ったところ。しまそうの資質じゃB級よりA級が面白い。主人公女性の造形に時々リアリティを野暮に逸するアンバランスな所は感じるけど、悪人側の意図に怖さを損なう底の浅さは見えたけれど、そんなことお構いなしに中盤のサスペンスは十分! 都会の怖さがどうしたとかはあまり感じませんが。。捩(ねじ)れた性的要素をモチーフに扱ったあたり、もしも佐野洋が洒脱の代わりに拗(こじ)らせの味わいで魅せたら、なんて喩えを言ってみたくなる。んであの電話トリックはね、まぁいいじゃないの他の諸々との噛み合わせでもあるんだし。
さて最後の台詞はちょっと、ブラックユーモアなんでしょうが、ゾッとさせるよりプッと噴き出しちゃいそな唐突のエイティーズ・コメディ・タッチ。ナウいぜ。。。。

No.7 4点 谷山
(2014/08/20 00:04登録)
電話のトリックに時代を感じます。当時知らなかった電話トリビアも読めますが今これを知って何か役立つことがあるのかどうかw

犯人はすぐ分かるし、ヒロインに全く共感できなかったこともあって正直読んでて楽しくありませんでした。

No.6 5点 seiryuu
(2010/09/13 13:42登録)
主人公の危なっかしさが緊迫感を感じてよかったのかも。
一気に読ませてしまうのは巧いんだろうなあ。

No.5 6点 E-BANKER
(2009/12/17 18:11登録)
初期のシリーズ外作品。
まだ携帯電話が普及する前の年代を舞台に、島田氏の十八番の1つ、「東京=都市の恐ろしさ」を感じさせる一作になってます。
「電話」に着目した作品は、確か別の短編(短編集「展望塔の殺人」の収録作でしたか?)でも書いてましたが、使いようによってはこういう気の利いたサスペンスになるんですね。
途中ハラハラさせておいて、ラストで「実は・・・でした」というオチは、定番とはいえ初期作らしい切れ味を持っています。
重厚さはありませんが、水準以上の作品でしょう。

No.4 5点 Tetchy
(2008/10/27 22:41登録)
かなり一昔の時代を感じさせるミステリ。
この一昔前ということをもっと念頭に置いておけばトリックも見破れたかも。
しかしもうすぐ、この題名に使われている「ダイヤル」の意味が解らない世代が読者になっていくんだろうなぁ。

No.3 6点 シュウ
(2008/10/26 22:02登録)
辱めを受けた女性の復讐劇という感じのサスペンスです。復讐に燃えるヒロインの無防備な行動にハラハラしながら読みました。
オチのご都合主義とか不満なとこもありますがまあまあ面白かったです。ただ島田さんはやっぱり本格の方が合ってます。
それにしても電話のトリックや「ナウい」というセリフなど時代を感じます。

No.2 8点 桜ノ宮
(2005/03/17 23:47登録)
携帯電話が普及している今より一昔前の話だけど、
実際にありそうな、凄い怖い話だと想う。
女性の心理が凄く巧みに描けていて、共感できるところとかもあったりして、自分ではかなり楽しめた。

No.1 7点 ガッチョン
(2003/07/05 02:23登録)
語り役の女性は電話で「ある声」を聞いた事から起こった事件の謎に
疑問を持ち、その後、失踪した女性を追うことで真相に迫ろうとするという話。
うーん、凄いです。ホントこれ、女と女の熾烈なる闘い、
鬼気迫るものを感じました。その心理描写はリアルという言葉では物足らない程。
それは本当に事件があったのか、と思わせるほどです。
トリックも凄いです。

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