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ミステリの祭典

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記録された殺人

作家 岡嶋二人
出版日1989年09月
平均点5.83点
書評数6人

No.6 6点 まさむね
(2020/07/25 16:49登録)
 ノンシリーズの短編集ですね。とても読みやすく、好きなタイプの短編集なのですが、一方で、岡嶋二人だけに、もう一歩の踏み込みを求めてしまう自分がいたりもします。いや、水準以上に面白いのですけれどね。
 ベストは、テンポも抜群な表題作でしょうか。「遅れて来た年賀状」も、構図がシンプルなだけに、むしろ印象に残りそうです。

No.5 7点 makomako
(2011/03/20 09:26登録)
6つの短編集。どの作品も岡島二人らしい無駄のない筆使いできびきびと話が進んでいく。推理小説を読んでいるとしばしばトリックを考え出しそれを広げていってある程度の長さ(多分出版社などから求められている長さなのだろう)としたと考えられるようなものが多いのだが、この短編集はかなり長めの話を作りあげた後に無駄を削って結晶化したような印象を受けた。表題作が一番面白い。犯人の性格の悪さが最後になって暴かれるのも興味深い。

No.4 5点 シュウ
(2008/10/29 00:36登録)
凡作が多い印象の短編集だけどこの中だと「バッド・チューニング」が一番面白かったかな。他のはみんな最初の方で犯人分かってしまった。
スリー・パーセントってグループ名は消費税から取ったのかなと思ったら「バッド・チューニング」は83年の作なのかあ。じゃあ違うか。

No.3 5点 COBRA
(2008/06/19 19:26登録)
岡島作品はもう少し軽めの短編の方が似合うと思う。

No.2 6点 こう
(2008/06/18 00:53登録)
 連作ではない短編集で、まあまあ楽しめます。トリックが小振りなものが多く迷い道などは阿刀田高の岡島版みたいな作品ですが、中では記録された殺人が出来が良いと思います。

No.1 6点 テツロー
(2002/06/03 22:13登録)
 表題作は良い。関係者の証言と刑事二人の会話文のみで構成されたつくりが、テンポ良く読める。これは、作中で小道具に使われている微速度撮影フィルムをモチーフにしたものなのかな? 犯人像も、自己中心で虚言癖もありそうな憎ったらしいだけの、全然同情を寄せる必要も無いところが、スパッと割り切れて良いと思う。
 他の収録作は、凡作かなあ、と思う。
「バッド・チューニング」主人公が必死でマネジメントしてる歌手グループ、「スリー・パーセント」という名ではやはりいかんだろう。
「迷い道」完全犯罪の崩壊を描いたものだが、決め手となる証拠は、もう少し「あぁ、あれがそうだったか」と思わず膝を打つような物でないと、まとまり悪いだけ。
「密室の抜け穴」事件が起こる前から、「あぁ、こいつが何かするな」と、犯人の見当ついてしまった。密室そのものは割とややこしくて、ページ数があれば良い物になったかも。

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