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ミステリの祭典

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toukoさんの登録情報
平均点:6.16点 書評数:241件

プロフィール| 書評

No.41 5点 殺戮にいたる病
我孫子武丸
(2009/01/31 00:23登録)
今読むと、この頃こういうサイコパスものやけにはやってたなあ、という感想で、ステレオタイプなえげつない描写や社会病理の告発に辟易しても、衝撃はそんなになかったのと、○人目の被害者の台詞で、犯人がわかってしまうのが難点。


No.40 8点 向日葵の咲かない夏
道尾秀介
(2009/01/31 00:19登録)
小学生の男の子の一夏の冒険譚。ホラーともファンタジーともミステリーともつかぬ内容で、信用出来ない語り手だなあとは思ってましたが、すべてに合理的解決がついたのにむしろびっくりしました。
ダークかつショッキングなラストもよかったです。
後味が最悪なので、人を選びそうですが、個人的にはキモカワイイ(!?)作品で、今のところ、この作家の中では一番好き(^_^;)


No.39 8点 十角館の殺人
綾辻行人
(2009/01/31 00:08登録)
昔、読んだはずなのですが、内容をすっかり忘れていたので、図書館で見つけた新装改訂版を読み直してみました。
読んでいくうちに動機や犯人は思い出し、それがわかっているのにも関わらず、細かいトリックは忘れていたので、で、どうやったんだっけ? などと考え込んでしまいました。それだけ見破りにくいってことなんでしょうね。
館も人間関係も構成も実にシンプルかつフェアなのに、よく出来ていると思います。


No.38 7点 写楽殺人事件
高橋克彦
(2009/01/30 00:48登録)
トンでも本路線に走る前の高橋克彦の傑作。
今思うと、和風ダヴィンチコードの趣があるかも? あんなにサスペンフルじゃないけど、万人向けのリーダービリティやワクワク感は負けてません。日本人ならこっちでしょう!?


No.37 6点 ドグラ・マグラ
夢野久作
(2009/01/29 23:45登録)
なつかしいです。私の世代でもはやったんですよね、これ……特にナゴムギャルとかに……今なら不思議ちゃんと呼ばれるようなタイプの少女たちに絶大な人気がありました。少女漫画のネタにすらされていた(笑)。
その気のない人にはつまらないと思いますが、楽しい人には麻薬のようにはまる世界観や小道具やキャラ。
ともあれ、定番名作ですし、乙一とかが好きな若い人も(漫画の絶望先生の愛読者とかにもお勧め)読んでみると楽しめるかも?


No.36 6点 この闇と光
服部まゆみ
(2009/01/29 23:38登録)
これミステリーのくくりなんですね。
実は○○……にはそんなに驚ろかなかったんですが、そうじゃなくても、高貴なる存在から庶民に堕ちちゃったらショックなのかしらん? なんて高貴とは縁遠い私は、的外れな感想を抱いた記憶があります。


No.35 6点 象と耳鳴り
恩田陸
(2009/01/29 23:27登録)
すらすらと読めます。ロジックにもキャラにも個人的には面白みは感じませんでしたが、うまいなと思いました。


No.34 4点 鏡の中は日曜日
殊能将之
(2009/01/23 01:57登録)
介護はそこに愛があったとしても、こんなロマンティックなもんじゃないって! こういうヒロイン(女の面倒臭さがまったくなくて、合理的思考の持ち主で、しかも美人で母性的で献身的)って、男にとって都合よすぎて鼻につきました。せめてニューハーフにでもしておいてくれればなあ(笑)。
とにかく、個人的に色々な意味で後味が悪かった(ぶっちゃけキモかった)です。


No.33 8点 猿丸幻視行
井沢元彦
(2009/01/14 01:17登録)
逆説の日本史シリーズの作者による歴史ミステリー。
個人的に歴史ものも古典文学も折口信夫も暗号解読も大好物なので、ニコニコしながら読んだ記憶があります。
もっとも、折口を主人公にするなんて離れ業をやってるので、勝手に相当けれんみのある作品を期待してたんですが、そつなくまとまった優等生的作品だったので、その点では少々ガッカリした記憶も?

ミステリーとしては手堅い作品で、そんなにマニアックでもないし、暗号解読ものが嫌いじゃないなら、楽しめるかと思います。


No.32 10点 首無の如き祟るもの
三津田信三
(2009/01/12 14:46登録)
ホラー+ミステリーがうまく融合しています。
超常現象的と思われた謎の数々があるトリックひとつで、ドミノ倒しのように合理的な解明に導かれるところや、謎解き部分のどんでん返しの連続が快感でした。

設定等はいつものようにドロドロのホラー風味で、人間関係や愛憎も複雑なわりに、メイントリックはありがちなものかもしれませんが、そのトリックを使う必然性や動機に説得力があり、この作家の他作品に比べると、強引さを感じず、無理なくスムーズに納得できました。
ロジック以上にレトリックのバランスが素晴らしかったのが勝因かと。


No.31 8点 厭魅の如き憑くもの
三津田信三
(2009/01/10 15:43登録)
坂東眞砂子を思い起こさせる因習と怨念に満ちたとにかくおどろおどろしい民俗ホラーと本格ミステリがうまく融合していて、楽しめました。
それぞれの手記の併記という手法もよかったと思います。


No.30 5点 暗黒館の殺人
綾辻行人
(2009/01/07 23:55登録)
つまらなくはなかったけど、とにかく長すぎ! どうでもいい水増し描写が多すぎ。
重厚長大な見かけのわりにトリックもしょぼいし、オチもなんだかなあ。
私は文章で複雑な建築物を説明されても、把握するのに苦労するタチなので、一生懸命、頭の中に設計図を思い浮かべながら読んでいたのに、あまり報われなかったのも(泣)。
建築も文章も無駄が多すぎでしょ……。

館シリーズの一作として、通常の長さで出されたのならまだしも、これが集大成……はちょっと悲しいです。


No.29 7点 葉桜の季節に君を想うということ
歌野晶午
(2008/12/25 23:00登録)
昔話は生き生きしていて面白かったんですが、現在進行形の話はハードボイルドのお約束だけって感じで、臨場感がないなあ、なんて思ってたら、そういうことでしたか! そんなとこまで、意識的に書き分けしてたら凄い。

ミステリーとしては面白く読めましたが、ラストの主人公の心理は理解不能でした。


No.28 5点 六番目の小夜子
恩田陸
(2008/12/25 22:54登録)
処女作だけあって文章が読みづらい。ころころ変わる視点に、トリックでもあるのかと思った……。
内容は他愛ない青春ものでした。○○の擬人化というオチ? でいいのかな。


No.27 6点 凶鳥の如き忌むもの
三津田信三
(2008/12/19 00:42登録)
おどろおどろしい内容のわりに、文体や人物描写がラノベ調というのか、妙に軽いので、なんだかしっくりきませんでした。
ひとりならその人物特有の癖と思えたのに、登場人物全員、驚くとどもるところとか、漫画っぽいというのか、オタク臭くて(笑)気になって気になって!

トリックや動機は強引だけど面白かった。


No.26 5点 ミステリーズ
山口雅也
(2008/11/09 12:45登録)
パズルとしての楽しさ、目新しさはありますが、まずトリックありきで世界観、設定、登場人物を決めているようなので、作品に奥行きを感じず、登場人物、誰一人として感情移入も出来ませんでした。
ですが、独特の世界観に魅力を感じる方なら、倍楽しめると思います。


No.25 6点 クラインの壷
岡嶋二人
(2008/11/09 12:31登録)
こんなゲーム(アトラクション)があったら、ぜひ体験してみたいものだ……と思いながら読んでいたいたのが、読み終えたら、絶対やりたくない! に変わりました(笑)。
内容のわりに恐怖感が足りないのが、好みのわかれるところ? このライトな青春小説風な雰囲気が好きな人は好きそうですが、個人的にはちょっと物足りなかったです。


No.24 6点 ネジ式ザゼツキー
島田荘司
(2008/10/29 02:16登録)
「眩暈」の序盤部分の謎解きだけで一冊書いてしまったって感じで、やや物足りなさが残りました。
悪くはないけど小粒な印象。


No.23 4点 煙か土か食い物
舞城王太郎
(2008/10/28 03:03登録)
基本的にはマイケル・ギルモア著、村上春樹訳の「心臓を貫かれて」という犯罪者の家族病理を扱ったノンフィクション作品を、日本を舞台にしただけのような……パクリとまでは言わないし、ミステリー部分にはオリジナリティがありますが、文学としてのキモの部分がまんま借り物なのはなんだかなあ。
しかも本家と違い、卑俗な説教調に堕ちちゃってるし。
随所に入るその頃はやっていたアメリカ文学の引用も、ミーハー丸出し(なカッコつけ)って感じで、いただけなかったです。

アメリカかぶれの文学青年(少年?)がラノベタッチで書いたハードボイルド調ミステリーって感じ。
この作家、これ以降の作品では、ずいぶん成長したとは思いますが、これはつまらないとかいうより、読んでてなんだか気恥ずかしくなる青臭ーい作品でした。

でもまあ、「オレンジレンジ」みたいな、洋楽パク……じゃない、トリビュートのJポップみたいなものと考えれば、商品価値はあるのかも?


No.22 4点 黒い仏
殊能将之
(2008/10/28 02:52登録)
某神話は本家も読んでるし、最近の日本作家なら、小林泰三とかの派生作品も好きだし、ホラー仕立てのミステリーやミステリー風味のホラーも好きな私としては、狙いは悪くないと思うんですが、これはよく振っていないドレッシングみたいで、ミステリーとしてどうこういう以前に、小説としてダメな気が。
個人的には、せめて最初からもっとおどろおどろしくやってくれてれば、小説的に嫌な感じの違和感じゃなく、面白い試みとして評価できたんですが。

あ、でも、なんで顔のない仏なのかわかった時には、思わず吹き出しましたヨ!

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