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ミステリの祭典

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makomakoさんの登録情報
平均点:6.17点 書評数:895件

プロフィール| 書評

No.435 2点 64(ロクヨン)
横山秀夫
(2015/03/29 22:12登録)
 皆さんの評価が高いのにこんな採点してすみません。
私はこんな根暗で、いやな人ばかり出てくるはなしに付き合うのは御免です。
せめて主人公がもう少しすっきりしていればよいのですが。
誰かが何か言うと悪いところばかり見るようで、全く楽しくありませんでした。


No.434 7点 オランダ靴の秘密
エラリイ・クイーン
(2015/03/23 17:57登録)
 エラリークイーンの国名シリーズの中でも評価が高いのもうなずける出来栄えと思います。登場人物が多く、一人に対して色々な呼び方はしているのですが、今回の角川版ではかなり読みやすく何とか最後まで読み通せました。
 私は犯人当ての挑戦状の段階では、全然見当もつかない状態でした。解説によると最初はもう少し前の段階で挑戦状が提示され、正解だった方複数いたとのことです。すごいねえ。
 エラリーの推理は精緻を極めしかもわかりやすく十分に納得できるものでした。
 推理ゲームを楽しみたい方のとっては最高の作品と思います。


No.433 6点 チャイナ蜜柑の秘密
エラリイ・クイーン
(2015/03/13 21:32登録)
 私はどうもクイーンは苦手でした。人物が多く登場し、一人の人物を描写するのにしばしば異なった言葉を用いるため、途中で誰が誰だかわからなくなって投げ出すといったことがしばしばでした。
 この作品は比較的登場人物が少なくそろそろ覚えが悪くなった私でも何とか読めました。
 なかなか面白かった。でもあのトリックは一度読んでも全然意味が分からなかった。新訳本となり、かなり読みやすくなっているのですが、トリックはさっぱりわからない。この本にはなんと後ろの解説で図解入り説明が載せてあったのだが、それでもあんまりわからない。何度か絵を見ているうちに何となくわかったような気もしますが、まあトリックは成立したということで良しとしましょう。


No.432 6点 謎解きはディナーのあとで 3
東川篤哉
(2015/03/06 21:01登録)
このシリーズがどうして大ヒットしたのかよくわからない。作者を著名人にしたヒット作なので続編を出すのは出版業界として当然ではあるが、ひょっとして作者自身もあまり続編が書きたくなかったのかも。
 続編が出るたびにちょっとずつクオリティーが落ちる感じがします。
 このあたりでこのシリーズは終了がよさそうですね。


No.431 2点 天久鷹央の推理カルテ
知念実希人
(2015/03/06 20:53登録)
 ああだめだ。こんなばかばかしい話に付き合いきれない。
 キャラが立っているとの評価があるが、こんな乱暴な言葉使いでしかも引きこもりでなんてありえないでしょう。しかも主人公の小鳥遊がいかにもなさけない。
 つまらなかったね。


No.430 7点 静おばあちゃんにおまかせ
中山七里
(2015/03/01 10:04登録)
これは結構好きです。題名からすると日常の小さな謎をばあさんが解くと思っていたが、これが大間違い。
 トリックは大掛かりで、しかも不可能密室。確かにこのトリックはどこかで読んだことがあるなあとは思うのですが、それを上手に話に溶け込ませている。登場人物もなかなか魅力的。
 本格物では既存のトリックを使用するのは禁じ手のようにされていますが、こういった話の中へうまく溶け込ませればずい分楽しめます(まあ私がトリックを忘れているため驚いた後であれ?となっているのではありますが)。
 でも一番のサプライズは最後のシーンかも。やられた!


No.429 7点 金田一耕助vs明智小五郎 ふたたび
芦辺拓
(2015/03/01 09:58登録)
 こういった作品は原作を読んでいるか、どのように感じているかで、大きく評価が分かれるのは致し方ないと思います。私は子供の時に明智探偵は少年探偵団の小林少年とともに活躍していたといった印象が強く(テレビでもやっていたのです)、金田一探偵は大学時代に推理小説に興味を持ってからのお付き合い。名探偵二人に対する感じ方は大いに異なります。
 いつも奇抜なアイデアで楽しませてくれている作者の意気込みは十分に感じられます。ことに今回は横溝風によった感じで、なかなか面白かった。


No.428 7点 中途半端な密室
東川篤哉
(2015/01/30 07:50登録)
 東川氏の初期の短編集。作家としてデビュー前から、氏がユーモアと本格物を合体させた作品を目指していたことが読み取れて好ましい。
 トリックを主体とした短編なのですが、丸太小屋が10分で消失するなど大規模なトリックもあり、なかなかのものです。これに怪奇色を付けて、わけのわかったようなわからないような話を織り交ぜて長編とする作家さんもいるでしょうが、読みやすい文章できちんとした短編としているのは若い作者の資質を感じさせるものでした。


No.427 5点 櫻子さんの足下には死体が埋まっている 
太田紫織
(2015/01/25 09:35登録)
 主人公櫻子さんが本当にいたら絶対つきあうのは御免という、異常な人間が探偵となっているのです。本格物にはしばしばこういった異常な人間が探偵となって登場するのですが、こんな他人の感情を全く分からない人間の話に付き合うのはたいがいにしたいと思うのですが、相方の少年がまた常識的でいやな感じを薄めているため何とか読めました。
 ただいくらライトノベルスといっても推理の根本に欠陥が多く認められるのは興ざめです。あり得ない話だからといってあり得ない根拠でお話をまとめられてはねえ。


No.426 6点 もう誘拐なんてしない
東川篤哉
(2015/01/18 15:18登録)
 出だしの翔太郎がたこ焼き屋を無理やりやらされるまでは絶好調。笑いが止まらない展開でしたが、その後少しテンションが落ち誘拐の本番あたりとなるとまあ普通かな。悪くはないけど、すごいなあっていうほどではない。
 何となく知っているようなトリックも使ってあり(作者もちゃんとネタがあることを示している)、いつものようにちゃんとした推理小説ともなっていると思います。
 ただ純粋に本格物のしてみると印刷屋の殺人がうやむやになているのがちょっと気になります。


No.425 7点 二重螺旋の誘拐
喜多喜久
(2015/01/12 09:27登録)
 誘拐の話は好みではないのですが、これは気分よく読めました。最後まで読むと色々な仕掛けがしてあることがわかるのですが、大体のトリックに騙されっぱなしとなる私でも、このメインのトリックは途中でわかってしまいました。ちょっと残念。私もミステリーのすれっからしとなりつつあるのでしょうか。
 だからといって話の面白味が失せるということはなく、最後まで興味深く読みました。
 終わり方も悪くない。こういった作風は好みです。


No.424 2点 烏丸ルヴォワール
円居挽
(2015/01/10 22:15登録)
 私には皆さんの評判がよい「丸太町ルヴォワール」もピンと来なかったのだが、本作品はもっとダメでした。
 読むのが苦痛でした。私にはこの作家は合わないのでしょう。


No.423 6点 その女アレックス
ピエール・ルメートル
(2015/01/04 13:26登録)
フランスのミステリーは久しぶりです。お話が二転三転してとんでもない方向に流れていくのに興味深く一気に読みました。
 まあ面白かったですね。ただ私のような感覚の人間からするとフランスって警官を含めとんでもない輩がいっぱいいるんだなあとつい思ってします。まあ彼らもひどい場所というのに「日本人観光スポットの超目玉」という形容を使っているので、彼らから我々もそんな風にみえるのでしょうからお互い様なのかもしれない。
 それになんといっても残酷。やり方が悪趣味すぎるのではないかなあ。お話としては良かったのですが、この残酷さがマイナスでした。


No.422 7点 ビブリア古書堂の事件手帖6
三上延
(2015/01/02 17:18登録)
 このシリーズは色々な古書の謎と栞子さんの家族の謎が絡みあって読んでいくものの興味を上手に引きつけています。6冊目ともなるとかなりマンネリ化しそうなのですが、メインストーリーの家族の謎がさらに深まって興味津々となってきました。
 もう1-2冊で終了とのことですが、どんな結果となるかとても楽しみです。本格推理小説と違ってある面どんな流れにでもできそうに思われますが、期待して待っていましょう。


No.421 6点 高原のフーダニット
有栖川有栖
(2014/12/31 10:19登録)
 3つの中編小説(ミステリ夢十夜は短編の集まりかも)、いずれも個性が違ってそれなりに楽しめました。
 作者の中編、短編は一発芸のようなトリックで成り立つことが多いので、トリックを考えるのも大変なのでしょう。ミステリ夢十夜は考え出したトリックがどうしても小説とするのには無理があるものをまとめたみたいで、結構面白かった。
 作者には幻想ものでないまともな?長編を望みたいのですが。できれば学生アリスで。


No.420 6点 風の日にララバイ
樋口有介
(2014/12/26 21:36登録)
 この作品は柚木草平シリーズに先立って発表されたものということですが、なるほど柚木シリーズによく似た色合いがあります。ただしこちらに主人公は変な発明はしているようだが、ほとんどプータローなのになぜか金持ち。柚木と同様良い女が寄ってきて気の利いた会話をして、なぜかよくもてる。勿論ミステリーなので謎も殺人も起きるのだが、それよりも登場人物たちの軽妙な会話にどうしても目が行ってしまいます。
 作者は主人公の佐原旬介をシリーズ化しようとも考えたらしいけどやはり柚木草平のほうがよいなあ。だいたい金持ちで怠け者でしかも女にもてるより金がなくてピーピーいっている主人公のほうが共感が持てますよ。


No.419 8点 ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密
ポール・アダム
(2014/12/20 16:48登録)
 前作がとても興味深かったので次作を読みたくて、すぐに購入しました。
 作者はイギリス人らしいが、前作同様イタリアでのお話なので、探偵も警察もイタリア人。この主人公はとてもいい。ことに探偵のジャンニは大好き。外国の推理小説でこんな感じのよい探偵は初めてです。
 推理小説としてはあっと驚くような内容は少ないが、きっちりとしあげてあります。さらにそのスパイスとして、パガニーニのお話や彼の愛器グァルネリ・デル・ジェスのイル・カノーネの話や、イタリア警察のめちゃくちゃな話など興味は尽きない。私のようなクラシック音楽愛好者にとってはたまらない魅力があります。
 ああイル・カノーネってどんな音がするのだろう!
 


No.418 6点 ○○○○○○○○殺人事件
早坂吝
(2014/12/20 16:26登録)
 タイトルあての読者への挑戦状が最初に提示され、ちょっとびっくり。答えは最後まで読むとわかるが、こんなタイトルはまず当たらないでしょう。ただ当たってもどうってことはないね。
 作者はミステリーファンらしくいろんな手口をある面では公開しつつ話を進めていく。この辺りはまずまず面白い。ただミステリーマニアなら途中でまずトリック(らしきもの)は分かってしまうでしょう。下品という評もありましたが、私はさほどに思いませんでした。

以下ネタバレ気味
 ただあの--を変身させるトリックは無理でしょうね。自分でやれますが、そのあとの腫れやなにやで絶対わかっちゃうな。


No.417 5点 丸太町ルヴォワール
円居挽
(2014/12/14 14:58登録)
 皆さんの評価が高いのに逆らって申し訳ないですが、私はこの作品は好きではありません。京大の学生さんが書いたのだから、私は頭がいいぞといった感じが丸見えに出るのはある程度仕方ないとして、言葉だけでのだましやどんでん返しだけのためのどんでん返しはどうもいただけませんでした。
 こんなことならはっきり言ってどんな結論にでも変わりうるでしょ。推理に重きをおくようなふりをしておいて、作者がここでやめとくといったところが正解なんて納得しがたいですね。
 ただ作者の力も感じましたので他の作品も読んでみるつもりです。


No.416 4点 ミンコット荘に死す
レオ・ブルース
(2014/12/06 17:41登録)
 2013年度本格ミステリ外部門で2位ということで読んでみたのですが、これは私には合いませんでした。残酷な描写やエログロではないのですが、とにかく登場人物がみんな感じが悪い。探偵もおせっかいはやかないなどといいながら、自分の興味だけで大いに他人のことに口を挟みうっとうしいやつでした。
 ミステリーとしては伏線も張ってあり意外な犯人(ミステリーを読みなれた方ならあまり以外ではないかも)もありで、まずまずなのですが、生意気な生徒、頭が悪いのにうるさい女、支離滅裂なことをやたらしゃべるのに肝心なことは語れない男などなど。
 とにかくイギリス人はこんなに自分のことしか考えない利己主義者ばかりなんだろうかと疑いたくなるような人物ばかりで不快でした。

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