home

ミステリの祭典

login
makomakoさんの登録情報
平均点:6.18点 書評数:862件

プロフィール| 書評

No.662 6点 紅蓮館の殺人
阿津川辰海
(2019/10/14 09:07登録)
山火事に追い詰められてたどり着いた館での猟奇的殺人事件。怪しげな人たちが集合する。なんだか以前にも読んだことのあるようなシチュエーションです。 面白そうなのですが、それほどでもない。
 まず作者が探偵という生き方をへんてこに定義してこれに合わせた会話が結構多い。お話としてはほとんど事件が解決したと思われるのにまだ終わりまで大分ある。ここからどんでん返しのつもりなのであろうが(実際どんでん返しなのだが)グダグダと切れの悪い会話が続くため、鮮やかというより無駄に長くてくどい感じがしてしまいました。
 本格物としては私の好みでとても良い感じなのにもう一つ何か足りない。
 新人に期待を込めての点数です。
 次回頑張ってね。


No.661 5点 卑弥呼の葬祭:天照暗殺
高田崇史
(2019/10/12 13:26登録)
 高田氏の歴史ミステリーもついに古代史最大の謎とされる邪馬台国と卑弥呼のお話となった。
 例によって事件が起きて、一見関係のない歴史談議があってといったところはQEDシリーズと大きな変化はなく、さらに探偵としてタタルさん(崇)も活躍するから、QEDシリーズの続編としてもよいぐらいです。
 今回は連続殺人で、それが卑弥呼と宇佐八幡宮と邪馬台国につながるのですから、当然大いなる無理があります。ちょっと度肝を抜くようなタタルの歴史解釈が出てきますが、これはこれで興味がある人には面白いかもしれませんが、今回はちょっとやりすぎかな。これが殺人の同期となるように話を仕向けるのはなかなか大変なのでしょう。そのあたりが共感しにくいところがあるので、このお話があまり楽しむことができにくかったのかもしれません。


No.660 7点 黒野葉月は鳥籠で眠らない
織守きょうや
(2019/10/05 23:19登録)
作者は現職の弁護士さんとのこと。
なるほど弁護士ならではのお話でした。
4つの連作ですが、初めはふつうそう見えても一筋縄ではいかないなかなか突飛な展開となっています。
主人公の弁護士さんはなかなか良い人で、実に親切に弁護人の世話をしていくのですが、弁護人のほうが上手で(または先輩弁護士が入れ知恵をしていて)辛口の最後となることもあります。弁護士さんも大変ですねえ。
 解説のところを見ると作者は女性のようです。かなり男性の心を知っている手怖い女性ですね、きっと。


No.659 8点 風のかたみ
福永武彦
(2019/10/05 22:58登録)
 福永武彦氏の作品は大学時代に魅力に取りつかれて読んだものでしたが、この作品は知りませんでした。
 当時は純文学的なものが好みでサスペンス小説に興味がなかったからかもしれません。
 たまたま見つけて懐かしく読んでみると、氏特有のあでやかで美しい調べが久しぶりに味わえました。途中でああこれは今昔物語がベースにあるようなお話だと気が付いたのですが、解説を読むとやはりそのようです。

本格推理小説ではないので多少お話の内容を書いてしまいます。、
 このお話は登場人物が素晴らしい。ことに主人公の次郎は実に男らしく誠実で、ただ一途に萩姫を思う。萩姫は人を見る目がないのか、家がよいのみのろくでなしの保麿をひたすら思う。保麿は萩姫が好きなのだがすべてを捨ててもこの娘と一緒になろうとまでは思っていない。勝ち気で美人の楓は次郎が好きでたまらないが、絶対この恋は成就しない。さらに盗賊の親玉も萩姫が好きになり必ず奪って我がものとしようとする。これではどうしようもないではないか。
 その通りどうしようもなくなり最後は悲劇で終わります。本格物ではないのですがトリックもあるのですよ。
 草の花や忘却の河のような繊細で悲しい美しさをこの小説でも味わえます。


No.658 5点 赤死病の館の殺人
芦辺拓
(2019/09/14 07:54登録)
 芦部氏の作品は古典的ミステリーのオマージュや続編のようなものなどが多く、本格物が好きな私にとって気になる作家さんです。
 作品そのものも意欲的なものが多い。本作品もお話の初めは実に興味深いものがそろっておます。
 奇妙なお話、不可能と思われる密室事件など興味が尽きません。
 そういった期待を大いに抱きつつ読んでみると、多くが拍子抜けだったりああこれはめちゃくちゃですといった感じになってしまいます。
 本格推理としてそれほどいけないわけではないのに(密室の鬼はいけないですが)もう一つと感じるのは、多分お話のプロットは良いのだが肉付けがダメなせいではないかと思っています。
 不可能犯罪のようなお話が提示され、森江探偵が快刀乱麻を断つように解決するといった構成は実に正当なのですが、その間の人間味のある機微が希薄なため算数の答え合わせのようなのです。
 本格推理のお話としては良さそうなのですから、もうちょっと何とかならないかなあ。
 なお本作品の最後に少女漫画のような森江探偵と新島ともかさんのイラストがのっています。森江探偵は背が低く足が短く髪がくちゃくちゃでだらしなくてさえないイメージで描かれていると思うのですが、こんな足が長くてスマートな少女漫画的イメージでよかったんですか?


No.657 5点 危険なビーナス
東野圭吾
(2019/09/08 21:04登録)
例によって東野氏の作品はとても読みやすい。
 本作は比較的長い長編ではありますが、長さをあまり感じさせないところはさすがです。
 ところどころに伏線も張って会ってまあ不足はないように見えますが、内容は長さの割にちょっと薄い。恋も謎もスリリングな絶品ミステリーと帯には書いてありますが、色々盛り込んで読者にサービスしようとした意思が透けて見えるような感じがして、もう一つでした。
 売れっ子の作者は、薄利多売でもある程度の内容を作って読ませるといったテクニックがあるので読んで損はないのです。
 私としては、作者にはじっくり時間を取ってがっちりした作品を書いていただきたいのですが。


No.656 7点 迷蝶の島
泡坂妻夫
(2019/09/08 20:51登録)
泡坂氏の作品を久しぶりに読みました。初期の作品はほとんどリアルタイムで読んでいました。11枚のトランプ、乱れからくり、湖底のまつりまではすごく気に入っていたのですが、長編第4作の花嫁の叫びはあまり好みではなく、以後氏の作品から少し遠ざかっていました。今回本作を読んで、氏の初期の作品にみられる屈折した白いウソのお話を満喫した思いです。氏は生前「どういうわけか人をだましたり騙されたりするのが好きで」のようなことをおっしゃっていたと記憶しますが、本作はそういった筋書きで、読んでいて気が抜けません。
 本格推理が好きな読者は何とか謎を解いてやろうとする方が多いとは思いますが、私のようにうまく騙されると結構喜ぶといったねじれた性格の方もおられると思います。
 本作はうまく騙されました。ちょっと女性の性格がきつすぎる感はありますけど面白かった。


No.655 7点 七つの棺
折原一
(2019/09/01 12:42登録)
本格推理物が好きになった方は一度は密室の謎に興味を持たれたことと思います。私も昔は黒星警部ほどではないですが、密室ものに惹かれて色々と読んだ経験があります。ところが不思議な密室なんてそう簡単にできるわけがなく(簡単にできるようら不思議ではなくなりますが)、密室トリックをある程度読んでしまうと新しい密室ものは少なくなってしまいます。せっかくアッと驚く密室が提示されても、解決編はちょっとこんなのあり?とか、無理に決まってるでしょ、
さらにぜったいむりだ、まで失望することが多くなってしまいます。
 本作品はかなりが昔の作品のオマージュとなっているようですが、それなりにひねっており、最後の天外消失事件以外はまず納得できるお話でした。
 こんなお話がデビュー作なんて折原氏はやっぱりすごい方だと改めて感心しました。
 氏の作品は発表されたらすぐに読んでいたのですが、内には新作のように見えて実は改題した作品を読まされて、以来ちょっと避けてきました。以前の作品を推敲した結果、題名も新たに付け直したものと思いますが、読者にとっては一杯食わされた感があったのです。内容の濃い良い作品が多いので今後未読作品を読んでみることとします。ネット販売だと内容までは調べられないので、書店で内をよくみてから購入しよう。


No.654 5点 名古屋駅西喫茶ユトリロ
太田忠司
(2019/08/30 07:45登録)
 名古屋駅西というところは名古屋人にとってはちょっと特徴があったところなのです。わたしも子供の頃はここへ入ってはいけませんとよく言われていました。現在は新幹線が通って、小汚かった小屋のような建物が一掃され、新しい街となっています。この辺りの名古屋弁はきつい(よくなまっているというべき)、まさにこの物語に出てくるような言葉でしゃべる人がいっぱいいます。私もこのあたりに勤めたことがあるので、今ではあまりない強力な名古屋弁に出会うことがしばsっしばありました。私は名古屋人ですので何の不自由もなく同じ言葉でしゃべっておりましたが、関西人が関西で関東言葉でしゃべるとなんだか気取って見えるように、この辺りの方お年寄りには名古屋弁でしゃべらないと本当のことは通じないような気がします。
 ところで本作品ですが、実に軽い話ばかりでスラスラ読めます。謎も大したことはありません。主人公の大学生は私にとっては学校の後輩のようなやつでこれまた親しみがわきます。
 東京の街の紹介が全国版のテレビで紹介されていますが、これを読んで名古屋の街も少しは親しんでくださるといいなあ。


No.653 6点 偽弾の墓 警視庁53教場
吉川英梨
(2019/08/25 08:34登録)
警視庁53教場の続編です。
 この作家さんは警察関係にとても詳しいようで、前作に続き警察学校という多くの方が詳しく知らない世界を舞台としたお話です。警察世界というのはとても封建的ということは、学生時代に下宿した家が警察関係で下宿のおじさんから時々聞かされていましたが、これを読むと想像以上にすごいところのようです。ことにスパルタ主義の長田教場に入ったら、どうしても警察官になりたいと強く思う人以外はやめてしまいそうですね。
 まあ、私が軟弱なのかもしれませんが。
 女性がこういったお話を書くというのは珍しいと思いますが、読んでいくと女性が見た視点があちこちに広がって、最後は恋愛小説気味のお涙頂戴となっています。
 これが好きな人はたまらないが、男の世界(とも言えないが)にこういった話を盛り込むのはうっとおしいと感じる人はあーあといった感じになりそうです。


No.652 6点 まっ白な嘘
フレドリック・ブラウン
(2019/08/16 08:00登録)
 これ程色々な趣向を凝らした作品が読める短編集は少ないと思います。作者はよほどのアイデア製作者なのでしょう。個々の短編が全く違ったお話であるのは当然ですが、トリック、プロットなど全く違った性格のお話が次々と出てきます。
 よくもこんなに色々と書けるものだと感心してしまいます。
 勿論短編ですので、物語の雰囲気や登場人物の性格や機微を楽しむということには向いていませんが、一つの話が短いので、ちょっとした時間でも読んでしまえます。感動するといったたぐいの小説ではありませんが、短編が好きな方はとても楽しめると思います。


No.651 5点 アデスタを吹く冷たい風
トマス・フラナガン
(2019/08/11 08:24登録)
 有栖川有栖氏密室大図鑑(これはなかなか凄いですよ。密室の謎解きかなと思って読まなかったのですが、密室の提示まででネタは割っていません。)で推奨されていたので読んでみました。
 このサイトの評価も高いようですが、残念ながら私にはもう一つでした。主人公のテナント少佐があまり好みではないからかもしれません。何作も読んでいくとそこそこ嫌いではなくなるのですが。初めの「アでスタを吹く冷たい風」ではちょっといやなやつといった印象でした。
 コアなミステリ好きの方なら面白く読めたものと思います。文学的な感動や人間としてのお話をを求めるならダメなんでしょう。
 なお密室大図鑑で紹介の作品はテナントものではないのです。大図鑑のように謎だけ提示されたときには実に不思議でしたが--。まあこんなもんでしょうね。


No.650 4点 アリス殺し
小林泰三
(2019/07/19 21:45登録)
 この作品は好き嫌いがはっきり出そうです。
 合わない人にはこんなばかばかしい会話が長々と続くのにお付き合いは御免ですとなるでしょう。好きな人には幻想と現実が一体化した興味深い小説と感じるのかも。
 私は合わない方でした。こんなくだらないお話を読み続けるのは時間の無駄としか思えなかったのです。ことに初めのほうはばかばかしさの限り。
 でも読んでいくとそれなりに話が進んではいくので、何とか最後まで読みました。小説に人間味や感動を求める方は合わないでしょう。感情が渇いていて、複雑怪奇なお話に興味がある方なら面白く読めるのでしょう。


No.649 6点 猫島ハウスの騒動
若竹七海
(2019/07/14 11:15登録)
作者は葉村シリーズのような精緻な本格推理小説を書いていますが、それともう一つの大きな柱?としてコージーミステリーがあるようです。私もずっと昔に作者のコージーミステリーを読んで初めてこういった分野があることを知らされた一人です。
 猫島ハウスは明らかにコージーなのですが、その中でもかなりおふざけが勝っているので、読む人によってはばかばかしいと思ってしまうかもしれません。まあ本格推理小説も好みでない人にとってははばかばかしいお話となるのですが。
 人物がたくさん出てくるのは苦手な私ですが、このお話はキャラクターがはっきりしているので、それほど困りませんでした。
 悪くはないのですがとても素晴らしいというほどのこともなく、読後感もコージーですから悪くはないのです。多少ばかばかしかったなあといった感触はぬぐえませんが。
 時間があるときに読むならまずまずでしょう。
 


No.648 5点 ヒポクラテスの憂鬱
中山七里
(2019/07/06 15:14登録)
法医学者は時々名探偵として登場することもありますが、本作品は法医学の専門家が監修しているためもあり、かなり現実の法医学教室に近く描かれているようです。(でも解剖学と法医学をごっちゃにしてしまっているところもあるのですがね)。
 私の経験では法医学の講義は気持ちの悪い死体の写真を次々にみせられ、うじのわいたひどいにおいの遺体を近くで見ることになり、朝から(法医学は週一回朝一番にあったのです)げんなりして食欲がなくなるといったものでした。解剖実習は初めのインパクトが強いのですが、ほとんどの学生がある程度たつと慣れてきます。ところが私には法医学はどうしてもいけませんでした。
 必須科目ですし、この分野の必要性を認めるものの、とても仕事としてやろうという気にはなれないなあといった感じ。したがって本作品に出てくるキャシー準教授のように死体の解剖がしたくてたまらない人が本当にいたら、かなり引いてしまうことでしょう。 
 現実のものではなくお話ではありますが、私には昔の講義が思い出されて、あまり気分良くは読めませんでした。


No.647 6点 風景を見る犬
樋口有介
(2019/07/06 14:51登録)
 推理小説としてはかなり弱い。
 確かに殺しも意外な犯人もちょっとしたどんでん返しもありますが、伏線を張って推理をするといったタイプの小説ではありません。
 沖縄の風物と人間を描いていくといった方向に傾いています。
 主人公はまだ高校生で、青春小説といえばそういった方向でもあります。
 樋口氏の小説らしく高校生らしからぬ洒落たトークにあふれていますが、そこにはそこはかとなく寂しいところが感じられます。
 いい感じなのですが盛り上がりに乏しいところもあり、全体としてちょっと長すぎる感じがしました。


No.646 7点 いまさら翼といわれても
米澤穂信
(2019/06/29 07:26登録)
このシリーズを読むのは久しぶりのため初めは登場人物のことを忘れていてちょっと戸惑いましたが、すぐ思い出し(なんせ古典部には4人しかいない上に、特徴のある人物ばかりですから)以後は楽しく読めました。
 あとがきで作者がいずれ書かねばならない作品でしたと述べていますが、読めば納得です。
 デビュー作の氷菓は古典部シリーズの始まりでもありましたが、実に素敵な作品でした。その後このシリーズを続けるとともに、同じ青春ものでも栗きんとんのような毒のあるシリーズも発表。表題だけ見て読み始めた私はこの毒に戸惑ったものです。
 作者は大いなる才能があるのでしょう。同じ傾向のものだけ書いていくのでは我慢ならなくなったのかもしれません。その後も多種のしかも高レベルの作品を発表されていますが、私は古典部シリーズが最も好きです。
 是非次の作品を期待します。


No.645 6点 少女の時間
樋口有介
(2019/06/26 21:55登録)
 このシリーズも10冊を超えたのだが、柚木草平はあいかわらず38歳のままです。
 今回はことに美女がたくさん出てくる。洒落た会話を楽しむのもこのシリーズの楽しみなのですが、本作品は初めのところはちょっとやりすぎの感があります。「どうせ」といった言葉がちょっと出過ぎかな。
 お話は本格推理小説としては多少弱いが、でも楽しく読めます。
 冴子警視正が出世してついに別れとなりそうな代わりに実に個性的な美女が登場。当然怪しい関係となる。
 うーん大変だが羨ましくもある。
 次の作品もきっと読んでしまいそう。


No.644 8点 マジックミラー
有栖川有栖
(2019/06/16 08:14登録)
この作品は発表されてすぐ読んだ覚えがありましたが、内容はすっかり忘れてしまって、全くの初読のように読みました。発表当時は学生アリスがとても気に入っていたので、本作品のようにトリック勝負の内容にやや不満を感じたものですが、好みがが本格推理の方へ傾いてきたせいか、非常に面白く読みました。
 双子のトリックで犯人はほとんど明らかであるのに、実に精緻で巧妙な手段を解明しつつなお謎は残る。さらにもう一つのトリックが仕掛けられこれまた双子が問題となり、犯人もかなりはっきりしているように思われるのだがやっぱりアリバイが崩せない。
 若き作者は細かいところまで考え抜いてこの話を完成させたのでしょう。
 素晴らしい出来栄えです。
 締め切りに追われて一定の作品を量産させられているらしい?うれっこ作家になるとこんな作品はなかなか大変かもしれませんが、最近とみに充実してきた有栖川氏には期待しております。学生アリスも書いてね。
 本格物が好きな方なら絶対楽しめると思います。


No.643 6点 火村英生に捧げる犯罪
有栖川有栖
(2019/06/09 11:25登録)
「鸚鵡返し」や「偽りのペア」のように10ページぐらいの短編から中編といってよい作品まで色々楽しめます。
 作品ごとに違ったシチュエーションで、ほとんどが一発トリック型のお話です。
 私は氏の作品は温かみがどこかに感じられるところが好きなのですが、短編となると本当にトリック一本勝負なので、そういった感触を望むことはあまりできません。
 やっぱり長編がいいなあと思いますが、これはこれで悪くはないでしょう。

862中の書評を表示しています 201 - 220