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ミステリの祭典

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ヴァイオリン職人と消えた北欧楽器
ヴァイオリン職人ジャンニ・カスティリョーネ

作家 ポール・アダム
出版日2019年11月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2020/05/27 22:00登録)
(ネタバレなしです) (理由は明確ではありませんが)アダムが日本の読者向けに書いた2018年発表のジャンニ・カスティリョーネイシリーズ第3作の本格派推理小説です。このシリーズ、トラベルミステリー要素も濃いですが本書の舞台は(残念ながら日本ではなく)ノルウェーです。20年ぶりに再会したかつての教え子リカルド(ノルウェー人)が殺され、彼が所持していたノルウェーの民族楽器が消えています。ジャンニは(グァスタフェステ刑事と恋人マルゲリータも)クレモナからノルウェーへ行き、リカルドを取り巻く人々と会っていきます。ベルゲンやトロルドハウゲン、アウラルン・フィヨルドなどの地域描写やイタリア人のジャンニたちが雨天続きの天候や物価の高さに辟易するなどトラベルミステリーらしさがたっぷり。ノルウェーの作曲家としてはグリーグが国際的に有名ですが、本書ではヴァイオリニストとして高名なオーレ・ブルに焦点を当てているのもこのシリーズらしいです。ジャンニの謎解き貢献度は限定的でミステリーとしては弱いですが、その分人情物語としての読み応えで補っています。

No.1 7点 makomako
(2020/04/10 20:50登録)
 好みの探偵ヴァイオリン職人ジャンニシリーズの第3弾。
 今回は北欧の民族楽器ハルダンゲル・フィドルという知らない楽器がお話の中心に添えられます。聞いたことのない楽器だったのでネットで検索するとヴァイオリンと似てはいるが全く異なった音がするようです。
 主たるシチュエーションはノルウェイのベルゲン。夏に近いのに寒くて毎日雨ばかり降っているが、私が以前訪れた時はほとんど晴れていてとても美しかったが。
 今回はジャンニは刑事さんだけでなく、恋人のマルゲリータと一緒に旅をする。大変ロマンチックなところもあり、歳をとってもこんなロマンが味わえるなんてすてきだなあ。
 お話は意外な展開となる。物語の面白さもさることだが、主人公の感じのよさがこのシリーズの最高に引き付けられるところです。

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