home

ミステリの祭典

login
女王国の城
学生アリス&江神シリーズ

作家 有栖川有栖
出版日2007年09月
平均点7.66点
書評数64人

No.44 7点 いいちこ
(2015/05/21 19:05登録)
前作からの15年間の歳月の中で、ストーリーテリングの腕前は格段に上がっており、エンタテイメントとしてはシリーズ最高のデキだろう。
クローズド・サークルが形成された(警察への通報を頑なに拒んだ)理由、江神が訪れた理由、犯行動機の合理性のいずれも、非常に堅固で完成度は高い。
しかし、いかんせんボリュームに比してミステリの核が小さすぎる。
凶器に着目したシンプルで鮮やかなロジックは面目躍如たるところだが、逆に言えばそれだけの作品。
第一の犯行で残された痕跡から、作品の急所が見えやすくなっているのも残念なところ。
前段の加点要素でかろうじて7点には届いたが、ミステリとしてのスケール感において、「双頭の悪魔」「孤島パズル」に遠く及んでおらず、本シリーズに求める高いハードルを華麗に超えたとは言い難い

No.43 5点 yoshi
(2014/09/02 02:34登録)
ミステリーとしての出来はさておき、やはり長い。長すぎる。
二段組で500ページあるのは(面白ければ)いいんですが、
最初の事件が起こるのが168ページというのは遅すぎる。
事件が起こる前に挫折しそうになりました。
それ以外にも、あと少しで解決編というとこでだらだらと映画の話をしたりするのにイライラさせられました。
無駄な会話を省いてこの半分の長さだったら8点くらいだったかな。

No.42 8点 okutetsu
(2012/08/04 15:41登録)
久々の江神シリーズの新作ということでかなり楽しみながら読んだ。作品のキャラが動いてるだけでも嬉しい。
ミステリとしても様々な謎が散りばめてあって飽きることなく最後まで読んでいけるものだった。
ただ、動機や推理に釈然としないものが残り、ミステリとしての完成度は前作の「双頭の悪魔」には遠く及ばないと思う。
マリアとアリスの関係が今後どうなっていくのか、純粋に楽しみなので最後の一作を早く読みたいと思う。

No.41 7点 ミステリ初心者
(2012/07/28 11:25登録)
 じっくり考えて犯人を当てる楽しさを味わえる作品です。舞台設定も変わっていて(?)面白いです。
ただ、作者の作品にしては、意図的に伏せているヒントが微妙に有ったような気もします。間違っていたらすいません。

 個人的に、マリアのキャラが合わなかったです。過去の2作よりも、更に合わなかったです。

No.40 8点 Q-1
(2012/06/11 23:34登録)
一所懸命考えましたが、犯人は当たりませんでした。
しかし個人的にミステリとしてのできは双頭の悪魔より劣ると思います。

ただ、物語としては今までにはなかったスリリングな展開があり、
読み物としてのできはシリーズ最高傑作ではないかと感じました。

No.39 7点 KEN
(2012/04/30 00:23登録)
う~ん,評価してるおたくら,此程度の長さでグダグダ言ってちゃだめやろ(笑)。これが無駄に長いとかいっとんやったら漫画でも読んでろ。とりあえずこの作者の作品の中で一番独自の世界観が出てるやろ。この作家は長編小説でもっと勝負して欲しいね。これからも。

No.38 8点 スパイラルライフ
(2012/02/06 11:13登録)
長すぎる感がある。
アリスとマリアの関係が一歩進展するあたりは、このシリーズファンとしては楽しめます。
、が江神さんのネタは不要なのでは?

世代を越えた伏線、プロット。
それらが美しく収束する解決編の論理性は
本当に楽しめた。

やはり学生アリスはパズル好きには垂涎です。

やや冒頭が長すぎるのと、脱出劇は蛇足感がある。また、前作の双頭の悪魔との比較もあり、二点減点。

No.37 5点 蟷螂の斧
(2012/01/31 21:03登録)
長編なので、やや盛り上がりに欠ける感がありました。事件とは別に、教団側の謎の行動、江神部長の謎の行動が背後にあったのですが、その真相があきらかになってもあまり驚きはありませんでした。題名から女王の活躍?を期待し過ぎたのでしょうか、淡々として事件が起こり、淡々として解決との印象を受けました。

No.36 7点 mozart
(2011/07/30 10:59登録)
伝統的な「読者への挑戦」もあるし、江神の胸のすくような推理も、前半の閉塞感もあって、爽快感が十分だと思います。ただ、UFOとかの「蘊蓄」部分がちょっと冗長な印象があったのが、マイナスポイントかな。

No.35 9点 いけお
(2011/06/16 00:21登録)
ロジックは流石でプロットも夢中になる。
若干冗長になる点、専門知識がくどい点、回収されていない複線がある点等のマイナス要素があるが、それでもかなり満足だった。

No.34 8点 好兵衛
(2011/04/23 22:19登録)
江神シリーズの最新作。
文庫が出ていない??ので新書で読みました。

相変わらずのロジックぶり、健在ですね。
かなり本腰入れて、時間をかけて読みましたが
まんまと間違えました。

双頭よりも一点低いのは。
本格ロジック小説にしては、少し長すぎる。
というところです。
いかんせん、ロジックはじっくり読むので時間がかかる。
もうちょっと省けなかったかな。
そして、少しアンフェアぎりぎりな表現が気になります。
有栖川氏らしくないかな。

それでも貴重なロジック作品であることには
まちがいないです。
江神シリーズの方描いてー

No.33 6点 あびびび
(2011/04/12 23:38登録)
エラりィ・クイーン「ドルリイ・レーン最後の事件」を読んだ後が悪かったのか?妙に物語が淡々として、犯人告知の時も、「はあ?」となってしまった。

個人的には双頭の悪魔の方がかなり好みで、まだ先があるのか…と残りページを疎ましく思った時もあった。

次のシリーズ最終に期待します。

No.32 9点 smile66
(2011/02/27 23:36登録)
毎度のことながら解決編は身震いするほど美しいと思います。
確かにUFOなどの設定はあまり意味なかったかな。
長いとは思いますがあまり無駄な部分はないように思います。

No.31 6点 HORNET
(2011/01/08 20:06登録)
 有栖川作品で最も好きな作品のある「学生アリスシリーズ」の久しぶりの新作(だった)。が,自分の中では過去の「双頭の悪魔」「孤島パズル」は越えませんでした。
 このシリーズで貫かれているC.Cという設定は変わらず。いかがわしい宗教団体,洞窟,といった舞台もいいです。しかし,いかんせん不要に長い。最初の殺人が起きるまでが長すぎます。設定が世間離れした大掛かりなものであったわりには,トリックは「そうでなくてはできない」ものでもない感じがしました。

No.30 6点 minii
(2010/12/02 10:21登録)
トリックがどうのよりも先に、この文章量に疲労感を先に感じてしまって残念。
逃走劇のドキドキも、生死がかかったものでもないので、あまり入り込めず。

メンバー個々のキャラがだんだん見えてきて、その点では楽しめたかな。

次でシリーズ最後、いきなりの「おやっさん」にも驚いたが、それ以上のものを良い意味で期待してます。

No.29 6点 kanamori
(2010/08/25 18:49登録)
人気シリーズ久々の第4弾という事で、期待が大きすぎたのか、自分のミステリ嗜好が変わったのか、微妙な読後感でした。
不満点を列挙すると、新興宗教集団と超常現象という陳腐な設定、初期の瑞々しい青春ミステリ風味の減退、無駄に長く横道にそれる前半部の冗長なプロット、既読感のある(たぶん、梶龍雄作品)隠された構図などがその理由だと思います。
ただ、終盤の解決へのロジック(とくに、凶器の拳銃に関するもの)などは初期作を彷彿させ、さすがと思いましたが。

No.28 8点 seiryuu
(2010/07/23 23:22登録)
「双頭の悪魔」を越えるのは難しいかもと思ってましたが
今回も面白かったです。
文章の魅せ方が巧い。
ストーリーもキャラ設定もいい。
長くて中だるみしましたが脱出シーンで目が覚めた。
後半の論理はさすがです。
面白くてワクワクした。
しいたけとクルミにも笑いました。

No.27 8点 sai
(2009/11/18 02:50登録)
このシリーズのファンなので、かなり甘め評価だとは思います。冗長なのか然るべき長さなのか冷静に判断できず、長ければ長いほどいいじゃん!なんて思ってしまうあたり、かなり毒されているなと。アクションシーンも喜ぶばかり(笑)。ただ、解決の際の江神の推理ロジックはやはり素晴らしいですし、人物も魅力的だと思います。しかしシーマスターさんの書評を読んで、なるほど、作りものっぽさ!と感心・納得させられもして、本当に参考になりました。こういうのがあるので、面白そうな作品を探すという目的を除いてもこのサイトを重宝します。
もう何年先でもいいので(できれば早めにw)第五弾を読みたいです。

No.26 7点 frontsan
(2009/09/25 11:18登録)
協会本部の見取図や神倉の地図が巻頭にあったほうが、話がわかり易かったと思う。ドタバタ劇が多くて読んでいて少し疲れた部分もあったが、論理自体は良かったと思います。

No.25 6点 シーマスター
(2009/09/08 23:57登録)
本作は、(詳細はよく憶えていないが)青春の甘酸っぱさをもロジックで粉砕した「孤島」や、トリックとロジックの双方で奏功した「双頭」に比べると相当、いや少々トポロジー係数がダボリングしている感は否めない。(自分でも何を言っているのかよく分からないが、下の何人かの方の「無駄に長い」に同意)

いやいや、トリックもロジックも前3作に優るとも劣らずといえるものなのだ(と思う)が、toukoさんがご指摘のとおり水増し水増しのダラダラ展開のため、解決編に至るまでに「これはたった2日間の出来事だったのか」と経時感覚も麻痺するほどストーリーの全体像があやふやになっちゃんだよね。自分の頭では。
そして最終章では一転、江上の推論パズルがあまりにもピタピタ嵌るので、始めにトリックロジックありきでそれにフィットするように物語を構築するという、読者にはあまり感じさせないで欲しい「作り物っぽさ」も醸し出してしまったが濃密な有栖川ワールドを堪能できたことも確か。

なんだか、大量のカルピスをよくかき混ぜないで飲んだ後のような読後感だった。

64中の書評を表示しています 21 - 40