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ミステリの祭典

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孤島パズル
学生アリス&江神シリーズ

作家 有栖川有栖
出版日1989年07月
平均点7.34点
書評数93人

No.73 6点 アイス・コーヒー
(2014/07/12 18:35登録)
学生アリスシリーズ第二作。英都大学推理小説研究会の新入部員マリアの別荘がある嘉敷島へやって来た、江神とアリス、マリアが島に秘められた謎と殺人事件の真相を追う。

メインとなるのはフーダニット。さりげない伏線から精緻なロジックによって真相を導き出すやり口は文句なし。ただし、犯人の意外性はなかった。物語の構成上仕方のない事ではあるが。
密室殺人まで発生するものの、トリック自体に新鮮さはなかった。ここの部分にはもう一工夫欲しいところ。
いい意味でも悪い意味でも若さを感じる一冊。ストーリーの瑞々しさには好感が持てる。江神探偵も相変わらず魅力的だ。
「月光ゲーム」「双頭の悪魔」もまた読みたくなった。

No.72 5点 ボナンザ
(2014/04/07 15:48登録)
月光ゲームに比べると進化したように思える。

No.71 8点 あびびび
(2013/12/30 15:36登録)
デビュー2作目という事だが、推理小説のおもしろさ満載。今読んでも、最後までわくわく感が止まらない作品だと思った。最近は外国作品を読むことが多いが、人物描写と話のたとえが分かりやすいのが楽だった。

双頭の悪魔→スイス時計の謎→女王国の城と読んできたが、この作品を一番最初に読めば良かった。次は何を読もうかーと意欲が湧いてきた。

No.70 10点 バード
(2013/08/24 17:32登録)
ちょっと甘いかもしれないがこの点数を。前作の「月光ゲーム」と比べると格段に読みやすくなっていてそこがまずプラス、今回先輩コンビはメインで出てこなかったがかわりにヒロインキャラが登場したのでシリーズ物的にも不満はない。内容に関してはやや地味だったかもしれない。

個人的に最も評価した点は犯人特定のロジックがこれまで読んできたミステリの中でも一番鮮やかであったことである。読者への挑戦が付いている作品はいくつも見てきたがここまで正々堂々とした挑戦状は見たことが無かった。当てさせる気のないミステリもある中犯人当てをさせる難易度としてはすばらしい調整と思えたので満点。

No.69 5点 mohicant
(2013/08/05 01:28登録)
月光パズル同様、インパクトに欠けた。

No.68 8点 ミステリ初心者
(2012/06/20 11:29登録)
ネタバレあります



 かなり楽しめました。ただ、これを読んだときは、この人の作風を理解しておらず、何かしらの大掛かりなトリックでもあるんだろうと思ってしまい、あまり考えずに解決編を読みました。後悔しています。

 どんでん返しトリックの作品ではありません。意外な犯人もいません。しかし、時間をかけて考えて、考えてから解決編を読む、ミステリ本来の楽しみ方をするに値する作品です。 かならず犯人は一人に絞れる! 解決編前の挑戦状に、職人魂を感じました。

※その後、読んだ本数が増え、印象が変わったため加点しました。

No.67 7点 mozart
(2012/04/23 15:37登録)
ン十年ぶりに再読してみたけれど、率直に面白かった。犯人が序盤で(「論理的」ではないものの)想像できるため、「驚愕の結末」というわけにはいかないが、「読者への挑戦」後に、次々と伏線が回収されていくという流れが、本格ミステリーの醍醐味であることは間違いないと思う。

No.66 7点 スパイラルライフ
(2012/02/06 14:58登録)
犯人は想定しやすいのですが、またぼんやりと外枠くらいはトリックも見えるのですが
それを理路整然とまとめる江神の活躍こそが本作品の面白さ。

ライフルと海を泳ぐ周りのロジックは多少無理を感じますが、それでも十分楽しめました。

コンパクトな作品で、ややスケールが小さい(氏の作品に求めるのがおかしいですが)やや低めの採点。

No.65 7点 いいちこ
(2011/12/24 11:19登録)
散りばめられた伏線をロジカルに回収する本格ミステリの醍醐味が味わえる良作。
意外性・衝撃度に欠けるが読後の納得感は高い

No.64 5点 蟷螂の斧
(2011/08/18 15:53登録)
アリスとマリアのやり取りは楽しめた。(ネタバレ)ただ、犯人が殺人をいつ、どういった経緯で計画したのか?。宝物の処分は?。読者の判断に任せるということなのか?。なんとなく、もやもやしています。

No.63 7点 Q-1
(2011/06/08 21:10登録)
伏線がキッチリ回収されていて読み進めていく楽しみを覚えました。
宝探しのパズルは私には解読不可能でしたが、
本筋である殺人事件の推理は程よい難易度だと思います。

ただ画家の平川さんの人間性がよく理解できませんでした。

No.62 8点 好兵衛
(2011/04/23 22:01登録)
一つ一つじっくりアリバイを検証しつつ
残されたヒントからじりじり犯人を割り出していく。

そんな読み方ができる貴重なロジック小説だと思います。
数式に近い感じですかね。
有栖川氏は流石にロジックで勝負していると思います。

ヒントは記号に近く、人間模写も謎解きのためにあります。
そこが苦手、そんなこと本当にあるだろうか?
というリアル思考の人には向いてないかもしれません。

でも穴を探したり犯人当てが大好きな人には向いています。

ですが、流石に読むのに時間がかかります。
紙とペンを横においてメモしつつ、
じっくり読みつぶすことのできる小説です。

No.61 9点 まさむね
(2011/03/09 22:42登録)
 ピースを理論的に当てはめていくような解明は楽しかった。解明の取っ掛かりもいくつかの小さなピースから。なるほど,まさに「孤島パズル」ですね。
 実際に驚くべきトリックはなかったですが,読者挑戦モノとしては,それがむしろ魅力的でもありました。奇抜な発想をせずとも,示された鍵のみで十分に犯人特定が可能という意味で。
 個人的には宝探しの過程も良かったです。なるほど,確かに「進化するパズル」。美しい。

(以下 ネタバレあり)
 で,減点したのは,ボート使わなくても短時間で行けるくらいの距離だったのね…ボートでも自力でも同じくらいの所要時間での移動が可能だったのね…ってことを,少なくとも私は解決編まで認識できなかったから。いや,これは当方の認識不足も相当にあるのですが,もう少し伏線が欲しかったかなぁ…と。(ちょっと悔し紛れ)

No.60 8点 smile66
(2011/02/27 23:31登録)
第2作目ですが第1作目に比べて完成度が跳ね上がります。
みんな平等に提供された証拠からの理詰め理詰めの解決編は素晴らしい!

No.59 8点 HORNET
(2011/01/08 20:24登録)
 「孤島」「お宝」という前近代的な舞台設定,深夜実行される殺人・・・その雰囲気がまずマル。推理の手がかりとなる事実の提示の仕方も,分かりやすくともワザとらしくなくてマル。よって,「読者への挑戦状」も,まったくお手上げでもなく,といって簡単でもなく,Good。
 よかった。

No.58 5点 りゅう
(2010/12/20 20:55登録)
 登場人物がさほど多くなく、シンプルな設定で読みやすい作品だとは思います。犯人はわかりませんでしたが、謎解きとしてはあまり高く評価できません。

(完全にネタバレをしています。要注意!)
 「地図に残ったタイヤの跡」から犯人を特定するロジックに納得できませんでした。クイーンもそうですが、こういった些細な証拠で犯人を特定するロジックは、こじつけとしか思えないものが多く、本作品もそう感じてしまいました。そもそも、犯人が地図を落としたという設定自体、イマイチです。
 島の図面を見た瞬間に、泳いで移動するというトリックは思いつきましたが(山勘にすぎませんが)、真相を推理するためには、さらに、泳ぎではライフルを運ぶことができないことを知っていなければなりません。読者にそこまでの判断ができるでしょうか(ビニール袋などで包み、体にくくりつければ、泳いで運べるのではないかと考えてしまいます)。
 密室トリック、バラバラになったジグソーパズル、ピストルが2発撃たれた理由など、その他の謎も肩透かし気味でした。

No.57 8点 ZAto
(2010/10/17 20:58登録)
江神とアリスのやり取りの中で真相が浮き彫りにしていく筆致はなかなかのものだ。
名探偵と殺人者との間に流れるの空気は、やがてあまりにも広大な大海原に哀しくのみ込まれてしまうのか。
少々、褒めすぎてしまった感がなきにしもあらずだが、欲望、嫉妬、復讐といった人間の原罪を太陽と海と月が静かに見つめていたような読後感はしばらく尾を引いていくような気がする。

No.56 7点 minii
(2010/10/08 22:55登録)
宝探しも犯人当てやトリックもと、盛りだくさんな内容で一気に読めて爽快でした。

私に犯人が当てられたくらいだったので、ちょっと弱いかなと思うけれど、江神さんの解説部分がとても辛そうで、優しさにあふれていて、キュンとしました。

No.55 5点 seiryuu
(2010/07/16 16:49登録)
サイクリングをしたくなった。

No.54 6点 星屑の仔
(2009/11/23 20:40登録)
学生アリスの第二作品目。

今作品はヒロインとしてマリアが登場します。
今回も前回同様、絶海の孤島を舞台としたクローズド・サークルものです。
全作品の「月光ゲーム」と良い、有栖川さんは本当にロジックに重点を置く作家さんなのだなぁと思いました。

緻密なまでに事件の解決に繋がる全ての要素を、一つ一つ論理的に消していきながら結論を導く様子は、決して「ご都合主義」とはかけ離れている作品でしょう。

また宝探しもこれまた面白い。
島に点在するモアイの位置と向きを参考に、一次元を二次元に、二次元を三次元に、そして三次元を四次元に変換していくという解読方法は面白かった。

難を上げるとすると、意外性が乏しいかなと。
確かに事件は論理的に解決されるけど、その分ラストの驚愕は足りなかったかな。
あと人物のキャラクタをもう少し引き立ててくれたら・・・。
でもそうしたら、ライトノベルみたいになるのかな。
ある意味、ギリギリなバランスの上の作品なのかもしれません。

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