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ミステリの祭典

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夢・出逢い・魔性
Vシリーズ

作家 森博嗣
出版日2000年05月
平均点5.68点
書評数22人

No.22 6点 nukkam
(2023/05/06 01:07登録)
(ネタバレなしです) 2000年発表のVシリーズ第4作の本格派推理小説です。なかなか細かい仕掛けを用意してあるのですが登場人物が無駄に多くて十分描き切れていないのがもったいなく、工夫次第ではもっと意外性を演出できたのではないでしょうか。特に最終章で明かされた秘密は非常に印象的で、綾辻行人の某作品を意識したのではないかと思いましたが綾辻作品と比べるとメインの謎解きとの関連性が弱いです。あと本書の英語タイトルが「You May Die in My Show」と、日本語タイトルと洒落の関係にあるのはS&Mシリーズの「封印再度」(1997年)(と「Who Inside」)を連想させますが、作品内容をよく表していた「封印再度」と比べると苦しいタイトルに感じます。悪くはありませんが色々な意味で惜しい作品だと思います。

No.21 5点 ボナンザ
(2022/10/24 20:13登録)
力の入れどころが他とは違う感じ。そこで○○トリックを使うのか・・・。

No.20 6点 E-BANKER
(2016/10/16 00:05登録)
数えてVシリーズも四作目となった本作。
舞台はいつもの“那古野”ではなく、東京・渋谷というのが異質かも。
2000年発表。

~二十年前に死んだ恋人の夢に怯えていたN放送のプロデューサーが殺害された。犯行時、響いた炸裂音はひとつ。だが、遺体にはふたつの弾痕があった。番組出演のためテレビ局にいた小鳥遊練無は、事件の核心に位置するアイドルの少女と行方不明に・・・。繊細な心の揺らぎと瀬在丸紅子の論理的な推理が際立つシリーズ第四作!~

これはまた・・・不思議な雰囲気を纏った作品だ。
読了した後、何となく頭に浮かんだのは「ボーダレス」という単語或いはフレーズ。

いつもの舞台である那古野を飛び出し、日本の中心・東京で事件に巻き込まれるところも、何となくボーダレス。
今回は小鳥遊のある特徴が事件の核心に繋がるのだが、男とか女とか性別を超えたところにあるボーダレス(・・・ってネタバレしてるような・・・)
真犯人がプロデューサー殺害に至る経緯というか動機についても、オイオイそんなことあるのかい?っていう意味で、ボーダレス(動機になりうるかどうかの境界ということ)だなと感じた。

今回のフーダニットもまたブッ飛んでいる。
「そんなとこから出してきたか!」とでも表現したくなるような存在なのだ。
作者らしく、事件の舞台は密室なのだが、密室構成のトリックはもはや二の次というか、あまり深い意図はない。
銃声と弾痕の差異の謎についても、実にアッサリ片付けられている。
密室や不可解現象の謎の構築に拘ったS&Mシリーズとは、やはりミステリーに対するアプローチの違いを感じてしまう。
どちらが好みかと問われると「前シリーズ」と答えてしまいそうだが、Vシリーズのスゴさも徐々に気付いてきたように思える。

今まで脇役扱いだった小鳥遊と香具山にスポットライトを当てた本作。
その代わりというか、保呂草の“おとなしさ”が不気味に感じた次第。次作に期待ということか?
(でも一番のサプライズは稲沢の正体だったりする。これって、あれだけの意味でよかったのか??)

No.19 7点 Tetchy
(2016/09/28 23:51登録)
舞台がテレビ局というのも非日常的であり、一行が那古野を離れて東京で事件に携わるのも新味があり、なかなか面白い。彼らが宿泊するビジネスホテルの描写など何気ないところに妙にリアルな雰囲気があって、共感してしまう。

しかし物語の展開にはかなり違和感を覚えた。特に事件に乗り出す警視庁の人間が紅子に色々と事件の内容を明かすことが実におかしい。紅子が人の警戒心を解く笑顔を武器に色々と話を聞くのだが、捜査上の秘密を素人にペラペラと話さないことは今では一般読者でも知っていることだろう。そこを作者は「紅子に対面すると男性は妙に素直になる傾向にある」と全く説得力のない答弁で逃げている。
更に事件の関係者であり最有力の容疑者である立花亜裕美が小鳥遊練無と共に車で建物から出るのを知っていながら見過ごしていることも実におかしい。普通ならば血眼になって2人の行方を捜すのではないか。そういう緊迫感が警察の口調からは感じられない。この傾向はずっと続き、さらにエスカレートして紅子が望むままに事件関係者たちに逢わせたりと非現実的な昔の推理小説を読んでいるかのような錯覚を受ける。

それはそのまま踏襲され、警察一同集めての推理シーンまでもが演出されるのだが、その謎解きシーンはいつになく派手だ。なんとクイズ番組収録中に真相に辿り着いた紅子がそのまま犯人まで明かすのだ。そこから出演者、司会者、テレビスタッフ、そして刑事の前で紅子の推理が開陳される。
かつて川柳に「名探偵 みなを集めて さてと云い」というほど事件関係者を集めて推理を披露するのは本格ミステリでは定番なのだが、本書では実に聴衆の多い謎解きシーンとなった。番組出演者が32名だから、少なくとも50人近くはいることになる。またこのような場で推理を臆面もなく披露する紅子もらしいと云えば実にらしい。

しかし今回の物語は実にシンプルというか森氏にしては真っ当なミステリであった。小鳥遊練無が容疑者と失踪し、そしてそのために犯人に狙われるというツイストはあったものの、メインの殺人事件が本編の謎の中心であった構成は実に珍しい。なぜならば森ミステリではメインの事件よりもサブとなる謎の方に大きなサプライズがあるからだ。例えば本書では保呂草の他に稲沢真澄という探偵が出てくる。このダブル探偵という設定ゆえに何かサプライズがあるのではないかと思っていたが、実に普通であった。いや実際は叙述トリックを色々仕掛けていたのだが。

そうそう、副産物として今回初めて瀬在丸紅子のイニシャルが明かされる。このシリーズがなぜVシリーズなのかが初めて明らかになる。

さて本書のタイトルは『封印再度 Who Inside』に次いで日本語と英語の読み方が同一のタイトルである。しかし『封印再度』とは異なり、あまりダブルミーニングの妙は本書では感じられなかった。確かに題名の通り夢とショーで殺されるという趣向は含まれているのだが、あまりインパクトがなかったように感じた。

しかし今回は阿漕荘メンバー東京出張編ということもあって紅子と犬猿の仲である祖父江七夏と元婚約者で刑事の林が登場しなかったこともあり、男女の痴情のもつれというドロドロした一面がなかったのがよかった。それ故に瀬在丸紅子、小鳥遊練無、香具山紫子、保呂草潤平たちの活躍に余計な騒音がなくて愉しめた。特に小鳥遊練無は大活躍である。そして最後に美味しいところは瀬在丸紅子がかっさらっていく。可哀想なのは香具山紫子だ。今回も三枚目に甘んじている。彼女が一番凡人であるがゆえにどうにか報われてほしいと思うのだが。

No.18 5点 虫暮部
(2016/06/27 10:32登録)
 幾つかの面白くなりそうな要素を、上手く生かせない形でまとめて組み立ててしまった、という感じで惜しい。
 紅子の推理には瑕がある。“練無が実は男子だと、説明無しでは判らない”ということを前提にしている点。立花亜裕美が“そうじゃないかなって、思ってた”というのはいわば作者自身によるツッコミであって、そこは周到だと思う。
 タイトルは単なる駄洒落としか思えず、感心出来ない。

No.17 5点 白い風
(2015/11/10 20:43登録)
小鳥遊くんを筆頭にキャラを楽しむ作品かな?(笑)
それが上手く謎解きにも使われていたしね。
ただ、ミステリ的にはちょっとビミョウだった。
Vシリーズは檀れいさんで2時間ドラマになっていたので、小鳥遊くんの今回の女装も見てみたいかも!?(笑)

No.16 8点 ∠渉
(2015/02/11 15:31登録)
再読。やっぱVシリーズは面白い。
初読の時は、スピーディな展開と二重三重に仕掛けられたトリックに騙されっぱなしでしたが、トリックをわかったうえで改めて読んでみると、とにかく「見せ方」が巧い。トリックという「技」をたくさん持っていても、どうやって見せるか、その演出次第でミステリィにおける「技」の効力も変わってくる。キャラクタにもこだわっているVシリーズが目指しているのはこの「技」の「見せ方」だと私は思っている。ミステリィの世界じゃないと受け入れられない大胆不敵な犯罪と、現実世界にいたら完全に浮世離れなキャラクタが、フィクションの世界に於いてどれだけリアリティをもって描くことができるか、その追求と試行錯誤がVシリーズ。だと思う。それが見事に昇華されたのがGシリーズとXシリーズだと思うが、まぁそれついては置いておく。

というわけで本作だが、本作も著者が得意とする密室と、同じく得意とする叙述を用いたトリックが扱われている。とりわけVシリーズは前シリーズのS&Mに較べて大胆な事件が多い。『黒猫の三角』~『夢・出逢い・魔性』の中で見ても、全ての作品で物理的に密室状態と見られるシチュエーションで殺人が行われ、密室状態と定められる条件として、ほとんどの事件が衆人環視のもとで行われているように思う。しかしながら、仕掛けはいたってシンプルなものが多い。そもそもの条件が異なっていたり、ミステリィにしてはややアナーキーな機会仕掛けだったり、本気になって考えるとやや肩透かしにも思えるものが多い。しかし、このトリック群をどうやってソレっぽく見せるかという点に対して、著者のアプローチは常にベストなものになっていると思う。「リアリティ」という言葉を小説に対して使うとしたら、このシリーズ作品こそ、「リアリティ」のあるミステリィ小説だと私は思う。

というわけで本作だが(2回目笑)、動機がなんだかよくわからないのである。これはS&Mの4作目『詩的私的ジャック』に対応しているという意図もあると思うが、多くのミステリィで重要視される動機が、こと森作品に関してはぞんざいに扱われているように思う。まぁある意味克明でもあるのだが。
多くのミステリィでの「動機」はその事件の特異性を、なんとかリアリティのあるものにさせるための、いわばトリックの「必然性」を裏付ける最後の生命線として、扱われていると思うが、おそらく森博嗣は犯人の証言なんて戯言程度にしか思ってないんだと思う。犯人が正直に語ってるからそれが正しい、なんてものは所詮は小説の世界の論理であって、密室殺人とかダイイング・メッセージとかと同じようなものだという扱い。だから森博嗣は密室殺人に人間の強い意志を感じさせながらも、動機ですべてを納得させようとはしないんだと思う。それが小説の世界に与えられるせめてもの「リアリティ」だと言わんばかりに。

そんなことを考えて読んでました。

No.15 6点 まさむね
(2013/10/27 18:09登録)
 ××トリックについては,片方は序盤から気付いていたのですが,もう一方は…まったくのノーマークでしたね。
 タイトルを含めて綺麗な仕上がりだとは思いますが,かなり「技巧」に特化している印象。好き嫌いは分かれそうですね。

No.14 5点 TON2
(2012/12/17 16:35登録)
講談社NOVELS
 東京のテレビ局で起こった殺人事件です。
 人間は何かをかぶって生きたがる。そのほうが本当の自分を探したり現したりするよりも楽だから……。
 小鳥遊練無の女装の顛末が面白かったです。
 題名の英語が秀逸です。

No.13 3点 ムラ
(2011/09/18 16:24登録)
(ネタバレあり)

叙述と犯人含めてわかりやすい部類のミステリだった。
やっぱりキャラがいいから読める感じ。
脇役キャラの中では久保田のプロ魂の黒岩の話がわかるタイプの刑事に好感を持てた。
しかし動機これはいつもより酷めな感じ。
犯人の影も薄いし。登場時間でいえば幻惑も同じくらいだけどあっちは濃かったというのに。

No.12 6点 yoneppi
(2011/02/02 18:27登録)
読み残していたこのシリーズを読了。微妙な表現で犯人はわかっちゃうし叙述も最初から予想できる。そして動機はわけわからない。でも久々のこのシリーズで楽しめた。あと読んでないのは…。

No.11 5点 vivi
(2008/01/08 00:47登録)
密室のトリックは、あまり褒められませんが、
解決編で犯人を指摘する経緯については、かなりロジカルで、
その辺が私の好みではありました。

しかし今回は、犯罪の影が薄い(^^;
動機も殺人も犯人も、本当に記号のようで、魅力がなし。

そのかわり、阿漕荘の面々が大活躍。
そして・・・稲沢さんにはやられました。

No.10 6点 サハリ
(2005/07/14 00:43登録)
最初ッからなんでこの人が登場人物のところにっていう感じで違和感がありましたが、まあ・・・そうでした。
犯人自体の精神が非常に怖く感じました。
ほかの人をかぶるって言うのはまだしもそれで殺人もするとは信じられない。
「案外本番で弱いほうだよね」
「君の前では、あんまし本番した覚えないけどな」

No.9 3点 ぴかちゅ〜
(2005/05/29 23:59登録)
やっぱり途中で犯人がわかってしまう。
問題は動機なんだけど、これはなしなんじゃない、って思う。
なんか作者の主張を書くためだけに書かれた小説みたいな印象。
紅子VS七夏の対決がなかったのも残念。
林さんにも出てきたほしかったなあ。

ところで、このシリーズを映画化するならどういうキャスティングがいいか想像したらなかなか楽しめますよ。

No.8 6点 ガッチョン
(2004/01/10 01:41登録)
そこそこ。また幽霊の証言が出たときは溜め息が出たが、あのトリックを伏線として仕掛けていたのは絶妙だと思う。そこで悩まされた。フーダニットの出来としてはそれ程読み返してはいないから分からないが、秀逸だと思う。

No.7 9点 なりね
(2003/12/28 21:45登録)
このシリーズでしこさんが好きになった。
なんか余計なものがあるような気がするんだけどなぁ……。

No.6 8点 ばやし
(2003/12/18 13:22登録)
今まで読んだ紅子シリーズの中では1番おもしろかったです^^阿漕荘のお馴染みキャラの出番が多かったのが理由かな〜幽霊の話しや犯人の語りなどちょっと恐いよー(泣)って所もあったけど楽しく読めました(苦笑)

No.5 5点 モトキング
(2003/12/05 13:43登録)
本末転倒。
タイトルを思いついて、それに合うパスワードをつなげた結果、生まれた作品。
だからこそ、叙述の基礎をちょこっと使ってミステリにしてみただけのお話。
登場人物に魅力を感じなければアウト。
個人的にはキャラが好きなので物語として面白く読めた。
しかし…作者の中の創作意欲が向かう先とは、ミステリではないのだろうか。

No.4 8点 四季
(2003/12/04 21:13登録)
いつもながら犯人がわかってしまうストーリーだけど、深みがある。
タイトルは封印再度と並ぶ傑作。

No.3 5点 なな さんいち
(2003/11/29 21:09登録)
タイトルが秀逸。
しかし、「タイトルのために作られた作品」とも言われていたり・・・
けど、なかなか面白かったです。

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