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ミステリの祭典

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人形式モナリザ
Vシリーズ

作家 森博嗣
出版日1999年09月
平均点4.91点
書評数23人

No.23 5点 斎藤警部
(2023/12/06 18:44登録)
ストーリーも人物も思わせぶりも退屈でむにゃむにゃ眠くなったが、ラスト近くでやっと何かが騒めき出した。つまんない奴だったあいつが輝き始めた。保呂草はやはり魅力的だ(林どころの騒ぎじゃない)。 紅子のアシストも効いた。 最後の台詞にゃ、グラッと来たぜ。 だがしかし。。

「もうしばらく、夢を見させてあげましょう」

これは野暮な言い草になりましょうが、第一の(?)殺人の逆説光るメイントリック、スカしてないで手厚くギラリギラリと煮詰めたら連城短篇っぽかったかも(?)。でもそこが本作の肝じゃあないんでしょうなあ。 んで、この動機というか事件背景の壮大なんだか何なんだかどうにも説得力乏しいアレはいずれ後年の作で落とし前が付くのだろうか??  さて「モナリザ」の件、トリック自体はともかく、そのマスコミお披露目の微笑ましさも含めて、明るく締まってくれたのは良かった。

No.22 5点 ボナンザ
(2022/09/25 18:08登録)
類は友を呼ぶを地でいってて草。

No.21 6点 nukkam
(2020/02/27 21:43登録)
(ネタバレなしです) 1999年発表のVシリーズ第2作の本格派推理小説です。女性のみによって人形を操る乙女文楽が演じられている最中の殺人事件の謎解きですが、むしろシリーズキャラクターである紅子たちの複雑な人間ドラマの方にウエイトを置いた作品のように感じました。それはそれで謎めいてはいるのですけど。殺人の謎解きとは別に意外な真相が明かされるのが印象的ですが、これを殺人捜査のミスリーディングに使っているのは少々あざといように思います。

No.20 7点 Tetchy
(2016/05/24 12:32登録)
ちょびっとネタバレ気味です。


メインの殺人事件の真犯人は思った通りだった。もはや王道のミスディレクションが今回の事件のトリックで非常に解りやすい(まあ、最後の一行もあるが)。

しかし森ミステリのもはや定番ともいうべきか、本筋の殺人事件の真相には驚きがなく、むしろサブストーリーの謎やガジェットの真相の方に実は大きなサプライズがあるが、本書も例外ではなかった。

なんとシリーズ2作目でもこんな仕掛けを用意しているとは思わず、窃盗犯の正体にはひっくりコケてしまった。
あと最後のモナリザについては解ってしまったが、このような仕掛けの写真が出回っている今だからこそなのかもしれず、当時としては斬新だったのかもしれない。

さてこのVシリーズ、S&Mシリーズと違い、男女の恋のもつれ合いが前面に押し出されている。前シリーズでは西之園萌絵が准教授の犀川にアピールするものの、犀川が知らぬふりをしてさらりとかわす一方で、萌絵のピンチになると命を擲ってでも彼女を救おうとするギャップがファンには受けていたが、このシリーズでは主人公の瀬在丸紅子に離婚歴があり、その元夫林は愛知県警の刑事でダンディーな風貌で女性にもて、結婚中に部下の女性刑事と愛人関係にあったというドロドロとした愛憎劇が底流に含まれている。
かてて加えて本書の登場人物の岩崎家も乙女文楽の創始者岩崎雅代の夫の家族と彼女が愛人だった彫刻家江尻駿火との間に生まれた子供たちの家族とが混在している奇妙な関係性がある。つまり通常の家族の形とは違ういびつな関係の人々が物語を形成しているのだ。

瀬在丸紅子というどこか浮世離れしたシングルマザーという特異なキャラクターに、謎めいた探偵保呂草潤平に紅子の元夫で刑事の林とどこか善人とは云いきれない怪しい魅力に満ちた登場人物が主役であることで実際何が起こるか解らないミステリアスな雰囲気に満ちている。それを中和するのが小鳥遊練無と香具山紫子のコミカルな2人。実に面白いバランスで成り立っている。

あらゆる意味で先行きが興味津々なこのシリーズ。次作も非常に愉しみだ。

No.19 5点 E-BANKER
(2016/02/21 17:46登録)
1999年発表。
「黒猫の三角」に続くVシリーズの第二弾。
保呂草潤平、瀬在丸紅子ほかレギュラーメンバーが揃って避暑地で大活躍(!?)

~蓼科高原に建つ私設博物館「人形の館」に常設されたステージで、衆人環視のなか「乙女文楽」の演者が謎の死を遂げた。二年前に不可解な死に方をした悪魔崇拝者。その未亡人が語る「神の白い手」。美しい避暑地で起こった白日夢のような事件に瀬在丸紅子と保呂草淳平ら阿漕荘の面々が対峙する・・・。大人気Vシリーズ第二弾~

やはりS&Mシリーズとは微妙にテイストの異なるVシリーズ。
前作では、初っ端からいきなり「大技」というか「飛び道具」のような仕掛けに面食らったのだが、本作では一転してやや静かな展開。
事件自体は衆人環視のなかで起こる不可能犯罪、一種の密室殺人であり、そこは実に作者らしい。
誰も犯人足りえない状況のなかで紅子が指摘した真犯人に「アッ」と思わされることは間違いないだろう。
(観客の視線を一方に集めて別のところで・・・ってこれはマジックでよくやる手だな・・・)

ただ、今回もトリック云々はプロットの本筋ではない。
「この犯罪を誰に見せたかったのか」・・・これが本作一番のメインテーマとなるのだ。
謎そのものも今までに接したことのないものだが、その真相もまた意外というか不可解(?)
これが言いたかったことだとすれば、私の平凡な頭では理解不能としか言いようがない。
もともと動機へのアプローチは二の次というか、一般的な理解の範疇ではない本シリーズにしても本作はブッ飛んでいる。

紅子のキャラもまたスゴイ。
萌絵はまだ理解の範疇に入っていたけど、紅子の頭の中はもはや範疇ではない。
前作以上に彼女の心の揺れを読者は知ることになる。
(ついでに保呂草のキャラもまだまだ謎だらけだ)

ただ、作品としてはどうかな?
どうもボンヤリしていたというか、メリハリに欠けるというか、つかみどころのないまま終わった感が強い。
モナリザの謎と真相だけが現実的に思えた。

No.18 5点 虫暮部
(2015/12/10 12:24登録)
 “犯人は誰を騙そうとしたのか”という問いは魅力的だが、あのトリックでどうしてソレを騙したことになるのか判らない。あと、探偵役は提示されている手掛かりでどのようにその解答(犯人の内面)に辿り着けたのか。探偵役が直感で作者の言いたいことを代弁してしまうのはズルだと思う。

No.17 4点 白い風
(2015/03/23 22:51登録)
今回はトリックは平凡でしたね。
殺害理由は全く分かりませんでしたが・・・。
楽しめたのは紅子の周りの人間関係だけだったかな(笑)

No.16 9点 ∠渉
(2015/02/08 00:04登録)
Vシリーズはとにかくスタイリッシュ。人物描写は弾けているけどミステリィはキレ味抜群でしかも奥ゆかしい。もちろん本作『人形式モナリザ』も例にもれず良作のミステリィであり、大満足である。
本作の特徴は、『冷たい密室と博士たち』を思わせる、本格へのアプローチ。ミステリィのセオリィに沿った作品という印象。動機、犯人、手法そして思想が序盤からかなりきっちり書かれているので展開はかなりわかりやすい。そしてモナリザの謎、保呂草潤平の謎、紅子、林、祖父江の三角関係等々、本筋のミステリィを取り巻くギミックも多く、しかもテンポが良いのでもうルンルンである(この表現で合ってるかは不明)。
そしてやはり注目はラスト1行なのか?? これは別にラスト1行でどんでん返しみたいなものじゃなくて、ひっくり返ってるのをちゃんと元に戻したような感じの、普通に綺麗な終わり方だと思う。編集部が「ラスト1行 衝撃の展開」みたいな宣伝をしたのかなぁ。すごいみんなラスト1行に触れててびっくりした。

No.15 5点 まさむね
(2013/09/18 23:32登録)
 WHOを中心とするメイン(と言ってよいのか判断は迷うが)のトリックについては,標準レベルに達するのか微妙なところ。でも,終盤の“裏真相”やモナリザの謎,ラスト1行を加味すれば,一定楽しめたと言えるのかな。特に,“裏真相”については,前作の件もあっただけに,巧いことしてやられた感じです。
 しかし,色々と詰め込まれていて実際に驚きもあった割りに,読後にそれほど満足感を得られなかったのはなぜなのだろう。動機が,分かったようでイマイチ腑に落ちないからなのかなぁ。

No.14 5点 TON2
(2012/12/17 16:51登録)
講談社NOVELS
 舞台は信州蓼科高原の人形博物館。
 この作品で、紅子の元夫「林」の部下であり愛人である祖父江七夏が登場し、紅子との間で微妙な関係となります。
 殺人のトリックよりも、キャラの面白さで読みました。

No.13 4点 yoneppi
(2012/04/04 23:10登録)
読み残していたVシリーズを読了。読み残したままで良かったかも。ラスト1行も「ふ~ん」といった程度。

No.12 3点 ムラ
(2011/09/15 15:11登録)
この人の小説にしてはけっこうセオリーなトリックだった気がする。
きちんと舞台でやる意味とかの説明もされているし。
ただ動機もうちょっと突っ込んで書いて欲しかったかも。S&Mシリーズの後半あたりはけっこう書き込んでいた気がするのに。
しかしもう一度封印再度的なこの人の味があるトリックを見てみたい。

No.11 5点 星屑の仔
(2009/11/03 22:09登録)
うん。まぁ楽しめたかな。
形は違えど、密室ものであることには違いない。
人物設定と舞台設定は毎回毎回面白いと思う。
1つの小説の中に複数の謎を散りばめて最後に終結する、というのは良いとしても、もう少しスマートにできたらもっと高く評価していいと思う。
あと人物相関表と地図がほしい。
何気に、森博嗣さんは叙述トリックを扱われると思った。

No.10 5点 vivi
(2007/11/14 00:19登録)
これは森ミステリにしては伏線が親切だったですね。
トリック(というものでもないけど)も看破可能でしたし。
懐かしい感じのミステリかな~という感じでした。
ただ「ぬるい」というのはいかんともしがたいですが(^^;

キャラは立ってますね。
紅子が前作と比べて非常に人間らしいのに驚きました。
本人は「人形」だとか言ってますが、十分人間くさいです。
保呂草の方が、ミステリアスですね。

No.9 5点 サハリ
(2005/07/12 02:05登録)
皆さんの評価通り人物はとても面白くて本を読むのは
すごくスムーズに進んでいくのですが、いかんせんなぜか事件をとく気にはなぜかなりませんでした。人間関係が複雑で覚える気になれなくて・・・でも文章は読んでいてかなり最高だと思います。
「ああ、痺れる・・・。頭が痺れる」
「病気じゃないの?」

No.8 2点 ぴかちゅ〜
(2005/05/27 23:25登録)
なんか、もう、キャラの会話を楽しむだけに読んでいるようなもんだ。会話は面白い。SMもVも。

No.7 7点 なりね
(2003/12/28 21:41登録)
トリックを見破ることは無理。もう諦める。そういうミステリだ。
ストーリーはやはりキャラが良いせいか面白い。
でも林嫌い。

No.6 5点 ばやし
(2003/12/16 13:47登録)
ん〜今回の作品は犯人も分かっちゃったし保呂草さんが紅子さんを襲った犯人ってゆうのもバレバレだったからいまいちにゃーでも小鳥遊のキャラはやっぱり大好きだから今後の作品にも期待していきたい^^

No.5 4点 四季
(2003/11/16 12:51登録)
あぁ、あの人物関係(紅子&林&祖父江&保呂草)が駄目。分かりにくいし、なんだこれという気持ちで一杯になりました。
トリックは自分は許せる範囲だけど他の方は気に入らない方が多いようで……。気持ちは分かりますが。
主要人物が多いのも分かりにくい原因でしょうか。

No.4 6点 なな さんいち
(2003/10/06 18:49登録)
「黒猫の三角」から約2ヶ月。
一時は読むのをやめようと思ったが、森博嗣さんはやっぱり読んでおこう、と思い読了。
登場人物の性格付けがイマイチ分からずじまいだった。ラスト1行とやらも、登場人物紹介のところをいちいち見たため、ビビビッと言う物がなかった。「ほ〜」程度。
しかし、キャラクターにも慣れてきた。紫子のジョークもなかなか。
それに、もう一発ぶちまけてきたって言うのにも感嘆。
しかし、そういうことなどでは驚いたけど、トリックはイマイチ。

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