ある閉ざされた雪の山荘で |
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作家 | 東野圭吾 |
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出版日 | 1992年03月 |
平均点 | 7.08点 |
書評数 | 88人 |
No.88 | 6点 | みりん | |
(2023/06/10 19:43登録) 東野圭吾の文章ってなぜこんなに読みやすいのでしょうか 追記:映画も見ましたが、"演技のうまさ"を文字で誤魔化せる小説の方が良いなあと思いました。 |
No.87 | 4点 | ALFA | |
(2022/02/21 15:20登録) ネタばれします。 クローズドサークルを「演じる」という凝ったお話。 謎解きはあるが結果として犯罪はないので好みのミステリーとはいえない。 人物の造形が浅いので心理小説ともいえないし・・・ 叙述トリックを楽しめるかどうかで評価の別れる作品。 |
No.86 | 8点 | ことは | |
(2021/04/03 23:40登録) (10作くらいしか読んでないですが)東野圭吾の中で一番好き。 やはり、語りの仕掛けが好き。これは好みだなぁ。この仕掛であの部分やあの部分がアンフェアにならないという、この反転がいいよねぇ。 |
No.85 | 7点 | じきる | |
(2020/08/23 19:43登録) どうしても著者の先行作の焼き直し感があるけど、これはこれで面白い。 |
No.84 | 5点 | 雪の日 | |
(2020/05/03 21:31登録) トリックはいいんだけど、動機がちょっと... 同じトリックでも、三津田信三のほうが話の内容がおもしろかった。 |
No.83 | 9点 | mediocrity | |
(2019/12/22 23:55登録) 緩そうな雰囲気と著者のことばに騙された。ものすごく凝っている作品じゃないか。最後どう転ぶのか全く分からなかった。可能性がいくらでもありそうで、あれこれ想像しながら楽しく読んだ。 『仮面山荘殺人事件』も良かったが、こちらの方が複雑で更に読みがいがあった。あちらに8点付けていたので本作は9点で。これが、読者1万人が選んだ東野作品人気ランキング51位というのには驚き。 |
No.82 | 8点 | レッドキング | |
(2019/06/03 18:22登録) 叙述トリックの素晴らしき傑作。 三津田信三「厭魅の如き憑くもの」もこれには及ばなかった。 |
No.81 | 7点 | 初老人 | |
(2018/12/30 22:59登録) この作品を読んで随分経つが、やはりあの転換トリックは素晴らしく、読後軽い立ち眩みを覚える程だった。 他の作家が思い付いたら小躍りしそうなトリックだが、それをさらりと書けてしまう辺りにこの作家の凄味を感じる。 |
No.80 | 8点 | ミステリ初心者 | |
(2018/08/06 02:56登録) ネタバレをしています 以前、東野圭吾さんの本を読んだときには相性がわるいと感じたのですが、この作品はとても面白くかつほぼ1晩で読めてしまいましたw クローズドサークルということもあったんでしょうが。 こってこてのクローズドサークルのように描かれたようで、設定からラストまで実はお約束を裏切る展開で好きです。誰も山荘を出ないがクローズドサークルではないことや、全員役者、舞台稽古風(?)とお決まりの展開から外れたオリジナリティがすばらしかったです。特に、感動的なラストのクローズドサークルは見たことがなく、いい意味で違和感がすごい! 推理小説は普通、犯人が探偵やそれ以外をだますためにトリックをつかったり、作者が読者を直接だますためにトリックをつかったりします(この作品もそうですが)。が、犯人が第三者をだますために演技をしているのは新しいな!と感動しました。そのために犯人と被害者が協力関係にあり、犯人と神の視点はある意味で協力関係でない。 神の視点=登場人物主観系は、他にも読んだことがあり、その作品よりもこの作品のほうが早く出たということに驚きましたw 他の作品も大好きなのですが、そちらのほうがそのトリック自身を生かしており、お互いにオリジナリティがあると思っています。 自分は、独白のある久我のみ事情を知らされていない探偵で、その他の人物はすべて演技であり、カメラで撮っているのでは?と、論理も動機もまったく無視した的外れなことを考えていましたw 一種の作中作のような感じの考え方ですが、よく考えたら久我が探偵役として無能でも優秀すぎても成り立たず・・・ あえて気に入らない点を上げるとすれば、由梨江殺害役が雨宮をがやっていること。ただ、これも、犯人がこれからの被害者に犯行を依頼するという、この作品でないと見られないような変わった光景がみれるという意味ではすばらしかったです。 |
No.79 | 7点 | ねここねこ男爵 | |
(2018/03/25 12:33登録) おー、これは面白い! 手記=隠蔽工作が普通ですが、本作はそんな手垢のついた手法はとらずそれでいて衝撃成分はしっかり確保。犯行シーンを克明に描写したり、視点が頻繁に入れ替わったり…これらがちゃんと意味を持っている。 導入や人物の行動がややご都合な感もあるが良く出来ていて素晴らしい。 仮面山荘と比較されてる方が多いようで、たしかにその誘惑にかられるとは思います。 仮面山荘は(東野ファンではない自分から見ると)とても東野圭吾的で、あれこれツッコまず仕掛けの大枠やお話を楽しむもので、本作はストーリーや人物はやや弱いもののミステリ部分がしっかり作り込んであり(ツッコミたい所が皆無ではないが)、その完成度を楽しむものかと。自分はこっちが好みです。 |
No.78 | 6点 | take5 | |
(2017/03/11 22:32登録) いきなりのネタバレですが、 人称の叙述トリックとして、とてもよく考えられている作品です。 場面設定はよくあるクローズドサークルですが、事件の背景にある悲しみはよく描けているので良かったです。 |
No.77 | 7点 | tider-tiger | |
(2017/03/04 15:50登録) 作り物めいたところのある作品だが、私はその作り物感がいい方向に作用していると思う。 とにかく設定がいい。雪なんかどこにもないのに雪の山荘に閉じ込められる、電話があるのに助けを呼べない、こんなおかしな状況に登場人物らが追い込まれるのだが、ぜんぜん不自然ではない。理由づけがしっかりしている。ゆえに殺人事件が本当に起きたのかどうかを推理する愉しみが増す。下手なクローズドサークルよりもクローズドでドキドキワクワク感がすごい。 最初のうちは二人組での行動などあったりもして、読者である私はおいおい危ないなあと思ったのだが、登場人物たちは呑気なものである。登場人物と読者の感じ方にそういうギャップがあると白けてしまいがちだが、本作はそういうギャップが愉しいのだ。 序盤、中盤はとても良かった。終盤は意表を衝かれはしたが、動機にやや強引さがある点(正確には動機そのものではなく、動機が生ずるまでの流れ)、ラスト数頁の雰囲気があまり好みでないことなどあってやや評価を落とす。が、かなり面白かった。 この人は人間ドラマを強調しない作品の方がいいと思う。また、あまり売れなかったのかもしらんが、初期作品の方が作者の持ち味が出ているように思える。 直木賞受賞までのくそ無駄な道のり(本人に罪はない)のせいで持ち味を削られていったような気がする。バカミスな方向に突き進んだりしても面白いのでは。 ※『白夜行』や『容疑者X』を最近になってようやく読んだ自分がこんなことを言うのもなんですが、『秘密』や『白夜行』がダメで『容疑者X』で合格という直木賞の選考基準がよくわからない。 |
No.76 | 8点 | 斎藤警部 | |
(2016/12/29 01:39登録) ある山荘に、特別な目的(練習)のため閉じ込められた劇団員七人(クローズドの必然性有り)。 殺人劇(本作)中殺人劇(劇団員達が演じる)が連続。ところが、殺人劇なのか本当の殺人なのか判別出来ない事件が発生。なお七人を手紙で呼び出した筈の演出家は最初から不在。。。。 私の大好きな高級推理クイズ集『新・トリックゲーム』に似たようなシチュエーションのクイズがあった筈だが。。まさかそこからインスパイアされてたりして。。 とにもかくにも面白さ爆発の一冊。●されたとか○されたとか怒っちゃ詰まらん。愉しもう。 |
No.75 | 5点 | nukkam | |
(2016/07/09 22:57登録) (ネタバレなしです) 1992年発表の本格派推理小説ですが作者自身のコメントで「本格推理のイミテーション」を目指したとあるようにかなり風変わりなプロットとなっています。ミステリ劇の舞台稽古という設定が非常に巧妙で、登場人物の不自然な言動があっても稽古だからあり得るかもという説得力を持たせています。それでもあまりに「作り物めいた」雰囲気は好き嫌いが分かれるかもしれませんが。 |
No.74 | 8点 | パメル | |
(2016/01/15 20:37登録) 一人また一人メンバーがいなくなっていくのは本当に演出家の指示で 姿を隠しているのか?稽古に乗じた殺人が行われたのか? 残ったメンバーが疑心暗鬼になっていく過程が面白い 実際は良い天気なのにオーディションという前提の為嵐の山荘状態で外に 出られないという設定の発想はお見事としか言いようが無い |
No.73 | 8点 | 風桜青紫 | |
(2016/01/15 01:56登録) かなり衝撃的な作品だった。クイーンの『十日間の不思議』を読んだ頃から、神の視点による描写には神経質になっていたし、(後の作品だけど)『白夜行』で桐原が偽名をなのるときの記述にも不満を持っていたので、こんな落とし方をしてくるとは完全に予想外だったわけである。『十字屋敷のピエロ』ではうまく決まってないように見えたメタトリックがこんなところで鋭い切れ味を持つとは。作品自体はなんともぎこちない出来だが、アイデアの鋭さがそれを埋め合わせた結果といえるだろう。『仮面山荘殺人事件』に続き、クローズドサークルがトリックを支える構成がよく出来ている。しつこい生理ネタや貴子の乳など、せこいスケベ描写も初期の名残として楽しめた。東野圭吾の本格ミステリではこれがベスト。 |
No.72 | 8点 | ニックネーム | |
(2015/12/13 11:31登録) 仮面山荘殺人事件と似ていますが、後味はこちらの方が良いです。 |
No.71 | 6点 | CHABI | |
(2015/08/06 22:27登録) 同じ手をあえて2度使うところに氏の凄さを感じました。 こういうオチなので当然のことですが後味は良い作品です。 |
No.70 | 6点 | ボナンザ | |
(2014/04/08 01:50登録) オチはお涙ちょうだいだが、トリックのうまさはある。 ただ、驚きはそれほどないかもしれない。 2024年映画化 ドラマとしてはよくできているが(細かいところに突っ込みどころはあるが)、例の仕掛けはないも同然なので、絶対に原作を先に読むべき。 |
No.69 | 7点 | いいちこ | |
(2014/04/04 18:49登録) 動機の納得性、考え抜かれた伏線の妙、トリックの鮮やかさなど、さすがの出来映え。 ただし、よく比較される「仮面山荘殺人事件」とはプロットの堅牢さで確実に差があり、一段落ちると言わざるを得ない。 |