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ミステリの祭典

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切り裂きジャック・百年の孤独

作家 島田荘司
出版日1988年08月
平均点6.96点
書評数26人

No.26 5点 ボナンザ
(2019/12/11 11:17登録)
タイトルがダサいとか言ってはいけない。
この時期の島田荘司特有の研究成果をそのまま盛り込む、かさ増し感のある一作。ちなみにベルリンの方の描写はアンフェアギリギリだと思う。

No.25 7点 レッドキング
(2018/09/03 10:41登録)
史上名高いあの犯罪を解決するとは驚いた。ただあの事件はもう伝説を越えて神話の領域に達しつつある事象だから、合理的解決ちとシラケるかな。
※どこかで「切り裂きジャック=ジョンワトスン博士」説ての読んで個人的に大受けした

2022年追記。コナンドイルの某短編読んでて、これ思い出した。これ、6点てことないなあ・7点に格上げしちゃう。

No.24 5点 いいちこ
(2016/01/13 17:02登録)
(以下ネタバレあります)
1世紀の時を隔てたロンドンとベルリンを往復しながら、真相を解明するプロットは、傑作「写楽 閉じた国の幻」を想起させるが、真相の衝撃度や合理性、犯行のフィージビリティの点などで遠く及んでいない。
本件原因を猟奇殺人以外に求める立場であれば、5人の連続殺人が立て続けに発生し、それで殺人がストップしたことから、「怨恨」に辿り着くのはそう困難なことではない。
次に、5人もの娼婦が殺害され、性的暴行の痕跡が皆無であるとしたら、犯人が女性であることは当然想定される真相であり、警察がそれを全く顧慮しなかったとは考え難い(「ハサミ男」と同様)。
死体が切開されている理由も、猟奇殺人でないのであれば、現実の犯罪ではともかく、ミステリの世界では真っ先に疑うべき真相である。
こうした意外性に乏しい真相に対し、一方では意外性を演出するため平々凡々とした犯人像を選択したため、その動機の納得性や犯行経緯の合理性に疑問が残り、手際の異様な洗練とのギャップも激しい。
死体によって損壊の度合いが大きく相違する点も、単に犯行が露見しそうだったためという褒められない結論。
一方で、犯行動機や犯人の人物像に対する掘り下げも弱く、サスペンスとしての盛り上がりもいま一つ。
題材の選択や目の付け所が興味深く、5点の評価としたが、ワンアイデアに賭けた作品でありながら、そのアイデアが弱く、これ以上の評価は付けられない

No.23 6点 TON2
(2012/12/25 19:21登録)
文春文庫
 1888年にロンドンを恐怖に陥れた切り裂きジャック事件とうり二つの事件が1988年の西ベルリンで起きます。この事件を通して、切り裂きジャック事件の真犯人像に迫ります。

No.22 8点 蟷螂の斧
(2012/02/24 20:23登録)
服部まゆみ著「一八八八切り裂きジャック」と比較しながら読んでみました。本作品の1888年ロンドン編の真相のアイデアは秀逸で妙に納得してしまいました(笑)。1988年ベルリン編は登場人物が少ない割にうまく犯人を処理(隠匿)していると思います。猟奇的で陰鬱な事件を扱っていますが、クリーン・ミステリ氏の登場で雰囲気を和らげており、読後感は悪くはないです。

No.21 6点 E-BANKER
(2012/02/10 23:13登録)
伝説の猟奇殺人鬼「切り裂きジャック」の謎解き(?)に取り組んだ意欲作。
実は影の「御手洗モノ」では・・・

~初秋のベルリンを恐怖のどん底に叩き込んだ、娼婦連続猟奇殺人。喉笛を掻き切り、腹を裂き、内臓を手掴みで引き出す陰惨な手口は、19世紀末ロンドンを震撼させた高名な迷宮入り殺人・切り裂きジャック事件と酷似していた。市民の異様な関心と興奮がつのる一方で、捜査は難航を極めた。やがて奇妙な人物が捜査線上に現れた・・・百年の時を隔てた2つの事件を完全解明する長編ミステリー~

「企み」としては面白い。
狂気以外で人間の体をここまで切り裂く理由を「合理的に」考えるのなら、まぁこういう所に落ち着くのだろうなというのが率直な感想。
本家の「切り裂きジャック事件」に対する考察は、もちろんフィクションなのだが、こういう安手のドラマのような展開に仕立てたところがちょっと微妙な感じ。
(どこまでフィクションで、どこまで事実なのかがよく分からん)

で、ベルリンの方の部分なのだが、「動機」的にはちょっと弱いよなぁー。
ロンドンの方は100年前ということで、まだ信憑性が保てているが、今の世の中でこの動機でここまでする奴いるかなぁ・・・?
ロジック的には納得したのだが、やっぱり心理的には抵抗のある真相だろう。

全体として、作者初期の作品としてはやや小粒にまとまりすぎたかなという印象が残った。
(やっぱり、最後に登場する「東洋系の人物」が御手洗なのだろうか)

No.20 4点 ムラ
(2011/02/14 07:38登録)
物語の雰囲気なりジャックの正体は楽しめた。
しかしちと道筋が強引な上にあざと過ぎるんじゃないだろうか。
青ペンキの部分とか特に。

No.19 5点 まさむね
(2010/10/14 20:23登録)
1888年ロンドン編における切り裂きジャック事件の新解釈は,文句なしに面白かった。
でも,その百年後,1988年ベルリン編は,ロンドン編とのリンクというよりも,「こじ付け」の感が拭えなかったなぁ。
勿論,両者並行で語ることで,味わい深くなっているので,ロンドン編・ベルリン編を分けること自体が筋違いなのでしょうが,敢えて分けるとすれば,雰囲気を含めてロンドン編に軍配。

No.18 8点 seiryuu
(2010/09/10 16:30登録)
表紙とタイトルをみて苦手だと思ったけど
読んだら面白かった。
再読してしまった。

No.17 6点 yoneppi
(2010/05/04 19:28登録)
島田ならではの作品だし御手洗ファンとしても楽しめた。ただ、採点の高さにはちょっと驚いたけど。

No.16 7点 だい様
(2009/10/05 10:41登録)
頁数が少ないせいもあるが物語に切れがあり非常に読みやすく楽しめました。
クリーン・ミステリって…(笑)

No.15 9点 シュウ
(2008/12/03 00:03登録)
正直僕は切り裂きジャックに関してはほとんど知識を持っていないのでこの本で語られていることが実際の真相なのかは想像もつかないのですが、
魅力的な解決に納得しました。かなりありそうな動機だと思いますし。でも謎解きよりも雰囲気を味わう作品ですね。
前半の退廃的で陰惨でロックな雰囲気がクリーン氏の登場でいきなりコメディになってしまうのでそのギャップに笑えました。
ラストは現代のベルリンが舞台なのにまるでシャーロックホームズ譚を読んでるような気分になりました。

No.14 9点 zedd
(2008/11/10 03:21登録)
出版された当初、かなりハマって友人に勧めたもんだが・・・再読したらどうだろう??でもかなり面白いとは思う。

No.13 7点 kowai
(2008/05/31 20:19登録)
何でクリーンさんが?まぁ、お遊び要素でしょうが。。読んだ同じ時期にジョニー・デップの映画も見てたせいで、謎解きに違和感が。。。それでもこの解釈も納得できてしまう。だからクリーンさんが?

No.12 8点 vivi
(2007/07/14 19:46登録)
切り裂きジャックものって、陰惨な猟奇的事件という扱いの関連書が多かったけど、
(あるいはジャックの苦悩もの、悲恋もの)
これは完全に本格ミステリ。
あの有名な事件を、あくまで本格に料理する島田氏の腕の冴えですね。
読了後、「あれ?」と思って読み返したところ、見事に伏線になってました。
カーネルサンダースに扮したクリーン氏の登場は、サービスかな。

No.11 8点 KAM
(2005/08/03 03:03登録)
これを読んだ頃、私は「島田中毒者」だった。「島田ならなんでもいい、御手洗でなくてもいい、よこせ〜」てなもんだった。読んで驚き。これは御手洗ものではないか! 最後まで気付かなかったけど。
いままで、御手洗が出てくるから面白い、とめちゃくちゃなことを思っていたけど、これを読んでその考えは改めた。やっぱりこの人は凄いと思う。なにを書いても面白い。そして毎回思う。島田荘司って博識だよなあ。

No.10 7点 Tetchy
(2005/07/30 22:44登録)
島田流切り裂きジャック事件解明については楽しめました。かなり斬新な理論だと思います。
本作はミステリというよりも物語として純粋に面白かった。
ただ「クリーン・ミステリ」なるネーミングの情けなさに脱力。

No.9 9点 ウエストウッド
(2004/10/25 17:18登録)
切り裂きジャックものの最高作

No.8 7点 豚茶
(2004/05/28 21:06登録)
御手洗ファンなら読んどけ的な作品。ものすごい驚きはないものの、それなりに楽しめる。

No.7 7点 日影門
(2003/08/27 23:41登録)
 個人的には、本作品と「占星術殺人事件」「暗闇坂の人喰いの木」は同点です。
 おのおの一長一短はあるけど、この「切り裂きジャック・百年の孤独」は切れ味ということで印象に残る作品となりました。これに近い驚きを与えてくれたのは、綾辻行人の「時計館の殺人」ですかねえ。
 服部まゆみ氏のジャックものも面白いんだけど、どちらかというと時代小説の面白さのように感じました。

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