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ミステリの祭典

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魔法飛行
駒子シリーズ

作家 加納朋子
出版日1993年07月
平均点7.21点
書評数19人

No.19 4点 ボナンザ
(2014/06/12 02:18登録)
どの短編も日常の謎を扱っているが、ややインパクトには欠ける。
最後のハロー・エンデバーでそれまでのつながりを見せるが、山田風太郎の同一傾向作品とは比べものにならないほどとってつけたよう。

No.18 6点 りゅう
(2011/07/17 15:21登録)
 日常の謎を扱う、「ななつのこ」の続編。主人公の入江駒子が日常生活で経験した謎を私小説風に作品化し、それを読んだ瀬尾さんが手紙で感想を伝えるとともに謎の解決を示し、さらに正体不明の人物から謎の手紙が届くという構成。シンプルな謎で、謎の解決自体に意外性はありませんが、それだけに現実味があって無理のない解決がなされています。比喩表現が巧みな叙情性のある文体やストーリーには好印象を持ちました。読んでいる最中は、謎の手紙を送ってきた人物が誰なのかが気になりました。


(完全にネタバレをしています。要注意!)
「秋、りん・りん・りん」
 駒子の小説の中で、「井上美佐子」なる人物が「茜さん」を指しているのか、3人組の一人を指しているのかがわかりにくい部分があるのが気になりました。また、学食がセルフサービスであることを知らない人はほとんどいないのではないでしょうか。さらに、大学の講義でテキストを使わない授業は少ないので、謎の部分はテキストを持っていないことで判明してしまうと思いますが。
「クロス・ロード」
 主たる謎の部分に関しては、最近似たような話を読んでいたので、気付くことができました。
「魔法飛行」
 メッセージの伝達方法については、瀬尾さんとは違う2つの方法(釣り糸を使ってメッセージを書いた紙を釣り上げる方法、手話ないしは手旗信号による伝達)を考えていました。それよりも、野枝がペンライトを使ってやろうとした事に感心しました。
「ハロー、エンデバー」
 謎の手紙を送ってきた人物が明らかになります。
 2通目の手紙まで読んだ時点では、この人物は「茜さん」であって、さらに少年の轢き逃げ犯であると思っていましたが、3通目を読んだ時点でわからなくなりました。瀬尾さんの推理はちょっと飛躍しすぎているとは思いますが。 

No.17 7点 isurrender
(2011/07/10 00:41登録)
全体的にミステリとしては前作よりロジカルで良い
でも、それ以外の面白さや雰囲気は前作のが好みでした

No.16 6点 E-BANKER
(2011/05/22 20:14登録)
前作「ななつのこ」に続く、「駒子シリーズ」の第2作目。
本作もやはり「加納朋子」ワールド全開の連作短編集。
①「秋りん・りん・りん」=複数の名前を持つ美しい女子大生に纏わるちょっとした謎。瀬尾さんも言ってますが、男性にとってこういう女だけの世界って、まさに"ワンダーランド”ですねぇー。
②「クロス・ロード」=街中の十字路でひき逃げに遭った一人の少年。幽霊の正体は「彼」なのか? 徐々に骸骨化していく「絵画」の謎。
そうか、確かにそういう画法ってあったような気がする。
③「魔法飛行」=懐かしいね「糸電話」! 最近の子供も知ってるのかな? 卓見クンと野枝さんの関係もなかなか微笑ましい。
④「ハローエンデバー」=エンデバーって、一昔前のスペースシャトルの愛称。①で登場した謎の女性も再登場。
以上4編。
本作は、駒子が書いた物語を瀬尾に送り、それに対して瀬尾が感想&謎解きを行うという趣向をメインに、「謎の手紙」が絡まる展開。
「ななつのこ」と同じく、最終編で連作の謎が明らかになるのですが・・・なんかちょっと分かりにくい、というかパズルがきちんと当てはまらないような感覚。
ということで、前作よりはちょっと落ちるかなという印象です。
ただ、好きですけどね。たまにはこんな作品を読んで、ほのぼのした感覚になるのもいいもんです。
(やっぱり③が一番いいね)

No.15 6点 白い風
(2010/09/02 18:43登録)
「ななつのこ」に続いて読んでみました。
個人的には前作の方が好きですね。
”魔法飛行”を筆頭にミステリ度より恋愛度が高まった感じだね。
続いて「スペース」も読むつもりです。

No.14 9点 文生
(2010/01/20 13:02登録)
短編単体での謎は軽めだが、それぞれに貼られた伏線が最後にひとつに繋がっていく構成が見事な連作ミステリー。
ヒロインを始め、登場するキャラクターが魅力的でそれが美しいラストシーンをより際立たせている。
日常系ミステリーでは一番好きな作品。

No.13 9点 あるびれお
(2009/06/13 05:24登録)
先に他の方も書かれていますが、有栖川さんの解説が素敵ですね。作品自体ももちろん楽しませてもらったので不満はないのですが、この解説を読まされたら買いたくなります。

No.12 6点 江守森江
(2009/05/22 15:18登録)
シリーズ物としては楽しめるが前作ほどではない。
ミステリとしては微妙な感じもする。

No.11 6点 VOLKS
(2008/03/27 22:18登録)
瀬尾ファンとしては、1作目「ななつのこ」よりインパクトが薄いか・・・。心温まるミステリィという地位を、デビュー作に続き確実にしている。

No.10 9点
(2004/10/01 07:44登録)
 「ななつのこ」よりも先に読んでしまいましたが、単体でも満足できました。おかげで瀬尾さんって誰?という謎を抱えてしまいましたが…。
 それも含めて、伏線の張り方や最後に集束していく感嘆を味わうことができました。
 ただ、1番のサプライズは、前作があったんだ!ということでした(馬鹿)。

No.9 8点 なの
(2004/09/27 16:50登録)
暖かく、春の陽射しの中でまどろんでいるような作品集です。
・・・実際の舞台は秋から冬なんですけど(笑)
何と言っても主人公・駒子が自然体で、見ていて清々しい限り。
終章に向けての伏線の収束具合は流石です。
でも皆さんが仰る通り、瀬尾さんの影が薄い・・・。

No.8 6点 884
(2003/12/22 11:51登録)
 ななつのこ、の続きです。より駒子の周辺にスポットが移ってますが。
 瀬尾さんの性格が『ななつのこ』よりますます希薄になっていて残念です。

No.7 6点 ハッチ
(2003/10/09 22:17登録)
「ななつのこ」が未読なので、ひょっとしたら順番通りに読んでいたらまた違った感想になるのかもしれない。全体的にふんわりした印象でゆっくり読めました。

No.6 8点 shige-tee
(2003/06/14 12:06登録)
 柔らかい世界観で、暖かいミステリー。
 基本的にミステリーというと負のエネルギーの塊みたいな話が多いから、たまにはこういう暖かみのある話を読むのもいいものだ。

No.5 9点 ギザじゅう
(2002/10/12 23:58登録)
伏線の張り方がいい。最後で全てが上手くつながるのがとても気持ちいい。
『魔法飛行』が一番楽しめた。

No.4 9点 寝呆眼子
(2002/08/29 12:50登録)
作品のデキも良い(8点くらい?)と思いましたが、有栖川氏の解説で1点プラスです。

No.3 7点 美来
(2001/11/28 13:04登録)
前作、「ななつのこ」の続編ということで、主人公の成長が顕著。というか、冷静に物事を見つめようとするあまり、
文章が面白くなくなってしまったのが残念。

No.2 9点 しゃん
(2001/11/24 12:43登録)
読んでいて、主人公の成長していく姿が気持ちが良かったです。

No.1 7点
(2001/04/25 03:13登録)
伏線の張り方が見事。
ラストに向ける加速はすごいと思います。
表題作の「魔法飛行」が一番好き。

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