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ミステリの祭典

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鬼面村の殺人
黒星警部シリーズ 旧題『鬼が来たりてホラを吹く—鬼面村殺人事件』

作家 折原一
出版日1989年03月
平均点6.38点
書評数16人

No.16 6点 ミステリ初心者
(2019/08/19 20:58登録)
ネタバレをしています。

 とても明るいキャラクターたちが、非常に読みやすい作品でした。主人公の黒星警部、相方の虹子は魅力的でした。
 メインのトリックは、建物が消失するという大掛かりなもの。あとは小粒目の密室が2つ。大がかりなものだと、やはり大人数で行わなくてはならず、馬鹿ミスの香りが漂います(笑)。黒星と虹子の主観が入れ替わり、読んでいると別々の位置にいることをわかりにくくさせるミスリードが良かったです。

 以下、不満点。
 別作品のネタバレはやめてほしいです。ビニールハウスの密室は私の盲点で、はっとさせられましたが、これも前例があるんですね(笑)。

 黒星警部が気に入ったので、いつかまたこのシリーズを読みたいと思います。

No.15 8点 mediocrity
(2019/03/18 23:12登録)
タイトル、表紙、黒星警部シリーズという副題などから重々しいストーリーを予想していていたのだが、読み始めると意外にもコメディー色が強い。
この作品の一番の見どころは白川郷に近い町で、古民家が見事に消失する事である。この作品以前にも建物消失ミステリは数例あるようだが、やはり珍しいらしい。

<以下少しだけネタバレあり>
必要以上にバタバタしていて、このシーンは不要なんじゃないかと読みながら何度か思ったのだが、そのドタバタが必要不可欠であったとは思わなかった。
気になっていた細かい謎も解き明かしてくれた上に、ダブルのどんでん返しまであって満足です。

No.14 5点 ボナンザ
(2018/12/24 21:59登録)
叙述トリックではないものの、馬鹿ミスな大トリックを炸裂させてくれる佳作。

No.13 5点 公アキ
(2015/01/16 18:18登録)
 コミカルタッチな本格推理小説。奥飛騨の鬼面村を舞台に繰り広げられる密室殺人と建物消失トリック(五階建ての合掌造りの公民館が一夜にして消えるという)が本作のメインミステリーです。

(以下、ネタばらし有り)
 いきなりですが、残念な点がありました。「そうじゃなければいいなぁ」と頭をよぎっていたことが、真相に含まれていたのです。というのも、不可能トリックというのはたった一人の人間が、人間業とは思えないようなスケールの大きな謎を完成させるという構造に、いわゆる「トリックもの」の魅力はあるように私は思うのですが、村人全員が主人公ら二人を騙そうと動いているのでは……しかしまぁ、それでも黒星警部の推理は楽しめましたが。
 最後の最後にもう一山あったのは、だからそんな私にとっては救いでした。

(もう何年も前に読んだきりの状態でのレヴューです)

No.12 8点 蟷螂の斧
(2013/03/29 11:19登録)
著者の初期(1989年)の作品で、合掌造りの家消失を扱ったものでした。ドタバタ調で、得意の「叙述」はなかったですが、このような作品を書いていたことを発見でき収穫でしたね。横溝正史氏のパロディー化や、エラリー・クイーンの「神の灯火」(未読)のネタばれ(いいのかな?)もあり楽しめました。大どんでん返しのあとの一捻りもあり、満足です。

No.11 6点 まさむね
(2011/07/12 21:06登録)
 氏の作品を読むのは,恥ずかしながらこれで3作目。従前の印象は「私とは波長が合わない」だったのですが,この作品について言えば,良い意味で裏切られましたね。
 密室はともかくとして,建物消失トリックへの挑戦は買えますね。黒星警部と虹子記者とのドタバタ劇も悪くない。最後の連続ひねりにも好感,というか個人的にはど真ん中。
 全体的には確実に水準以上の作品だと思います。

No.10 6点 E-BANKER
(2010/12/25 23:28登録)
黒星警部シリーズの長編。
旧タイトル「鬼が来たりてホラを吹く」名のノベルズで読んで以来の再読。
~「あいつを殺してやる!」・・・黒星警部は、フリーライター葉山虹子と訪ねた鬼面村で、そう呟く異様な老婆に遭遇した。なぜか村人はその言葉に震え上がる。翌朝、奇怪な事件が起きた。5階建の合掌造りの家が、1人の男と共に一夜にして消え去っていたのだ!大消失トリック、密室殺人、驚天動地のドンデン返し!?~

本シリーズは、黒星と虹子や竹内刑事(本作では未登場)とのドタバタな絡みを中心に毎回展開されますが、プロット的には本格ミステリーの醍醐味を味あわせてくれるはず・・・
設定からすると、横溝の「悪魔の手毬歌」のパロデイ狙いに見えますが、今回のメインはあくまでも「家屋消失」トリック--
「家屋消失」については、作中でも触れられているE.クイーン「神の灯火」や泡坂「砂蛾家」、あと二階堂蘭子シリーズの短編でお目にかかったくらいで、かなり難しいプロットなのだと思います。
結局、物理的なトリックではなく、「錯誤」を取り入れた解法にならざるを得ず、本作もその線で解決されます。ただ、伏線はそれなりに張ってるのは分かるんですが、基本的に無理がある感じなんですよねぇ・・・(まぁ、これしかないかとは思いますけど)
ラストは、解決と思いきや・・・で2回ほどひっくり返されますので、その辺りはなかなか楽しめるとは思います。

No.9 6点 こう
(2010/04/07 23:24登録)
 難しい推理を披露してそれが外れて、エピローグでさらにひとひねりというのがお約束のシリーズですがミステリとしての出来不出来と関係なく結構好きです。
 パロディですので全然合わない、面白くないという方もいると思いますが個人的には楽しめました。 

No.8 6点 vivi
(2009/12/16 02:26登録)
横溝正史のファンならニヤリとする設定や場面。
この中で行われるのが、巨大な建物の消失の謎解き。
パロディではありますが、
作者の意気込みも感じる作品になってます。
黒星警部、この頃はまだもう少しまともな気がしますし(笑)

最後のどんでん返しの展開も面白かったです☆

No.7 5点 江守森江
(2009/12/02 12:00登録)
「オニが来たりてホラを吹く」がタイトルだった時に読んだ記憶がある。
タイトルは横溝「悪魔が来たりて笛を吹く」のパロディに対し、内容の一部は「悪魔の手鞠唄」のパロディ。
又、鬼面村は鮎川の鬼貫警部をパロディにしたのか、はたまた漫画の奇面組か・・・・・。
元カノが住んでいた白岡(特に白岡駅←シリーズの違う作品と勘違いしているかも?)の描写にニヤリとしながら読んだ印象が残っている。

No.6 7点 nukkam
(2009/01/19 18:08登録)
(ネタバレなしです) デビュー作の短編集「五つの棺」(1988年)(後に作品が追加されて「七つの棺」(1992年)に改訂されました)で活躍した黒星警部のシリーズ長編第1作が1989年発表の本書です(当初は「鬼が来たりてホラを吹く」というタイトルでした)。横溝正史の「悪魔の手毬唄」(1957年)のパロディー要素が強調され気味なのは本書にとって不幸なことだと思います(共通点より相違点の方が圧倒的に多いです)。家屋消失や密室などの派手な謎解きに加えて、肩透かしの結末と思わせて更にどんでん返しがあるなどオリジナリティー十分の本格派推理小説の傑作です。

No.5 6点 Tetchy
(2005/07/16 23:22登録)
黄金時代本格へのオマージュですな。『七つの棺』で登場した黒星警部が主人公の長編作。私個人としてはあまりこの警部に魅力を感じません。
最後の最後にあんな真相を用意していたのはなかなかよかった。
しかし黒星警部の見た「そのものずばり」って一体・・・。

No.4 5点 Dain
(2004/11/26 23:59登録)
まあまあ。トリックは非常に微妙。コメディタッチの文章は狙っているんだろうけど、あまり好きにはなれませんでした。

No.3 6点 ギザじゅう
(2003/11/23 21:42登録)
家屋消失は難しいからかあまり多くないので、これに挑戦したというので満足。
消失トリックも密室トリックも小粒(パロディ)だけど、多くの伏線をはっての最後のどんでん返しの連続はなかなか上手い。

No.2 8点 由良小三郎
(2002/09/16 20:47登録)
折原さんはミステリの知識の蓄積がたぶんすごいので、シンプルに作品は書けなくなっているような気がします。読者のレベルによって、この作品はいろいろな感想を抱かせる作品だと思うけれど、いくつかの作品の意識的な2番煎じをしながら、作品を成立させている、「芸」を楽しませる作品だと思います。

No.1 9点 アデランコ
(2002/04/01 15:05登録)
トリックはバカにしているのだが、コミカルタッチで読みやすく、最後にまた大どんでん返しが待っています。
笑える作品です。

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