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ミステリの祭典

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七日間の身代金

作家 岡嶋二人
出版日1986年06月
平均点5.69点
書評数16人

No.16 5点 斎藤警部
(2023/03/14 00:28登録)
ハナから違和感まみれの誘拐事件は、意外なような予想通りのような、それでも興味津々の急展開を見せ、新たな違和感が鈍痛の如くじわじわと押し寄せる。そして或る分水嶺より俄然噴き出した、不可能犯罪興味。。。。

誘拐モノと密室モノの融合へと果敢に乗り出し、だが何気に地味な展開に流れた感はあるが、密室抜け穴の逆説的趣向はなかなかの味わいだ。 

真犯人特定のタイミングが微妙に早く、何気にちょっとした 残りページ のトリックめいたものが燻り薫残したような。。気はしなくもありません。 ボイラーの修理と来たな。。

探偵役男女の演っている音楽がまるで聞こえて来ないのはチョイと残念。この二人が明るいラブコメ調なのはやはり、事件背景の陰惨さ(!!)とバランス取るためでしょうかね。お陰で楽しく読める作品に仕上がっているわけです。

No.15 5点 みりん
(2023/03/09 13:23登録)
初岡嶋作品ですが序盤から誘拐事件で緊張感があり、島からの犯人消失という魅力的な謎でグイグイ読ませる力がありました。

No.14 6点 nukkam
(2019/12/30 15:41登録)
(ネタバレなしです) この作者は誘拐サスペンスが評価高いので本格派推理小説にしか興味のない私はそれほど興味はなかったのですが、1986年発表の本書の講談社文庫版の巻末解説では全22作の長編ミステリーの内、誘拐物はわずか5作と紹介されていたのにはびっくりです。本書はその5作の1つなのですが誘拐前の場面も誘拐場面もなく、誘拐後から物語が始まります。誘拐犯からの指示で身代金を運ぶ指示を受けた人間を男女のアマチュア探偵コンビが様子を伺うという展開ですが、何と警察が監視している状況下で(私有地の)島に入った運び役が殺され、犯人も身代金も見つかりません。もっとも島を十分に探索していない段階でこれを不可能犯罪と言うのは誇大表現だと思いますが。軽快なテンポで物語は進み、誘拐被害者の安否も早々と明らかになり、後半は本格派推理小説へと変貌します。探偵役が推理を惜しげもなく披露するので犯人の正体は早い段階で読者の知るところとなり、トリック破りに重点を置いた謎解きです。まずまず楽しめる内容ですが、天才型ではないアマチュア探偵の捜査に先行されっ放しの警察、小細工を弄し過ぎのところへ偶然のいたずらが次々に重なり、よく犯行が成立したなという無理筋の犯行計画などリアリティー重視の読者にはちょっとつらい作品かも。

No.13 5点 パメル
(2016/07/02 01:19登録)
異常な人間関係と犯人の狂気に満ちた犯行に驚愕
犯人消失のトリックや密室トリックは強引な力技を使った感が否めない
犯人は想像した通りで驚きは無かったし岡嶋作品では水準以下の印象

No.12 5点 ボナンザ
(2015/04/30 20:33登録)
流石に岡嶋の十八番だけあって読ませる出来。
トリックもまずまず。

No.11 6点 E-BANKER
(2012/06/27 21:58登録)
1986年発表。男女二人組の素人探偵が活躍するノンシリーズ。
「人さらいの岡嶋」という異名をとる作者の「誘拐もの」。

~プロデビューを目指す若き音楽家カップルの千秋と要之介。ある日、富豪の後添いとなった友人から、弟と先妻の息子が一緒に誘拐されたという相談を受ける。身代金の受け渡し場所は、どこにも逃げ場のない湘南の小島。にわか探偵と化した2人は真犯人を追うが・・・。誘拐と密室の二重の謎に挑む、傑作青春ミステリー~

さすが、作者の「誘拐もの」らしく、十分水準級の面白さ。
誘拐の相手が「成人男性2名」ということからして普通の誘拐事件ではない。
2人の他にも、関係がありそうな男女1組+関係ありそうもない男性1名も同時に行方不明になるなど、中盤まではとにかく謎が謎を呼ぶ展開。

そして、主人公の女性が事件の構図を見抜いて以降は、「島」と「地下室」という二重の密室が立ち塞がる。
地下室の密室トリックはあまり感心はしなかったが(何しろ、トリックの鍵がアレですから・・・)、見せ方はやはりうまい。
中盤までの謎が伏線として、ラストは見事に回収される手練手管は作者ならではなのだろう。
(まぁ偶然が重なったというプロットがどうかという問題はあるが・・・)
真犯人の造形は確かにキモイかもなぁ・・・最後の「自白」がちょっとエグイ。

いずれにしても「人さらいの岡嶋」の名に恥じない作品なのは確かでしょう。
(個人的には「どんなに上手に隠れても」が作者誘拐もののベスト)

No.10 7点 spam-musubi
(2011/11/10 22:35登録)
「意外なものが1つあることで、2つ目もあるとは思わない」という事態に私も陥りました。全然読めなかった。
自分としては珍しく早めに犯人の目星がついてしまったが、how done itとして
楽しく読めました。ラブコメ的展開が絡むのも面白かった。

No.9 7点 itokin
(2010/11/16 09:37登録)
誘拐ものから、密室物に変わって言ったが、意外性、スピードもあり結構楽しめた。コンビの関係が少し陰湿な内容を救っている。

No.8 6点 深夜
(2009/10/06 00:07登録)
良くも悪くも2時間ドラマ的作品。トリックは面白いと思う。でも、犯人の実行力は相当ですね。

No.7 7点 シュウ
(2008/10/01 18:37登録)
確かに密室ものになってからは真相が半分明らかになり、主要登場人物も減るために犯人は分かりやすくなりますが
その分密室という新たな謎がある訳ですのでその辺は気になりませんでした。
もともと最初の誘拐事件から読者を引き込む力を感じる作品なので一気にぐいぐい読めました。
主人公カップルをはじめ登場人物が魅力的でドラマで見てみたい作品です。

No.6 6点 いけお
(2008/09/25 07:38登録)
夢中になって楽しめた。
トリックや意外性に関してはそうゆう作品ではないと思うので可。

No.5 4点 こう
(2008/07/10 23:04登録)
 展開がスピーディなサスペンスから途中から密室殺人になり首尾一貫していない所があまり好きではありません。若いカップルを探偵役にして青春ミステリ的狙いもあるのでしょうが、真相が暗すぎてマッチしていない気がします。(あまりに暗すぎるので意図的にこのカップルを配置したのかもしれませんが)犯人は疑わしい人が一人しかいないので簡単にわかるのは作風からも別に構いませんが、この狂人の書かれ方は読んでいて気持ちのいい物ではありませんでした。
 読みやすいのでしょうがあまり楽しめなかった印象です。

No.4 4点 COBRA
(2008/06/16 15:43登録)
得意の誘拐物でも無いし、犯人の意外性も無い。

No.3 6点 vivi
(2008/06/07 03:17登録)
誘拐ものかと思いきや、
途中から密室ものへと変化していき、
さいごの謎解きの場面までが結構ロジカルな展開だったのがいいです。
犯人は最初から分かっていても、
その犯行をどのように解き明かしていくかが主眼なのでOK。

探偵役の二人は、クリスティの『二人で探偵を』の、
トミーとタッペンスみたいなコンビで、
素人っぽくて好感が持てますね(^^)

No.2 6点 VOLKS
(2007/10/07 20:40登録)
ストーリー展開も犯人もありがちな内容だったので、印象としては薄い作品。でも、手軽にさくっと読める。そこがこの作者の上手いところ。

No.1 6点 Dain
(2005/02/18 00:10登録)
ほとんど会話で構成されているので、さくさく読めます。ただ真相がわかってからちとダレてしまったような気が・・・。ラストは青春しまくっててなんとなく不満。

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