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ミステリの祭典

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スイス時計の謎
作家アリス&火村シリーズ

作家 有栖川有栖
出版日2003年05月
平均点7.22点
書評数49人

No.29 7点 HORNET
(2011/01/10 19:56登録)
 他の方が書いてみえるように,表題作がやはりよいですね。純粋に論理を突き詰めて推理を進めるのが本格感があって。「あるYの悲劇」は,法月綸太郎,二階堂黎人らと競作したアンソロジーからの引用。これはこれでちょっとした読書タイムにはあり。
※ちなみに,「モロッコ水晶の謎」に収められている「ABCキラー」も,「『ABC』殺人事件」という競作アンソロジーに収録されています。

No.28 5点 ムラ
(2010/12/27 18:58登録)
王道的な本格推理でした。スイス時計の謎の他にも3っつ短編がありますね。
①あるYの悲劇:ありふれたダイイングメッセージ物、読み流す程度のトリック
②女彫刻家の首:トリックは結構好きでした。面白い。
③シャイロックの密室:短編トリックに相応しい作品。目を見張るほどでもない。
④スイス時計の謎:ロジック徹底的に推し進めて行くという感じで面白かったです。優秀な組合のキャラクターをもうちょっと書き込めば面白そうだったのに。個人的には他の短編いらないから、これを250Pくらい描きこんで欲しかった。

No.27 7点 E-BANKER
(2010/08/14 23:39登録)
火村&アリスの国名シリーズ短編集。
国名シリーズではNO.1という世間的評価ですが・・・
①「あるYの悲劇」=ダイイングメッセージもの。同じアンソロジーでの法月氏の作品が思い浮かびますが、法月作品よりも数段落ちる印象。
②「女彫刻家の首」=同じく法月氏の「生首に聞いてみろ」が思い浮かぶ趣向。こちらも数段落ちる。
③「シャイロックの密室」=倒叙形式。うーん、まぁ普通。
④「スイス時計の謎」=クイーンばりのロジック大爆発の作品。巻末のあとがきでも書いてますが、まさにドストレートな本格推理小説でしょう。短編集の中の1編なのがもったいない気がしてなりません。(その分、無駄な表現が削ぎ落とされてるのかもしれませんけど)
というわけで、他の書評者の方と同様、極論すれば表題作だけ読めればいいかなということで・・・

No.26 5点 seiryuu
(2010/08/05 23:36登録)
「スイス時計の謎」だけ面白かった。
ほかの短編はイマイチに思えた。

No.25 6点 STAR
(2010/04/16 15:49登録)
一定のレベルが保たれた短編集だと思います。通勤の電車内なので、気楽に読めてそれなりのものなので、よかったです。

●「あるYの悲劇」は名前の件は無理やりという感じで。4つの中でこれが一番低い評価です。
●「女彫刻家の首」は最後にちゃんとオチもあるし、短い中でうまくまとめられています。
●「シャイロックの密室」
密室は好きではないけれど、これはわかりやすいトリック」だと思います。
●「スイス時計の謎」
一度読んだときは「え?」という感じだったが、読み直したら、「なるほど、論理的」と思いました。

No.24 10点 りゅう
(2010/02/16 13:08登録)
 評価点は、表題作のみによるもの。表題作以外の3作は、短編推理としてみた場合に可もなく、不可もなくといったレベルだと思う。しかし、この4作を平均して評価点数を下げ、表題作のような傑作を埋もれさせてしまうのは勿体ないと思ったので、あえて表題作のみで評価を行った。
 スイス時計を題材に、このような素晴らしいロジックを構築した作者の発想力に感心。論理の積み重ねによって、犯人を特定していく場面には興奮した。
 あえて、重箱の隅をつつくような疑問をあげると、火村が有栖に対して、神坂と三隅の時計の裏蓋にイニシャルが入っているかどうかを確認するよう依頼する場面があるが、このことは推理する上で必ずしも必要な事項ではないと思う。

No.23 6点 E
(2010/02/14 19:26登録)
表題作は本当に理路整然としていて唸ってしまいました。
色々なミステリー短編集で面白いです。

No.22 6点 frontsan
(2010/01/15 14:21登録)
表題作だけだったら7点ですが、ほかがイマイチだったので6点。表題作は、むしろもう少し長くして長編にしたほうがよいと思う。

No.21 6点 江守森江
(2009/09/09 10:38登録)
表題作が他のデキの良いネタと併せて「双頭の悪魔」的長編か、又は他の収録作を厳選していれば「葉桜〜」が評価の割れる作品だっただけに本格ミステリ大賞を受賞出来たと思う。
そうなれば、以降に書かれた有栖・歌野・三津田の作品は今と違ったかもしれない・・・。
「あるY〜」は現・大阪府知事(橋下)オチに、「女彫刻〜」は聞き違いに苦笑しただけの作品だった。
「シャイロック〜」のトリックは清張「砂の器」で映像化されないトリック並みでパッとしない。
唯一、表題作は論理的フーダニットを楽しめた(読者挑戦を付して欲しかった)
しかし、地味でも推理の筋道はロジカルで読み応えがあっただけに、有栖の心情を削り論理パズルに特化した短編か、上記した様な長編ならと思え、中途半端な長さが惜しまれる。
短編集として評価するなら水準レベルの域を出ない。

No.20 9点 測量ボ-イ
(2009/05/17 10:31登録)
これは良かったです。多くの方が指摘するように、表題作
は氏の短編でベストの作品かも。
本編の内容を膨らませて長編に出来なくもないですが、そ
れを敢えてしなかったところもポイント高いと思います。

No.19 6点 こう
(2008/11/24 02:31登録)
 「あるYの悲劇」は個人的には好きではありません。クイーンもそうですが有栖川有栖もダイイングメッセージの作品は一貫して出来が悪いと思います。(月光ゲームも作品としては好きですがダイイングメッセージの部分はあまり評価していません)有栖川氏もクイーンのダイイングメッセージには批判的だった印象がありますがそれにしてはそういう作品が多いのが不思議です。
 「スイス時計」は展開されているロジックは地味だと思いますが良くできていると思います。ただ現実的には証拠として弱いと思いますし反論可能だとは思いますがこういう世界で火村作品は展開してほしいです。 

No.18 7点 sai
(2008/11/23 17:45登録)
国名シリーズは個人的にはずれが多いが、これは読み物として結構楽しめた。ミステリとしては表題作がクールでスタイリッシュでエキサイティング(笑)ロジックがね。ほかは、イマイチ。でももうおなじみのイマイチさで結構好きになってきた。

No.17 6点 マニア
(2008/09/18 00:12登録)
表題作は傑作の名に値するが、他の3作は小粒な感じ。

「あるYの悲劇」は単なるダイイング・メッセージの謎解きで終わらないところが面白い。でも名前の件は・・・。
「女彫刻家の首」は首切断ミステリとしてはオーソドックス。てか、ありきたりすぎ。
「シャイロックの密室」は犯人視点とアリス視点が入れ替わる構成は好き。ただ、これも密室ものとしてはありきたり。
「スイス時計の謎」は質の高いロジックを味わえる作品。分かりそうで分からない、しかし言われてみれば謎が一気に雲散霧消!あんな鋭いロジックで追い詰められたら、犯人は蛇に睨まれた蛙状態でしょう。

No.16 6点 シーマスター
(2008/06/25 23:59登録)
4作からなる中短編集だが前2作は既出のアンソロジーからの再掲載で、しかも両者ともそれぞれの中でせいぜい△という代物だから、それらの既読者にとってはお買い損感が否めない気もする・・・・・が表題作でしっかり元を取ってくれる。

・「あるYの悲劇」・・・論理性も必然性も全くなし。命尽きる時に意に反して上には戻らんと思うよ。 「名前」も・・・どうでもいいね。
・「女彫刻家の首」・・・無数にある首切り(首無し)ミステリのテーマは全て「なぜ切断したか」であるが、本作も「こんなんもあるよ」という一例を呈示してみた作品。
・「シャイロックの密室」・・・これも密室の作り方としては平凡。
・「スイス時計の謎」・・・皆さんおっしゃるとおり、ロジックの美しさが際立つ秀作だが、個人的にはこの内容で160ページは長いと思う。法月の「都市伝説」ほどにとまでは言わないが、せめてこの3分の2ぐらいに凝縮して頂いたらもう少し切れ味鋭い印象になっただろう。(作者が謎解き以外にも言いたいことがあったのはわかるけど)

何はともあれ全作読みやすいので、手軽なミステリ短編集としてはお薦めできる。

No.15 7点 深夜
(2008/04/03 16:20登録)
「あるYの悲劇」これは微妙。山○って。5点。
「女彫刻家の首」オチも付いてるし良質な短編という感じ。7点。
「シャイロックの密室」トリックは絶対わからないような気がするが、一番面白く読めた。8点。
「スイス時計の謎」完成度の高い中編といった感じ。皆さんの言われるとおりロジックの美しさを感じます。9点。

No.14 9点 殿一気
(2008/03/05 23:44登録)
短編集のランキングでもあれば、上位入選は確実ですね。表題作はホントお見事でした。国名シリーズでは最も面白い作品ではないでしょうか。

No.13 9点 あい
(2008/02/29 23:12登録)
表題作は良く練られてる。表題作に敬意を表して9点

No.12 8点 ElderMizuho
(2008/01/19 17:55登録)
これぞ本格。ボリュームは中篇だが中身の濃さは長編に匹敵するものがある。
おそらく他の作家なら無駄な世界観などを追加して長編にするのではないか。
無駄を徹底的に絞り込み正面から堂々挑んだ著者に敬意を表したい。

No.11 9点 白い風
(2008/01/16 20:13登録)
トリックと云うよりも探偵火村のロジックの面白さが極み。
読破後、もう一度振り返りそこまで考えに至らなかった自分にちょっとガッカリ。
中編作品と云うのも無駄な所が剃り落とされて好感。

No.10 7点 いけお
(2007/12/19 01:20登録)
ここまで短編集を素直にいいと思えたのは初めて。
論理的な作者の作風が凝縮されていた感じ。

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