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Tetchyさん
平均点: 6.73点 書評数: 1567件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.47 9点 暗闇坂の人喰いの木- 島田荘司 2005/08/04 21:51
みなさん触れてませんが、これって題名からして横溝正史へのオマージュ作品ですよね(当たり前すぎてあえて触れなかった!?)?
しかしペイン氏の地下室は乱歩のエログロ趣味の系譜だし、島田氏はこれを以って二大巨匠と肩を並べようとしたのかな。
この作品から重厚長大な御手洗シリーズが幕を開けるわけで、自分としては本格ミステリ作家島田荘司の幕開けというよりも物語作家島田荘司の始まりのような印象を持ちました。

No.46 7点 御手洗潔のダンス- 島田荘司 2005/08/03 21:59
みなさんと同じく「ある騎士の物語」がセンチメンタリズム溢れてよかったです。
『異邦の騎士』以降、島田氏は「異邦」と「騎士」の二字熟語を頻繁に使っているような気がします。
今回読んだのは2回目なのですが、正直いささか荒唐無稽な内容だなぁと思ってしまいました。

No.45 9点 奇想、天を動かす- 島田荘司 2005/08/01 23:53
今回はとても痛い話でした。あの老人の生涯が余りに痛々しいです。救われませんね。最後に故郷に妻がいるという衝撃は悠久の心痛を想起させます。テクニックと云えばそれまでだが、やはり最後は微笑みたい。
こういう哀しい話に弱いんですよね〜、私。
奇想の部分は相変わらずの剛腕ぶりで島田健在!!って感じでよかったです。
ただタイトルはこの物語を表しているのではなく、島田の持論をこの作品を持って証明しましたよと宣言しているように思えるのですが。

No.44 7点 切り裂きジャック・百年の孤独- 島田荘司 2005/07/30 22:44
島田流切り裂きジャック事件解明については楽しめました。かなり斬新な理論だと思います。
本作はミステリというよりも物語として純粋に面白かった。
ただ「クリーン・ミステリ」なるネーミングの情けなさに脱力。

No.43 10点 異邦の騎士- 島田荘司 2005/07/30 22:37
わが読書人生永遠のベストです。ミステリを読んで初めて本を読むことの素晴らしさを知った小説です。
通算3回ぐらい通読しており、読むたびに当初の感動は薄められてしまってますが胸に残るあの独特の想いは確かに在ります。
大学のときに初めて読んだときの感想を見ると「俺の良子はどこにいる?」でした(笑)

No.42 6点 御手洗潔の挨拶- 島田荘司 2005/07/30 22:24
私にとって初の島田体験となった短編集。大学の講義中に読んだ記憶があります(^^ヾ
この中では「疾走する死者」が印象に残ってます。荒唐無稽なトリックは十分に納得できたわけではないのですが、やはり御手洗の演奏シーンの素晴らしさに血沸き肉躍りました。だからミステリでというよりもそれら他の部分で評価しています。

No.41 7点 斜め屋敷の犯罪- 島田荘司 2005/07/30 22:17
このトリックで本当に上手くいくのか疑問に思ったのはやはり天狗面の部屋のところですね。あと皆さんおっしゃるように花壇の模様はあまりにも解り過ぎて何か他の意味があるのか勘繰り過ぎたくらいでした。
これも『占星術〜』と同じく犯人は解ったものの、トリックは解りませんでした(っていうか、解った人いたの?)。
あと『占星術〜』に比べ、文章が下手になってません?

No.40 10点 占星術殺人事件- 島田荘司 2005/07/30 15:36
初めて読んだのは大学1年生のときで今から十数年前。
あのときの驚愕は今でも鮮明です。
この作品から私のミステリ読者人生が始まりました。
だからこの点数以外、あり得ません。
色々盛り込まれたガジェットも本格ミステリには必要な要素だと思います。
皆さんのコメントにある『金田一少年〜』はまだ連載されていないときにこの作品を読んでいましたから、逆にマンガでメイントリックが使用されていたのを見て激怒しました。あの事件を扱った金田一少年の単行本は絶版にすべきですよね?

No.39 9点 空飛ぶ馬- 北村薫 2005/07/26 21:58
ミステリをあまり読んでいない人に「何か面白い本、ない?」って訊かれるとこの本をまず勧めます。そんな本ですね。
読んだ当初、一番びっくりしたのはやはり作者が男だったっていう事。これが一番のどんでん返しだった。

No.38 3点 丹波家の殺人- 折原一 2005/07/16 23:29
内容は2時間サスペンスドラマの域を越えない陳腐なもの。
犯人、というか事件の黒幕的存在も途中で判ったし、それも戦慄を憶えさせるような余韻を残す内容ではない。
どんでん返しがどんでん返しになっておらず、ミステリに日頃触れない人たちならばある程度満足できたであろう内容だ。

No.37 3点 「白鳥」の殺人- 折原一 2005/07/16 23:26
典型的なノベルス・ミステリで火曜サスペンス劇場もしくは土曜ワイド劇場、金曜エンタテインメントの2時間ドラマの題材に使われる類いの作品。
暇つぶしに読むには最適。

No.36 6点 天井裏の散歩者 幸福荘殺人日記- 折原一 2005/07/16 23:24
管理人の苗字の仕掛や最初の登場人物の名前のアナグラムにも甘いところがあり、思い通りの結末に収まったというのが正直な感想。

No.35 6点 鬼面村の殺人- 折原一 2005/07/16 23:22
黄金時代本格へのオマージュですな。『七つの棺』で登場した黒星警部が主人公の長編作。私個人としてはあまりこの警部に魅力を感じません。
最後の最後にあんな真相を用意していたのはなかなかよかった。
しかし黒星警部の見た「そのものずばり」って一体・・・。

No.34 5点 七つの棺- 折原一 2005/07/16 23:19
作品としては使い古されたトリックの応用編みたいなもので新規さは感じられないが、水準を保った安心作ではある。

No.33 7点 倒錯のロンド- 折原一 2005/07/16 23:15
この作品は是非乱歩賞受賞させたかったですなぁ。
恐らく受賞されたら末代まで語られるほどの作品になったでしょうから。
洒落っ気というのはやっぱ必要でしょう。
そのせいで最後のトリックが宙に浮いてしまい、いわば作品としては未完成なのだから。

No.32 5点 倒錯の死角−201号室の女−- 折原一 2005/07/16 23:10
このシリーズの特色は結局登場人物皆が狂気の底にどっぷり浸かってしまう不気味さにある。
その狂気が故に引き起こる事の真相を受け入れるか否かで折原作品の是非が決まるのだ。私の評価としてはどちらかと云えば非に傾いた中立の位置である。
やっぱりどうにも母親がいくら若く見えるからといって娘に見えるかってところがどうしても引っかかる。
今までの人生でそんな女性に逢った事がない。
文体のねちっこさは作者らしくてよかったが。

No.31 6点 灰夜 新宿鮫VII- 大沢在昌 2005/07/10 01:34
公安がらみの事件になるとどうも私は思考が停止してしまうきらいがあるようで、本作も作者が意図した疾走感がその部分になるとノッキングを起こしてしましました。
ただタイトルは正にこれしかないという感じでしたね。

No.30 10点 風化水脈 新宿鮫VIII- 大沢在昌 2005/07/10 01:31
新宿鮫シリーズの到達点というべき作品です。
『屍蘭』では物語の静かさが仇になった感がありましたが、これは逆に成熟したワインのような芳醇感をもたらしました。
読書の愉悦を心ゆくまで味わった次第です。

No.29 7点 氷舞 新宿鮫VI- 大沢在昌 2005/07/10 01:27
鮫島の弱さが滲み出た作品ですね。
シリーズも6作目となり、作者も手練手管を駆使して読者を愉しませようと意図してますが、私としてはそれがために事件を複雑にしすぎたという印象が強く、理解するのに結構頭を使い、読書中、何度も立ち止まることが多かったです(単に私の頭が悪いだけなのかもしれませんが)。
女に惑わされる鮫島は正直見たくない姿でした。

No.28 5点 炎蛹 新宿鮫V- 大沢在昌 2005/07/10 01:23
シリーズ中、最も印象に残っていないのがこの作品です。
世評では今回パートナーを組む甲屋の造形が見事とされてますが、私はストーリーの進行を妨げる狂言回しとしか思えませんでした。
日本が飢餓状態に陥るという今までにない大きなスケールの設定でしたが、どうも好きになれません。

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