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レッドキングさん
平均点: 5.32点 書評数: 1096件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.1056 6点 天使と罪の街- マイクル・コナリー 2026/04/27 22:45
ヒエロニムス・ボッシュシリーズ第十作。心臓移植した元FBI男の不審死捜査を導入に、主役ボッシュ・FBI捜査官の女・サイコ殺人鬼"詩人"、三視点で展開する大量猟奇殺人事件。主役ボッシュのニヒルにしてウェットな叙述、まるでジェフリー・ディーヴァーの如き殺人鬼の倒叙、女FBI場面のドライかつアンニュイな描写、前半のハードボイルド具合が素晴らしく、ボッシュ vs "詩人"のラストバトルも、タイトでライトで、All Right !("ディーヴァー・ツイスト"ってのは無いけどね)

No.1055 5点 剣持麗子のワンナイト推理- 新川帆立 2026/04/22 04:36
女弁護士:剣持麗子シリーズ第三弾は連作短編集。
   第一話 「家守の理由」 赤いアジサイの謎と、町の不動産屋の撲殺事件。
   第二話 「手練手管を使う者は」 ホスト給料盗難事件と、ホストクラブ刺殺事件。
   第三話 「何を思うか胸のうち」 印鑑紛失に絡む女の急死と、嫌われ者弁護士の急死事件。("イイ話"も書くのネ)
   第四話 「お月様のいるところ」 認知症老婆と絞首自殺男と「お月様」の謎。
   第五話 「ピースのつなげかた」 針殺人の輪 (諸ピース)と操りネタが全話を連結して、短編集全体で、5点。

No.1054 5点 消える魔術師の冒険- エラリイ・クイーン 2026/04/20 22:41
エラリー・クイーンラジオシナリオ作品集の第四弾。わが国独自の選集とか。
   「見えない足跡("の冒険"は略、以下同)」 模範的な足跡なき"雪密室"殺人の、鮮やかなWho・How. 8点
   「不運な男」 車両事故・銃暴発・毒死・・その都度に遺産が膨らむ相続人への疑惑・・からの・・4点
   「消える魔術師」 大金を賭けた完全な密室家屋からの不可能消失、定番にして見事。 8点
   「タクシーの男」 運転中のタクシードライバー殺しと謎の三人の美女のWhat. 5点
   「四人の殺人者」 自供のおそれある共犯者の毒殺。実行犯Whoのロジック。2点
   「赤い箱と緑の箱」 ルビー盗難事件と赤緑色盲(絵に描いた様なミステリ定番ネタ)の、犯人Who. 3点
   「十三番目のてがかり」 見世物フリーク達の毒蛇殺人と盗難事件、その見世物的な顛末。3点
                                        ・・・で、全体平均で、5点。

No.1053 7点 四つの犯罪/七つの墓場- つげ義春 2026/04/17 17:47
つげ義春の三大傑作として、「海辺の叙景」「ねじ式」「ゲンセンカン主人」をあげたい。

が、「ほんやら洞のべんさん」等 "旅物"、「義男の青春」等 "青少年物"、「無能の人」等 "漫画家物"、「夢の散歩」等 ”シュール夢物”・・それぞれに捨てがたく・・
真の愛好家ならば、「沼」「チーコ」以前の、つげがもっぱら貸本漫画家として描いていた・・ここに挙げられたような・・"ミステリ物"や"時代劇物"etcにも、同等に愛着を持つのだろうが、自分は、そこまでではないかなぁ(^^;

結局は絶筆となってしまった・・随分と前だが・・「別離」のラスト、
" 冬の淡い日射しをうけて 今にも消え入りそうな自分の影を見て ぼくは涙がとどめもなくこぼれた "
は、身にこたえる・・・

No.1052 8点 マーブル館殺人事件- アンソニー・ホロヴィッツ 2026/04/15 22:16
「カササギ」「ヨルガオ」に続く、女編集者スーザン・ライランドシリーズ第三弾。傑作「カササギ」に並ぶ以上に、勝るとも劣らない素晴らしさ。今回も「本編」事件と「作中作」の二本立て構えだが、「カササギ」の"作中作を求めて"、「ヨルガオ」の"本編解釈の鍵としての作中作"に対して、今作は「本編」「作中作」両編が、"相互反照パズル"として並立する、一作二編物。「カササギ」「ヨルガオ」では、両編平等とは言えなかったミステリとしての出来も、今回は、"両方違って両方良く"で、文句なく"一粒で二度美味しい"。

No.1051 5点 倒産続きの彼女- 新川帆立 2026/04/13 22:47
転職する度に会社が倒産する謎のOL。"彼女は誰?" "何が起きてるの?"を探る弁護士探偵団。宮部みゆき高村薫なら、このニ三倍分量の"半社会派本格"に盛るだろうところ、伊坂幸太郎道尾秀介カットのライト"新本格"に仕上がっており・・クレバーかつ器用な書き手なんだろナ。※"剣持"(つるぎ)に、"美馬玉子"(たま)ときて、次は、"鏡"(かがみ)か?

No.1050 6点 魔の淵- ヘイク・タルボット 2026/04/11 22:42
湖のほとりの雪下の山荘。オカルト降霊会と死霊と不可能消失、雰囲気はナカナカにカー。が、時計を分解して、精密な仕掛けを説明する様な、トリック解説がセセこましい。理想を言えば、トリックの解体自体、一つの"美" であってほしく**・・・
※エドワード・ホック主催(内輪遊びレベルだったらしい)の"密室(不可能)小説ベスト10"アンケートで、「三つの棺」に次いで第二位とか・・うーん、二位ねぇ(-"-)、でーもこれなら、本格「悪魔を呼び起こせ」、"変格"('_')「赤い右手」、それ以上に、わが「人狼城の恐怖」「監獄島」「密室キングダム」や島荘等の方がずぅっと・・・

**( 2026.7.8 追記 ) 「禁じられた館」を読み、"そうだよ、こうあってほしいんだよ!" と膝を打った次第で・・

No.1049 5点 無実のI- スー・グラフトン 2026/04/07 23:15
キンジーシリーズ "I"の巻。妻殺し容疑の裁判を無罪で切り抜けた被告の夫。ウサンくさ男を糾弾する民事訴訟スケっ人となるヒロイン探偵。地道な有罪証拠探しが、逆に男の無罪証明を掘り当ててしまい、ん? 正邪ドンデン転回? ・・からの・・・。相変わらず諸場面の詳細描写が見事で、アリバイトリック、ラストバトルもなかなかに。

No.1048 4点 引きこもり姉ちゃんのアルゴリズム推理- 井上真偽 2026/04/03 22:59
表紙絵から、"YA物"かとおもたが、"ジュブナイル"超えて、"お子様ミステリ"であった。
小学生向けロジック教育の趣やよし。たーだ、子供の「真のきょういく」にはネ、昔話「三枚のお札」「山姥と馬子」や、"グリム童話"、麻耶雄嵩「神様ゲーム」の魂が必要なのヨ

No.1047 4点 忙しい蜜月旅行- ドロシー・L・セイヤーズ 2026/03/29 07:02
ミステリ言うよりも、殺人事件つきコジャレた毒あるユーモア(終盤チト趣き変調)小説。英国の半可通教養人階級が喜びそうな、古典等引用句*多投セリフの偽悪的味わいも、和文翻訳通すと、なんか隔靴搔痒のイヤミに薄まりイマイチ。こっちの「貴族探偵」、あんまり愉しくないなぁ(-_-;)
*猪俣美江子って翻訳者の文中注解・・詳細にして簡潔・・が実に解りよい。

No.1046 7点 空に浮かぶ密室- トム・ミード 2026/03/26 07:18
"二十一世紀のロースン"長編第二弾。観覧車密室・魔術ショー不可能・楽屋密室・・・ぐっじょぶ!ദ്ദി(^.^) 
(観覧車のオチに至っては、もう、"英国の麻耶雄嵩"^^;)

No.1045 5点 白雪姫と五枚の絵 ぎんなみ商店街の事件簿2- 井上真偽 2026/03/23 22:34
商店街の三姉妹と四兄弟がメインの"日常の謎"系ミステリ続編。前作は、同じ三つの"事件"を、姉妹側と兄弟側から描いた、言わば「多重解釈」趣向だったが、今回は、四兄弟の亡き母が残した五枚の絵を廻る「連続見立て」展開。次々起こる四つの"事件"が、白雪姫・三匹の子豚・赤い靴・おかしの家、四枚の童話画との「見立て」で解釈解明されて行き、五枚目の雪女画ネタで、前四画含めた統一見立てへ収束し始め、改釈解釈・推理対決・転換・再転換で、Happyにエンド。

No.1044 7点 密室大集合- アンソロジー(海外編集者) 2026/03/21 21:38
密室短編の名手、エドワード・D・ホック編の、密室短編集。

 「山羊の影」(J・D・カー) 短編一編に、連結した密室三つ!・・消失2件に殺人1件・・すげえ ・9点。
 「クロワルース街の小さな家」 (G・シムノン) 作者唯一の密室もの・・らしい。4点
 「皇帝のキノコの秘密」 (J・ヤッフェ) 歴史ミステリをテキストに企図される・・うーん、"不可能"て事は・・3点
 「この世の外から」 (C・ロースン) 「爬虫類館~」との「目張り」競作とか。あっちよりも"模範的"な密室。6点
 「鏡もて見るごとく」 (H・マクロイ) 長編「暗い鏡の中に(原題は同じ)」の元版とか。どおりで既視感。5点
 「七月の雪つぶて」(E・クイーン) 列車消失もの。同じ"クイーン検察局"の「あなたのお金を倍に」の方が白眉密室。5点
 「ニュートンの卵」(P・ゴドフリー)「ゆで玉子密室」(になってない!)のHow、言うより、捻りWhy. 3点
 「三重の密室」(L・デラトーレ)"三重"て、こういう事かぁ? このトリック自体なら、乱歩の方が先駆してる。6点
 「真鍮色の密室」(I・アシモフ)悪魔(!)創作の完全密室を破る、悪魔より授けられし力(How)とは・・7点
 「火星のダイヤモンド」(P・アンダースン) ロケット密室から消えた宝石。推理するのは火星人(!)探偵"シァロック" 6点
 「子供たちが消えた日」(H・ペンティコースト)密室状態の山道から消失したスクールバス。劇的なWhy・How. 7点
 「魔術のように」(J・シモンズ)殺人現場の封鎖された桟橋から消失した刺殺犯。3点
 「不可能窃盗」(J・F・スーター)徹底監視下の密室からの"不可能窃盗"、監視者唯一の死角は・・6点
 「ストラング先生と博物館見学」(W・ブルテン)博物館展示室から消失した黄金仮面のHow.4点
 「お人よしなんてごめんだ」(M・コリンズ)密室内の容疑者の不可能射殺トリックと操りツイストWhy・What.8点
 「アローモント監獄の謎」(B・ブロンジーニ)監視下の絞死刑から消失した死刑囚のHow. 6点
 「箱の中の箱」(J・リッチー)密室内の殺害された妻と失神した夫。あまりに明白な状況からの捩れ&捩れ&・・6点
 「魔の背番号12」(J・L・ブリーン)ベンチからロッカールームへの密室状態の通路で消失したプロ野球選手. 4点
 「奇術師の妻」(J・F・ピアス)マジシャンと妻と義妹の魔術舞台消失マジックのトリック。5点
 「有蓋橋事件」(編者)「マディソン郡の橋」みたいな橋の途中で馬車ごと消失した男。雪足跡トリック付き。7点

※短編集として各点を平均してしまえば 5~6点だが、「密室」が主幹となっているので、当然オマケつき、7点!

No.1043 5点 元彼の遺言状- 新川帆立 2026/03/17 08:50
才色兼備で傲岸不遜、子供と動物に嫌われるキャラの美人弁護士がヒロイン。奇天烈な遺言を残して”病死”した元カレの事件真相をめぐる、相続殺人ミステリ変化球版。作者自身、東大卒の弁護士とかで、ヒロイン、セルフパロディ?とつい勘繰りたくなり・・もちっと戯画化したら" 女メルカトル "(-"-) ・・が、よみ進めたらラストあたりでは、"The Good" キャラなヒロインで、お話自体も爽やかに仕上がっているではないか。※またも、このサイトで楽しみなシリーズ教えられ(ベストセラーとは知らんかった)

No.1042 4点 ウィンター・ビート- サラ・パレツキー 2026/03/15 23:00
ヴィクシリーズ第十四弾。ヒロインヴィクもいまや五十路(!)。アヴァンギャルドな女アーチストの全裸ペインティング舞台を要に、民間軍事産業・ウクライナ系マフィア・イラク戦争スキャンダルねたが絡む巨悪暴露・善悪対決バトルで、シリーズ久々に"勧善懲悪"風味が濃く。※ヴィク自ら体をはったラストネタは、ホームズ女装なみに・・(^^;

No.1041 7点 死はすぐそばに- アンソニー・ホロヴィッツ 2026/03/08 04:37
ホーソーンシリーズ第五弾。前四作は、ワトソン役の作家が、探偵が解決して行く事件に立ち会い、その経緯を第一人称叙述するスタイルだったが、今回は、既に解決済み事件の経緯を、探偵から聴き取り、結果を知らされないままに、第三人称物語に仕上げて行く趣向。物語の過去章と、作家・探偵やり取りの現在章が相互に挟まれ、そのギャップが面白い・・「こんな事、実際には無かったゾ!」「んな事は解ってるが、この方がイイんだヨ」etc・・
で、一度は解決した過去の殺人事件・・ハイソ版ご近所トラブルが拗れた事件・・が、密室ネタ*と操り真相のドンデン返しへ・・と思わせて肩すかしの再ツイスト、からの、なんと、現在に侵入する、ウッと呻きの再々ツイスト・・で、複雑ビターな後味エンド。
*「三つの棺」ともかく、「斜め屋敷の犯罪」「本陣殺人事件」の書名まで出て来て、あげく、” 最高の密室物が書かれているのは、おそらく日本・・” て、うーん、そうなのか?

No.1040 4点 犬の力- ドン・ウィンズロウ 2026/03/06 18:06
「ゴッドファーザー」思い出したんでこれも。" 捜査官 vs 諸組織 vs その他諸々" の絡み合い騙し合い殺し合い etc、
ラテンカトリックの激情とメキシコの砂塵が臭い立つ様な迫力。
※にしても、村人達をチェーンソー (✹Д✹;;) で殺戮処刑しちまうエピソード、あれ、エグかったなぁ。

No.1039 5点 ゴッドファーザー- マリオ・プーヅォ 2026/03/06 18:02
コッポラの映画の方は「我が生涯の映画ベスト10 」 とまでは言わずとも、ベスト20(か30)には入る(かな)。で、この原作の方、三男マイケルが麻薬商マフィアと悪徳警部を射殺する"How”、敵黒幕と長男ソニー暗殺経緯の解明、ヴィトー死後の裏切り者"Who”てあたりをミステリ要素と評価して・・・
※映画では割愛されてる、スター歌手(フランク・シナトラ モデルとか)や、新旧二人のドン専属用心棒エピソードなんかの方が面白かったりする。

No.1038 5点 骰を振る女神- ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ 2026/03/04 18:10
待ってました!ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ、夏来健次訳! 今回は、長め中編1作と短め中編2作の3作入り。標題作以外の2作は、ミステリと言ってもいいかな。
「骰を振る女神」 悪党ジゴロ男のシュールなピカレスクと言うより半倒叙極悪譚。クリスティ「終りなき夜に生れつく」やハイスミス「リプリー」の美形青年と設定同じながら、当作主役はズッと「ムナくそ」な男。倒叙だと、その主観に読者情念も巻き込まれるものだが、ここでは、ただひたすら、因果応報エンドに拍手パチパチ。
「ピンクのダイヤモンド」 白昼街中、拳銃を乱射して逃亡する宝石強盗団。グロテスクにしてコミカルなサスペンスが、偶然居合わせた女を巻き沿いにした宝石Whereミステリに合流。
「死はわが友」 地味な銀行員の夫婦旅行休暇が、悪夢の様にシュールなバラバラ殺人サスペンスと混じり合い、驚きの捻りエンドへ。

No.1037 6点 音楽- 三島由紀夫 2026/03/02 06:00
昭和21年、東大法学部の学生だった21歳の三島由紀夫は、37歳の太宰治に会いに行った。崇拝していた森鴎外について蘊蓄を傾けた三島に、太宰は気のない対応でいなした。三島は「僕は太宰さんの文学は嫌いなんです」と言う"有名な"セリフを吐くが、太宰は隣にいた亀井勝一郎に向かって「そんなこと言ったって、こうしてここに来てるって事は、やっぱり、ボクの事、好きなんだよな」と言ったとか。

坂口安吾や大岡昇平よりも、三島こそ、ミステリ小説に力を注ぐべきだった。三島の死について、安部公房は「三島君が死んだのはねえ、何にも書くことが無くなっちゃったからなんだよ。これは小説家として何よりもつらい事だからね」と詠嘆した。

※あまり「音楽」と関係のない話になってしまった。(突然、この作品が登録されていたので、つい)

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レッドキングさん
ひとこと
ミステリは戦前の乱歩の様に 子供が親に隠れてコッソリ読むような、恥ずかしい存在でありたい。 ミステリ書きという驚異的な作業に神経を減らし 結果報われることの無いミステリ作家たちに心から崇敬を捧げます。 ...
好きな作家
ジョン・ディクスン・カー  PD・ジェイムズ  トマスH・クック  沼田まほかる
採点傾向
平均点: 5.32点   採点数: 1096件
採点の多い作家(TOP10)
アガサ・クリスティー(88)
ジョン・ディクスン・カー(55)
エラリイ・クイーン(52)
F・W・クロフツ(34)
二階堂黎人(30)
ジェフリー・ディーヴァー(28)
アーサー・コナン・ドイル(26)
カーター・ディクスン(25)
トマス・H・クック(23)
麻耶雄嵩(21)