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蟷螂の斧さん
平均点: 6.09点 書評数: 1631件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.28 6点 灰色の仮面- 折原一 2014/02/05 10:23
オリジナル版で読了。改訂版とは結末が異なるらしい。本オリジナル版は、発表当時、結末がわかりにくいとの比評が多く、改定したとのこと。現在では叙述ものを、多くの作者が手掛けており、読者も免疫ができていると思うので、それほど難しくはないのでは?との感想。暴行摩は誰?だけではなく、最初の事件の真相も明かされ、楽しめました。

No.27 4点 黒衣の女- 折原一 2014/01/06 19:19
「死の変奏曲」(1991)の改題。叙述をこねくり回してしまった印象です。犯人らしい人物をもっとミスリードしてもらえば、サスペンス感も盛りあがったような気がします。

No.26 6点 黄色館の秘密- 折原一 2013/11/26 22:33
他サイトでは、好意的な書評が多いような気がしました。ドタバタ・オチャラケ系が好みな結果?。10冊に1冊は、ユーモア系が読みたくなります。そういう意味では、黒星警部シリーズは打ってつけかも。まともなパロディを期待してはいけません(笑)。おおいに笑ったのは、島荘氏の「暗闇坂」のパロディあたりですね。米探偵作家クラブ・アンケートでの一番好きな凶器では、骨付きラム肉(ロアルド・ダール)が第1位となっています。本作は、秘宝館が舞台だけに、それに劣らないような珍凶器が登場します。それに+1点(笑)。

No.25 6点 丹波家の殺人- 折原一 2013/11/13 14:34
評価がそれほどでもないので、あまり期待はしていなかったのですが、予想以上に楽しめました。遺産相続に絡む人間模様の醜さ、何通かある遺言書の存在(中身の滑稽さ)、惨劇が最後には喜劇になってしまうあたりですね。雪密室を期待すると拍子抜けかもしれません(本作の方が1991年で先例ですが、1992年の「N」氏の作品を先に読んでいたため感動なし(苦笑))。密室より、大仕掛けなミスディレクションを楽しむほうがよいと思います。ラスト、二転三転するあたりは折原ワールドを楽しめました。特にエピローグ「ねえ、○○、何がおかしいの?」に思わずニヤリとしてしまいました。黒星警部の活躍はほとんどありません。「第一発見者、または使用人が犯人であってはならないルールがある」には笑えましたが・・・。

No.24 6点 七つの棺- 折原一 2013/10/20 19:53
あとがきにあるように「折原一の出発点」の作品。「懐かしい密室」は、その後の氏の作品(叙述ミステリー)への片鱗が覗えました。密室もののパロディですが、原作を知らなくとも楽しめました。不可能性密室では「天外消失」、推理過程を楽しめたのは「脇本陣殺人事件」、オチが良かったのは「ディクスン・カーを読んだ男たち」。初登場の黒星警部が、密室好きではあるが、まだまだおとなしい(ドタバタ調ではない)感じで描かれていました。

No.23 5点 猿島館の殺人~モンキー・パズル~- 折原一 2013/10/04 19:12
黒星警部と葉山虹子のコンビによるシリーズ。ちょっぴりお色気混じりのユーモアもので、結構好きなタイプで楽しめます。パロディなので、トリック自体にそれほど期待はしませんが・・・(笑)。「オリエント急行の殺人」が頻繁に出てきていたので、ラストはまさかとは思いましたが、違いました。(ホッ・・・)

No.22 5点 グランドマンション- 折原一 2013/08/19 18:47
2008~2013に発表された連作短編に、新たに書き下ろした「リセット」「エピローグ」を加えたもの。いつもの叙述ものが多い中で、ブラック的な要素の強いものもありました。高齢者の悪意・犯罪が、一つの読みどころかもしれません。

No.21 6点 赤い森- 折原一 2013/08/06 12:31
「樹海伝説」「鬼頭家の惨劇」に新たに書き下ろした「赤い森」を加え、加筆、訂正したもの。樹海の中の山荘にまつわる伝説は、10年前、スランプに陥った作家が、妻と子供を殺害し、その後行方不明になったというものである。さて、その真偽は?・・・・・。叙述よりも、樹海の中へ迷い込んだ感覚~小説の中に迷い込む~を楽しむほうがベターなような作品でした。オチは、ブラックで好みなものでした。

No.20 4点 黒い森- 折原一 2013/05/16 06:06
サスペンスとしては、そんな悪い出来ではない(普通に面白い)のですが、本の構成から期待したほどの結末(オチ)が得られなかったというところですね。

No.19 5点 「白鳥」の殺人- 折原一 2013/04/15 18:28
トラベル・ミステリーは、ほとんど読みませんが、作者は時刻表と「にらめっこ」したんだろうなあ、大変な労力だったんだろうなあ~というのが率直な感想ですね。

No.18 8点 鬼面村の殺人- 折原一 2013/03/29 11:19
著者の初期(1989年)の作品で、合掌造りの家消失を扱ったものでした。ドタバタ調で、得意の「叙述」はなかったですが、このような作品を書いていたことを発見でき収穫でしたね。横溝正史氏のパロディー化や、エラリー・クイーンの「神の灯火」(未読)のネタばれ(いいのかな?)もあり楽しめました。大どんでん返しのあとの一捻りもあり、満足です。

No.17 6点 101号室の女- 折原一 2013/02/08 14:44
(タイトル・女⑭)氏の作品には「叙述トリック」があることが前提となっていると思います。従って、叙述の善し悪しで「どんでん返し度」が決まる場合もあると思いますが、やはり、いかにサスペンスフルな物語であるかで評価したいと思います。お気に入りは「101号室の女」「網走まで・・・」そして「殺人計画」(叙述というよりブラックユーモアです)の3作品。

No.16 8点 異人たちの館- 折原一 2013/01/04 12:45
著者の自薦ベスト3の一冊ということで、叙述の折原らしさが発揮されていて楽しめました。リーダビリティもあり、代表作のひとつになると思います。「モノローグ」が何回も挿入されていますが、その扱い方(特に時間軸)が秀逸でした。

No.15 7点 黙の部屋- 折原一 2012/12/29 09:23
一風変わった絵画ミステリーです。実在の画家・石田黙を追う編集者と、地下室に監禁され絵を描いている男を中心に物語は展開します。「一風変わった」というのは、実存の20数点の絵(シュール)の写真が挿入されており、監禁された男の独白がその絵の解説にもなっている点です。著者の石田黙氏への熱い思いが伝わってきます。絵画好きの人なら楽しめると思います。叙述があるとわかっていながら読んでいるのですが、また今回も見事に騙されてしまいました(笑)。

No.14 4点 仮面劇- 折原一 2012/10/07 13:21
叙述トリックは、まあまあです。しかし、ストーリーがトリカブト事件になぞった保険金目当てのもので、完全犯罪には程遠く、面白みが感じられなかった。後半、話の展開がガラッと変わるのですが、サスペンス感や深みがなかったのが残念です。

No.13 6点 螺旋館の殺人- 折原一 2012/09/19 08:41
作中作ではなく、もっと凝った構成(綾辻行人氏の館物1988.08と同様の構成を意識した?)。著者自身の「倒錯のロンド」をパロディ化した感じがします。二重のどんでん返しがありますが、最後のどんでん返しはほほえましいものです。叙述のお手本みたいな作品でした。

No.12 7点 漂流者- 折原一 2012/08/15 08:18
復讐劇とサバイバルもので読みごたえがありました。氏ならこう来るのではと確信しながら読んでいるうち、やはり違っていたかと思わせたり、また途中で予想外の人物が殺害されたりし、多少混乱しました(笑)。二つの物語(野獣死すべし・そして誰もいなくなったのオマージュ)がうまく絡まっていて、良い出来だと思います。

No.11 7点 誘拐者- 折原一 2012/07/11 19:01
長編ですが、だらけることもなく謎とサスペンス感を保ちながら物語は進行しています。普通の誘拐物と違って、事件(誘拐)の20年後から物語が始まります。中年の女性(元妻、元同棲者、現同棲者、元囚人、元妻と名乗る者、記者の恋人)が入り乱れ混乱(いい意味で)させられますが、最後は時系列でスッキリさせてくれています。中年の看護婦が男性主人公(偽名を使っている)を本名で呼ぶシーン(看護婦は本名を知らないはず)があり、これは犯人が看護婦であったという伏線?と思いましたが、関係ありませんでした。ただの誤記???。

No.10 5点 水底の殺意- 折原一 2012/06/23 21:56
○○殺人の設定は面白いと思います。最初の死亡者が自殺と認定され、後半になって、もしかして生きているのでは?となりますが、これは前半から匂わせた方がサスペンス度はもっと盛り上がったような気がします。ラストについては、叙述の折原としては今一歩の出来といったところでしょうか。

No.9 5点 帝王、死すべし- 折原一 2012/05/30 07:41
さすが叙述の折原という感じです。見事に騙されました。いじめに合っている主人公に対する、いじめの張本人の言葉(ネタばれになるので書けませんが)は強烈な印象(ブラック)を残してくれました。ただ、物語の展開がやや緩慢な感じがしたのでこの評価です。

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蟷螂の斧さん
ひとこと
ミステリーは、作家中心では読んでおらず、話題作や、ネットでのお勧め作品を読んでいます。(2013.6追加~本サイトを非常に参考とさせてもらっています。現在は、読後、類似なトリック・モチーフの作品を探した...
好きな作家
ミステリー以外で「石川達三」、短編で「阿刀田高」、思想家で「荘子」
採点傾向
平均点: 6.09点   採点数: 1631件
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