皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
蟷螂の斧さん |
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平均点: 6.09点 | 書評数: 1667件 |
No.1647 | 6点 | 「本当の自分」殺人事件- 水木三甫 | 2024/08/07 15:57 |
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ロアルド・ダール氏や阿刀田高氏を読んで、同じようなものを書いてみたいと思い作家になった旨。好みが一緒なので手に取ってみました。
①のぞみの結末 6点 あなたの望みを叶えますという手紙・・・愛憎劇。阿刀田氏がよく扱うモチーフ ②時間にまつわる物語 4点 時間を拾う看護師・・・辞書の「時間」。オチが今一つ ③雲を描く男 6点 絵の才能のある少年が選んだ職業は・・・伏線。わかりやす過ぎる ④不運な殺人者 7点 「私は殺される」という手紙を受け取った主人公は、差出人を尋ねるが・・・犯人判明後。ブラックな味わい ⑤未来から来た男 5点 人は死んだ後、別世界に行く。別世界からやって来た自分そっくりな人物は・・・新興宗教。ありがちなパターン ⑥「本当の自分」殺人事件 5点 12人も同姓同名の人物が殺された・・・動機。サイコ系の方が良かったかな? ④がベスト。全体にパンチ不足と感じた。まあ、短篇の名手と言われる前記二人と比べてしまうからなあ・・・。 |
No.1646 | 6点 | 華氏451度- レイ・ブラッドベリ | 2024/08/02 23:29 |
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ディストピアを描いているが、やや物足りない感じがした。それは、国民が政府によって洗脳されているという視点・観点が弱いからだと思う。同じディストピアならば「一九八四年」(ジョージ・オーウェル・1949年)に軍配を上げたい。また、なぜ「本」が必要なのかも響いてこなかった。やはり「聖書」なのか?。「世間では過去の人の言葉を有り難がって、書物を大切にしているが、言いたい究極のものは、決して他人に言葉では伝達できないものである」(荘子)これを論破して欲しかった(笑)。まあ、本書は想像力や思考力の欠如を指摘しているので、論点が違うと言えば違うのですが・・・。 |
No.1645 | 7点 | 暗殺- 柴田哲孝 | 2024/07/26 09:58 |
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今月は、安倍元総理の三回忌、アメリカではトランプ元大統領の暗殺未遂事件が発生。歴代指導者で、日本の首相が7人、アメリカ大統領4人が暗殺されています。本作・帯より~「元総理が凶弾に倒れ、その場にいた一人の男が捕まった。日本の未来を奪った2発の弾丸。本当に“彼”が、元総理を撃ったのか?」~前半はノンフィクション風な展開で、中盤から一記者が事件を追います。巷で指摘されている(本作もその立場)「警察の現場検証は事件発生から5日後まで行われなかった。」は「現場検証」と「実況見分」との違いを明確にしていないので誤誘導の可能性が高いです(苦笑)。いづれにせよ謎が多すぎる事件。裁判が早期に開かれ、様々な疑問点を明らかにして欲しいと願うばかり。 |
No.1644 | 8点 | 13・67- 陳浩基 | 2024/07/14 19:13 |
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①黒と白のあいだの真実 8点 末期がんの名刑事・クワンは、病室で機械に繋がれていた。彼は「Yes」「No」の意思だけは伝えることができる。病室に、ロー警部と経営者殺害事件の関係者5人が集まった・・・SFチックだが、出足好調
②任侠のジレンマ 9点 ロー警部はマフィア左漢強の一掃作戦に失敗。そんな中、左漢強が経営する芸能事務所の女性歌手が殺害された・・・大がかりな罠 ③クワンのいちばん長い日 6点 硫酸バラマキ事件と脱走事件・・・犯人はここまでするかなあ? ④テミスの天秤 7点 警官が取り囲むビル。指名手配犯は逃亡しようとした。内通者がいたのだ・・・市民を巻きこんだ銃撃戦の裏 ⑤借りた場所に 5点 香港警察のイギリス調査員の息子が誘拐された・・・振り回される警察 ⑥借りた時間に 9点 雑貨屋で働く貧乏人の「私」は、隣人が爆破テロを企てていることを知る。警察に協力し推理する・・・若き時代~構図の妙 (余談)当サイトの「ランキングから探す」(海外、10件以上)のベスト100を本作でコンプしました。なお、国内はまだ未読24作品もあります。長篇、肌の合わない作者等なので、気力的にもう無理、諦めます(笑)。 |
No.1643 | 5点 | シャーロック・ホームズの帰還- アーサー・コナン・ドイル | 2024/07/01 13:03 |
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①空き家の冒険 4点 ホームズの復活。宿敵の部下との対決・・・シャーロキアンではないので悪しからず
②ノーウッドの建築業者 2点 富豪が焼死。遺産を受け取ることになった弁護士が逮捕される・・・この時代でもこのトリック(指紋ではない方)はダメでしょう ③踊る人形 7点 人文字の暗号に怯える夫人。夫が殺され・・・評価は密室と銃声。暗号は興味なし ④孤独な自転車乗り 4点 自転車に乗る美女。あとをつけ狙う男・・・恋してしまった ⑤プライアリ・スクール 5点 公爵の息子がスクールから誘拐され、教師が殺害された・・・公爵の先妻の面影 ⑥ブラック・ピーター 5点 銛で串刺しにされた元船長・・・現場の違和感 ⑦恐喝王ミルヴァートン 3点 令嬢が恐喝され・・・復讐者 ⑧六つのナポレオン像 4点 胸像が盗まれ破壊された・・・予想通りの展開(苦笑) ⑨三人の学生 4点 奨学金試験がカンニングされた・・・粘土の塊 ⑩金縁の鼻眼鏡 5点 現場にあった証拠品・・・評判ほどでもなかった ⑪スリー・クォーターの失踪 5点 大事な試合の前に選手が失踪・・・結婚と相続 ⑫アビイ屋敷 6点 夫が殺害された。夫人は縛られ、強盗が入ったと証言・・・罪を問わず ⑬第二のしみ 6点 秘密文書が盗まれた。容疑者が殺された・・・構図は⑦と同じ。ラストのユーモア「外交上の秘密」 |
No.1642 | 7点 | ブラウン神父の不信- G・K・チェスタトン | 2024/06/26 20:13 |
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なんとも読みにくい文章。原文が長文や小難しい言い回しであったとしても、短文や、平易な文章にして読み易く訳して欲しいものです。
①ブラウン神父の復活 5点 神父が暴漢に襲われた・・・宗教的なことはよくわかりません ②天の矢 6点 塔の上の部屋で矢の刺さった死体。窓は開いていた。被害者は連続殺人者に狙われていた・・・どこから矢を放ったのか ③犬のお告げ 6点 飼い主が東屋で刺殺された。飼い犬は悲しげに遠吠えをあげた・・・準密室 ④ムーン・クレサントの奇跡 6点 高層階の部屋から男が消えた。窓は開いていた・・・クリスティ氏の某作品でトリックに無理があるという書評が多かったような。本編の方が実行は更に難しい(笑) ⑤金の十字架の呪い 5点 金の十字架を手に入れた教授が謎の人物狙われ・・・犯人の目的がわかりません ⑥翼ある剣 8点 三兄弟の二人が殺された。残った一人は家にこもり身を護るが・・・雪の足跡 ⑦ダーナウェイ家の呪い 9点 旧家にやって来た婚約者は、呪われた古い肖像画にそっくりであった・・・これぞ「逆転の発想」 ⑧ギデオン・ワイズの亡霊 8点 三人の富豪が殺され、その一人が幽霊となって・・・わかりやすいが、発表された時代を考慮して |
No.1641 | 9点 | 恐怖の谷- アーサー・コナン・ドイル | 2024/06/18 11:17 |
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「緋色の研究」、「バスカヴィル家の犬」の両作品は東西ミステリーベスト100に入っていますが、読後感はイマイチであった。それにひきかえ本作にはビックリ。この時代に放された二大トリック。トリック好きにはたまらない(笑)。小難しい理屈は抜きで、楽しめる作品。よって9点献上します。 |
No.1640 | 7点 | 犯罪- フェルディナント・フォン・シーラッハ | 2024/06/05 19:56 |
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(東西ミステリーベスト100の52位)
①フェーナー氏 8点 医師フェーナーは結婚。妻は「あたしを捨てないと誓って!」と叫ぶ。彼は誓った。それから約50年、彼は最後まで約束を守ろうとした・・・ラストはどう表現したらいいのだろう ②タナタ氏の茶盌 5点 三人組が日本人の実業家の家に盗みに入り、家宝の茶碗を盗み出した・・・恐ろしき日本人(笑) ③チェロ 7点 父は姉弟を厳しく育てた。二十歳のパーティで姉はチェロを弾き、弟は楽譜をめくった。その後、弟は事故で記憶喪失となる・・・家族の運命 ④ハリネズミ 7点 9人兄弟のうち8人が犯罪者で、カリムだけは勉強ができた。兄の一人が窃盗罪で逮捕された。カリムは無罪にするため偽証する・・・似ている兄弟 ⑤幸運 6点 彼女は自分のアパートで売春。その相手が死亡した。そこへ同棲中の彼が帰宅。彼のとった行動は・・・愛ゆえ ⑥サマータイム 10点 援交していた娘がホテルで惨殺された。殺害時刻は十五時二十六分頃。援交相手である実業家が逮捕された。彼は十四時半に客室を出たという・・・題名によるミスリードにまんまと引っかかりました(笑) ⑦正当防衛 6点 男は二人の暴漢に襲われるも返り討ちにして殺害してしまう・・・過剰防衛? ⑧緑 5点 少年は羊を数頭殺していた。少年が駅まで送っていった少女が行方不明に・・・失調症 ⑨棘 6点 博物館の警備員は彫像「棘を抜く少年」の棘の行方が気になって・・・精神が壊れてゆく ⑩愛情 6点 恋人の背中にナイフで切り傷をつけた青年は動機を語らず・・・サガワ・イッセイ登場 ⑪エチオピアの男 9点 銀行強盗をして海外に逃亡した男の物語・・・再犯の理由 全編に「リンゴ」が出てきます。解説にある画家マグリットもリンゴの絵をたくさん書いています。ビートルズに影響を与えたとか。 |
No.1639 | 7点 | 闇の性- 笹沢左保 | 2024/05/28 17:05 |
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登場人物も少なく、単純な構造のサスペンスものと思っていたら大間違い。途中での予想も裏切られ、ラストで!!!。結構複雑な真相でした。それにしても、主人公(プレーボーイ)に虐げられている奥さんが「愛しているから離婚はしない」の理由がどうしても理解できなかったのですが、ラストで納得。 |
No.1638 | 4点 | こころ- 夏目漱石 | 2024/05/25 14:39 |
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「文豪たちの怪しい宴」(鯨統一郎氏)にて本作がミステリーっぽく取り上げられています。それによれば、『巷では私と先生が○○関係との説があるようだが、本作は百合小説であり、更にクライム小説だ』ということです。この説はかなり無理があるので、新解釈と言うより著者の創作といって良いでしょう。創作自体は面白かったですよ。さて、本作をミステリーとして、どう読むか?。まあ、プロバビリティの犯罪と解釈することは可能だと思いますが、かなり苦しい解釈(笑)。あとは心理ミステリー。これも苦しいかな。Kがそんなことで死ぬのか?と多くの方が考えると思いますが、現実にはありますね。余談ですが、先生の奥さんの名が「静」。子供にその名をと提案したら却下されたことを思い出しました。吉田拓郎さんの隠れた名曲「静(花酔曲)」から採ったんですが・・・ |
No.1637 | 5点 | 最後の審判の巨匠- レオ・ペルッツ | 2024/05/19 15:33 |
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「重要な先駆」とバウチャーが賞揚とありますが、前例とも言えないレベルですね。まず、ミステリーではないと著者が言っているわけですから、トリック云々の論議の対象となりません(苦笑)。谷崎潤一郎氏の某作も同様でしたが・・・。「僕は巻き込まれた悲惨な事件の一部始終を書き終えた。嘘は一言もない。省略も隠蔽もない。」から始まるのですが、途中、幻想やら、怪物が犯人だと探偵役が言い出したり、わけが分らなくなってきます。ミステリーとして期待したので、評価はこの程度。 |
No.1636 | 7点 | 蜘蛛・ミイラの花嫁- H・H・エーヴェルス | 2024/05/14 09:06 |
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①蜘蛛 9点 「乱歩の選んだベスト・ホラー」森英俊編で書評済 乱歩氏の「目羅博士」の元ネタ
②死んだユダヤ人 5点 決闘で亡くなったユダヤ人を馬車で運ぶ。長距離で運び人は飲んだくれる。死人にも飲ませる・・・ホラー ③乳を飲ませた女 8点 病気になった男は、食事を受け付けず、ただ、牛乳をという。羊の乳、樹乳も受け付けず・・・感動もの ④アルラウネと運転手 6点 運転手は暴走を強要する娘に手を焼く。退職を申し出た、その夜・・・悪者は? ⑤最高の愛 7点 バイオリニストは渡された白い包みを無造作にポケットに放り込んだ。その夜、彼は今世紀最上のバイオリン奏者となった・・・殉愛、黄色い紐 ⑥ジョン・ハミルトン・ルーウェリンの最後 7点 シベリアの奥地でマンモスと一緒に氷付けにされた女性が発見され、博物館に展示された。魅せられた画家は・・・SFチックな展開 ⑦ミイラの花嫁 6点 恋人が行方不明に・・・題名から結末はわかってしまう(苦笑) ⑧アイリーン・カータ 8点 娘は理不尽に埋葬された父親を掘り起した青年に礼も言わなかった。数年後、富豪の夫人となった彼女と偶然会うのだが、目を見つめ合うだけであった・・・男女の心理 |
No.1635 | 6点 | 名探偵なんか怖くない- 西村京太郎 | 2024/05/08 17:22 |
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読み落としかなあ?。理解不足?。残金2億5千万円はどこにあるのだろうか?。最初から○○であったらマンションは買えないし、犯人は盗む気も起こらないはず。この点、矛盾しているような気がするのですが・・・。トリックと真相は面白いので、この評価ですが、どうも腑に落ちない(苦笑)。 |
No.1634 | 5点 | 目羅博士の不思議な犯罪- 江戸川乱歩 | 2024/05/04 21:50 |
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①目羅博士の不思議な犯罪 3点 ビルの同じ部屋で連続して3人の首吊り自殺。向かい側のビルに怪しい人物が・・・着想は「蜘蛛」という短篇から借りたと言っているが、「翻案」と思います。オリジナルとの観点で
②地獄風景 7点 巨大遊園地「ジロ楽園」での殺人事件・・・「パノラマ島奇談」の再現で、絵画「快楽の園」(ボス)のようです ③恐怖王 4点 遺体にナイフで恐怖王と刻みつける・・・休載した失敗作の旨(著者) ④鬼 7点 男の許婚が殺害された。その日、男は愛人と一緒であったが、愛人はそれを否定した・・・遺体運搬方法はあるトリックからの借り物の旨(正直ですね) ⑤火縄銃 5点 トリックはポースト氏やルブラン氏に先んじていたが、西洋の実例集(ハンス・グロス氏「予審判事便覧」と思われる)から借用 ⑥殺人迷路 他作家との連作の一部で評価対象外 ⑦悪霊 5点 密室と暗号・・・未完成。構想は「スミルノ博士の日記」の犯人像のようだ。横溝正史氏にそれを指摘され、意気消沈か?。その正史氏が○○殺人事件でちゃっかり、そのトリックを利用しているが(笑) ⑧妖虫 5点 レストランで向かいの席の青眼鏡の男とその相手の会話を読唇術で読むと、それは犯罪の会話であった。美人ばかりが狙われる・・・1933年「悪霊」は中断したが、こちらは完成。怪奇エンタメ系 |
No.1633 | 5点 | 白髪鬼- 江戸川乱歩 | 2024/05/02 17:17 |
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英国作品「ヴェンデッタ(復讐)」を明治時代、黒岩涙香氏が翻案。昭和に入ってから、乱歩氏が舞台を日本に移し更に翻案。復讐がどのように行われたか?に的が絞られてしまったのが残念な点。復讐が成功するのか、失敗するのかという構成にした方がサスペンスフルになったと思います。 |
No.1632 | 6点 | スミルノ博士の日記- S・A・ドゥーセ | 2024/05/01 12:37 |
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犯人がわかっていての読書。もし犯人を知らないで読んでいたら、どんな感想になるかを考えてみました。「なんだ、ものすごくアンフェアだなあ」と思うはずです。2か所、重要な事実と異なることが、断定的に書かれていました。仄めかしとか、あやふや表現ならよかったのですが・・・。某有名作の「トリック」と比較すると、やはり落ちるとの印象。ただし、先駆的な意味では評価したいと思います。なお、読むきっかけは、江戸川乱歩氏の「悪霊」中絶に関連?していることからです。横溝正史氏、小栗虫太郎氏も「悪霊」を書いていますので、取り掛かってみたい。 |
No.1631 | 7点 | 人間腸詰―夢野久作怪奇幻想傑作選- 夢野久作 | 2024/04/24 21:31 |
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①人間腸詰 8点 あっしの洋行の土産話ですか。何なら御勘弁願いたいもんで・・・軽いノリの話がラストで反転。ゾッとします
②焦点を合わせる 6点 上海を出航した貨物船。機関長と男子留学生とのやり取りから・・・二人の意外な正体 ③空を飛ぶパラソル 6点 派手なパラソルをさした女性が列車に飛び込んだ。記者はバックの中から名刺を盗み特ダネを書く・・・関係者の反応は如何に ④眼を開く 6点 雪の山小屋に籠った作家の元へ、毎日郵便を届ける配達人が遭難・・・感謝もしない作家だったが ⑤童貞 5点 「少女地獄」で評価済 ⑥一足お先に 8点 「瓶詰の地獄」で評価済 ⑦狂人は笑う 6点 「ホホホホホ」入院している女性、「アハッハッハ」幻覚の男性・・・中国茶の蘊蓄あり ⑧キチガイ地獄 8点 記憶が戻ったので精神病院を退院したいという男・・・男の正体は?混乱必至(笑) ⑨冗談に殺す 6点 「瓶詰の地獄」で評価済 ⑩押絵の奇蹟 8点 「押絵の奇蹟」で評価済 |
No.1630 | 6点 | 悪なき殺人- コラン・ニエル | 2024/04/20 15:07 |
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題名は大事だなと思った作品。「悪なき殺人」とはいったいどういう殺人なのか?と思いながらの読書。しかし、結果は悪意はあった。原題は邦訳すれば「動物は知っている」らしい。これもちょっと意味不明(苦笑)。内容は5人の視点が描かれ、徐々に各人の繋がりや伏線が回収されていくという形式。それは楽しめた。ただし、ラストの一行はどうなんだろう?。あまり感心しない。サイコ系ならありかもと思うが・・・。 |
No.1629 | 6点 | ナポレオンの剃刀の冒険- エラリイ・クイーン | 2024/04/14 18:07 |
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①ナポレオンの剃刀(1939) 6点 列車内で宝石泥棒が殺害された。凶器はナポレオンが使用したという剃刀(贋作)。泥棒が持っているはずの宝石がなくなっていた・・・剃刀の持ち主は大学教授だが
②〈暗雲〉号(1940) 4点 遺言を書き変えるため、口述で録音中に銃殺された。被害者の資産はすべて宝石。録音の中で宝石(ジュエル)!と叫んでいた・・・ダイイングメッセージ ③悪を呼ぶ少年(1939) 4点 ウサギ肉のシチューを食べた叔母が死亡。叔母自身が作ったシチューに砒素が入っていた・・・そんな馬鹿な(化学的根拠) ④ショート氏とロング氏(1943) 5点 詐欺師の小男が自宅の中に入った。警視が踏み込むが、中には大男の使用人だけであった。小男はどこに隠れたのか?・・・冷蔵庫?(笑) ⑤呪われた洞窟(1939) 9点 洞窟内での殺人。入り口には被害者の足跡のみ・・・このトリックの嚆矢?と思われ高評価。犯人特定のロジックも秀逸 ⑥殺された蛾(1945) 7点 宿泊用キャビンの中でガス中毒死。蛾が5匹死んでいた。その様子を見て・・・蛾の習性 ⑦ブラック・シークレット(1939) 6点 古書店での盗難、贋作、殺人事件、ダイイングメッセージ(ブラック氏の秘密)・・・それぞれの犯人は? ⑧三人マクリンの事件 4点 マクリン家の三人を強請った女優が殺害された。現場には右袖が濡れているコートがあった・・・5分でエラリーが解決した問題(当時の車を知らないと解けない) |
No.1628 | 8点 | スターヴェルの悲劇- F・W・クロフツ | 2024/04/06 10:32 |
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放火、窃盗、殺人、死体消失など緻密に計算された犯罪を、フレンチ警部が地道な捜査と推理によって暴いてゆく。端から犯人を特定しての読書。こんな読み方は、ほとんどしませんがピッタンコでした(笑)。すると、作者が如何にミスリードを仕掛けているかがよくわかりました。なお、本邦作品であれば、大幅な減点対象となるアンフェアな記述がありました。しかし、翻訳ものなので、誤訳かも???。なので許容するしかないか(苦笑)。これを書いちゃあ絶対駄目でしょうというレベルです。また、巻末のミステリ談義で「フレンチ警部最大の事件」の犯人がネタバレされていました。読もうかなと思っていた作品なのででガックリ。 |