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[ 本格 ]
首のない女
グレート・マーリニ
クレイトン・ロースン 出版月: 1958年01月 平均: 5.17点 書評数: 6件

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東京創元社
1958年01月
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東京創元新社
1962年01月

原書房
2019年07月

No.6 5点 ことは 2023/09/02 22:06
読み終わって、本サイトをみたら、虫暮部さんの感想が自分の言いたいことそのままだった。
”そもそもどのような事件が進行しているのか判りづらいし、その判らなさが映えるような構造でもないし、登場人物は多いし、結末直前になって読者には知りようのない裏事情が明かされるし”。その通りだ。
他に書くとしたら、そうだな……。
まえがきで山口雅也が書いている「巧妙極まりない詐術」が、なんのことか分からなかった。「どのような事件が進行しているのか」の部分が、ホワットダニット風だからか? どこを「巧妙極まりない詐術」と思ったのだろう?

No.5 5点 虫暮部 2019/11/07 13:07
 そもそもどのような事件が進行しているのか判りづらいし、その判らなさが映えるような構造でもないし、登場人物は多いし、結末直前になって読者には知りようのない裏事情が明かされるし……不可能興味ではなくストーリー展開で引っ張る話に挑んだけれど力が及ばなかった、と言う感じ。その一方で、どうでもいいような会話が結構面白かった。

No.4 6点 2019/11/02 16:16
 この夏最初の熱波に見舞われたマンハッタン島。「世に不可能事なし」を豪語する奇術師、グレート・マーリニの〈奇術の店〉に「首のない女がほしい」という美女がやって来た。最新式の奇術装置の見本を今すぐ、たとえ相場の倍出してもいいというその女、ミルドレッド・クリスティンにマーリニは興味を持つ。彼はミルドレッドに理由を話すよう求めるが、それを断った彼女は尾行を撒くついでに「首のない女」を店から持ち去ってしまう。ガラスは破られ、デスクの文鎮の下には三枚の百ドル紙幣が置かれていた。
 マーリニは彼女の身元を推理し、ウォーターボロで野外興行中のハンナム・サーカスに目をつける。彼は相棒の作家ロス・ハートと共にサーカス会場にたどり着くが、そこで待っていたのは団長ハンナム少佐の事故死の知らせだった。だが問題の自動車事故には不自然なところが目白押しだった――
 「天井の足跡」に続く奇術師探偵グレート・マーリニものの3作目で、発表は1940年。登場人物が多いのは難ですが、話のテンポがスピーディーなのでまあよろしいかと。ミルドレッドこと少佐の娘ポーリンが「首のない女」に執着する理由が後出しなのはずるいやんと思いましたが、これが有力な手掛かりになるのが後で分かって納得。読者が半分目隠しされて進むのがいかにもこの作者らしいです。
 別口でホーマー・ガヴィガン警視の握ってる情報が手に入らないと解けないんですよねこの謎は。警視もマーリニに邪魔されたくないんで、遠慮はいらないから刑務所にブチ込んどけとか言ったりします。まあマーリニなので何のこともなく脱獄しちゃいますが。
 大詰めでは私立探偵オハロランの仮説に加え、ガヴィガン警視、ロス・ハート、そして真打ちマーリニの解説と一種の推理合戦みたいになります。とはいえ真相や推理は手堅く地味めで、他のシリーズ作品より安定感アリ。サーカス舞台のストーリーの動きが派手なんで、この二つを両輪にしてバランスを取っています。
 それにしてもホープシリーズの「小さな娘がいた」よりだいぶ前の話なのにほぼ同じ状態。サーカス団員の旅から旅への移動生活ってほんと変わらないのね。あっちは本書から60年あまり後の作品だけど。

No.3 6点 ボナンザ 2019/09/14 21:53
祝復刊。
まあ、今まで埋もれていただけある作品ではある。カーばりのバカミストリックは面白い。

No.2 5点 kanamori 2013/03/10 22:55
奇術店から大道具の”首のない女”を強引に持ち去った謎の娘を追うため、サーカス一座を訪れたマーリニと「私」は、主宰者の不審死などに続いて女性の首なし死体に遭遇する、といった奇術師探偵グレート・マーリニ登場のシリーズ第3弾。

これまでのような不可能トリックといった趣向はないものの、重要な会話の途中に横やりが入り、話が別方向に逸れて読者を焦らすような展開は、やはりカーを思わせるところがあります。怪しい人物が無駄に多く、プロットがごちゃごちゃしているため読み進めるのに辛抱が必要ですが、終盤の首なし死体に関する考察や、犯人特定のロジックはまずまずかなと思います。
なお、スチュアート・タウンと名乗る探偵小説作家が登場しますが、これは「虚空から現れた死」を書いたときのロースンの別名義でもありますね。

No.1 4点 nukkam 2009/05/28 09:59
(ネタバレなしです) ロ-スンは「帽子から飛び出した死」(1938年)の冒頭で作中人物を通して「容疑者は7人か8人まではいいが、それ以上はいけない」と主張していながら、1940年発表のマーリニシリーズ第3作である本書では数える気にならないぐらいの容疑者が登場させています。厳密にルール化できる問題ではないでしょうが自己主張を自ら破ってどうする(笑)!事件も乱発気味で何がメインの謎なんだか焦点が定まりません。ロースンにしては不可能犯罪要素が少なくてアリバイと動機調査が中心の地味な謎解きになっていて、一概に地味なのが駄目とはいいませんが本書の場合は読みにくさに拍車をかけてしまっています。


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クレイトン・ロースン
2007年07月
虚空から現れた死
平均:5.00 / 書評数:4
1995年08月
天井の足跡
平均:5.00 / 書評数:3
1959年01月
棺のない死体
平均:6.25 / 書評数:4
1958年01月
首のない女
平均:5.17 / 書評数:6
1957年01月
帽子から飛び出した死
平均:6.18 / 書評数:11